面接は当日キャンセルしても大丈夫?マナーや伝え方の例文を解説

面接当日に体調を崩してしまったら、どうすればよいのでしょうか?直前にキャンセルや日程の変更をしてもよいのかと、不安になる人もいるかもしれません。面接を当日キャンセルするときのマナーや、伝え方の例文をシチュエーション別に解説します。

面接は当日でもキャンセルはできる?

面接官の男性2名

(出典) photo-ac.com

体調不良や急な仕事が入ったなどの事情が発生した場合、面接の当日にキャンセルしてもよいのでしょうか?まずは基本的な考え方を見ていきましょう。

やむを得ない事情があれば仕方ないと考えよう

面接の当日にキャンセルすることは可能です。しかし、突然の面接の辞退は、準備をしていた企業側にとって迷惑になってしまいます。できれば当日ギリギリではなく、遅くとも前日までに連絡するのが、社会人としての基本的なマナーです。

とはいえ、体調不良や家庭の事情など、当日になって予期せぬ出来事が起こってしまうこともあります。やむを得ない理由でどうしても行けない場合は、面接当日のキャンセルも致し方ないと考えましょう。

ただ、理由によってはあまりよい印象を持たれず、採用の可能性が低くなってしまうリスクもあります。あくまでも避けられない事情がある場合のみ、キャンセルできると考えるのが賢明です。

選考自体をキャンセルする場合も必要なマナー

スマホを操作する手

(出典) photo-ac.com

他社から内定をもらったために、面接だけでなく、そもそも選考自体をストップしてもらいたいという人もいるでしょう。ただ、選考辞退のケースでも最低限のマナーは必要です。当日になって欠席するときは、何に気を付ければよいのでしょうか?

辞退でも連絡は必須

当日に辞退するのは言いにくいからといって、連絡せずに無断で欠席するのはやめましょう。正式に日程を取り決めた面接に連絡もせず欠席すると、社会人としての常識を疑われかねません。

入社しないからもう会わないと思っていても、転職先企業の取引先だったという場合も少なくありません。特に同じ業界内で転職活動をしていると、悪い評判が伝わってしまう可能性もゼロではないため、最低限のマナーを守った行動が必要です。

できるだけ早めに電話で連絡

面接に行けないことが分かったら、早めに連絡を入れましょう。当日キャンセルする場合は、メールではなく電話をかけて直接担当者に伝えることが基本です。

担当者の名前が不明なときは、「面接担当の方」と伝えれば問題ありません。もし担当者が不在であれば、電話の対応をしてくれた人に選考を辞退したい旨を伝え、伝言をお願いしましょう。

その上でメールを送り、電話をしたが不在だった件と併せ、当日に面接を欠席することへのお詫びを伝えます。

理由は詳しく伝えなくてもOK

選考そのものを辞退するときは、必ずしもこちら側から詳しい理由を伝える必要はありません。「諸般の事情により」とするだけでもOKです。

しかし担当者によっては、なぜ辞退するのか理由を聞かれることがあるかもしれません。その場合は理由が何であっても、相手に不快な思いをさせないように真摯な態度で伝えることが大切です。

他社への転職を決めたのであれば、「他社から内定をもらったため」と正直に伝えても構いません。ただし、待遇に不満があったからといった、企業に対する批判と受け取られるような言い方は避けましょう。

選考は諦めたくない場合のマナー

スマホで通話する人

(出典) photo-ac.com

急な体調不良や家族の都合などで、志望度の高い企業の面接を欠席しなければならない状況もあるでしょう。可能であれば日程を変えてまた面接を受けたい場合は、選考を辞退するとき以上に配慮や伝え方の工夫が必要です。

理由を具体的に説明する

当日になって面接をキャンセルせざるを得なくなった場合は、理由について具体的な説明が必要です。ただ「都合が悪くなったので」といった曖昧な理由では、本気で入社を考えているのか疑問に思われてしまう可能性があります。

体調不良の場合は「発熱した」「めまいで外出が難しい」など、症状をそのまま伝えれば問題ありません。家庭の事情で面接を受けられなくなってしまった場合は、差し支えない範囲で理由を具体的に伝えましょう。

