定時とはどんな意味?定時に退社するためのポイントを解説

ビジネスシーンでは「定時」という言葉がよく使われますが、意外にも正しい意味を理解している人は少ないものです。定時に退社できるかどうかは、工夫次第で調整できるほか、職種によっても左右されます。定時退社するためのポイントも紹介します。

シーンで異なる「定時」の意味

退社時刻のイメージ

(出典) photo-ac.com

定時には2つの意味があるほか、就業形態によって定時の考え方は異なるものです。シーン別に異なる、定時の意味について解説します。

定時は2つの意味で使われている

定時には2つの意味があり、1つ目の意味では「所定労働時間」のことを指します。所定労働時間とは、就業規則で規定されている就業時間のことです。企業は「1日8時間かつ1週間に40時間以内」の法定労働時間を守っていれば、自由に設定可能です。

一般的に、所定労働時間としての定時は8〜17時、あるいは9〜18時に設定されているケースがほとんどでしょう。ただし、1時間の休憩時間を含みます。

定時の2つ目の意味は「終業時間」です。例えば、「定時で帰る」という場合には、終業時間になったら帰ることを意味しています。定時を、終業時間を指す言葉として、日常的に使っている人は多いでしょう。

シフト制や変形労働時間制での定時

就業形態によって、定時の考え方は異なります。シフト制では、勤務する時間帯が1人1人違うため、定時も個別で設定されます。シフトを提出して認められたときに、定時が決まるのが基本です。

また、変形労働時間制での定時は、時期によって変動します。変形労働時間制は、1カ月あるいは1年単位で労働時間を計算する仕組みであるため、所定労働時間としての定時が1日6時間のこともあれば、1日10時間のこともあるのです。

一般的に、定時は17時・18時が多い傾向がありますが、変形労働時間制では時期によって労働時間が増減するため、自然と定時も変わります。

シフト制や変形労働時間制の場合は、定時を間違って理解しないように注意が必要です。

スムーズに定時退社するためのポイント

業務中の姿

(出典) photo-ac.com

定時退社をしたくても、できない日々が続いている人は少なくないでしょう。定時になったら、スムーズに退社するためのポイントについて解説します。

仕事を効率化してきちんと終わらせる

割り振られた仕事量が適切な場合、仕事の効率が悪いことが定時に帰れない原因として考えられます。定時で退社するためには、勤務時間内に集中して仕事に取り組み、効率良く仕事をこなしていくことが必要不可欠です。

時間内に仕事を終わらせるためには、まず始業開始の直後に1日の予定を立てることが重要です。緊急度・重要度を元に優先順位を付けて、適切な時間配分をすると、無理なく仕事を進められます。

また、同じことを繰り返し行っていたり、余計なことに考えを巡らせたりなど、不要な時間が発生してしまっている人もいるのではないでしょうか?

必要のない業務は削減し、繰り返し行う作業はできる限り自動化して、効率的にタスクをこなしていくことが欠かせません。

同僚の仕事を安易に引き受けない

自分の仕事は問題なく定時までに完了させられるとしても、同僚の仕事を引き受けていると定時退社することは難しくなります。

自分の時間が余ったとしても、安易に同僚の仕事を引き受けると定時に帰れないだけではなく、同僚の成長を妨げることにもつながるでしょう。

さらに、次々と仕事を引き受けて定時に帰れず残業していると、同僚や上司との接点が増えていきます。仕事を頼んでも問題ない相手だと思われ、より一層仕事を振られることにもなりかねません。

負のスパイラルを避けるためにも、同僚の仕事を気軽に引き受けるのは避けるのが無難です。

定時後に外せない用事を入れる

退社後に用事がない場合は、モチベーションが上がらずダラダラと仕事をしてしまいやすくなります。定時退社をするためには、定時後に大切な用事を入れておくのがおすすめです。

定時後に楽しめる用事を入れておくことで、就業時間内での業務に集中でき、定時までに仕事を終わらせられるでしょう。

ただし、周囲に用事があることを伝えるときは、伝え方に注意が必要です。コンサートに行く予定や重要度の低い予定の場合、人によっては反感を買う恐れがあります。

残業を頼まれても断りやすいような、どうしても外せない用事を準備しておくとよいでしょう。例えば、保育園のお迎えや人と会う用事があるなど、角の立たない理由を用意しておくのがベターです。

定時に退社しやすい職種

事務作業をしている女性

(出典) photo-ac.com

定時に退社できるかどうかは、個人の能力にかかわらず、職種によって変わるケースも見られます。定時退社しやすい2つの職種を見ていきましょう。

事務職

定時退社しやすい職種の1つとして、事務職が挙げられます。事務職にはデータ入力や、電話・メール・来客の対応、伝票の処理など幅広い仕事があります。

事務職は1日の業務内容が決まっていて、緊急で対応する必要のある業務が発生しにくいため、残業することはあまりありません。

さらに、仕事のやりとりに欠かせない郵便局や銀行も、定時で窓口業務の取り扱いが終了するため、時間外の業務が発生しにくいのです。

ただし事務職でも、年末年始や月末に訪れる繁忙期には、例外的に残業が発生しやすくなります。

工場の作業員

工場の作業員として働く場合、1日の業務内容が決まっていることに加えて、シフト制で勤務することが多いため、残業が発生しにくくなっています。特に大手企業の工場では、労働時間の管理がきちんと行われていることがほとんどです。

さらに、工場関係では労働組合が適切に機能していることも多く、残業に関する規定と残業時の賃金の支給に関する規定について、しっかりと記されていることが少なくありません。そのため、定時退社しやすくなっています。

定時で退職する人とイメージ付けしよう

退社する女性の後姿

(出典) photo-ac.com

定時には、所定労働時間と終業時間の2つの意味があり、就業形態によって定時が変動することもあります。

定時に退社できなくて困っている人は、まずは業務を効率化できないか考えてみましょう。定時後に用事を入れておくことで、スムーズに退社できるようになる可能性もあります。

普段から定時で帰る習慣をつけ、残業をお願いしにくい人というイメージ付けをするのがおすすめです。

社風や職場の雰囲気が原因で、どうしても定時退社できない場合は、定時退社しやすい職種に転職するのも1つの手です。