仕事が終わらない原因と対処法を解説。会社側に原因がある場合も

働いていると、なかなか仕事が片付かず困った状況に追い込まれることもあるでしょう。仕事が終わらないと焦りや不安から、ますます作業効率が落ちてしまう悪循環に陥ります。仕事が終わらない場合に考えられる原因と、適切な対処法を解説します。

仕事がなかなか終わらない原因

デスクワークをしている男性

(出典) photo-ac.com

仕事が終わらない場合、業務への取り組み方に問題があると考えられます。代表的な3つの原因を解説します。

業務の進め方が非効率

同僚と同じタスクをこなしているにもかかわらず、仕事が終わらない場合は、業務効率が悪いことが理由として挙げられます。クリエイティブな作業は人によって必要な時間がまちまちですが、事務的な作業では工夫次第で業務スピードを改善できます。

日中の就業時間内にダラダラと作業をしていると、いつまで経っても終わりません。定時までに仕事を終わらせるのが基本であるため、日中にどれだけ集中して仕事に取り組めるかが鍵といえます。

ダラダラと仕事をしていると定時までに仕事が片付かないだけでなく、勤務態度が悪いとして低評価につながるため注意が必要です。

計画性に欠けている

自分がこなすべきタスクをきちんと把握できていない場合も、仕事が終わらない状況に追い込まれます。抱えているタスクを把握できていなければ、タスクに優先順位を付けられず、予定もままなりません。

抱えているタスクを片付けるのにかかる時間を計算できないと、締め切りを守るために何から手を付けていいか分からなくなってしまいます。安易に同僚の仕事を引き受けて、期日までにこなすのに無理のある仕事量になってしまう事態も容易に想像できます。

1人でタスクを抱え込んでしまう

上司や同僚からたくさんの仕事を引き受けていると、いつの間にかタスクの量が膨れ上がり、現実的に片付けられない量になっている場合もあります。

時間は誰にとっても有限で、1人でこなせるタスクの量には限界があります。膨大な量のタスクを自分1人でこなそうとしてもうまくいきません。上司や同僚と助け合いながら、業務に取り組むことが大切です。

自分だけが遅れていると感じたり、連日残業が続いていたりすると、なかなか周りに助けを求めにくくなってしまいます。タスクをこなしきれず困ってしまう前に、上司や同僚への相談が欠かせません。

仕事が終わらない原因が会社にある場合も

パソコンで作業をする男性

(出典) photo-ac.com

仕事が終わらない原因は、個人の能力だけに起因するわけではありません。会社側の業務の割り振りや勤務体系に問題がある可能性も考えられます。会社に原因があるケースをみてみましょう。

割り振られた業務量が多い

こなすべき業務量が多すぎる場合、仕事が終わらない原因は個人の能力にはありません。業務の割り振りを行っている会社や上司に問題があります。そもそも残業を前提とした業務量を与える業務設計が間違っているのです。

経験の足りない新入社員に、能力以上の業務を押し付けるのは不適切です。さらに同じ給料をもらっている社員間で、業務量に大きな差があるのも適当ではありません。自分の業務量が多いと感じた場合は、なるべく早めに上司に相談して調整してもらいましょう。

会社の対応によっては違法の可能性も

従来と比べて働く環境が改善されているとはいえ、会社によってはブラック企業と呼ばれるような、過酷な労働環境の職場も存在します。業務量が多い場合は、会社や上司の対応に問題があるケースが見られ、違法な状態である可能性も考えられます。

法定労働時間や法定休日を守っていないのはもちろん、明らかに人手不足で1人当たりの業務量が膨大な場合は違法です。

サービス残業や仕事の持ち帰りの強要に加えて、仕事が終わらない原因を個人の力量だと主張して、叱責したり人格を否定したりするのも法律違反です。

会社や上司に問題がある場合、正面から立ち向かおうとはせず、外部機関に相談するといいでしょう。

仕事が終わらないときの不安の解消法

手帳に記入する男性

(出典) photo-ac.com

仕事が終わらないとストレスがたまり、不安が募ります。仕事が片付かないときに湧き上がる不安を解消する、2つの方法を紹介します。

残っているタスクを書き出す

不安の原因が曖昧で、明確な形のないままだとより一層不安が大きくなります。残っているタスクがはっきりしていないと、作業中も頭の片隅で別のタスクに気が取られ、集中力も落ちてしまいます。

仕事が終わらなくて不安を感じている場合は、残っているタスクを書き出して、やることを可視化すると、気持ちが落ち着くでしょう。タスクを書き出すときは、優先順位を付けたり所要時間を付け加えたりするのもおすすめです。

不安を感じる対象には、実は問題がないにもかかわらず不安に感じていることと、本当にどうしたらいいか分からなくて不安なことがあります。不安の原因を書き出したら2つに分類し、本当に分からない点は、遠慮せずに上司に相談しましょう。

思い切って気分転換をする

仕事が終わらず残業の毎日が続くと、知らないうちにストレスがたまっていきます。仕事を終わらせるためには、時間を切り詰める必要があると感じて、休憩を減らしてしまいがちですが、時には思い切ってリフレッシュするのも大切です。

