転職面接の日程調整にお礼する方法は。基本のマナーをチェック

転職活動中には、メールで面接の日程を調整する機会があります。面接に臨むために日程を調整してもらった場合は、どのようにお礼を伝えればよいのでしょう。メールでやりとりする流れや、基本的なマナーなどを紹介します。

メールによる面接日程調整の流れ

タイピングをする女性

(出典) photo-ac.com

書類選考を通過すると、応募先の企業から面接日に関する連絡が届きます。面接日を決めるためのやりとりの流れを見ていきましょう。

日程調整メールへ返信する

採用担当者から面接の日時を決める案内が届き次第、返信して具体的な日程を決定しましょう。ほかの応募先の面接や、現職の予定と重複しない日時を設定しなければなりません。

本文では連絡をもらったことに対するお礼を伝え、案内された日程の中から希望日を提示します。

【例】

件名:Re:面接日程の調整につきまして(もとの件名)

本文:

株式会社○○ 人事部 ○○様

お世話になります。
貴社の求人に応募いたしました(氏名)と申します。

 

面接の日程をご連絡いただき、誠にありがとうございます。
それでは、以下の日時に貴社に伺います。

 

○月○日○曜日 ○○時

 

お忙しい中、恐れ入りますが何卒よろしくお願い申し上げます。

(署名)

 

候補日を確認し希望を連絡

面接の日程を調整する際は、企業の採用担当者から複数の候補日が送られてきて、応募者がその中から都合のよい日時を選択して返信するパターンや、都合のよい日時を知らせるように指示されるパターンなどがあります。

企業から面接の候補日が送られてきたら、スケジュールを確認後に希望日を伝えましょう。返信する際、担当者が誰とどんなやりとりをしていたのかを分かりやすくするために、メールの件名は変更せずに送信します。

お互いの認識に齟齬が生まれないように、相手からのメールの本文にある日時を引用して連絡しましょう。応募先から送られてきた面接日の候補が全て都合が悪い場合は、こちらから希望日を提案する流れです。

提示された日程の都合が悪い場合

転職活動中は、現職のスケジュールやほかの応募先との兼ね合いで、スケジュールが立て込みがちです。提示された日時に動けない場合は、こちらから都合のよい日時を知らせて調整してもらわなければなりません。

何度もメールのやりとりが発生し迷惑をかける事態にならないように、候補日を多めに提示することをおすすめします。

【例】

件名:Re:面接日程の調整につきまして(もとの件名)

本文:

株式会社○○ 人事部 ○○様

お世話になります。

貴社の求人に応募いたしました(氏名)と申します。

 

面接の機会を設けていただき、誠にありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、在職中のため、ご連絡いただいた日程でお伺いするのが困難です。

大変恐縮ですが、以下の日程の中から設定していただけないでしょうか。

 

1.○月○日○曜日 終日
2.○月○日○曜日 13:00以降
3.○月○日○曜日 9:00~12:00
4.○月○日○曜日 15:00以降

 

こちらの都合で、大変申し訳ございません。
ご検討いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

(署名)

 

転職面接の日程調整にお礼はすべき?

スマホを打っている女性

(出典) photo-ac.com

面接の日程を調整するのは、採用担当者がやるべき仕事の1つです。面接の日程を調整してもらった後にお礼はすべきなのか、見ていきましょう。

日程の確認とともにお礼をすべき

面接の日程調整をしてもらったら、お礼を伝えましょう。ビジネス上の付き合いで何かをしてもらった場合、社会人としてお礼の一言があってしかるべきです。

面接日が決定したと知らせるメールが来たら、返信で面接日の決定を承知したと伝えると同時に、手間を取ってくれたことに対する感謝を伝えましょう。

感謝が足りなかったからといって面接の結果に響く可能性は低いですが、自分の都合を優先して当然という態度では、人間性を疑われる原因になります。

日程調整のお礼メールの基本

スマホでメールを打つ女性

(出典) photo-ac.com

面接の日程調整をしてもらったことに対するお礼のメールは、どのように書けばよいのでしょう。お礼を伝える際の基本を紹介します。

日程確認の返信にまとめる

お礼に対するメールを新たに出すと、担当者が何度もメールを確認しなければならず余計な手間がかかるので、面接日の確認と同時にお礼を伝えるのがポイントです。

「お忙しい中、面接の日程を調整いただき、誠にありがとうございます」といった一文を加えるだけで構いません。

決定した「日時」と「面接の開催場所」を本文に加え、お互いの認識を共有します。最後は「引き続きよろしくお願いいたします」や「当日は何卒よろしくお願いいたします」などの言葉で締めましょう。

