履歴書の交通機関の書き方は?特殊なケースや選考への影響も解説

履歴書の通勤時間欄の書き方がわからず困っていませんか?自宅から会社まで遠いと、選考に不利になるのではないかと心配な人もいるでしょう。履歴書の通勤時間欄の正しい書き方や、面接への影響を解説します。社会人としてのマナーを身につけましょう。

履歴書の通勤時間欄の書き方

履歴書と封筒とペン

(出典) photo-ac.com

履歴書の通勤時間欄と利用する交通機関の正しい書き方を解説します。正確な情報を記載することがポイントです。

最短ルートでのドアtoドアの所要時間を書く

通勤時間は、片道の最短ルートでのドアtoドアの所要時間を5分単位で書きます。ルートが複数ある場合や日によって通勤手段を変える場合も、最短ルートの所要時間を記入するのが原則です。

「37分」「52分」など端数が発生した場合は、切り上げか切り捨てをしましょう。1分単位で細かく書く必要はありませんが、ざっくりとしすぎるのはNGです。

なお、渋滞や交通機関の遅延を考慮する必要はありません。予定通りに到着する場合の所要時間を書きましょう。

交通機関は電車を優先する

複数の交通機関を使える場合、どの手段でも通勤時間があまり変わらないのであれば電車を優先して書きましょう。

電車は車やバスに比べ遅延する確率が低く、正確な通勤時間を把握しやすいためです。ただし、新幹線や有料の特急は選択肢から外します。

バスが一番早い場合は、バスを使った際の所要時間を書いて問題ありません。スペースに余裕があるなら、複数の通勤手段を書いてもOKです。

利用する交通機関を記載する

所要時間を記入したら、通勤時間欄の空きスペースに「電車(〇〇線)」「バス」と記載しましょう。

電車の場合は路線名まで書くと、採用担当者が具体的にどのように通勤するのかをイメージできるため、丁寧な印象を与えられます。

電車とバスどちらも使う場合は、それぞれの所要時間を書くとよいでしょう。見る人にとってわかりやすい書類にするのがポイントです。

イレギュラーなケースにおける書き方

改札

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特殊なケースにおいて、どのように通勤時間欄を記載すればよいかを解説します。状況が正確に伝わるよう記載することが大切です。

勤務地がまだわからない場合

応募先企業によって、選考を受ける時点では勤務地が未定ということもあるでしょう。そうしたケースでは、自宅から一番近い事務所までの通勤経路を記載するのが無難です。勤務地に複数の候補がある場合は、それぞれの通勤経路を記載しても構いません。

希望の勤務地がある場合は、本人希望欄にその旨を記載します。希望の勤務地までの通勤経路も書いておくと、より丁寧です。勤務地が希望と違ってもよい場合は、面接のときにその旨を伝えましょう。

転居することが決まっている場合

応募時点で転居が決まっているのであれば、現住所と新住所両方からの通勤経路を記載します。新住所からの経路は備考欄や連絡欄に記載しましょう。経路の前か後に(◯月◯日転居予定の新住所より)と書き加えます。

スペースに余裕がないときは、現住所を優先して書き、転居が決まっている旨を記載しましょう。

現時点では転居が決まっておらず、採用確定後に転居をする場合は現住所からの通勤経路を記入して構いません。現住所からの通勤時間と、採用が決まったら転居を予定している旨を通勤時間欄の余白に記載しましょう。

履歴書の通勤時間欄を書く際のポイント

スマホで調べる男性

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通勤時間欄を記入する上で、いくつか押さえておきたいポイントがあります。3つのポイントを解説するので、履歴書を書く際の参考にしましょう。

最短経路を調べておく

交通機関や通勤時間を記載するときは、Google マップやYahoo!路線情報などを使って、最短経路や交通手段を調べましょう。企業は交通費(コスト)や通勤の体力的な負担を気にしています。そのため、正確な情報を書くべきといえます。

Google マップは公共交通機関だけでなく、徒歩や車での移動時間も調べられる点が便利です。地図を使って場所を指定でき、直感的な操作で調べられます。

Yahoo!路線情報は、公共交通機関を使ったルートを調べたい場合に便利です。歩くスピードによって乗り換えにかかる時間の調節もできるので、電車やバスを使う人にはおすすめです。

空欄のままにしない

履歴書の通勤時間欄には「 時間 分」といった印字がされています。たとえ通勤時間が1時間未満の場合でも「0時間〇〇分」と記載し、空欄を作らないようにしましょう。

空欄があると書き忘れだと思われる可能性があり、不用意に印象を悪くする原因になります。もっとも、これは通勤時間欄に限らず、履歴書のほかの部分や別の応募書類にも共通していえる点です。

通勤時間の記入が不要な履歴書もある

近年、厚生労働省が新たな履歴書の様式例を公表しました。この様式では、性別が任意記入となっているほか、通勤時間や配偶者および扶養家族に関する記入欄が削除されています。一連の様式変更は、応募者のプライバシーへの配慮によるものです。

引越し先の住所が決まっていない場合や、通勤時間欄を空欄にしたくない場合は、新様式の履歴書を活用しましょう。

参考:新たな履歴書の様式例の作成について|厚生労働省

履歴書の通勤時間欄は選考に関係ある?

履歴書を記入する女性

(出典) photo-ac.com

履歴書の通勤時間欄が選考にどのように関係するのか、気になっている人もいるでしょう。通勤時間が選考に与える影響と、採用担当者が見ているポイントを解説します。

選考にはほぼ関係ない

結論としては、交通機関や通勤時間は選考に関係がなく、それで合否が決まることはほぼありません。

採用担当者は、応募者の住所からおおまかな通勤時間の把握が可能です。さらに、テレワークの普及により、通勤時間がネックになりにくくなっています。

選考で最も重要なのは、ポストとその人の経歴がマッチしているかどうかです。ただし、間接的に合否に関わるケースも考えられます。それは、能力がほぼ同等の候補者が複数おり、その中から1人を決めなければならない場合です。

ほかに比較する要素がないのであれば、体力的な負担を左右する通勤時間が合否の判断に影響を与える可能性はあります。

採用担当者が見ているポイント

通勤時間から体力面に問題がないかを見られます。通勤時間が長いほど体力面の負担が大きく、仕事のパフォーマンスに影響を与えやすいためです。

また、会社が負担する交通費の金額を気にしています。通勤時間は原則的に選考には関係しませんが、あまりにも遠い場合は、すんなりと選考が進まない可能性があります。

長時間の通勤が想定される場合は、採用後に転居することや体力面に問題がないことをアピールして、懸念を払拭するのがポイントです。

通勤時間欄に関する記入マナーを知っておこう

履歴書を確認する女性

(出典) photo-ac.com

履歴書の書き方から、社会人としての基本的なマナーがあるか否かがわかってしまいます。社会人として最低限の常識を持ち合わせていることをアピールするためにも、履歴書は正しく記載しましょう。

通勤時間欄は、自宅から会社までのドアtoドアの最短ルートを5分単位で書くのが基本です。複数のルートがある場合は電車を優先し、複数の交通機関を使う場合はそれぞれの所要時間を書きます。

気をつけるポイントを押さえて、マナーを守った履歴書を作成しましょう。