転職活動に役立つ長所一覧。選び方や効果的な伝え方も解説

転職活動では、自分の長所を効果的にアピールする必要があります。長所の見つけ方や伝え方を知っておけば、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。自己PRに使える長所一覧と、長所を効果的にアピールするコツを紹介します。

転職活動で長所を聞かれる理由

面談する女性社員

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企業は長所を通して、応募者のどのようなことを知ろうとしているのでしょうか?応募書類や面接で、長所を聞かれる理由について解説します。

自己分析できているか判断するため

応募書類や面接で企業が長所を聞く理由は、応募者がきちんと自己分析できているかを判断するためです。自分にはどのような強みがあるのか、的確に説明できるかを評価されます。

客観的な自己分析能力は、ビジネスでも求められる重要な能力です。自分の長所を発揮できるポイントが分かっている人は、どのようなシーンでも成果を出しやすくなります。

的確な自己分析ができていれば、長所だけでなく短所も把握することが可能です。応募者が入社する際にも、企業は長所・短所を把握しておくことで、より適切な人材配置ができるようになります。

求める人物像とマッチしてるか確認するため

たとえ優れた能力を持つ人材であっても、その能力が業務に必要なものでなければ、企業が採用を見送るケースもあります。応募者の長所を確認することで、企業が求める人物像に合っているか確かめる目的もあるのです。

業務内容だけでなく、職場の雰囲気に合うかどうかも、長所を通して確認されます。能力が高くても一緒には働きにくい人だと判断されれば、不採用になることもあるでしょう。

企業は、採用した人材にできるだけ長く働いてほしいと考えています。企業の定着率を高めるためにも、応募者の長所はスキル・経験と同じく重要な選考基準なのです。

そもそも長所とは

パソコンで作業をする男性

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転職活動でアピールすべき長所とは、そもそもどのようなものを指すのでしょうか?似た意味の言葉である「強み」との違いにも注意しながら、長所について理解しましょう。

自分の人柄・性格のよい点

転職活動中に長所を聞かれた場合は、自分の人柄や性格のよい点を伝えるのがポイントです。一方の強みとは、仕事で直接的に成果を出せるスキル・経験のことを指します。

例えば「誰とでも仲良くなれる性格」は、強みではなく長所です。業務を円滑に進められる効果は期待できるものの、成果に直結するかといえばそうとは限りません。

長所に該当するものとしては、「対人関係」「行動力」「仕事に対する姿勢」などが挙げられます。長所と強みを聞かれる機会がある場合は、両方を混同しないように気を付けましょう。

組織で生かせるアピールポイント

転職活動で自分の長所を伝える場合は、仕事に生かせるものを選ぶのがベストです。ただし、直接仕事に生かせなくても、組織の中で生きるものであれば問題はありません。

例えば、自分の長所を「リーダーシップがある」とする場合は、組織だけでなく仕事にも大いに生かせるでしょう。マネージャー職を目指すなら必須の能力でもあります。

一方で、自分の長所が「素直な性格」だとした場合は、仕事に直接生かせる長所とはいえません。しかし、素直な性格は謙虚な姿勢や柔軟性につながるため、企業によっては専門スキル・経験より重視されるケースもあるでしょう。

自分の長所の見つけ方

パソコンで調べ物をして勉強する男性

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自分の長所がすぐに思いつかない場合は、得意なことから考えてみましょう。過去に褒められた経験を、思い返してみるのもおすすめです。

得意なことを考える

自分の長所が何なのか分からないなら、自分が得意だと感じていることを考えてみましょう。得意なことは、長所から生み出されているケースがほとんどです。

例えば、編み物が得意で何時間でも続けられるという人は、「集中力がある」ことを長所にできます。集中力がなければ、いくら好きなこととはいえ何時間も続かないからです。

人とは違った編み物を作るのが好きなら、「チャレンジ精神がある」ことも長所にできるでしょう。このように、日常の何でもないようなことからも、長所は数多く見つかります。

