入社後にしたいことを聞かれたら?答え方を例文11選で一挙紹介

面接で聞かれる「入社後にしたいこと」は、企業の理解度や関心度をチェックするための質問です。結論から入り、その後で具体的な内容を話すと伝わりやすくなります。抽象的・個人的な話題は避け、組織に貢献できるような強み・経験を話しましょう。

この記事のポイント

「入社後にしたいこと」は、企業の理解度を確かめる質問
企業には、人材のミスマッチを防ぎたいという意図があります。企業研究をしっかり行い、仕事への熱意を伝えましょう。
どのような職種でも、具体的なエピソードや経験が重要
「私には〇〇という強みがあり、御社の〇〇に生かせます」というように、企業にとってのメリットをアピールします。
抽象的な内容や個人的な目標はNG
面接の場では、自社に貢献できる人材かどうかが判断されます。仕事への熱意が伝わらない内容は控えるのが基本です。

入社後にしたいことを面接で聞く理由

面接官が2人と面接を受ける男性

(出典) pixta.jp

なぜ、面接では「入社後にしたいこと」を聞かれるのでしょうか。はじめに、その理由について解説します。

事業や業務の内容を理解しているか知るため

まず挙げられるのが、事業や業務に対する理解度を知りたいという理由です。

企業理念やビジョンへの理解がないまま入社した場合、事業に携わる上での目的意識が育たず、早期に辞めるリスクがあります。目標に向かうチームの士気を下げるケースもあるでしょう。

このようなミスマッチを防ぐ意図があるため、「会社のことを調べていないんだな」と採用担当者に思われないように、入念な企業研究をしましょう。

志望度の高さを確かめるため

志望度の高さは、内定者を決める際の基準の1つです。応募者が複数の企業に応募している点は、企業も想定しています。内定辞退を防ぐ目的で、志望度が低いと感じた応募者を不採用とするケースも少なくありません。

質問に対し、業務内容を絡めて具体的な目標を話せれば、入社に向けた熱意がしっかりと伝わるでしょう。

仕事への意欲や価値観を知るため

応募者が描くキャリアビジョンを確かめる意図もあります。企業研究を徹底している応募者でも、その企業で実現できない未来を描いていれば、ミスマッチと判断されるでしょう。

採用面接では、企業にとって適切な人材を確保するための質問が行われます。応募者の価値観や人となりを理解すれば、企業も入社後のイメージが容易になるでしょう。

「志望動機」との違いは?

履歴書の志望動機欄

(出典) pixta.jp

「入社後にしたいこと」との違いが分かりにくいのが「志望動機」です。同じ質問にも見えますが、両者には異なる点があります。

志望動機では「なぜその企業に入社したくて、その企業のために何ができるか」をアピールします。一方、「入社後にしたいこと」は「会社に入って、その後どうなりたいか」を回答する質問です。

志望動機を述べる際には、「その企業である理由」が重視されます。その企業に入った際の具体的なキャリアプランを述べる「入社後にしたいこと」とは、そういう点で異なります。

「入社後にしたいこと」への答え方

「入社後にしたいこと」の質問には、以下のステップで答えると効果的です。ここでは、それぞれのステップについて解説します。

  1. 結論から話す
  2. 具体的な仕事内容を話す
  3. 自分の強みと会社のメリットを伝える

1.結論から話す

「入社後にしたいこと」の答え方に限りませんが、面接での質問に対しては、結論から話すことが大切です。はじめに「入社後に〇〇をしたい」と端的に述べると、その後の話の内容が伝わりやすくなります。

2.具体的な仕事内容を話す

具体的な仕事内容を話す際は、漠然とした回答にならないように根拠を明確に示しながら伝えます。

(例)

〇〇で4年間、販売スタッフとして経験を積みました。そこで培ったコミュニケーションスキルを生かし、入社後は営業職として御社の△△の魅力を広めてまいります。

 

このように、その企業で実際に扱っている商品・サービス名を盛り込むと効果的です。「うちの会社でなくてもよいのでは?」と採用担当者に思われないよう、企業研究は入念に行いましょう。

3.自分の強みと会社のメリットを伝える

(例)

〇〇の知見が私の武器です。これを生かし、御社の△△開発に貢献してまいります。

 

このように、単に「私には〇〇という強みがあります」で終わるのではなく、それがどのような形で会社のメリットになるかを伝えることが重要です。

また、入社後に向けて努力していることや準備していることがあれば、積極的にアピールしましょう。

仕事別「入社後にしたいこと」例文7選

空を見上げるビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

実際に入社してからしたいことは職種によって異なります。ここでは、「入社後にしたいこと」に対する回答の例文の他、やりたいことの見つけ方を仕事別に7つ紹介します。

営業職

営業職の例文とやりたいことの見つけ方は以下の通りです。

営業職の例文

私は営業の仕事を通じて、より多くの企業に御社の〇〇を普及させたいと考えております。

中小企業をメインターゲットとした御社の〇〇事業は、日本の産業を下支えする人々にとって多くのメリットがあります。私は営業職としてサービスの認知度向上に努め、中小企業の活性化に貢献したいと思います。

