履歴書の賞罰には何を書くべき?受賞歴を正しくアピールしよう

履歴書に賞罰を書く欄が設けられている場合に、どのように書いたらよいのか迷う人は多いでしょう。受賞歴がある人は自分の功績をアピールするチャンスですが、何を書いてもよいわけではありません。正しい書き方や記入例を紹介します。

履歴書に書く賞罰とは

履歴書を記入する女性の手元

(出典) photo-ac.com

履歴書には、賞罰欄が設けられているケースがあります。履歴書に書く賞罰とはどういうものなのか、見ていきましょう。

賞は受賞歴のこと

賞罰の賞は、受賞歴を意味しています。世の中にはさまざまな賞があり、対象者の善行や功績を称えるために与えられるのです。受賞経験を履歴書に記載すれば、アピールになります。

ただし、受賞した経験があれば、何でも履歴書に書いてよいわけではありません。明確に禁止されているわけではないものの、あまりにもマイナーな賞は書かない方がよいでしょう。

例えば、スポーツや文化活動などで全国・国際レベルの賞をもらった経験や、国や都道府県などから表彰された経験があるなら書くのがおすすめです。「世間的に名前が知られている賞」を受賞した事実を、履歴書に記載するのが一般的です。

また、ボランティア活動や人命救助などで感謝状をもらった経験についても、賞罰欄に記載できます。

罰は犯罪歴のこと

賞罰の罰とは刑事罰を指し、「有罪判決を受けたもの」を履歴書に書きます。不起訴や執行猶予期間が満了したものは含まれません。

何らかの事件の捜査対象になったり、厳重注意を受けたりといった前歴も除外します。少年犯罪歴も、記載しなくてよい決まりです。

交通違反は無免許運転や酒気帯び運転など重大なものが対象で、スピード違反や駐車違反など軽微なものは含みません。

ただし、運送業に応募する際は交通違反の有無が問題になるケースがあるので、本来は書かなくてもよい小さな違反でも書いておいた方が丁寧です。また、懲戒処分は刑事罰に該当しないので、書く必要はありません。

賞罰の記入方法

履歴書に記入している手元

(出典) photo-ac.com

ほかの項目と同じように、履歴書の賞罰欄も正しく記載する必要があります。正しい書き方や記入例をチェックしましょう。

略さずに記入する

履歴書に記載する情報は、略して書かないのが基本です。賞罰もほかの項目と同様に「正式名称」を書きましょう。

賞罰を受けた日付の横に、正式名称を記入します。複数ある場合は、古いものから順番に書きましょう。賞の名称だけでなく、下記のように内容も簡単に書き添えると分かりやすいでしょう。

【例】

<賞罰>
2017年3月 ○○県警○○署より署長感謝状(特殊詐欺被害を防いだため)

2019年4月 ○○罪 懲役○年

書き終えたら、行の右端に「以上」と書きます。

社内表彰は職務経歴書に記載

社内表彰は従業員に対し、業績のアップや何らかの功績をあげた際に与えられる賞です。賞罰欄には書かず、職歴欄や職務経歴書に記載しましょう。

【例】

2018年4月 株式会社○○ 入社
営業部営業一課に配属
法人営業担当として、新規開拓の提案営業を行う
<実績>
2019年7月 ○○に関する社内コンペで社長賞を受賞

また、社内表彰以外の小さな賞の受賞歴がある場合は、下記のように「趣味・特技欄」でアピールする方法もあるので、自己PRに役立てましょう。

【例】

特技:カラオケ(2020年に○○町内のど自慢大会で優勝しました)

時間がたちすぎている場合は書かない

基本的には、社会人になってから受賞したものを書きます。全国的・国際的なコンクールの受賞歴があったとしても、子ども時代のものを書くことはおすすめできません。

「受賞から10年以上がたっているもの」に関しては、あえて記載しない方が、過去の栄光にとらわれているような印象を与えずに済みます。

刑事罰を受けた場合は、「刑期満了から10年がたっている場合」や「罰金刑を受け、支払い後5年以上がたっている場合」は記載の必要はありません。

よくある賞罰欄の疑問を解消

バインダーの資料に記入する

(出典) photo-ac.com

賞罰欄を埋める際に、さまざまな疑問が湧いてくることがあります。よくある疑問を解消しましょう。

賞罰欄がなければ記載の義務はない

市販の履歴書やWEBからダウンロードした履歴書には、賞罰欄が設けられていないものがあります。賞罰欄がある場合にはありのままを書きますが、ないのであれば記載の義務はありません。

ただし、面接で「賞罰に関する質問を受けたとき」には、正直に話す必要があります。もし運送業に転職する際に交通違反をした経験があるというように、希望する職種に関連の深い違反をした経験があれば、あらかじめ書いておいた方が丁寧です。

受賞歴をアピールしたいのに履歴書に賞罰欄がない場合は、職歴欄の下の空いているスペースを使って受賞歴を書きましょう。

何もないなら「なし」と書く

履歴書に賞罰欄が設けられていたとしても、書くことが何もないケースは珍しくありません。書くものが何もない場合は「なし」と記載しましょう。

空欄にしておくと、書き忘れているのではないかと思われてしまいます。書き終えたら、下の行の右端に「以上」と書きましょう。

もし、記載すべき犯罪歴があるのに書かなかった場合や、受賞していない賞を書き込んだ場合は「経歴詐称」にあたり、後に大きな問題に発展しかねません。履歴書には嘘を書かないようにしましょう。

賞罰は真実を正しく記入しよう

履歴書と封筒とペン

(出典) photo-ac.com

履歴書の賞罰欄には、過去10年の間に受賞した賞や受けた刑罰を書きましょう。どんなに素晴らしい受賞歴があっても、古すぎるものだと過去の栄光を今でも引きずっているような印象を与えてしまいます。

知名度の低い賞や、社内表彰を受けた経験などは賞罰の欄には書かず、職歴や趣味・特技の欄への記載がおすすめです。間違ったことを書くと経歴詐称になるので、真実を正しく記入しましょう。