過去に褒められた場面を思い出す

長所を見つける方法としては、過去に褒められたシーンを思い出してみるのもおすすめです。人に褒められるような行動の多くは、長所から発揮されていると考えられます。

褒められた経験は、仕事に関係すること以外でも構いません。自分でも気付いていなかった長所が、さまざまなシーンで発揮されている可能性があります。

例えば、家族や親戚が何十人も集まる場面でその場をうまく取り仕切り、「あなたがいたから助かった」と言われた経験があるなら、「リーダーシップ」「調整力」「面倒見がよい」などの長所が見つかるでしょう。

自分の長所が分からないときの探し方

打ち合わせをする二人の女性

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得意なことや褒められた経験からも自分の長所が見つけられないなら、周囲の人に聞いてみましょう。短所から長所を考えたり、ツールを使ったりするのも効果的です。

家族や友人など周囲の人に聞く

どうしても自分で長所を見つけられない場合は、家族や友人など周囲の人に聞いてみましょう。より客観的な視点から、自分の長所を把握できます。

聞く人の年齢層や親しさの度合いを変えてみると、家族や友人からは出てこない長所も引き出せるでしょう。自分では考えつかないような長所が見つかることもあります。

周囲の人に長所を聞く際は、理由や具体的なエピソードも併せて聞くのがおすすめです。理由やエピソードは、転職活動で長所を説明する際の参考にできます。

短所を掘り下げて長所を見つける

「長所はなかなか出てこないけれど、短所ならすぐに出てくる」という人は、短所を掘り下げて長所を見つける方法を試しましょう。短所だと思っていたことが、実は長所だったということもあるのです。

例えば「周りの目を気にしやすい」が短所だと思うのなら、「規律性がある」ことを長所にできます。ついおせっかいを焼いてしまう人は、「面倒見がよい」「コミュニケーション能力がある」が長所になるでしょう。

多くの短所は、長所に変換できます。無意識のうちに長所を短所だと思い込んでしまっているケースもあるため、改めてきちんと自己分析を行ってみましょう。

自己分析ツールを使う

さまざまな方法を試してみても長所が定まらない場合は、自己分析ツールを使ってみましょう。自己分析ツールとは、考え方や行動パターンから長所・短所を診断できるツールです。

用意された質問に答えていくだけで、簡単に自己分析を行えます。分析結果をアレンジして、自分流に仕上げることも可能です。

インターネットで検索すれば無料で使えるツールが見つかるほか、大手転職サイトでもツールを用意しているケースがあります。誰でも気軽に使えるため、長所が見つかっている人も一度試してみるとよいでしょう。

アピールする長所の選び方

資料を開いて説明する男性

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自分の長所がいくつか見つかったら、応募書類や面接で効果的に使えるものを選定しましょう。アピールする長所の選び方について解説します。

具体的なエピソードがあるか

転職活動中に長所を伝える際は、具体的なエピソードも添えるのがポイントです。「なぜ長所なのか」を経験を交えて説明することで、長所の説得力が増します。

例えば「私の長所は忍耐力があることです」とだけ伝えても、相手に与える印象は弱くなるでしょう。実際に忍耐力が発揮されたシーンを説明すれば、忍耐力があることの裏付けになります。

長所と併せて伝える具体的なエピソードは、できるだけ仕事に関係した話にするのがおすすめです。今まで働いてきた職場で、長所が発揮されたシーンを思い出してみましょう。

仕事に関連する長所か

長所に添えるエピソードだけでなく、長所自体も仕事に関連するものを選びましょう。業務で役に立たない長所を伝えても、企業側は魅力を感じてくれません。

仕事に関連する長所かどうか考える際は、応募企業や希望業務をしっかりと研究することが大切です。例えば、営業職を希望する場合は、集中力よりコミュニケーション能力の方がアピール度は高いでしょう。

