転職回数が多いと不利?抱かれるイメージや好印象を与える方法を解説

転職回数が多いと、採用面接で不利だと考える人は少なくありません。何回から多いと感じるかには、面接官によって個人差があります。転職回数が多い人が面接官に与える印象や、好印象を与える方法を見ていきましょう。

転職回数が多いと不利になる?

複数枚の履歴書

(出典) photo-ac.com

転職回数が多いと、転職活動で面接官によい印象を与えないことがあります。転職回数が多いと不利になるのか、判断するためのポイントを見ていきましょう。

転職は3回以上から多いと思われやすい

一般的に転職回数が3回以上になると「多い」と感じる面接官が増える傾向にあります。ただし応募者の年齢や経歴によっても印象が異なり、一概に何回だから不利とはいえません。

例えば、20代にもかかわらず短期間での退職が続いていると、スキルが身に付いていないのではないかなど、面接官にネガティブな印象を与えやすいでしょう。

ただし30代、40代と年齢を重ね、実績を伴って専門的なスキルを身に付けている場合は3回以上の転職経験があっても、問題になりにくいといえます。

納得感のある理由なら問題にならない

転職回数だけが問題になるわけではなく、転職理由も重要視されます。例えば企業の倒産や業績不振などにより、やむを得ず転職することになったなど、本人の責任ではない転職理由であれば問題になりません。

家族の介護や本人の病気などで、どうしても辞めざるを得ないケースもあるので、転職理由をできるだけ丁寧に伝え、身勝手な理由で辞めたのではないと印象付ける必要があります。

また、明確な目的やキャリアアップのために転職する場合もポジティブに捉えられやすいでしょう。

同じ職種での転職は好印象を与える場合も

同じ業種で違う企業に転職しており、経験が豊富で熟練したスキルを身に付けていると判断されれば、好印象を与えられる場合もあるのです。

例えば「A社では学べない技術を、B社で身に付けたい」と考え転職したというように、着実にスキル・キャリアを積み上げているのであれば、ネガティブな印象は与えにくいでしょう。

転職回数の正しい数え方

バインダーに記入する手元

(出典) photo-ac.com

転職回数を数える際は最初に入社した1社目は1回に数えず、2社目から1回とカウントします。中には、なかなか就職が決まらず卒業後にアルバイトをして数年間を過ごした、という人もいるでしょう。

アルバイトや派遣社員の場合、どのように数えるのが正解なのか分からなくなることがあります。転職回数を数えるときの正しい方法をチェックしましょう。

アルバイトの回数は省くのが一般的

学生時代に多くのアルバイト経験をしてきた人もいるでしょう。転職活動で職歴を書く際は、社会人になってからの経歴を書き、アルバイトの経験は入れないことが基本です。

もし、応募先と関連性が深いアルバイトをしていたのであればアピールのために入れても構いませんが、一般的には正社員として働いた経歴を優先して書きます。

入社経験がなくフリーターとして働いていた場合は、フルタイムで長く続けていたアルバイトの経歴や、仕事内容を書きましょう。

派遣社員は派遣元が変わったら1回

派遣社員は1社での契約期間が終わると別の企業で仕事をすることが一般的ですが、派遣元の企業が同じであれば、1回には数えません。

例えば、派遣社員として3社での勤務経験があり、派遣会社を退職した後で別の企業に正社員として就職した場合の転職回数は1回となります。間違えてしまいやすいので、派遣先はカウントしない点を押さえておきましょう。

転職回数が多い人に対し面接官が抱く印象

資料を見ながら面談をする男性

(出典) photo-ac.com

転職回数が多い人に対し面接官がどんな印象を抱くのか分かっていれば、事前に対策が立てられます。どんな印象を抱かれやすいのか、見ていきましょう。

経験が不足しスキルが足りない

多くの転職をしていると経験が豊富だと感じてもらえると誤解しがちですが、短期間で転職している場合、その職種における十分なスキルを身に付けているとは思ってもらえません。

職種にもよりますが、一人前の仕事ができるまでには数年の月日が必要です。たった数カ月の勤務経験では、知識や経験が浅いと判断されるでしょう。

同じ業種で転職をしているのであればまだよいですが、全く違う仕事を転々としていると、1つ1つの仕事に対するスキルが足りていないと判断される原因になります。

早期離職のリスクが高いと思われやすい

転職回数が多いと、面接官に「入社しても、またすぐに退職するのでは」と感じさせやすく、不利になるケースが多いです。

企業はできるだけ長く働いてくれる人を求めています。早期離職しそうな人を採用しても定着する見込みがなく、すぐにまた人員が不足するリスクを抱えてしまうのです。

志望動機や転職理由などから、応募者が飽きっぽかったりストレスに弱かったりする印象を受ける場合も、不採用になる確率は高いといえます。

チャレンジ精神がある

転職回数が多いと、不利になることばかりではありません。アピールの仕方を間違えなければ、チャレンジ精神がある人物だと評価される場合もあります。

転職は多くのパワーを必要とし、行動力がなければできないことです。現状に満足せず、自分を成長させるためのチャレンジを続けているとアピールできれば、よい印象を与えられるでしょう。

働く上での目標がはっきりとしている人は、自分に見合う職場を求めて転職します。熱意や向上心があると思ってもらえれば、魅力的な人材だと感じる企業は多いはずです。

転職回数が多くなってしまう原因とは?