趣味の時間を大切にするほか、体を動かしたり音楽を聴いたりすることがリフレッシュの手段として挙げられます。きちんと栄養を取って、睡眠時間の十分な確保も重要です。

十分な時間を費やしてストレス解消をするのに気が引ける人は、上司や同僚と雑談する時間を作るのもいいでしょう。雑談の中で仕事の相談をしたり、空いている時間を聞いたりしておくことで、状況が好転するケースも考えられます。

仕事が終わらない場合の対処法

バインダーに記入する男性

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仕事が片付かなくて困ったときは、一度基本に立ち返り、対処法を試してみましょう。仕事が終わらないときに有効な3つの対処法を解説します。

タスクに優先順位を付ける

仕事は目の前にあるタスクから順番に片付けていけばいいわけではありません。タスクには大小さまざまな種類があり、業務の重要性や緊急性に応じて締め切りが設定されています。

仕事が終わらないときは一度タスクを改めて確認して、締め切りの近い順番や重要度の高い順番に優先順位を付けましょう。優先順位を付けて、今やるべきことが明確になるほか、やる必要のないことも明確になります。

時間と効率を意識する

基本的に担当する業務は、時間内に終わるように割り振られています。1つのタスクに費やせる時間を意識していないと、仕事はいつまでも終わりません。完璧さを求めすぎず、スピード感を持って適切な時間で終わらせるのが重要です。

作業時間を短縮するためには、自動化や効率化に役立つツールを導入することが欠かせません。部署単位で導入するツールもありますが、個人の業務範囲内で導入可能なツールもあります。

同じ作業を繰り返す場合は、自動で入力するための計算式を作ったり、テンプレートを用意しておいたりするといいでしょう。

周りに助けてもらう

会社では1人で行う業務もありますが、単独で働いているわけではなく、会社全体あるいは部署ごとのチームとして働いています。自分のキャパシティーを超える業務やハードルの高い業務は、上司や同僚に協力をお願いしながら進めていくことが求められます。

人にアドバイスを求めることで、自分1人では届かないクオリティーに仕上がるほか、良好な人間関係を築くことにもつながります。全て抱え込んでしまわずに、業務の一部を同僚や部下に割り振るのも、重要な能力の1つです。

どうしても仕事が終わらないなら?

資料を見ながら考え事をする男性

(出典) photo-ac.com

協力して業務に当たっているとはいえ、どうしても仕事が終わらないこともあるでしょう。仕事が終わらないときに、対処法を試してみたけれど仕事が片付かないときは、どうしたらいいのでしょうか。

基本的に仕事を残して帰るのはNG

定時で帰宅するのが基本的なルールとはいえ、就業時間内にきちんと仕事をせず、仕事を残して帰るのはよくありません。締め切りの差し迫っている業務がある場合や、重要な引き継ぎ事項が残っている場合も、勝手な都合で帰宅するのは不適切です。

こなすべき仕事が完了しているときでも、自分の業務のサポートとして残業している上司や同僚がまだ居残りしている場合は、十分に配慮することが大切です。業務の一部を受け持ってくれたことに対する感謝を伝え、退社してもいいか聞くようにしましょう。

上司に相談する

仕事が終わらないことを上司に伝えて相談に乗ってもらうのも1つの手です。業務量の配分を調整してもらったり、業務効率が上がるためのアドバイスをもらったりできるでしょう。

上司に相談するときは、ただ業務量を減らすことを頼むのではなく、アドバイスを欲しいというスタンスで相談することが必要です。現状を的確に伝え、改善のためにさまざまな努力をしていることを示した上で、対応してもらうようにお願いします。

状況が変わらないなら転職を検討

業務量が不適切な場合や上司に相談しても問題が解決しない場合は、転職も視野に入れるのがおすすめです。どれだけ仕事ができる人でも環境に問題があれば、いつまで経っても状況は改善されません。

特定の会社や部署のみで働いていると、どんどん視野が狭くなってしまい、環境に問題があるのではなく、自分に原因があると思い込むようになりがちです。

結果として転職に至らなくても、転職活動を行うと広い視野を持つことにつながります。状況が好転する兆しが見えないなら、自分から動いて環境を変えるためのアクションを起こすことが大切です。転職活動と聞くと大変なイメージを持つ人もいるかもしれません。

転職活動ができるか心配な場合は、スタンバイを利用して転職先を探してみましょう。

仕事が終わらない原因を知り適切に対処

仕事で通話をしている男性

(出典) photo-ac.com

仕事が終わらないときに考えられる原因には、自分自身の業務への取り組み方に問題があるケースのほかに、環境に問題があるケースも見受けられます。

仕事が終わらないと不安が募っていき、どんどんストレスがたまってしまいます。不安材料の明確化や気分転換をして不安を解消するといいでしょう。

仕事をきちんと終わらせるためには、タスクに優先順位を付けたり、効率を意識したりするほか、周囲の協力を得ることも必要です。どうしても終わらない場合は、上司に相談したり、転職を視野に入れて行動したりするのもいいでしょう。