宛名は担当者または会社名

宛名には、担当者の名前や会社名を入れます。会社名は、省略せずに正式名称を書きましょう。一般的に浸透している社名と、正式名称が異なる場合があるので注意が必要です。

宛名を書く順番は「会社名」「部署名」「担当者名」です。部署名も省略せずに書きます。担当者名の後には「様」を付けましょう。

担当者名がなく、人事部宛てでメールのやりとりをしている場合には「株式会社○○ 人事部御中」と記載します。個人名以外には「様」は使わず、「御中」を使いましょう。

担当者の名前がはっきりしていない場合、「株式会社○○ 人事部 採用ご担当者様」としても構いません。担当者の名前が明らかになっている場合は、必ず担当者名を記載し、誰に宛てたメールなのか分かるようにしましょう。

お礼メールの文例

採用担当者に面接の日程の調整をしてもらったことに対する、お礼のメールの文例を見ていきましょう。

【例】

件名:Re:面接日程の調整につきまして(もとの件名)

本文:

株式会社○○ 人事部 ○○様

お世話になっております。
貴社の求人に応募いたしました(氏名)と申します。


ご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご提示いただいた日程にて、貴社に伺います。

 

日時:○月○日○曜日 ○時~○時
場所:株式会社○○ 2F会議室

 

お忙しい中、面接の日程を調整いただき、誠にありがとうございます。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。

(署名)

 

確定後に日程調整をお願いする場合

スケジュール帳とスマホ

(出典) photo-ac.com

やむを得ない事情で、面接日が確定した後に、日時を変更してもらわなければならない場合もあります。面接日時の確定後に日程の調整をお願いする際のマナーや例文を見ていきましょう。

予定変更が分かった時点ですぐに連絡する

面接日が確定した後にやむを得ない事情で日時を変更してもらいたい場合は、予定変更の必要性が分かった段階で、できるだけ速やかに変更のお願いをしましょう。

当日までにまだ十分な余裕があり緊急でない場合は、やりとりを文面で残すためにメールを送ります。

約束した日時に行けないことに対するお詫びと、面接に行けない理由を簡潔に本文に記載した後、来訪が可能な日程を提示しましょう。

日程変更を依頼する場合の例文

日程変更を依頼する際は、話がスムーズに進むように、日時の候補を多めに出すのがマナーです。

【例】

件名:【氏名】面接の日程調整のお願い

本文:

株式会社○○ 人事部 ○○様

お世話になっております。
先日、面接のご連絡をいただきました(氏名)と申します。


面接の日程変更をお願いできないかと思い、ご連絡差し上げました。

急なトラブル対応が入り、お約束していた○月○日○時に伺えなくなってしまいました。
誠に申し訳ございません。

 

身勝手なお願いで大変恐縮ではございますが、下記の日程への変更をご検討いただけないでしょうか。

 

1.○月○日○曜日 終日
2.○月○日○曜日 14:00以降
3.○月○日○曜日 9:00~12:00
4.○月○日○曜日 終日

 

大変お手数をおかけし、誠に申し訳ございません。
何卒よろしくお願い申し上げます。

(署名)

 

前日や当日など緊急時は電話で

採用担当者は、メールが届いてもすぐに確認できるとは限りません。偶然、相手がメールを見落としてしまうリスクもあります。

連絡が届かなければ、無断欠席したと思われるでしょう。面接当日まで時間がない場合は、担当者に直接電話で知らせた方が安心です。

当日、急な体調不良や交通事情などにより、時間通りの到着が難しくなったケースなどが緊急時に該当します。電話での連絡後にメールで改めてお詫びの気持ちを伝え、日程を調整してもらいましょう。

日程調整後に選考を辞退する場合

スマホを打つ男性

(出典) photo-ac.com

面接に臨む前に選考を辞退したい場合は、どのように伝えればよいのでしょう。採用担当者に伝えるタイミングや、メールの書き方などを紹介します。

選考辞退を決意した段階で連絡

転職活動中は、複数の会社の選考を同時並行で進めるケースも珍しくありません。希望の会社への内定が決定し、面接を辞退したい場合の対処法を見ていきましょう。

選考を辞退する場合は、相手に迷惑をかけないように選考辞退を決意した段階で、速やかに連絡します。

「直前になってから断ろう」と考えると、面接の準備や当日のために時間を作ってくれた企業側の苦労が無駄になってしまうので、できるだけ早く連絡した方が親切です。

選考辞退メールの例文

辞退に関する詳しい理由は述べず「検討の結果」「諸般の事情により」などと、ぼかして伝えて構いません。もし辞退理由を聞かれた場合は、率直な辞退理由を伝えましょう。

【例】

件名:【氏名】面接辞退のご連絡

本文:

株式会社○○ 人事部 ○○様

お世話になっております。

先日、面接のご連絡をいただきました(氏名)と申します。

 

○月○日○時の面接に伺うお約束をしておりましたが、諸般の事情により、この度の選考を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。

お忙しい中、面接の日程を調整していただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。
身勝手ながら、何卒ご容赦いただきたく、お願い申し上げます。

 

また、メールでのご連絡となりましたことを、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

(署名)

 

転職の応募先にメールを送る際の基本マナー

パソコンを打つ手元

(出典) photo-ac.com

応募先にメールを送る際は、ビジネスメールであることを意識しなければなりません。応募先にメールを送る際の、基本的なマナーを見ていきましょう。

新規作成なら件名を分かりやすく書く

面接日の確定後に、用事ができて調整を依頼する際や選考辞退を連絡する際は、用件が分かりやすく伝わる「件名」にします。誰からのメールなのかが分かるように、氏名も書くのがポイントです。

採用担当者は多くの応募者とやりとりをするので、誰からの何に関する連絡なのか、件名を見ただけで分かるようにしておきましょう。

面接日程の調整に対する返信では「Re:」を消さずにやりとりします。件名を変えてしまうと、何に対しての返信だったのか分からなくなってしまうので、注意しましょう。

内容は簡潔にまとめる

面接の日程調整のやりとりでは、内容を簡潔にまとめます。簡単なあいさつやお礼を述べた後、すぐに本題を書き出すことが大事です。

なかなか用件を切り出せない状態だと、採用担当者は応募者が何を伝えようとしているのかを理解するまでに時間がかかってしまいます。日程調整への返信だけでなく、日時の変更や辞退などを申し出る際も同様です。

宛先・件名・宛名を正しく記載し本文を書き終えたら、最後に必ず署名を付けます。署名がないと、企業から電話連絡をしたいときなどに調べる手間をかけさせてしまうので、忘れないようにしましょう。

署名は氏名・住所・電話番号・メールアドレスのほかに、連絡を取りやすい日時なども簡潔に書いておくと丁寧です。

原則24時間以内に返信する

採用担当者から届いたメールには、24時間以内の返信を心がけます。返信が遅いと面接の日程をスムーズに決められません。

面接の日程を調整するため、仕事やプライベートのスケジュールを念入りに確認するのは大事ですが、あまりにも待たせすぎてしまうと失礼にあたります。

こちらから面接をしてもらえるようにお願いしている立場であることを、忘れないようにしましょう。度を超えて返信が遅いと、面接の機会を逃してしまうリスクもあります。

正しい敬語を使う

面接の日程調整をしてもらう際や、お礼を伝える際は「ビジネスメール」だという点を忘れないように、正しい敬語を使用しましょう。

面接に関する企業とのメールのやりとりで使用する頻度が高い敬語だけでも、使い方をチェックすることをおすすめします。

「了解しました」は丁寧な表現に思えますが、同じ立場の人同士や上司が部下などに対して使う言葉なので「承知いたしました」を使うのが正解です。また「面接に行きます」ではなく、「面接に伺います」が正しい敬語表現といえます。

初めてメールのやりとりをする際は、「お世話になります」というあいさつから始めるのが定番です。やりとりが始まってからは、冒頭に「(いつも)お世話になっております」と加えます。

「お世話様です」は「ご苦労様です」と同様の意味で使うので、同僚や目下の人以外には使用しない表現です。誤って使わないように注意しましょう。

日程調整のお礼はマナーを守って伝えよう

スマホを操作するスーツの女性

(出典) photo-ac.com

面接の日程を調整してもらったお礼は、面接日が確定したときに内容を確認した旨を伝えるメールの中に書きます。別途お礼のメールを出す必要はなく、採用担当者に負担をかけないようにするのがマナーです。

面接日の確定後に日程を調整してもらう必要が出てきた場合は、採用担当者にメールを送りますが、面接の前日や当日に予定変更してもらう場合は電話で伝えましょう。

本文の内容は簡潔にまとめ、メールを新規に作成する際は分かりやすい件名にするなどのマナーを守ることが大事です。