面接で特技をうまく答えるには?解決法と答え方のポイント

面接で特技を尋ねられて、答えに詰まってしまうことがあるかもしれません。特技の内容が合否に直接関係するわけではありませんが、うまく答えられないとよい印象を与えられません。面接での特技の答え方やポイントをチェックしましょう。

面接で特技をうまく答えられないのはなぜ?

面接を受ける男性

(出典) photo-ac.com

特技は面接で定番の質問です。ありのままを答えればよいので難しく考える必要はありませんが、事前に回答を用意しておかないと失敗してしまう場合があります。うまく答えられない理由を知って、対策しましょう。

面接官の意図が分かっていない

質問の意図が分からないと、間違った回答をしてしまいかねません。面接で特技を答えても手応えが得られないときは、面接官が特技を尋ねる意味を理解できていない可能性があります。

経歴やスキルなどの項目からだけでは分からない、応募者の人柄を探るために特技を質問されるのだと覚えておきましょう。面接官はさまざまな質問をして応募者がどのような人物なのかを掘り下げ、自社との相性を測ろうとしているのです。

特技の答え方からも入社への熱意を読み取れるので、思い付きでいい加減に答えるのはやめましょう。企業は「一緒に働きたい」と思える人を採用したがっている点を忘れず、自身のよい部分を伝えられる特技を答えましょう。

自己分析が足りない

自己分析が不十分だと、特技をうまく説明できません。自己分析は、自分はどんな人間なのかを客観的に説明するために必要な作業です。自分のことがよく分かっていない状態では、特技を客観的に伝えられません。

「面接で特技を伝えてもよい手応えが得られない」と感じるなら、内容が浅く面接官が満足できない答え方をしてしまっている可能性があります。内容を掘り下げるポイントは以下の通りです。

  • 特技だと思うようになったきっかけ
  • 特技があるおかげで得していること
  • 仕事に生かせそうな要素はあるか

上記のように、複数の視点から内容を掘り下げてみましょう。特技が何も思い浮かばない場合は、趣味や日常の中で得意としていることの中から、特技といえるものがないか探してみることをおすすめします。

特技のハードルを上げすぎている

特技を聞かれてもうまく答えられない人は、ハードルを上げすぎている可能性があります。誰もが驚くようなものや、大きな賞賛を受けられるものでなくても構いません。

似顔絵を描くのが得意だと仮定しましょう。プロと比べれば実力が足りないから特技ではない、と考えるのは間違いです。

客観的に見たとき、人と比べて格別に優れているものでなかったとしても、自分が得意だと感じるものであれば特技といえます。あまり難しく考えすぎず、何が得意か考えてみましょう。

面接で特技をうまく答える方法

面接をしている男性

(出典) photo-ac.com

特技を質問されたとき、面接官が納得してくれるように答えるにはコツが必要です。うまく答える方法を見ていきましょう。

人柄を伝えようとする

面接で特技をうまく答えるには、人柄を伝えることを意識しましょう。特技からどんな人柄が見えてくるかを意識して答えないと、失敗しやすいでしょう。

企業は一緒に働きたいと思える人を求めているので、好感が持てる人柄をアピールすることが大事です。努力家・好奇心が強い・誠実など、よい性格を連想できるものを答えましょう。

人によっては、仕事との関連性がない特技を持っている場合もあります。特技から性格面を想像でき、仕事に生かせそうな部分があると感じてもらえるとベターです。

社風や企業が求める人物像を意識する

企業によって求める人材の姿は違います。複数の特技がある場合、応募先の社風や仕事内容にマッチしそうなものを答えましょう。

無理に合わせる必要はありませんが、得意なことを仕事に生かしたいと思う人は多く、どこかにつながる部分があるはずです。

例えば、協調性を重視する社風なら、個人競技よりも集団競技を得意とする人の方が自社で活躍してくれそうだと感じやすくなります。

外回りが多く体力勝負の営業職を希望する場合、体力や持久力を必要とする特技があると、よい印象を与えられるでしょう。

結論から話しエピソードを盛り込む

面接で質問に答える際は、結論から話し始めて具体的なエピソードにつなげるのが基本です。特技であることを裏付ける情報が足りないと、納得してもらえなくなります。

面接官は特技そのものよりも、どんな経緯があって特技になったのかや、物事にどのように取り組もうとする人物なのかを知りたがっている点を忘れないようにしましょう。

納得感のある回答をするには、特技になったきっかけや、うまくやるために工夫していることなどの情報をできる限り盛り込んで、話を膨らませることが必要です。

特技別の回答例

三人の面接官

(出典) photo-ac.com

特技で人柄を伝えるといわれても、どんな答え方が正解なのか迷う人もいるでしょう。特技をうまく答えるためにチェックしたい、回答例を紹介します。

スポーツに関する特技

スポーツに関する特技はアクティブな印象を与えられるので、体力がある人や活発な人を求めている企業に対し、好印象を与えられる可能性が高いでしょう。

過去にちょっとハマったものや、数回やったことがある程度では底が浅い印象を与えてしまうので、熱意を持って長く続けているものを答えます。

【例】

特技はサッカーです。小学校低学年のころに始め、現在も社会人サークルのチームに所属しています。どうすれば自分の役割を果たせるかを、常に意識しながらプレイすることが得意です。

