仕事のモチベーションを高めるには?原因別の適切な対処法を紹介

仕事へのモチベーションが下がった状態のままだと、職場に行っても楽しくないでしょう。現状から脱却したいのなら、やる気が出ない原因を知った上で、適切な対処法を実践するのがおすすめです。仕事のモチベーションを上げられる原因別の対処法を紹介します。

仕事へのモチベーションが下がる主な理由

頭を抱えるスーツの女性

(出典) photo-ac.com

仕事へのモチベーションが上がらない場合は、何が原因なのかを知った上で、原因に合った対策を講じることが重要です。やる気が出なくなる主な原因を見ていきましょう。

人間関係が良好でない

職場での人間関係が悪い場合は、仕事のモチベーションが下がりやすくなります。たとえ仕事自体が自分に合っているとしても、人間関係が良好でなければ不満がたまるでしょう。

組織で働く場合、業務で成果を出すためには他者とのコミュニケーションが不可欠です。同僚や上司と良好な関係を築けていないケースでは、結果を出せずにやる気も下がってしまいます。

性格や価値観が周囲と異なる場合も、仕事にやりにくさを感じがちです。上司や同僚からセクハラやパワハラを受けている場合は、職場に行くこと自体が嫌になるでしょう。

仕事量や残業が多い

業務が忙しすぎて心身共に疲れ切っているときや、許容範囲を超えた仕事量を任されて余裕がないときは、仕事が好きでもモチベーションが下がりやすくなります。

全ての業務を自分1人でこなそうとすると、仕事量が増えてしまいがちです。要領が悪く作業を効率的に進められないケースでも、時間内に終わらない可能性が高くなるでしょう。

残業も、やる気を低下させる大きな原因の1つです。残業が発生する主な理由としては、そもそもの業務量が多過ぎるパターンと、定時に帰れない雰囲気が社内にまん延しているパターンがあります。

収入が少ない

いくら仕事で結果を出し続けても評価されず、なかなか給与が上がらない状況が続くと、モチベーションが低下し仕事をつまらなく感じてしまうでしょう。

年功序列の評価制度を設けている企業なら、年齢や勤続年数が評価のベースとなります。自分はたくさんの成果をあげているのに、給与がほとんど上がらないという状況であれば、納得できずにやる気が下がってしまいかねません。

成果に対して正当な評価を受けて初めて、「今後もこの会社で頑張っていこう」と思えるものです。評価が見合っていないと感じる場合、頑張っても意味がないという気持ちになってしまいます。

仕事にやりがいを持てない

仕事へのモチベーションが下がる理由としては、仕事自体にやりがいを感じられないことも挙げられます。担当業務への関心が低い場合、気分が乗らなくなる場合も多いでしょう。

希望する業務や部署に配属されなかったケースでも、「なぜこの仕事をしているのか分からない」「仕事に対する意味を見いだせない」といった感情を抱きがちです。

苦手な作業を繰り返すような業務を担当している人も、仕事にやりがいを見出せないケースが多くなるでしょう。業務自体への興味が薄れていき、モチベーションが下がってしまいます。

将来に不安を感じている

希望を持てる将来が見えない場合は、先々への不安からモチベーションが下がりやすくなります。今の会社で働いていても、明るい未来がまったくイメージできないパターンです。

将来への不安を感じる理由は人によって異なります。「収入が上がる気配がない」「キャリアアップを期待できない」「会社の成長を見込めない」といったものが考えられるでしょう。

明確な理由が思い当たらないにもかかわらず、漠然とした将来への不安を感じるケースもあります。社会情勢の大きな変動により、世の中の動きが見通せない場合も、今後に不安を抱いてしまいがちです。

【対処法1】人間関係で悩んでいる場合

説教をする会社員

(出典) photo-ac.com

人間関係の悪さが理由で仕事へのモチベーションが下がる場合は、同僚や上司への接し方を変えてみるのがおすすめです。やる気アップにつながる具体的な対処法を紹介します。

積極的にコミュニケーションを取る

人間関係で悩んでいるなら、周囲とのコミュニケーションの機会を増やしてみましょう。同僚や上司と接する機会が増えれば、人間関係の改善につながる可能性があります。

人間関係が悪くなる大きな理由の1つに、「相手が何を考えているのか分からない」と思ってしまう点が挙げられます。コミュニケーションを取らなければ、相手に感じる不安の払拭にはつながりません。

思い切って話をしてみると、意外に気が合う可能性もあるでしょう。何を話せばよいのか分からない場合は、プライベートの質問をしたり業務上の疑問点を聞いてみたりするのがおすすめです。