仕事に関係する長所を選べば、長所と併せて伝えるエピソードについても、仕事に関係した話を作りやすくなります。

ほかの項目と矛盾がないかも確認

履歴書の性格欄には、長所・短所をセットで書くのが基本です。長所・短所は、矛盾しないように気を付けましょう。

例えば、長所を「計画性があること」、短所を「物事を深く考えずに行動してしまうこと」にすると、矛盾が生じてしまいます。深く考えずに行動してしまう傾向があるなら、計画性があるとはいえないからです。

長所とほかの項目に矛盾があると、「うそをついている項目がほかにもあるのでは?」と思われかねません。短所だけでなく、自己PRの内容とも一貫性を持たせるようにしましょう。

「性格」についての長所一覧

カフェで調べ物をする女性

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自分の性格を長所にする場合の代表例を紹介します。エピソードを交えた、それぞれの例文も併せてチェックしましょう。

素直

企業が求める素直さには、他者の意見を受け入れられる「柔軟性」や、自分のミスを認められる「謙虚さ」などが挙げられます。

素直さを長所にすれば、入社後にスキルアップして成長していける可能性を認められるため、好感度が高くなるでしょう。

【例文】

前の職場に入社した際、私以外に3人の同期がいました。指導係の先輩が私や同期より年下だったため、同期は全員嫌がっていたのですが、私は素直に先輩の指導を受けていました。

その結果、私は同期の誰よりも早く仕事を覚えられました。この経験で素直さの重要性を実感したため、常に他人のアドバイスは素直に聞き入れるようにしています。

 

忍耐力

長所を忍耐力にした場合は、「立ち向かう力」や「打たれ強さ」を認められやすくなります。仕事を最後までやり切る姿勢をイメージしてもらえたり、長く働き続ける印象も与えられたりするでしょう。

【例文】

営業職として働いていたときに、通常の倍もある発注をもらったことがあり、在庫が足りなかったため対応が厳しい状況でした。

しかし、関係各所と粘り強く交渉した結果、特別に在庫を調整してもらい、お客様の希望納期までに納品することができました。貴社でも、忍耐力を生かして貢献したいと考えています。

 

ポジティブ

ポジティブな性格の人は、何事にも最後まで諦めずに取り組めるため、仕事で成果を出しやすくなります。外交的で情緒が安定しており、状況に応じて柔軟な対応ができる点も評価されやすくなるでしょう。

【例文】

前職で大きなプロジェクトを手掛けた際、開発中に致命的なエラーが発見されて、チーム全員がプロジェクトの成功を諦めたことがありました。

しかし、リーダーを任されていた私はメンバーを鼓舞し、最後まで諦めずに取り組んだ結果、何とか完成までこぎつけました。

前向きな考えで業務に取り組むことは、さまざまなシーンでプラスになると考えています。貴社でもポジティブ思考で行動し、目標実現に向けて貢献できればと思っています。

 

明るい

明るい性格を長所にする場合は、明るさをどのような形で仕事に生かせるのかを示す必要があります。

「接客で喜ばれる」「職場の雰囲気を変えられる」「ミスをしても落ち込まずに頑張れる」「ポジティブで逆境に強い」などが考えられるでしょう。

【例文】

私は長所である明るい性格を生かすために、これまで全ての職場で接客の仕事をしてきました。明るく振る舞うだけでなく、お客様の特徴を覚えて話しかけるようにした結果、前職ではリピーターが急増し売上アップにも貢献できました。

今後はコミュニケーション能力をさらに高めて、お客様にもっと喜ばれるような人材として活躍したいと考えています。

 

冷静

冷静な性格は、いくつかのタイプに分けられます。「慎重」「落ち着いている」「周りに流されない」といったタイプが代表例です。

自分がどのタイプになるのか分析した上で、強い印象を残せるエピソードを思い出しましょう。

【例文】

私の長所は、冷静に状況を把握できることです。コールセンターのオープニングスタッフとして採用された際、レギュレーションが確立されておらず現場が混乱する中で、私は自分でいろいろと調べて大まかなルールややり方を作って仕事をしていました。

その働きぶりが上層から評価され、私の作ったものが今でもそのコールセンターでマニュアルとして使われています。

 

