転職面接で将来の夢を聞かれる理由とは。答え方のポイントを解説

転職の面接では、将来の夢を質問されることがあります。突然質問されるとどう答えればよいのか悩んでしまうかもしれません。なぜ転職面接で将来の夢を聞かれるのか、理由や答え方を解説します。職種別の例文と、まとめ方も見ていきましょう。

転職面接で将来の夢を聞かれる理由

面接の様子

(出典) photo-ac.com

転職面接では、「将来の夢は何ですか」「○年後にこうなりたいなど、ビジョンはありますか」といった形で質問されることがあります。面接官が、将来の夢を聞く意図は何なのでしょうか?主な理由を紹介します。

自社で活躍できる人材か

将来の夢からは、応募者の目標と想像する未来が分かります。採用担当側の目線から見ると、応募者が想像する未来と会社のビジョン・目標が合っているかを確認したいと考えられるでしょう。

例えば「車が趣味で将来は日本一周旅行がしたい」という夢からは、ビジネス面の目標や入社後に貢献できる分野が想像できません。対して、「仕事で結果を出し、いずれは本社勤務を目指したい」という夢は、自社での活躍が想像できます。

面接での将来の夢は、仕事に関連する内容または熱意を表現できるものが向いているでしょう。

社風とマッチしているか

将来の夢からは、応募者の考え方や姿勢が分かります。将来の方向性によって、社風・働き方とマッチしているかも判断できるでしょう。

例えば結果や効率を重視する会社の場合、「営業成績トップを目指したい」という夢は社風と一致しています。

そのほか、「長期出張が多い」「単身赴任の可能性がある」など、会社が求める働き方も将来のビジョンと関わってきます。将来の夢の中で異動に抵抗がないビジョンを示すと、採用側も応募者のキャリアが描きやすくなるでしょう。

仕事に対して自主性があるか

自分の将来に明確なビジョンを持っている人は、目標に向かって進む自主性があります。具体的な夢と目標、達成するためのビジョンによって、応募者の仕事に対する思いが分かるでしょう。

このとき「◯年後までに達成したい」「達成するために、自分はこう動く」など、内容が具体的で、達成までの道筋が把握できている人ほど評価が上がります。

目標がある人とない人では仕事に対する熱意も変わるため、将来の夢を聞いて熱意と目標がある人を採用したいと考えているのです。

将来の夢を聞かれたときは、自分の夢に対してどう動いていくか、前向きな気持ちを伝えることも必要になるでしょう。

将来の夢を伝える際の注意点

面接で話をするスーツの男性

(出典) photo-ac.com

 

将来の夢を回答するとき、注意点はあるのでしょうか?答えるときのNG例や、将来の夢が思いつかないときにどうすればよいのかを紹介します。答え方によっては評価が下がる可能性もあるため、くれぐれも注意しましょう。

仕事に関係のない夢は避ける

面接で将来の夢について聞かた際、多くの場合は仕事に関係のある内容を求められています。無関係な夢を回答するのは避けたほうが無難です。

仕事に関係のない夢として、「いつかバケツプリンを食べてみたい」「〇〇という犬種の犬を飼いたい」のようなものが挙げられます。スイーツを作る仕事や動物を育てる仕事であれば関連性を見いだせる可能性もありますが、基本的にはNGです。

家庭に関する夢も、「その夢をかなえるために仕事で○○の結果を出したい」といった関連付けが必要になるでしょう。できるだけプライベートに関わる夢は避け、業務や業界に関するビジョンを回答するのが無難です。

「ない」と答えるのはNG

将来の夢が思い浮かばないとき、正直に「ありません」と答えてしまうと、「目標や熱意がない」と認識され、面接官にネガティブな印象を与える可能性があります。

企業は、熱意を持ち、長く働いてくれる人材を求めているため、将来の夢がないと、長期的なビジョンが分からず採用の判断が難しくなるのです。

将来の夢が思い浮かばないときは、まずは自己分析から始めましょう。自分のやりたいことや理想の姿をイメージし、具体的な「夢」として言語化するのがおすすめです。

自分の経験から思い浮かぶ夢がないときは、企業研究を通して「企業側が求める人材」を意識しながら、働いている自分を想像してみましょう。

将来の夢のまとめ方

面接官の女性

(出典) photo-ac.com

仕事に関する将来の夢を見つけて内容をまとめるには、いくつかの段階があります。将来の夢を見つける方法や、面接で話す内容の選び方を確認しましょう。

自己分析・企業研究を行う

面接官が将来の夢に関する質問の答えから知りたいことは、「入社後のビジョン」です。自分の将来の夢がすぐに思い浮かばないときは、自分の長所や短所、思考の再把握と企業研究から始めてみましょう。

自己分析ではこれまで仕事で貢献できたこと、得意不得意、仕事に対する考え方などを洗い出し、「挑戦したいこと」「夢」「目標」に落とし込みます。

企業研究では、経営理念・業界内での立ち位置・提供サービスなど、全般的に調査した上で、自分の夢と企業の向かう方向の重なるポイントを見つけましょう。

応募企業でかなえられる夢を選ぶ

面接で答える内容は、応募企業との関連性が求められます。自分の将来の夢が、入社によってかなえられるものか確認しましょう。業界や職種と一致している夢は、評価が高くなります。