報連相を怠らない

上司との関係が悪いケースでは、報連相を怠らないように意識することが大切です。報連相が徹底されていなければ、トラブルやミスが増えて上司に与える印象が悪くなってしまいます。

仕事をスムーズに進めるためには、上司への報告・連絡・相談を確実かつ迅速に行わなければなりません。報連相が徹底されていれば、上司がチームの状況を把握しやすくなるため、トラブルやミスの予防につながります。

自分のミスもきちんと上司に伝えることが重要です。怒られるのを恐れて隠したり後から報告したりすると、損害が拡大してしまう恐れもあります。人間関係を改善するだけでなく、信頼を失わないように意識することも大切です。

【対処法2】仕事量・残業が多い場合

デスクワークをしている男性

(出典) photo-ac.com

モチベーションが下がるのは、仕事量・残業が多いためだと感じるのであれば、以下の対処法を試してみましょう。仕事量や残業が少なくなるコツを紹介します。

周囲に助けてもらう

自分に課された全ての業務を1人で抱え込んでしまうと、仕事量が多くなってしまうでしょう。責任感の強い人や他者を信用できない人に見られがちなパターンです。

仕事量が多すぎてモチベーションが下がってしまう場合は、同僚に協力を仰ぐのがおすすめです。お互いに持ちつ持たれつで業務をこなしていけば、周囲との信頼関係も構築しやすくなります。

どうしても仕事量を減らせないのなら、上司に相談して業務を減らしてもらうのも1つの方法です。何らかの理由で自分だけ仕事が多い場合は、上司に掛け合ってみれば、周囲とのバランスを取ってくれる可能性があります。

業務の効率化を図る

仕事量や残業が多くなる原因の1つに、業務を効率よく進められていない点も挙げられます。仕事自体の量はそれほど多くないケースでも、要領が悪ければ時間をオーバーしてしまいがちです。

業務のスピードが速くなれば、仕事量や残業を減らせる可能性があります。仕事の優先順位を付け、できるものや優先度の高いものから済ませれば、業務を効率化できるでしょう。

自動化できる部分をできるだけ効率化するのも重要です。例えば、取引先へのメールは毎回同じような文章になりやすいため、テンプレートを用意しておくと時短につながります。

【対処法3】給料が少ない場合

給料を数える女性の手元

(出典) photo-ac.com

収入が低いことを理由にモチベーションが上がらない場合の対処法を見ていきましょう。今の職場で頑張る方法と副業を始める方法について解説します。

今の職場でキャリアアップを狙う

企業や業種によっては、スキルを磨くことでキャリアアップを狙えるケースがあります。在籍中の会社でキャリアアップを実現できれば、職場を変えずに収入を上げることが可能です。

資格を取得すれば給料が上がるシステムを会社が採用しているなら、資格取得を目指せば具体的な目標ができるため、モチベーションもアップしやすくなるでしょう。

ただし、昇進や管理職登用の実現には数年かかるケースもあります。すぐに収入を増やせるわけではない点に注意が必要です。数年も低収入で頑張れないと思うのなら、別の方法を考えなければなりません。

副業を始める

給料が低くてモチベーションが上がらないのなら、副業に取り組むのもおすすめです。すぐに収入を増やせる上、副業の種類によっては大幅な収入アップも狙えます。

スキルアップを図ったり、未経験の仕事にチャレンジできたりするのもメリットです。今の職場では生かせないスキルを副業で生かせれば、モチベーションも高まるでしょう。

副業に取り組む場合は、会社が副業を許可しているか確認しなければなりません。副業にのめり込みすぎて、本業に支障を来さないよう気を付けることも大切です。

【対処法4】仕事にやりがいを感じない場合

パソコンを前につかれている男性

(出典) photo-ac.com

仕事にやりがいを見出せず、モチベーションが上がらないこともあるでしょう。このようなケースでは、ライバルを作ったりプライベートを楽しんだりするのが効果的です。

ライバルを作る

仕事にやりがいを感じない場合は、職場内にライバルを作ってみましょう。ライバルがいれば競争心が芽生えてくるため、仕事への張り合いが出てモチベーションが上がりやすくなります。

ライバルに設定する相手は同僚だけでなく、先輩や後輩でも構いません。ライバルになりそうな人が職場にいなければ、取引先で同じような仕事をしている人でもよいでしょう。

能力が拮抗している人や性格が自分に似ている人を、ライバルに設定するのがおすすめです。能力差が大きい人や価値観が大きく異なる人は、ライバルに設定してもうまく競争できない恐れがあります。

