仕事で限界を感じるのは甘え?限界のサインや対処法について解説

社会人として働いていれば、大なり小なり仕事に限界を感じたことがある人は多いのではないでしょうか?ダメージを無視して働き続けると、さらに自分を追い込んでしまう可能性もあります。限界と感じる原因やサイン、対処法を把握しておきましょう。

「仕事が限界」と感じる主な原因

パソコンの前で伏せている女性

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まずは、仕事が限界と感じる主な原因について知りましょう。何がストレスの原因になっているのかを把握することで、その後の対策が取りやすくなります。

苦手な業務ばかりである

得意なこと・不得意なことは人それぞれ異なります。現在の仕事が自分の得意なことや好きなことからかけ離れていると、ストレスを感じやすく限界を感じる原因となるのです。

例えば飲食店で接客をする仕事は、人と話すことが好きではない人や、チームワークが苦手な人にはつらいと感じる可能性が高いでしょう。1人で黙々と作業するのが好きなタイプには、接客よりも事務やエンジニアなどの仕事が向いているといえます。

このように向き不向きが仕事へのモチベーションに直結するため、もう限界と感じたら仕事が自分に向いているのかを一度考えてみましょう。

今後のキャリアを見通せない

いくら頑張って仕事をしても評価に反映されない会社では、仕事への意欲もなくなってしまいます。例えば、一生懸命働いているのに正当に評価されない、勤務態度ではなく上司との仲のよさだけで出世が決まるといった職場です。

社内に目標とする人がいない場合も同様です。働き続ける目標がないと、ただただ日々の業務をこなすだけになり、働くことにつらさを感じるようになります。

今後のキャリアプランが描けず、現在の会社にいることに意味を見出せなくなるのも仕事に対して限界を感じる原因です。

人間関係や労働環境がよくない

職場の人間関係は、働く上で大きなストレスとなり得ます。職場の雰囲気が悪いと、ミスが増えたり周囲との連携が取れなくなったりして、仕事にも大きな影響が出てしまうでしょう。

実際、上司からのパワハラや同僚からの嫌がらせなど、職場の人間関係が原因で転職する人も少なくありません。

また、残業が多い・休みが取れない・サービス残業が当たり前などの劣悪な労働環境も、仕事に限界を感じる原因の1つです。

職場の人間関係や労働環境が悪く、今後も変化が期待できない場合は、転職も視野に入れる必要があるでしょう。

仕事が限界と感じるのは甘え?

パソコンを前に考える男性

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仕事を辞めたいと感じることに対して、甘えであると考える人も少なからずいるのが現実です。果たして仕事を辞めるのは本当に甘えなのでしょうか?

甘えと言われてしまう理由

「仕事に飽きてきた」「怒られるのが嫌」「満員電車がつらい」など、他の会社に転職しても同じ状況になる可能性が高い理由で仕事を辞めると、周囲から甘えと思われる場合があります。

見る人によっては、自分が我慢していることにストレスを感じる人には、努力や辛抱が足りないのだと思えてしまうためです。

ただ、リモートワークや副業など働き方も変化してきている現在では、「みんなが我慢していることは我慢して当然」という以前の価値観は変わりつつあります。また、限界だと感じる理由は本人にしか分かりません。

最終的には自分が判断すること

仕事が限界と感じることについて、甘えかどうかは他人が判断するものではありません。人によってつらいと感じるポイントもキャパシティも異なるため、仮にまわりから甘えと言われても、限界を感じるなら無理は禁物です。

まわりに甘えと言われたことで決断できなくなってしまう人は、「自分の人生は自分のものであり、誰も責任を取ってくれない」と考えてみましょう。

ただし、職場を変えても同じ原因でまた辞めることにならないよう、転職する際には過去の原因を把握した上で対策を練っておく意識が必要です。

限界と感じているときのサイン

ベッドで熱を測る女性

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仕事に限界を感じているとき、体や心の状態に変化が現れることが多いといわれています。客観的に自らの状態を把握するためにも、目安として代表的なサインを押さえておきましょう。

体調不良が続く

心が限界を感じていると、体に不調が現れることも珍しくありません。例えば肌荒れ・倦怠感・吐き気・頭痛などの体調不良が続く場合は、ストレスが原因の可能性があります。

真面目な性格の人ほど、多少の体調不良は見て見ぬフリをしてしまうことも多いでしょう。しかし、体調不良は体や心に何らかのダメージを負っているサインとも考えられます。

少しでも異変を感じたら、まずはしっかりと休息することを最優先に考えましょう。仕事を休みにくい場合は、上司や同僚に協力を仰いで負担を減らしてもらうのも選択肢です。

睡眠に不調が見られる

仕事でストレスを感じていると、眠れない・頻繁に起きてしまう・起きられないといった不調を引き起こすこともあります。睡眠時間が短いばかりでなく、人によっては逆に丸1日眠たい、起きられないケースもあるようです。

