業務内容とは?事業内容・職務内容との違いや具体例を紹介

履歴書の職歴欄に業務内容を書く際は、言葉の意味を正しく理解しておく必要があります。業務内容と職務内容の違いを知っておけば、正確に記載できるでしょう。業務内容の正しい意味や似た言葉との違い、部署ごとに何が業務内容に当たるのかを紹介します。

「業務内容」の意味を正しく把握しよう

デスクワークをする人の手元

(出典) photo-ac.com

携わってきた仕事を表す言葉に「業務内容」があります。具体的に何を指すのでしょうか?まずは言葉の定義や使い方を把握しておきましょう。

企業の各部署で行う仕事内容のこと

業務内容は、企業の中で部署ごとに行っている仕事の内容です。事業目的を達成するために、企業が各部署に振り分けている個別の仕事を意味します。

業務の具体的な内容は、企業によりさまざまです。総務部や人事部といった多くの業界に共通する業務だけでなく、商品開発部や製造部など特定の業界にのみ存在する業務もあります。

食品メーカーを例に挙げると、生産・開発事業部という部署がある場合は、食品の開発・製造・加工が業務内容に当たるでしょう。

職種ごとの仕事内容を指すことも

企業の各部署で行われる仕事内容だけでなく、ケアマネジャー・保育士・エンジニアなど職種ごとの仕事内容を業務内容と呼ぶケースもあります。

例えば、ケアマネジャーの場合は、介護サービス計画書の立案・定期的な自宅訪問による状況把握などが主な業務内容です。保育士なら子どものお世話や健康管理、保育環境の清掃・整備といった仕事が業務に該当します。

一般的な企業に存在する経理部・人事部・営業部といった部署も、それぞれ経理・人事・営業の職種で部署分けされているため、各職種の仕事内容がそのまま業務内容になるともいえます。

事業内容や職務内容との違いは?

パソコンを操作する人の手元

(出典) photo-ac.com

業務内容と意味を混同しやすい言葉に、「事業内容」「職務内容」があります。業務内容と併せて、事業内容と職務内容の定義も覚えておきましょう。

「事業内容」は会社が行っている仕事

事業内容とは、会社自体が行っている仕事の内容です。例えば、自動車メーカーの主な事業内容は、自動車の開発・生産・販売となるでしょう。

1つの会社につき、事業内容も1つのみとは限りません。さまざまな分野で手広く事業を展開している会社なら、事業内容も多岐にわたります。

事業内容をさらに細分化したものが業務内容と考えれば分かりやすいでしょう。会社の事業内容が分からない場合、定款に記載されている事業目的を見れば分かります。

「職務内容」は個人が任されている仕事

会社で個人が任されている仕事のことを、職務内容といいます。部署ごとの仕事を指す業務内容を、さらに細分化したものです。

同じ部署に所属していても、基本的に職務内容は人により異なります。部署ごとの目標を達成するためには、業務内容を細かく分けて各従業員に割り振る必要があるからです。

履歴書や面接で職務内容を伝えるときは、自分が担当していた具体的な仕事内容伝える必要があります。職種や業務内容を記載するだけでは不十分です。

業務内容の具体例

握手をする2人

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転職活動中に業務内容を聞かれた場合、実際にどのようなことを伝えればよいのでしょうか?業務内容の具体例を部署別に紹介します。

営業部「顧客とのやりとり」

営業部の主な業務内容は、自社で取り扱っている商品・サービスを、顧客に提供する窓口となることです。商談・見積・受注・納品など、さまざまな業務があります。

営業職は、いくつかの種類に分かれていることも特徴です。個人営業・法人営業・新規営業・ルート営業・内勤営業などがあり、業務内容もそれぞれに異なっています。

企業によっては、営業部の中に資料作成・顧客対応をメインの仕事とする人を配置しているケースもあります。これらの仕事は事務業務ともいえるため、職務内容とする方が違和感は少ないでしょう。

人事部「社内の人事や採用活動」

企業の経営資源「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のうち、「ヒト」に関する仕事全般に携わるのが人事部です。人材の獲得・管理・活用といった幅広い業務を担当します。

採用活動・人事評価・人材教育などの仕事が、人事部の主な業務内容になるでしょう。それぞれの業務はさらに細分化できるため、企業によっては人事部をいくつかの部署に分けているケースもあります。

例えば、採用を担当する部署が個別に設けられているなら、新卒・中途者の採用活動を業務内容にしなければならないでしょう。

経理部「お金の流れの管理」

経理部は、経営資源のうち「カネ」を扱う部署です。預金管理・経費の精算・決算処理など、会社のお金の流れを管理します。

経理部が担当する業務は、企業の規模によって変わります。例えば、大企業の場合は業務が複雑化しやすいため、さまざまな仕事が必要になるでしょう。

中小企業の経理部は大企業ほど業務が複雑にならないので、総務や労務に関する業務を並行して行うこともあります。

企業のお金に関する仕事は、厳密には経理・会計・財務の3種類に分けられますが、全ての業務を経理部で担当するのが一般的です。

業務内容の正しい意味を知り転職に生かそう

パソコンに向かう後ろ姿

(出典) photo-ac.com

業務内容とは、会社の部署ごとに行う仕事内容のことです。似た意味の「事業内容」は会社が行う仕事を指し、「職務内容」は個人が任されている仕事を意味します。

履歴書や面接で業務内容を伝えるに当たって記載するのは、会社の事業や個人の仕事ではなく、自分が所属している部署の仕事内容です。

業務内容や事業内容・職務内容を分けて記載すれば、用語をしっかり理解しているというアピールにつながります。言葉の意味をきちんと理解し、転職活動を不安なく進めていきましょう。