プライベートを楽しむ

どうしても仕事にやりがいを感じられないのなら、オフの時間を満喫するのも1つの方法です。仕事は仕事と割り切って休日を楽しむことで、心に余裕が出やすくなります。

人生や生活において仕事を最優先に考えると、「仕事にはやりがいがなければならない」と考えがちです。しかし、仕事をどのように捉えるのかは人それぞれであり、楽しそうに仕事をしている人でも仕事にやりがいを感じているとは限りません。

プライベートを楽しむために仕事をすると考えるのも、決して悪いことではないのです。仕事中はとにかく一生懸命に頑張り、オフの時間も思いっきり楽しむようにすれば、仕事にやりがいがないことも気にならなくなるでしょう。

【対処法5】将来が不安な場合

手帳に記入する男性

(出典) photo-ac.com

将来への不安から仕事へのモチベーションが下がっている場合の対処法を紹介します。自分のキャリアや会社の行く先が心配なら、以下に挙げることを試してみましょう。

悩みを書き出してみる

将来が不安でやる気が出ない場合は、不安の原因となっている悩みを紙に書き出してみましょう。漠然とした不安を具体化することで、冷静かつ客観的に悩みと向き合えるようになります。

書き出した悩みを1つずつ見ていけば、それぞれに優先順位を付けることも可能です。解消できそうな悩みが分かるだけでも不安が軽くなり、モチベーションの低下を抑えられます。

家族や友人など信頼できる人に悩みを相談するのもおすすめです。第三者目線から悩みを聞いてもらうことで、自分だけでは考えつかない解決策が生まれる可能性もあります。

小さな目標を設定する

将来に対する不安は長期的なものであり、すぐに解決できる可能性は低いでしょう。できるだけ悩みに気を取られないよう、短期的かつ小さな目標を設定するのがおすすめです。

ちょっとした目標であれば達成しやすいため、時間をかけなくても成功体験を積み重ねられます。達成したことが少しずつでも増えれば、仕事へのやりがいも感じやすくなるでしょう。

設定する目標は仕事以外のことでも構いません。頑張れる目標が常に目の前にある状況を作れば、将来への不安を感じる時間が短くなり、モチベーションの低下を防げます。

どうしてもモチベーションが上がらないなら

在宅でパソコン作業をする女性

(出典) photo-ac.com

さまざまな対処法を試みてもモチベーションが下がったままなら、思い切って仕事を休んでみましょう。転職して環境を変えるのも1つの方法です。

仕事を休む

仕事へのモチベーションが上がらない理由として、心身の疲れも挙げられます。直接的な原因が解消されても疲れが取れない場合は、やる気もなかなか上がってこないものです。

心身の疲れを感じているなら、まずはゆっくり休む必要があります。リフレッシュすることで気持ちが変わる場合もあるでしょう。有休を使ってしばらく仕事を離れるのも効果的です。

休みを取りにくい職場で働いている場合も、やる気が出ないのなら思い切って休んでみましょう。自分のためだけでなく会社のためにもなると思えば、踏ん切りをつけやすくなります。

転職を検討する

どうしても今の仕事でモチベーションが上がらない場合は、転職して環境を変えてみるのもおすすめです。やる気が出ない原因の多くは、転職で解決を図れるでしょう。

例えば、今の職場で収入アップに期待できないのなら、好条件の会社や成長を見込める会社に転職することで収入を増やせる可能性があります。人間関係が悪い場合も、環境を変えれば人間関係をリセットすることが可能です。

転職を検討するなら、国内トップクラスの求人検索エンジン「スタンバイ」を活用するのがおすすめです。1,000万件以上の豊富な求人情報が掲載されているため、理想の企業を探しやすいでしょう。

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モチベーションが下がる原因を知り対処

手帳に記入する男性の手元

(出典) photo-ac.com

仕事へのモチベーションが下がる原因は人により異なります。やる気を高めるためには、何が原因なのかをきちんと把握することが大切です。

モチベーションが上がらない原因を知り、適切な方法を実践すれば、やる気が戻る可能性があります。どうしてもモチベーションが低下してしまう場合は、転職も視野に入れてみましょう。

大美賀直子
【監修者】All About 公認心理師・産業カウンセラー / ストレスガイド大美賀直子

メンタルケア・コンサルタント。公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラーの資格を持ち、カウンセラー、作家、セミナー講師として活動する。現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法を解説。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。
All Aboutプロフィールページ

著書:
どうして会社に行くのが嫌なのか なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか? 大人になっても思春期な女子たち