睡眠時間が短かったり眠りが浅かったりすると、頭がボーっとして翌日の仕事にも支障が出るという負のループに陥りやすくなります。ミスでさらに追い込まれてしまう事態を防ぐためにも、生活サイクルの見直しやリラックスタイムの導入も検討しましょう。

急激な体重の増減がある

ストレスから食べ物を食べすぎてしまったり、逆にあまり食欲がわかず思うように食べられくなったりするケースも少なくありません。

ストレスがたまったときに好きなものを食べるのは、一概に悪いこととは断定できませんが、体重が急激に増減した場合には注意が必要です。

急激な体重の増加は必要以上に食べすぎている可能性があり、一方で急激な体重の減少は必要な栄養をしっかり取れていない可能性があります。

日頃から体重や食べたものを把握しておくと変化に気づきやすくなるため、日常的に記録する習慣を付けておくとよいでしょう。

イライラしたり泣きたくなったりする

仕事でストレスを感じていて気持ちに余裕がない状態だと、ささいなことでイライラするようになります。

人間誰しもイライラすることはあり、怒りを感じること自体に問題はありません。ただ、マイナスの感情しか感じられなくなったら要注意です。

また、仕事のことを考えると涙が出てきたり、悲しくないのに泣いてしまったりするのも、ストレスが大きくなっているサインかもしれません。上司に事情を伝え、休養する・負担を減らしてもらうといった対処も必要になるでしょう。

仕事が限界だと感じたときは?

顔を覆って悩む男性

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仕事が限界と感じたとき、どのような対処法があるのでしょうか?限界と感じている理由によって解決策も変わるため、まずは限界を感じている理由を探り、それに合わせた対応を取りましょう。

仕事内容が自分に合っているか確認

単純に仕事内容が合っていないということが原因なのであれば、転職して仕事を変えれば問題解決につながる可能性があります。

まずは、今の仕事が自分に合っているかどうかをチェックしてみましょう。以下の2点を軸に考えると仕事とのマッチ度を判断しやすくなります。

  • やりがいを感じるか
  • 成果を出しているか

仕事にやりがいや楽しさを感じず全く成果も出せていないという場合、もっと自分に合った仕事があるはずです。配置転換を願い出て違う部署に異動する、転職するといった解決策が視野に入るでしょう。

異動できないか相談

現在の業務内容がストレスの原因である場合は、異動願いを出すのも1つの方法です。

例えば現在は営業の仕事をしているけれど、商品企画の方が向いているようだと思った人は、企画部門に異動できれば悩みが解消される可能性は高いでしょう。

また、直属の上司やチームメンバーがストレスの原因であれば、チームを変わることで問題が解決できる可能性があります。

どちらのケースでも、直属の上司や人事担当者に限界を感じている状況を伝えた上で、異動ができるかどうかの相談が必要です。ただ、契約によっては部署の異動が認められない場合もあるので、事前に労働契約書を確認しておきましょう。

有給取得や休職でリフレッシュ

担当している仕事が自分に合っていても、日々仕事に追われて十分な睡眠や休みが取れていないと限界を感じるでしょう。働きすぎでストレスを感じているなら、心身を休めることが先決です。

労働環境が悪く体への負担が大きな原因となっている場合にも、休息することで回復できる可能性が高いでしょう。

数日有休を取って仕事のことを考えずにゆっくりと過ごす時間を作れば、リフレッシュできてまた仕事への意欲がわいてくるかもしれません。

回復に長くかかりそうなら、休職するという選択肢もあります。ただ、有休取得や休職が思うようにできない職場も少なくありません。休むこともできない環境であれば、転職を考えた方がよいでしょう。

場合によっては転職の検討も

社風や勤務スタイルなど会社自体に原因があると感じられる場合には、転職を検討するのがよいでしょう。

どんな会社であれ、実際に入社してみないと合う・合わないは分からないものです。会社が合わずに転職することが必ずしもマイナスにはならないので、無理なく働けそうな転職先をじっくりと探してみましょう。

転職サイトを利用すれば、忙しい社会人でも休み時間や移動時間などのタイミングで簡単に転職先を探すことが可能です。

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仕事で限界を迎えたときのNG行動

手で×を作る男性

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仕事で限界を迎えたときに、してはいけない4つのNG行動について解説します。自身のためにも会社のためにも、社会人として常識のある行動を取りましょう。

今の職場で無理をしすぎる

限界サインを無視して精神力や根性論で頑張ろうとすると、無理がたたって仕事に行けなくなったり、健康を害してしまったりする可能性があります。

特に長時間労働が重なって肉体的な疲労が蓄積している場合は、体もメンタルも不調も感じやすくなります。働けなくなってしまう前に、しっかり休みましょう。

昨今は労働環境の見直しや残業を減らすための対策など、働き方改革が進みつつあるものの、全ての職場で正しく運用されているとは限りません。

資本である心身を壊してしまっては元も子もないので、自分の状態を見極めながら無理をしないようにしましょう。

参考:
【厚生労働省】働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
【厚生労働省】過労死0実現のために