柔軟

柔軟性のある人は、自分の考え方に固執することなく、さまざまなことを取り入れて新しいアイデアを生み出せる特徴を持ちます。イレギュラーなシーンで臨機応変に対応できることもメリットです。

【例文】

前の会社が運営するECサイトの担当を任されていたとき、売上の伸び悩みが課題となっていた時期がありました。前任者がエンジニアだったため、運用管理のしやすさを重視した設計に問題があると私は判断しました。

そこでほかのECサイトを100個近く分析し、よいと思う部分を柔軟に取り入れた結果、売上の15%アップを達成しました。貴社でも柔軟性を発揮して貢献できればと考えています。

 

「対人関係」についての長所一覧

笑顔でミーティングをする人たち

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対人関係に関する主な長所としては、「協調性」「コミュニケーション能力」「調整力」「面倒見がよい」が挙げられます。それぞれのポイントと例文を見ていきましょう。

協調性

協調性は、周囲との調和を重視していることをアピールできる長所です。ルールを重んじるタイプの企業や、昔からのやり方にこだわるタイプの企業で評価が上がるでしょう。「主体性がない」「消極的」と思われることもあるため注意が必要です。

【例文】

前職で一般事務の仕事をしていたときには、周囲とコミュニケーションを取る際、相手が求めていることや相手の仕事の仕方を考えるようにしていました。

個々に合わせたサポートを心掛けた結果、スムーズに仕事ができるようになったと周囲に喜ばれました。協調性と併せて、積極性も発揮できるように努力していこうと思っています。

 

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、双方向の対話を上手に進められる能力のことです。「聞いて理解する力」「うまく伝える力」「相手に好感を与える力」に分けて考えるとアピールしやすいでしょう。

「コミュニケーション能力=社交力」ではない点に注意が必要です。

【例文】

前職ではコミュニケーション能力を評価され、オフィスの案内係を任されていました。常に丁寧な案内を心掛けて業務に取り組んだ結果、多くのお客様から感謝の声が届くようになりました。

貴社でも私の得意とする「正確に分かりやすく伝える力」を発揮し、業績アップに貢献したいと考えております。

 

調整力

調整力のある人は、部署やチームをバランスよくまとめられます。不穏な空気を素早く察知して、不和を取り除ける点も魅力です。将来的にチームリーダーやサブリーダーとしての活躍を期待されるでしょう。

【例文】

私はチームのメンバーが対立したとき、すぐに仲裁に入るよう心掛けています。前職でもチームの団結力アップに努め、個々と面談しながら信頼関係を築いてきました。

その結果、リーダーである私に自ら進んで協力してくれるメンバーが増え、プロジェクトも円滑に進められるようになりました。チームをまとめる調整力の高さが私の長所です。

 

面倒見がよい

面倒見がよいことが長所の場合、相手の立場に立って思いやれることをアピールできます。周囲からの信頼を得やすい点や、周囲を優先的に考えられる点も評価されるでしょう。

ただし、面倒見がよい人は自分のことをおろそかにしがちなため、説明時に注意が必要です。

【例文】

私の長所は面倒見がよいことです。前職では困っている後輩を積極的にサポートしていました。答えを教えずにヒントだけを提示していたのですが、ヒントの的確さでも評価を得ていました。

一方で、ヘルプに入りすぎて自分の業務がおろそかになることも多かったため、今後はバランスを考えて自分の業務が滞らないように工夫をしていこうと考えています。

 

「行動力」についての長所一覧

仕事をするスーツの女性

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行動力の高さを長所にする場合は、以下に挙げる3つに分けられるでしょう。各長所のポイントと、応募書類で使える例文を紹介します。

フットワークが軽い

チャレンジ精神が旺盛な人や柔軟な対応力がある人は、フットワークの軽さを長所にするとよいでしょう。フットワークが軽い人は、丁寧さに欠ける印象を与えやすいため、スピード感のみのアピールで終わらないようにすることが重要です。

