転職活動で抱きやすい不安って?具体例や向き合い方を解説

転職活動がうまくいかないと、不安な気持ちになる場合があります。初めて転職する際は、特に強い不安を感じるでしょう。転職活動を成功させるために、気持ちをうまくコントロールする方法や不安への向き合い方をチェックしましょう。

転職活動を始める前に抱きやすい不安

パソコンを操作している男性

(出典) photo-ac.com

転職活動前の不安が大きいと、一歩を踏み出せない原因になります。多くの人が感じる不安には、どのようなものがあるでしょうか?

希望の仕事に転職できるか不安

転職活動をする際「希望の仕事は見つかるのか?」「自分の実力は通用するのか?」などの心配があると、不安な気持ちが強くなります。

「不採用になったらどうしよう」という気持ちが強く、転職に踏み切れない人もいるでしょう。人気のある職種は、応募者が多い一方で採用者数は少ないケースが多く、採用難易度は高いといえます。

このとき自分のやりたいことと、自分が貢献できることが一致する企業を探せると、採用確度はグッと高まります。

転職活動自体への不安

転職したい気持ちが大きくても、今の仕事やプライベートが忙しく物理的に転職活動の時間を取れるか不安になる人もいます。

すぐに希望の仕事が見つかるとは限らないため、今の仕事を続けながら転職活動する場合には、どうしてもタイトなスケジュールで動くことが多くなるでしょう。

「勤務時間中に応募先と電話でやりとりをしない」「効率よく動けるようにスケジュールを組む」などの工夫をして、無理のない範囲で時間を捻出するのがポイントです。

転職活動中に抱きやすい不安

履歴書に記入する手

(出典) photo-ac.com

転職を決意した後も、不安な気持ちになる場合があります。転職活動中にありがちな不安には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

書類選考を通過できるか不安

転職活動中、なかなか書類選考を通過できないと不安が大きくなります。書類選考を通過できない人は、自分の改善点を探した上で、軌道修正が必要です。履歴書は空欄を作らず、丁寧に書きましょう。

志望動機や転職理由は企業が求める人物像を意識しながら、自分のスキルを利用してどう活躍ができるのかを書きましょう。

転職理由は「今の仕事の○○が不満だから」ではなく「転職して実現したいことがあるから」というように、前向きな表現で言い換えます。

また書類選考では証明写真が与える印象も忘れてはいけません。できれば写真館などでプロに撮影してもらうのがおすすめです。

面接で何を聞かれるか不安

面接がうまくいくか不安になる人は大勢います。面接官がさまざまなことを質問する理由は自社とのマッチングを測るためです。質問の意図を理解し、自信を持って回答しましょう。

企業研究が不足していると自信が持てない原因になるので、応募先の企業情報や業界での位置付けなどをしっかりと押さえておかなければなりません。

面接は質問されるばかりでなく、こちらが知りたいことを尋ねられる機会でもあります。企業研究をしている中で生じた疑問などを質問できるくらい研究を深めておくのがベターです。

また回答の際は履歴書に記載した内容と、矛盾がないように注意します。語尾をはっきりと言い切り、話し出す前に「えーと」など、無駄な言葉を発しないよう気を付けましょう。

選考結果への不安

面接がうまくいった場合もそうでない場合も、選考結果を待つ間は不安な気持ちになるものです。

そのようなときは悩み過ぎるよりも、1次面接を通過した場合に備えて準備を進めておきましょう。採用される自信がない場合でも、ただ悩んで時間を費やすよりは次の応募先を探したり、対策し始めたりする方が時間を無駄にせずに済みます。

面接後、1週間程度で結果が分かるケースが多いものの、一概にいつまでとは言い切れません。応募者が多いときは選考期間が長引くことが多く、同等の力を備えた人ばかりが集まった場合も時間がかかります。

2次選考の準備に時間を取られる場合もあるので、選考結果の通知が遅くてもあまり気にしないようにしましょう。

転職先が決まった後に抱きやすい不安

悩むスーツの男性

(出典) photo-ac.com

転職先が決まった後でも、不安な気持ちになってしまう場合もあります。不安になる理由や対処法などをチェックしましょう。

環境が変わることへの不安

人は未知の体験をする際、多かれ少なかれ不安を感じます。事前に社風や労働環境について把握できていない場合は、不安が大きくなりがちです。

晴れて転職先が決まった後に、「新しい環境にうまくなじめるだろうか」「職場の人間関係が悪かったらどうしよう」といった気持ちになることがあります。

新しい人が来て少し戸惑うのは、周囲の人も同じです。自分から積極的にコミュニケーションを取り、自分がどんな人物なのかを知ってもらうように努めましょう。

時間の経過により不安が解消されるケースが多いですが、転職理由がはっきりとしないまま会社を辞めたり、複数の応募先を比較検討せずに転職活動をしたりすると、自分が決めた転職先に自信が持てず不安が大きくなります。

引き止めに遭わないか不安

転職先が決定した後は、今の仕事を退職するために動き出さなければなりません。引き止めに遭わないようにするには、転職理由を前向きに伝えましょう。ネガティブな言い方をすると、引き止めに遭いやすくなります。

直属の上司に退職の意向を伝えたら、退職日や引き継ぎのスケジュールなどを決定する流れです。退職の意思を伝えた日から、1~2カ月程度を目安に退職を目指します。

引き継ぎや有休消化をしなければならないので、余裕を持って早めに伝えましょう。就業規則で「退職希望日の○日前に申し出ること」などのルールが定められているので、事前に確認しておきます。