無断欠勤する

ストレスで会社に行けない状態になったとしても、原則として無断で休むのは社会人としてNGです。

連絡しにくい・上司の声が聞きたくないなど、人によってさまざまな事情があるかもしれません。しかし、無断欠勤をすると心配をかけるだけでなく、会社からの信頼も失ってしまう可能性があります。仕事を休むなら、必ず連絡しましょう。

どうしても始業までに連絡ができずに無断欠勤となってしまった場合には、始業後でも連絡して事情を説明するのがマナーです。

その際にはうそをつかず、限界を感じていることもきちんと相談しましょう。

手続きをせず仕事に行かなくなる

連絡や手続きなしにそのまま会社を辞めるのも、社会人としてしてはいけない行動です。通常、退職の意はまず直属の上司に伝える必要があります。その上で退職に関する手続きを済ませてから辞めるのが基本です。

ただ、辞めることを伝える相手である上司がストレスの原因だと、話をしたくないこともあるでしょう。どうしても対面で話ができない場合は、電話やメールで伝えたり退職代行サービスを利用したりするのも1つの方法です。

無断で辞めると場合によっては解雇になる可能性もあり、転職に不利になってしまいます。転職や失業給付金の手続きに必要な書類がもらえない可能性も少なくありません。

また、単純に信頼を損なうことにもなるため、音信不通のままフェードアウトするのはNGです。

転職面接で現職の不満を言う

たとえ労働環境や給与など会社への不満が退職の原因だったとしても、転職面接でありのまま退職理由として伝えるのは好ましくありません。

前の会社に対する不満をあからさまに伝えると、採用担当者に「この会社に入社しても同じ理由で辞めてしまうのでは?」と思われてしまいます。

例えば、給料の少なさが退職理由であれば「実力で稼ぐ力を身に付けたい」とポジティブに言い換えてみましょう。残業の多さなら「ライフワークバランスを重視しながら、プライベートでも資格取得に励みたい」と言い換えることも可能です。

転職先で同じ経験をしないために

バインダーに記入するスーツの男性

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仕事に限界を感じて転職しても、同じ状況になればまた苦しい思いをすることになります。転職する選択をした場合に、次の会社でまた同じ経験をしないためにできる事前準備ポイントを解説します。

ストレスの原因を整理しておく

仕事に限界を感じた理由を明確にしておくことで、転職先で同じ目に遭うリスクを避けられます。

給料・人間関係・労働環境・仕事内容・社風など、自分にとってストレスの原因となっていた要素をしっかりと把握して、次の仕事探しに反映させましょう。

また、第三者の客観的な意見を取り入れることも重要です。例えば自分では営業が合うと思っていても、第三者からの視点では営業を支える方が合っているということも多々あります。

身近な人に意見を聞きながら、ストレスとなった原因を探っていきましょう。

仕事選びの優先事項をはっきりさせる

仕事を選ぶに当たって大切にしたい優先事項をはっきりさせておくと、ブレない仕事選びが実現できます。

給料の高さ・仕事内容・働く目的・プライベートの時間など、何を重要視するかを明確にすることで、自分に合った職場を見つけることが可能です。

例えば、プライベートの時間を最も大切にしたい人であれば、必然的に残業の多い会社が候補から外れて自然とすり合わせができます。

仕事における優先順位は、転職活動だけでなく生きていく上での指針にもなります。今後のためにも、何を1番に考えるかを早いうちに決めておきましょう。

応募先について下調べをする

応募先の企業についてしっかり企業研究をしないと、入社してからギャップに苦しむことになりかねません。

事業内容や売上だけでなく、従業員の平均年齢・平均勤続年数など、有価証券報告書や就職四季報を活用しながら細かくリサーチしましょう。

細かい部分まで調べれば調べるほど、入社してからのミスマッチを防ぐことが可能になります。未経験の業界に転職する場合は、企業単体だけでなく業界全体についての研究も欠かせません。

仕事で限界を感じたら冷静に状況判断を

資料を記入する男性

(出典) pexels.com

仕事が限界と感じるのは多くの社会人が経験することであり、結果として仕事を辞めることは一概に甘えと言い切れません。限界を感じる理由を客観的に把握し、解決するにはどうすればよいのかを考えましょう。

中には部署異動だけで問題が解決し、退職・転職をせずに済むケースもあります。ただ、労働環境や人間関係が悪く改善も見込めなければ、転職を選んだ方がよいでしょう。

在職中は社会人としてのマナーを守りつつ、無理はしすぎない意識が大切です。転職が必要だと判断した場合は業界や企業をよくリサーチした上で、限界と感じた理由をポジティブに変換して面接官に伝えましょう。