私の強みは、ITベンチャーでの法人営業経験です。そこで培ったコミュニケーションスキルと専門知識を生かし、技術的な知見を含めた提案を心がけてまいります。

 

やりたいことの見つけ方(営業職)

営業職は、コミュニケーションスキルを生かせる仕事です。企業のメリットとなる提案力や交渉力があれば、大きな武器になります。

一方、営業職の採用面接は競争が激しいのも事実です。コミュニケーション能力をアピールする人は多いため、その上で自分らしさを発揮することが必要となるでしょう。

事務職

事務職の例文とやりたいことの見つけ方は以下の通りです。

事務職の例文

私は事務職として、より働きやすい環境づくりに貢献してまいります。

御社は年々新規顧客の獲得数を増やしている営業力のある組織です。私は事務の立場から営業部をサポートし、さらなる業務効率化実現の一助になりたいと思います。

前職では税理士事務所に勤めていたため、Excelや会計ソフトの扱いには自信があります。

入社後も積極的に学び続け、将来的には新人教育やマネジメント業務にも携わりたいと考えております。

 

やりたいことの見つけ方(事務職)

メール対応・書類作成・データ入力などを担当する事務職は、パソコンの操作スキルやタスク管理能力を生かせます。資格や検定合格といった実績があれば、採用担当者にも分かりやすく伝えられるでしょう。

それらの資格がなくても、例えば、電話対応をこなせるコミュニケーション能力はアピールできるスキルの1つです。事務職に生かせそうなスキル・経験を整理しておきましょう。

販売職

販売職の例文とやりたいことの見つけ方は以下の通りです。

販売職の例文

私は接客業務を通じて、御社のブランドイメージ向上に貢献してまいります。

以前から御社の店舗を利用しており、親切でありながら強引さのない、顧客に寄り添った接客に憧れを持っていました。

大学卒業後に就職した〇〇社では、販売スタッフとして〇年の経験を積んでいます。そこで、お客さまの声を直接聞く立場としての自覚が芽生えました。

商品の魅力を伝え、ときには傾聴する柔軟な対応力を強みに、より良い顧客体験を実現したいと考えております。

 

やりたいことの見つけ方(販売職)

販売職は接客業務がメインとなるため、多くの顧客に対して臨機応変に動ける柔軟性や相手の要望を聞き出すコミュニケーションスキルをアピールできる職種です。店頭での販売スタッフの経験や飲食店のホールスタッフの経験が生かせます。

コミュニケーション能力は「あって当たり前」と思われることも多いため、人当たりの良さや語学力など、周囲と差別化できる要素を探してみましょう。

製造業

製造業の例文とやりたいことの見つけ方は以下の通りです。

製造業の例文

私は入社後、高品質かつ安心・安全な製品づくりに貢献したいと考えております。

御社は〇〇食品業界で、長年大きなシェアを占めています。以前、御社の工場を見学した際、衛生管理の厳正さや従業員1人1人のプロ意識に感銘を受けました。

周囲と連携しながら、厚い信頼を得られる製造部門の一員として努力してまいりたいと思います。

 

やりたいことの見つけ方(製造業)

製造業では「この商品が好き」という単純な興味・関心だけでなく、その商品に携わりたいと感じた具体的なエピソードを伝えると効果的です。

また、工場をはじめとする製造業の現場では、チームを組んで仕事するケースが多いため、協調性も必要です。「スポーツでチームプレーの経験がある」「ボランティア活動をしていた」など、周囲と連携できる点が伝わるエピソードを探してみましょう。

エンジニア

エンジニアの例文とやりたいことの見つけ方は以下の通りです。

エンジニアの例文

御社が開発する〇〇システムに携わりたいと考えています。

〇〇システムは多くの企業のDX化に貢献しており、今後さらに広まるフェーズにあります。私は成長を続ける御社のエネルギッシュな雰囲気に魅力を感じました。

前職では客先常駐のエンジニアとして、要件定義から運用、保守まで多くの経験を積みました。クライアントの要望に臨機応変に対応するコミュニケーションスキルにも自信があります。

これまで培ってきたスキルと経験を武器に、〇〇システムの開発に貢献してまいります。

 

やりたいことの見つけ方(エンジニア)