バインダーの資料に記入する男性

(出典) photo-ac.com

明確な目的意識がなく「気付いたら転職回数が多くなっていた」という人は、原因を知って転職先の見つけ方に生かしましょう。どんな原因が考えられるのか、紹介します。

仕事内容に対する理解不足

未経験の職種に応募する際、仕事内容についての理解が足りないと自分の強みを生かせず、思い描いていたような働き方ができなくなります。

自己分析をどんなに行っても仕事内容に対する理解が足りないと、ミスマッチが起きてしまい早期離職する可能性が高まるのです。

仕事に対するイメージだけが先行すると「こんなはずではなかった」と感じやすいので、事前に十分な研究をしておきましょう。

また、どんな仕事であっても、退屈な部分や理想とは違う部分が出てくるものです。目先のことばかりではなく、広い視野を持って仕事に取り組むことも意識しましょう。

企業と自分の理想が大きく異なる

入社後に企業の雰囲気や方針などが自分の理想と大きくかけ離れていることに気付くと、早期退職の原因になります。求人情報やホームページで掲げている経営理念だけでは、実際の職場の様子は分かりません。

例えば、面接では中途採用でも活躍を期待されていたのに、入社してみたら新卒で入社した社員との格差を感じたというケースもあるでしょう。

転職先の良しあしを見極めるには、企業の情報をできるだけ細かく仕入れて検討することが大事です。

キャリアに対するビジョンを持っていない

給与や待遇ばかりに気を取られ、キャリアに対するビジョンを考えていないと、転職に失敗しやすくなります。

キャリアビジョンがない人は前職と関連性がない職種に就きやすく、転職をする度に一からやり直しになってしまい、面接官からスキルが足りないと判断される原因になるのです。

転職の度にスキルの幅が広がり、順調にキャリアアップできていれば問題ありませんが、そうでない場合は転職を繰り返す度に条件が厳しくなっていきます。

自分の将来の目標をしっかりと定め、実現するためにどんなスキルや経験が必要なのか考えて転職することが重要です。

転職回数が多くても好印象を与える方法

面接の様子

(出典) photo-ac.com

転職回数が多くても、伝え方次第では好印象を与えられます。転職回数が多く不安を感じている人は、好印象を与える方法をチェックし実践しましょう。

転職理由を前向きに伝える

人によって転職理由はさまざまですが、面接官に好印象を与えるには前向きに理由を伝える工夫をしましょう。会社に不満があるから転職したのではなく、やりたいことがあったからというように、前向きな理由に言い換えるのです。

例えば、希望の仕事ができていないと感じて転職する場合、会社が希望の部署に配属してくれないという言い方をすると傲慢な印象を与えます。

転職理由を他者の責任にするのではなく、「○○の仕事を実現させたいから」という言い方に変え、前向きな理由だと感じてもらいましょう。

企業にとって魅力のある人物だとアピール

転職回数だけが問題で不採用になるケースは、それほど多くありません。応募先にとって魅力的だと感じられる人材であれば、転職回数に関係なく採用されるはずです。

これまでの職歴で積み重ねてきた経験、スキルを生かし、応募先でどのように活躍できるのかを伝えることも重要になります。企業が求める人物像に合っていると判断されれば、プラスの評価をもらえるでしょう。

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転職回数の多さが目立たない書き方をする

転職回数が多いと職務経歴が長くなり、読みづらくなってしまいます。職務経歴書では、職務経験を種類ごとにまとめる形式にすると内容が分かりやすく、見やすいでしょう。

面接官がぱっと見たとき、応募者のこれまでの経験や持っているスキルを把握しやすくすれば、転職回数の多さが目立ちません。

多くの経歴を持っている場合は応募先に関連性が薄い業種の経験は簡単にまとめ、関連性が高いものを重点的に書く方法がおすすめです。

転職回数が多くても、今回は腰を据えて長く働きたいという気持ちをアピールすることも忘れないようにしましょう。

転職回数に見合うスキルを持っていると伝えよう

面接の様子

(出典) photo-ac.com

転職回数の多さは転職で不利になる場合が多いものの、転職理由の伝え方次第で印象を変えられる場合もあります。

明確なキャリアプランのもとに転職を決意していると感じてもらえれば、プラスの評価を受けられるでしょう。

転職回数の多さに見合った経験やスキルを持っており、自社にとって有益な人物だと判断されれば、採用される可能性は高くなります。職歴や自己PRなどの書き方を工夫し、魅力的な人物だと思ってもらえるように意識することが大事です。

水野順子
【監修者】All About 女性の転職・女性のキャリアプランガイド水野順子

官公庁、企業人事、人材紹介会社勤務を経て、キャリアカウンセラーとして独立。こころとキャリアの専門家として、女性のキャリアデザイン、ダイバーシティ、女性の働き方を中心に幅広く活動中。今までに20000人以上をカウンセリング。
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