「家族が突然倒れた」「親戚に不幸があった」としっかり説明すれば、面接官にも納得してもらいやすくなるでしょう。

営業時間や担当者がいる時間に配慮する

面接当日に都合が付かなくなると、早く連絡しなければと慌ててしまいがちです。しかし、採用担当者や電話窓口の人が出社していない時間だと連絡が付きません。たとえつながったとしても、勤務時間外に対応させてしまうのはマナーに反します。

面接が当日でも、基本的に会社の始業時間を待ってから連絡しましょう。明らかに担当者が不在であるタイミングが分かっている場合は、その時間帯も避けた方が無難です。

特に今後お世話になる可能性がまだある企業への連絡では、常識的な対応ができるというアピールも考える必要があります。

謝罪して日程を変更ができるか聞く

欠席の連絡がつながったときは、まず欠席を謝罪した上で、日程を変えて面接できるか担当者に直接確認しましょう。体調不良をはじめとしたやむを得ない理由があれば、日程を再調整してもらえる可能性もあります。

スケジュールを変えただけで選考に不利になるとは限りませんが、何度も変更するとなると信頼を失うリスクが大きいでしょう。本当に面接を受ける気があるのかと、担当者から不信感を抱かれかねせん。

日程変更が可能であれば、不足の事態にも備えられるよう、希望日をいくつか提示すると安心です。

面接を当日キャンセルする伝え方と例文

ノートにメモを取る手元

(出典) photo-ac.com

できるだけ悪い印象を与えずに面接をキャンセルするには、どう伝えればよいのでしょうか?電話での伝え方の例文を、理由別に紹介します。

体調不良の場合

体調不良で当日の面接に行けないときは、症状を具体的に伝えることがポイントです。面接に行けないくらい症状が重いと分かれば、担当者も納得しやすいでしょう。

【例文】

お忙しいところ失礼いたします。私、本日〇時から面接のお約束をいただいている〇〇(フルネーム)と申します。

大変申し訳ありませんが、昨夜から発熱してしまい、今朝もまだ38℃から下がらない状態です。大変恐れ入りますが、本日の面接の日程を変更していただくことは可能でしょうか。

話し始めには名乗りとあいさつを入れます。今後も引き続き選考を受けたい場合は、「キャンセルしたい」ではなく「日程変更ができるか」という伝え方で、当日は欠席せざるを得ない状況を伝えましょう。

家庭の事情の場合

家庭の事情で当日に面接を欠席するときは、具体的な理由を説明しましょう。細かい内容は無理だとしても、面接に行けないのは仕方ないと承諾してもらえるように伝えることが大切です。

【例文】

お忙しいところ失礼いたします。本日〇時より面接のお約束をいただいている〇〇(フルネーム)と申します。

実は昨夜父の体調が急に悪くなり、救急車で搬送されてそのまま入院となってしまいました。手続きで病院に行かなければならないため、大変恐縮ですが日程を変更していただくことは可能でしょうか。

できるだけ具体的に事情を説明することで、急を要する事態だと伝わりやすくなります。

他社から内定をもらった場合

他社から内定をもらったときも、特に内定先と面接をキャンセルする企業が同じ業界なら、正直に伝えた方がよいでしょう。今後も何らかの形で関わりがある可能性を考えて、しっかりお詫びをし、不快にさせるような表現を使わないように気を付けます。

【例文】

お忙しいところ失礼いたします。私、本日〇時から面接のお約束をいただいている〇〇(フルネーム)と申します。

大変申し上げにくいのですが、実は先ほど他社から内定の連絡が入ったため、御社の面接を辞退させていただきたいと思いご連絡を差し上げました。直前のご連絡となってしまったこと、大変申し訳ございません。

最後はしっかりと謝罪で締めれば、より好印象です。お互いに気持ちよく会話を終えられるよう、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

面接の当日キャンセルは早急に連絡しよう

スマホを持つ手元

(出典) photo-ac.com

企業の採用担当者は、面接に向けてスケジュールの調整をはじめ、さまざまな準備をしています。面接当日の欠席は企業にも迷惑がかかってしまうため、できれば避けたい事態です。

しかし、急な体調不良や家庭の事情などでキャンセルもやむを得ない場合もあります。どうしても面接に行けなくなってしまったときは、早急に連絡することがマナーです。今後関わる可能性が高いかどうかも考えて、失礼のない対応を取りましょう。