エンジニアは技術職ですが、クライアントと関わるため、コミュニケーションスキルも大切です。自社エンジニアでも、社内外とやりとりしなければなりません。

コミュニケーションスキルを重視しながら、エンジニアに必要な課題発見力をアピールしましょう。IT業界は常に新しい技術が生まれているため、知識をアップデートする学習意欲も必要です。

企画職

企画職の例文とやりたいことの見つけ方は以下の通りです。

企画職の例文

私は企画職として、より良い〇〇を提案し、新たなマーケットを開拓したいと考えています。

御社は高い実績を持ちながら、△△業界への新規参入など、変化を恐れず新たな挑戦を続ける社風が根付いていると感じました。

前職では小売店向けの営業で多くの新規顧客を獲得した経験があり、プレゼンテーション能力が私の強みです。市場のニーズをキャッチアップし、将来的には新規事業の立ち上げにも携わりたいと思っております。

 

やりたいことの見つけ方(企画職)

企画職の仕事では、提案を上層部に通して社内の理解を得るための高いコミュニケーションスキルが必要です。

周囲が納得するアイデアを出すために、世間の需要の変化に敏感になりましょう。情報収集能力は、企画職の面接でもアピールできるスキルの1つです。

「なぜその企画を立ち上げ、組織にどういうメリットがあるか」を説明できる論理的な思考力もあるとよいでしょう。

研究職

研究職の例文とやりたいことの見つけ方は以下の通りです。

研究職の例文

私は研究職として、御社の主力商品である〇〇を、より多くの人が利用できる形にしたいと考えております。

大学院まで専攻していた△△学の知識を生かし、前職では▲▲の改良に成功しました。この経験は、〇〇の開発にも役立つと思います。

〇〇には▢▢という魅力があると感じました。これをさらに改良し、より多くの人が手に取れる商品として開発してまいります。

 

やりたいことの見つけ方(研究職)

研究職では、大学の専攻やこれまでの研究・開発経験が企業にどう生かせるかをアピールします。

単に「〇〇の知識が豊富」「〇〇の知識を生かす」といった伝え方ではなく、携わりたい商品やサービスを具体的に示すことが望ましいでしょう。

「入社後にしたいこと」のNG例文4選

応募書類を確認する採用担当者

(出典) pixta.jp

ここからは、「入社後にしたいこと」への答え方のNG例を、4パターンに分けて紹介します。

具体性がない

(NG例)

私はこれまでの営業経験を生かし、御社で多くの成果を創出したいと思っております。

コミュニケーション能力が私の強みです。積極的に連携を図り、周囲から信頼されるような社員を目指してまいります。

 

上記の例文は、具体的にどのような経験を積んだか、経験を企業にどう生かせるかが不明瞭です。

抽象的で具体性のない内容は、熱意が伝わりにくいでしょう。誰が聞いてもイメージできるような具体的な経験・エピソードを話すことが大切です。

個人的な内容になっている

(NG例)

入社後は、ワークライフバランスの取れた生活を意識したいと思っております。

プライベートと両立させることで、モチベーションを高く保ちながら仕事に励んでまいります。

 

「入社後にしたいこと」を聞かれて、個人的な目標を答えるのは避けましょう。組織に貢献する意識が薄いと判断され、社会人としてどうなのかと疑問を持たれてしまいます。

採用担当者は、自社にマッチした人材かどうかを面接で判断します。個人的な話は控えるのが無難でしょう。

ネガティブなことを言う

(NG例)

コミュニケーションは不得意ですが、SEとしての技術力には自信を持っています。

まだまだ知識不足ですが、努力してまいります。

 

入社後にしたいことを答えても、動機がネガティブだとマイナスイメージにつながります。謙遜しているつもりでも、「仕事を任せられる人材か」「レベルが低いのではないか」と心配される恐れがあります。

入社後にしたいことを聞かれた際に、短所について話す必要はありません。面接の場でネガティブな発言は控えましょう。

非現実的すぎる内容

(NG例)

入社後は御社の認知度向上に努め、世界的な企業へと成長させてまいります。

グローバルに活躍できる人材になることが私の目標です。

 

「入社後にしたいこと」は実現できることが大前提です。大きな目標を掲げるのは悪いことではありませんが、「うちの仕事を理解しているのか」と疑問を持たれるかもしれません。

企業の特徴や事業領域を踏まえた上で、実現できる目標を具体的に伝えることが大切です。

具体的な目標を伝えて熱意をアピールしよう

就職面接を受ける就活生の後ろ姿と面接官

(出典) pixta.jp

面接でよく聞かれる「入社後にしたいこと」という質問に対しては、いずれの職種も企業のためになる目標を伝え、具体的な経験・強みを話すことが大切です。入念な企業研究をした上で、ぜひ実現したいという熱意をアピールしましょう。

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