【例文】

新卒で入社した会社の研修でグループワークが行われたときに、フットワークの軽さを生かして、初日に資料集めと情報共有を全て終わらせました。

成果物のクオリティーが上がりきらなかったため、最優秀賞はもらえませんでしたが、チームに一体感が生まれたことを高く評価されました。これからは、時間的な余裕が生まれたときに、質の追及にもこだわりたいと思っています。

 

実行力がある

実行力とは、段取りを整えて業務を遂行できる能力です。とにかく動き出す能力を意味する行動力を、より限定的に示した長所だといえます。ビジネスのあらゆるシーンで求められる能力です。

【例文】

前職でレジ打ちの仕事をしていたとき、「入口にカゴがないことがある」とのクレームを何度か受けました。それまでは、誰がカゴを戻すのかに関してのルールが曖昧でした。

私は、従業員の中で誰がいつカゴを戻せば効率的になるかを考え、ルール化して店長に提案した結果、今でもそのルールが適用されています。実行力を発揮できたことは今でも自信につながっています。

 

チャレンジ精神

チャレンジ精神を長所としてアピールする場合は、言い換え表現を使うのがおすすめです。細かいニュアンスの違いで言葉を変えれば、応募先企業に合わせて適切なアピールができるでしょう。

チャレンジ精神の言い換え表現としては、「好奇心旺盛」「積極的」「向上心がある」「成長意欲が高い」「勉強熱心」などが挙げられます。

【例文】

私の長所はチャレンジ精神があることです。好奇心旺盛な面があり、前職では自分がよいと感じたアイデアを、次々と会社に提案し続けていました。

そのうちのいくつかは実際に採用され、商品化に至ったケースもあります。貴社でも、好奇心旺盛な面をプラスの方向に生かして貢献できればと考えています。

 

「仕事に取り組む姿勢」についての長所一覧

パソコンで作業をする女性

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仕事に取り組む姿勢を長所にする場合は、「達成意欲がある」「集中力がある」「観察力がある」に分けるとよいでしょう。各長所の特徴と例文を紹介します。

達成意欲がある

達成意欲が高い人は、とにかく物事を成し遂げることにこだわるため、モチベーションを高く保てます。常に目標意識を持っていることや、向上心が高いことも魅力です。

【例文】

過去に在籍していた職場では、営業職として数値目標の達成だけでなく、顧客満足の向上にもこだわっていました。

お客様の自宅を足しげく訪問して丁寧に商品説明を繰り返した結果、数値目標の達成のみならず、口コミで新規顧客を増やすことにもつながりました。今後も、達成意欲の高い営業でありたいと考えています。

 

集中力がある

集中力とは、1つの作業に没頭して取り組める能力のことです。事務職やエンジニアへの転職時にアピールできる長所だといえます。

【例文】

私はこれまで一貫して経理畑を歩んできました。経理は基本的にミスが許されない業種であり、今まで大きなミスを一度も犯したことがありません。

目の前の業務に集中して取り組めていることが、大きなミスにつながる前に防げている要因だと考えています。ゾーンに入ったときの集中力の高さは、誰にも負けない自信があります。

 

観察力がある

観察力には、「自己観察力」「状況観察力」「人間観察力」の3種類があり、転職活動時の長所として使えるのは自己観察力と状況観察力です。観察力を長所にする場合は、行動力があることも併せて伝えましょう。

【例文】

私の長所は、自己観察力が高いことです。以前厨房でアルバイトをしていたとき、注文が増えて忙しくなったら簡単にできる料理から手を付けていたため、お客様に迷惑をかけてしまうことが多々ありました。

改めて自分の行動を見直し、常に優先順位を決めて動くようにしたところ、スムーズに仕事が進むようになったのです。今後も、仕事のあらゆるシーンで自己観察力を発揮していきたいと考えています。

 

「マネジメント」についての長所一覧

通話する男性社員

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転職後にチームリーダーや管理職を目指したいなら、マネジメントについての長所をアピールしましょう。主な種類の特徴を紹介します。