特技は柔道です。柔道で身に付けた粘り強さは誰にも負けない自信があります。子どもたちに柔道の魅力を伝えることを目指し、月に2回程度ボランティアで柔道教室の手伝いもしています。

料理や掃除など日常の習慣

日常生活で普通に行っていることは特技だと認識しづらいですが、立派な特技になります。取り組み方を詳しく伝えると、仕事に対してもうまくやるために工夫して取り組んでくれそうだと感じてもらえるはずです。

【例】

特技は料理です。外食でおいしいものに出会ったときはレシピを聞いたり自分で再現できないか試したりして、腕を磨いています。月に1回程度、ホームパーティーを開いて友人たちに料理を楽しんでもらっています。

掃除が得意です。どうすれば効率よく終えられるか、順序立てて手際よくやることを意識しています。一度に全ての箇所を掃除するのは難しいので、曜日ごとに場所を変えて取り組んでいます。

即戦力となる特技

優れたコミュニケーション能力や仕事に役立つスキルなどを身に付けていると感じさせる特技は、即戦力として好印象を与えやすいので、積極的に伝えましょう。

【例】

人の名前と顔を覚えるのが得意です。一度、話したことがある人の名前と顔はたいてい覚えています。この特技のおかげで人から頼りにされることが多く、営業活動にも役立ってきました。

特技はプログラミングです。中学校の授業で学んだことをきっかけに好きになり、簡単なゲームのアプリの開発ができます。SNSを通じて開発したゲームを共有し、ユーザーから感想や意見をもらって、よりよいものを作る工夫をしています。

好印象を与える話し方のポイント

回答する面接官

(出典) photo-ac.com

答えの内容が間違っていなくても、話し方によって受ける印象が左右されます。面接で特技を回答する際、どんな話し方をすれば好印象を与えられるのか見ていきましょう。

1分程度にまとめる

どんなによい内容であっても、話が長すぎると感じさせればマイナスになります。長くても1分程度にまとめましょう。面接に使える時間は限られているので、特技をアピールしたいからといって、長く話しすぎると身勝手な印象を与えます。

好印象を与えるには、できるだけ簡潔に要点を押さえて話すことが大事です。短すぎても物足りない印象を与えてしまうので、短すぎず長すぎないようにしましょう。

うまく話せないと感じるなら、実際の面接を想定し回答時間を計りながら練習する方法がおすすめです。早口すぎたり遅すぎたりしない、ちょうどよいテンポで話せているかも意識しましょう。

語尾をはっきりと言い切る

質問に答えるとき、語尾が曖昧だと自信がない印象になってしまうので、はっきりと言い切るようにしましょう。「○○です」「○○しています」というように、言い切るのが正解です。

語尾に向かうにつれて声が小さくなってしまうと聞き取りにくく、うそを言っているのではないかと思われてしまいます。

また、「○○だと思っているんですよ」「○○なんですよね」というような語尾は、初対面の面接官に対しては適切ではありません。ビジネスシーンであることを意識し、正しい言葉遣いをしましょう。

NGな特技や注意点

ストップのイメージ

(出典) photo-ac.com

どんなに得意なことでも、面接で答えるとマイナスになってしまうものもあります。NGな特技や注意点をチェックし、失敗を防ぎましょう。

倫理的に問題がありそうな回答

どんなに得意なことであっても、倫理的に問題がありそうなものを回答すると、採用されない原因になります。「アルコールに強く、いくらでも飲める」「ギャンブルが得意」などの特技は面接を受ける際には、好ましくない回答です。

どちらも節度を守っていれば問題ありませんが、自分を売り込む場でわざわざ回答すると人間性を疑われる可能性が高いでしょう。

「人をだますのが得意で、うそを見破られたことがない」「自分だけが得をするように人を陥れるのが得意」などの回答も、人間性に問題があると感じさせ、一緒に働きたいと思ってもらえません。

視点を変えて、ほかの言葉で言い換えられないか考えてみましょう。例えば、アルコールに強い人は、コミュニケーション能力が高くその場の雰囲気を盛り上げることが得意などの、よい側面を持っている場合があります。

一貫性がない

特技の内容が志望動機や自己PRなどに書いてあることと矛盾していて、人柄に一貫性がないと思われる回答をするのもNGです。よい印象を与えられそうなことを、適当に選んで答えていると思われてしまいます。

失敗を防ぐには、自分の強みや長所と矛盾しない答えを用意しておきましょう。一生懸命考えても矛盾した内容になってしまう場合は、自己分析が足りていない可能性があります。

また、特技に関する質問への答えに情熱が感じられないと、うそを言っていると思われやすいので注意しましょう。得意なことを喋っているのに、つまらなそうな様子でいると違和感を持たれる場合が少なくありません。

特技を掘り下げ質問には落ち着いて答えよう

面接を受ける女性

(出典) photo-ac.com

面接で特技について聞かれる可能性は高いので、答えを用意しておきましょう。うわべだけの回答ではなく、自己分析を十分に行い自信を持って答えることが大事です。

面接官がどんな人柄の人物なのか知りたがっていることを意識し、特技への取り組み方や工夫している点なども伝えられるように準備します。

特技がないと感じる場合、日常生活や趣味の中に得意なことがないか探してみるのも1つの方法です。口調や話す長さなども意識しながら、うまく答えられるように練習しましょう。