例えば、車の製造に関わる仕事であれば、「世界に通用する技術を学び、品質の高い車を作りたい」という夢は仕事内容と一致しています。

しかし、「将来の夢はおいしいケーキを作って多くの人に振る舞うこと」と伝えても、入社後に何がしたいのかビジョンが見えません。極端にズレた発言は、評価を下げる原因になります。

まずは、入社した場合に自分の夢がかなえられるのかをしっかり把握しましょう。

面接で将来の夢を伝えるコツ

面接官に向かって話す女性

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面接で将来の夢を伝えるときは、構成や話す時間を考える必要があります。基本的な構成の作り方や、盛り込みたい内容を見ていきましょう。

結論から始めて簡潔にまとめる

面接での回答は、結論から答えることが基本です。将来の夢を答えるときも、まずは「将来の夢は○○です」から始めましょう。

まずは、自分の夢が何なのか面接官に伝えます。最初に結論を持ってくることで、分かりやすい構成になるでしょう。

回答が長くなりすぎないよう、簡潔に答えることも大切です。基本的には、1分程度での回答を目指しましょう。面接官から時間を指定されたときは、指示に従います。

具体的なエピソードを交える

面接での回答は具体性を重視しましょう。結論だけを述べて終わってしまうと、相手に熱意や気持ちが伝わりにくくなります。

自分が経験したエピソードを付け加えることで、実体験としての説得力が生まれるはずです。なぜ将来の夢を持つようになったのか、きっかけとなるエピソードを追加してみましょう。

エピソードによって、将来の夢が明確なビジョンとして想像できます。面接官にイメージしてもらうためにも、臨場感のあるエピソードを選択しましょう。

実現するために何をすべきか話す

面接での「将来の夢」に関する質問では、単なる自分の希望を伝えるべきではありません。入社してかなえたい夢として伝えるだけでなく、「かなえるための努力」や「実行しているポイント」を伝えます。

面接官は、将来の夢を入社後にかなえてもらいたいと考えているはずです。実行できないような壮大すぎる夢は避け、実際に何ができるかを考えましょう。

「営業成績を上げる」という夢なら、そのためにコミュニケーション能力を磨く様子や、販売商品について学ぶ姿勢が求められます。入社して夢をかなえるという強い意志が伝われば、採用にもよい影響を与えるでしょう。

職種別将来の夢の回答例

資料を見ているスーツの男性

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実際に将来の夢を回答するとき、職種ごとに適した内容は変わります。営業・企画・事務ではどのような例が適切なのか、それぞれ例文を見ていきましょう。

営業職の場合

営業職の場合、仕事に関係のある将来の夢は「商品販売の実績に関すること」や「顧客とのコミュニケーション」にまつわるものが適しています。

売上面でトップを目指すのも将来の夢として挙げられますが、顧客とのコミュニケーションに注目し、よい関係を作っていくことも営業職ならではの夢です。

【回答例】

私の将来の夢は、人に寄り添った提案ができる人間になることです。

前職でも顧客とコミュニケーションを取る機会が多かったのですが、お客様が本当に求めているものを提案できたときには、とても喜んでくださいました。できる限り、喜ばれる機会を増やしたいと思っています。

御社で取り扱われている保険商品には数多くのものがあり、特性はそれぞれ違います。多くの商品の中から適切なものを選択し、お客様の気持ちに寄り添いながらよいものを提案できる仕事をしたいと考えています。

 

企画職の場合

企画職は、主にマーケティングから企画立案までを担当する仕事です。マーケティング能力のアピールや、自分が企画していきたい分野を将来の夢として話すのがよいでしょう。

興味や関心が会社が扱う分野と一致している場合、採用担当者の心に響くはずです。

【回答例】

私の夢は、伝統文化でもある和装を広めることです。最近では日常的に和服を着る機会も減っていますが、アピールの方法によってはシェアを大きく増やせる分野だと考えています。

御社では和装を始め、ファッション分野の企画が多く、その点に魅力を感じました。和装だけにこだわらずファッション全般に興味があるので、多くの人にファッションを楽しんでもらえるような企画やマーケティング施策を考えていきたいです。

 

事務職の場合

事務職は、細かい作業を通して日々コツコツと仕事をしていきます。将来の夢を答えるときは、業務内容を意識してアピールをしましょう。

同僚や他部署の人間とコミュニケーションを取ることも多いため、事務作業以外にも仕事に関連する内容は見いだせます。将来なりたい自分の姿を想像し、伝えるのがよいでしょう。

【回答例】

私は、周囲から頼りにされ、支えとなる存在になりたいと思っています。営業事務は多くの営業の方を支える仕事で、私のなりたい姿と一致しています。

御社で取り扱っている○○にも興味があり、細かい商品の分類が分かっているのでサポートがしやすいのではないかと考えています。

事務という立場で周囲の支えになれるよう、確実性とスピードを意識して仕事をしていきたいです。

 

やる気や主体性をアピールしよう

面接をしている女性

(出典) photo-ac.com

「将来の夢」というと、プライベートな夢を思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、面接で質問されているのは、基本的に仕事と関連した内容です。

職種や業務内容によって、回答は変わってきます。自分が将来なりたい姿や、社内でどのように活躍したいのかを考え、熱意をアピールしましょう。