リーダーシップ

リーダーシップを長所とする場合は、リーダーとしての経験だけでなく、リーダーとしての資質を具体的に伝えるのがポイントです。

「重要な決断を下せる」「チームとして成果を出せる」「チームの方向性を決められる」といった資質をアピールしましょう。

【例文】

私がリーダーを担当していた部署が他部署と連携するようになったとき、事務処理のスピードが極端に遅くなったことがありました。調査した結果、部署間のコミュニケーションが不足していたことが原因でした。

他部署のリーダーや経営陣と相談し、コミュニケーションツールの導入を提案した結果、導入後に意思疎通がスムーズになり、事務処理のスピードが上がりました。

 

計画性

計画性があることを長所にすれば、限られた時間で効率的にチームの業務を進められる能力を示せるでしょう。自己管理やリスク管理を、きちんと行えることもアピールできます。

【例文】

私の長所は計画性があることです。前の職場では複数の業務を同時に進めることが多く、常にスケジュールを確認しながら優先順位を決めて仕事に取り組んでいました。

これまで、自分の責任で納期に遅れたことは一度もありません。社内外からも「仕事が早くて助かる」との声を多数いただきました。

 

責任感

チームリーダーとして欠かせない要素が、責任感です。責任感があるリーダーは、メンバーの失敗も、自分の現状把握やメンバーの育成に問題があったと考えます。

【例文】

前職ではチームのリーダーを任されていました。少数のメンバーで回していたチームでしたが、出産や離職などによりメンバーが入れ替わることも珍しくありませんでした。

しかし、引き継ぎが不十分で業務が滞ることも多かったため、体制の見直しを図ったことがあります。

業務効率化ツールを導入した結果、タスクの進捗状況が分かりやすくなり、メンバーが入れ替わっても業務に支障をきたさないチームになりました。貴社でも責任感を発揮して、業績アップに貢献できればと考えています。

 

応募書類への長所の書き方

履歴書とペン

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応募書類に長所を書く際のポイントを解説します。採用担当者に好印象を与えられる書き方を覚えましょう。

伝える長所は1つに絞る

自分の長所を数多く見つけられたとしても、複数の長所を応募書類に書くのはNGです。アピールする長所は1つに絞りましょう。

長所を2つ以上記載してしまうと、各長所のインパクトが弱くなってしまい、採用担当者に強い印象を残せなくなります。長所の数に合わせて、エピソードも1つに絞らなければなりません。

長所は数で勝負するのではなく、最も強くアピールできるものやインパクトの強いエピソードがあるものに絞るのがおすすめです。長所を1つに決めたら深掘りし、より強い印象を与えられるようにしましょう。

裏付けとなるエピソードも書く

長所を書く際は、裏付けとなるエピソードが必要です。「私の長所は真面目なことです」のように長所だけを書いても、本当に応募者がその長所を備えているのかどうか分かりません。

具体的なエピソードを添え、実際に長所が発揮されたことを裏付けましょう。エピソードは、学生時代やプライベートのものではなく、仕事や職場で生かせるものを書くのがおすすめです。

業務や組織で長所が発揮されたエピソードなら、採用担当者も長所が武器となることをイメージしやすくなります。

企業の求める人物像を意識する

人材を求めている企業は、理想の人物像をイメージして採用を決めています。企業の求める人物像に近いほど、採用されやすくなるのです。

長所を決める際は、企業が理想とする人物像を意識した長所を選ぶ必要があります。企業や職種についてリサーチし、業務で効果を発揮できそうな長所にしましょう。

例えば、チームでの仕事が多いなら「協調性」、事務職の場合は「集中力」を選ぶのがおすすめです。なお、自分の長所ではないものを選ぶと入社後に苦労するため、うそはつかないようにしましょう。

面接での長所の伝え方

面接の風景

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面接で自分の長所をアピールするときは、以下に挙げることに注意しましょう。ポイントを押さえておけば、採用担当者に好印象を与えやすくなります。