繁忙期に退職を申し出ると人手が足りず引き止められる原因になり得るので、比較的業務に余裕のある時期に転職できるように段取りすることがポイントです。

スムーズな引き継ぎができるか不安

担当している業務が多いと、スムーズに引き継ぎができないのではないかと不安になる場合があります。引き継ぎに必要な手順ややり方を押さえておくと、不安の解消に役立ちます。

会社に退職する旨を伝えたら、引き継ぎの準備を始めましょう。自分が担当していた業務をリスト化し、必要な資料をまとめたりマニュアルを制作したりします。

業務の目的・作業手順・関係者の連絡先一覧などを、分かりやすくまとめましょう。誰にどの業務を引き継げばよいのか、上司と相談しながら進めます。

後任が決まったら、退職日の2週間前までに取引先や顧客などに連絡を済ませましょう。企業によって連絡方法や手段が決まっていることがあるので、ルールに従って進めていきます。

勇気を出して転職活動するメリット

スーツのネクタイを締める男性

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転職への不安が大きく一歩を踏み出せない人は、転職活動のメリットを知ると動き出しやすくなります。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

スキルや収入が上がる可能性が高い

もし、必要なスキルを身に付けられないまま年齢を重ねてしまう不安があるなら、できるだけ早く転職を決断した方がよいでしょう。

転職のメリットとしては、新しい職種や業界にチャレンジできスキルアップが望めること、さらに自分の能力を伸ばして会社への貢献度が高まれば、収入アップのチャンスがあります。

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自分の市場価値を知ることができる

転職活動をすると、自分の市場価値を見極められるところもメリットです。1社でずっと働いていると「頑張っているのに評価されていない」と、感じる場合があります。

客観的な評価を知りたいと感じるなら、転職活動がおすすめです。給与や待遇に対する疑問や不満を感じても、比べるものがない状態では判断できません。転職活動を通じて、自分が持っているスキルや経験に対する需要をチェックしましょう。

転職活動をしたからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。自分の立ち位置を知るために利用しましょう。

選択肢を増やすことができる

転職活動をすると、選択肢が増える点もメリットです。転職活動を進めるうちに、興味を持てる職種に出会ったり自分の可能性を発見したりすることは少なくありません。

転職活動中は自分の強みやスキルなどを洗い出し、理想をかなえるために必要なものは何かを追求する作業を繰り返します。

転職をきっかけにキャリアプランを見直し、自分が本当にやりたかった道へ進めるようになる場合もあるでしょう。夢や理想をかなえるために必要な、勉強を始めるきっかけにもなるはずです。

 転職活動時の不安をコントロールするコツ

手帳に書き込む男性の後姿

(出典) photo-ac.com

不安な感情をコントロールする方法が分かれば、気持ちが楽になります。どのようなコツがあるのか見ていきましょう。

不安の原因を書き出す

自分でも何が原因か分からず、不安だけが大きくなる場合があります。何に対して不安を感じているのかはっきりさせ、1つずつ対処していくことが必要です。

「やりたいことが見つからない」「今、何をすべきか分からない」など、思い浮かんだものを紙に書いていきます。大きい不安は大きな文字で書き、不安に付随して出てきた感情・軸となる人間関係・自分の考えなども書き出していきましょう。

全てを書き出したら、不安を解消するために行動できることはないか探っていきます。内容を掘り下げようとすると、漠然と不安だと思っていただけで根拠が何もないケースもあるのです。

解消できそうな小さな不安から取り組んでいくと問題を解決しやすく、自信を持てるようになります。

転職経験者に話を聞く

周囲に転職した経験がある人がいれば、話を聞いてみましょう。ネガティブな話だけでなく、ポジティブな話も聞いてみると不安が解消されるケースは多いといえます。

転職して後悔していることや転職理由などを聞くと参考になるので、特に不安に感じていることを重点的に聞いてみましょう。

例えば、新しい環境に適応できるか不安なら「職場になじむために何をしたか」などを聞いておくと参考になるはずです。

ネガティブな意見が出てくる場合もありますが、必要だと思う情報を取捨選択し転職に役立ちそうな情報だけを生かしましょう。

健康な生活を心掛ける

「病は気から」という言葉もあるように、人の体と心は密接に関わっています。体の調子が悪いと、不安な気持ちをコントロールしづらくなってしまうのです。

生活リズムが狂うと不調に陥りやすいので、早寝早起きを心掛けるだけでも健康的な生活を送りやすくなります。

睡眠環境を整え「寝る直前はスマホやパソコンの画面を見ない」などの工夫をする方法もおすすめです。たまにはリラックスできる趣味に取り組み、気分転換をしてもよいでしょう。

不安になっても悩み過ぎないことが大切

資料を手にスマホを操作する女性

(出典) photo-ac.com

転職活動にはさまざまな不安が付きものなので、あまり深刻に悩み過ぎないようにしましょう。面接会場では自分より周囲の人々が落ち着いているように見える場合がありますが、内心は皆同じような不安を抱えているものです。

不安の原因を特定し、1つずつ解決していきましょう。あれもこれもと不安が多い人は、紙に書き出して頭の中を整理すると解決法が見えてきます。

転職活動をすると自分の市場価値が明らかになったり、不足しているものが見えてきたりするので、自分を成長させるきっかけを得られるところがメリットです。不安をコントロールしながら、転職活動を進めていきましょう。

水野順子
【監修者】All About 女性の転職・女性のキャリアプランガイド水野順子

官公庁、企業人事、人材紹介会社勤務を経て、キャリアカウンセラーとして独立。こころとキャリアの専門家として、女性のキャリアデザイン、ダイバーシティ、女性の働き方を中心に幅広く活動中。今までに20000人以上をカウンセリング。
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