結論・根拠・結果の順で話す

面接で長所を伝える際は、結論・根拠・結果の順に話しましょう。結論は「長所」、根拠は「エピソード」、結果は「仕事への生かし方」です。

結論は簡単に伝えても構いませんが、根拠となるエピソードはできるだけ具体性を持たせる必要があります。仕事への生かし方は、エピソードの延長になることが多いでしょう。

結論・根拠・結果の順に話せば、採用担当者が長所についてイメージしやすくなるほか、伝える能力のアピールにもつながります。長所を決めたら文章を紙に書き、正しい順序で話せるように繰り返し練習しておきましょう。

1分程度で簡潔にまとめる

面接は、採用担当者と対話を行う場です。あらゆる質問においても、回答が独演会のようになることは避けなければなりません。

長所を伝える場合も同様です。どれだけ立派な内容を準備できたとしても、長々と話してしまうと評価を落とす恐れがあります。

長所のアピールは、1分程度で簡潔にまとめましょう。本番で時間を調節するのは難しいため、事前に1分程度で終わる文章を作成しておく必要があります。

履歴書の内容をもとに説明を加える

面接で伝える長所は、履歴書に書いた内容と同じになっても構いません。むしろ履歴書と違う長所をアピールしてしまうと、一貫性がないとみなされる恐れがあります。

履歴書に書いた内容をそのまま棒読みするのではなく、履歴書の内容をもとに説明を加えて伝えるのがおすすめです。話の筋は変えないようにしましょう。

履歴書の性格欄はスペースが限られているため、書きたい内容が書けないこともあります。履歴書で伝えられなかった内容を、補足として面接時に述べるとよいでしょう。

転職の場面では使えない長所の代表例

男性社員

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自分では長所だと思っていても、転職活動では使えないものもあります。どのような長所が使えないのかを確認しておきましょう。

仕事に全く関連性がない長所

長所は強みとは異なるため、仕事に直接役立つものではなくても、組織で役立てられるものなら長所として使えます。性格や行動力に関する長所が代表例です。

しかし、仕事でも組織でも全く生かせない長所は、転職の場面では使えません。応募先企業の業種にはよりますが、「運動神経が高い」「料理が得意」「人一倍両親思い」といったものが例です。

これらのような的外れな長所を書いてしまうと、人としての理解力やコミュニケーション能力が疑われてしまい、採用される可能性は一気に低くなるでしょう。

客観的な根拠がない長所

応募書類や面接でアピールする長所には、根拠となるエピソードを添える必要があります。エピソードを書く理由は、長所に客観的な裏付けを与えるためです。

エピソードが全く思いつかない長所は客観的な根拠を示せないため、転職の場面では使わないようにしましょう。そもそもエピソードがない長所は、長所だと思い込んでいるだけの可能性もあります。

また、古すぎるエピソードしかない場合も使わない方が無難です。「社会人になって、気付きを得るようなことを何も体験していないのか」と思われてしまう恐れがあります。

長所を具体的にアピールしよう!

面接をしている笑顔の女性

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転職活動で長所をアピールする場合は、客観的な根拠を示すために具体的なエピソードを添えることが重要です。仕事に関連する長所を選べば、採用担当者に強い印象を残せます。

長所にはさまざまな種類がありますが、応募書類や面接で伝える長所は1つに絞るのがポイントです。長所ごとの特徴を理解し、自分を最大限にアピールできる長所を選びましょう。

小寺良二
【監修者】All About キャリアカウンセラー/起業・経営ガイド小寺良二

若者の就職支援を専門とするキャリアカウンセラー。アメリカの大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し100社以上の新卒・中途採用のコンサルティングを経験。独立後は採用と就職活動の双方を知る「若者就職支援のプロ」として官公庁や人材企業の若年就労支援プロジェクトに携わる。全国の大学で教員やキャリアカウンセラー向けの研修を行うなど、若者支援者の養成にも力を入れている。
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著書:
美文字履歴書の書き方&マナー