面接が怖いと感じる原因は?今すぐ取り組みたい克服法を紹介

転職活動をする際、面接が怖いと感じる人は少なくありません。怖い原因や克服法が分からないままだと、転職活動に悪影響を及ぼす可能性があります。面接が怖いと感じる理由や、怖いと感じたときに平常心を取り戻すコツを見ていきましょう。

面接が怖いのはなぜ?

お辞儀をする女性

(出典) photo-ac.com

面接が怖くて転職活動がうまくいっていない人は、怖いと感じる仕組みを理解する必要があります。なぜ怖いのか分からないままでは、対策が立てられません。面接に怖さを感じてしまう理由を見ていきましょう。

傷付けられると思っている

人は他者から「苦痛を与えられている」と感じたときに、怖いという感情が芽生えます。面接が怖いと感じる人は、面接官の態度や面接の失敗により傷付くことを恐れているのです。

面接に落ちると自分には価値がないのだと感じ、傷付く人は少なくありません。自尊心が強い人や、面接を無事通過したいという気持ちが強い人ほど、怖さを感じやすいといえます。

これまで、準備に時間をかけてきたことが台無しになったらと思うと、誰しも嫌な気持ちが湧いてくるものです。皆が同じ気持ちを抱えていると知るだけでも、少し気が楽になるでしょう。

面接で自分の価値が決まると思っている

面接で自分の価値が決まると思ってしまうと、面接が怖いと感じてしまいます。面接官からの質問に答えられなかったときや結果が思わしくなかったとき、自分を卑下する気持ちが湧いてくるでしょう。

個人差はありますが、人には周囲に必要とされたいという願望があります。価値がないと言われると、自分の居場所がどこにもないように感じられ、つらい気持ちが湧いてくるのです。

怖いという感情は、こうした心理的なダメージに対する防御のために発生します。何に価値を感じるのかは人それぞれであり、面接だけでその人の価値が決まるわけではないと考えることが大事です。

過去の失敗が思い出される

以前に面接で失敗した経験があると「また同じことになるのではないか」と考え、怖い気持ちが湧いてきます。

面接官から厳しい言葉をかけられた経験や、準備してきた答えを度忘れして頭が真っ白になった経験があると、失敗のイメージを払拭できなくなってしまうことがあるでしょう。

過去の失敗を引きずってしまっている状態だと、一歩を踏み出すのに勇気が必要になります。完璧主義の人ほど、自分の失敗を過剰に恐れる傾向があります。

失敗した後にどのように挽回するかが重要なので、落ち込むよりも、自分を成長させるよい経験だったと発想を転換するとよいでしょう。

面接が怖いと感じやすい人の特徴

頭を抱える女性

(出典) photo-ac.com

面接が怖いと感じる度合いには個人差があります。どんな人が、面接に対する恐怖心を強く抱きやすいのか見ていきましょう。

自分に自信が持てない

自分に自信がないタイプの人は弱気になりやすく、面接への恐怖心が大きくなってしまいがちです。根拠もないのに自信過剰なタイプの人の方が、怖さを感じずに挑めます。

自信がない人は「自分なんて、どうせ失敗する」と思い込み、面接への意欲が低下してしまうのです。自己評価が低すぎると、過剰に自信がない状態になってしまいます。

自信を持つには、どんなに小さなことでも構わないので目標を1つずつクリアしていき、成功体験を積み重ねることが大切です。

人からどう思われるか気になる

周囲の人からどう思われるのかを常に気にするタイプの人も、面接を怖いと感じやすいといえます。

社会生活を営む上で、ある程度人の目を気にするのは普通のことです。しかし、どんなときでも周囲の目を気にしてしまう人は人前に出るとあがりやすく、合格したいという気持ちも相まって、面接へのプレッシャーが大きくなります。

プレッシャーがよい方向に向かえばよいですが、頭が真っ白になってしまったり、緊張で声が上ずってしまったりするケースもゼロではありません。平常心でいるには、場数を踏んでその場の雰囲気に慣れることが必要です。

面接への準備が不足している

面接への準備不足を自分で分かっている場合、当日が来るのが怖いと思ってしまいます。準備万端であれば、準備の成果を試すのが楽しみだと思えるはずです。

自己分析や企業研究が足りないと、当日に「何を答えればよいのか分からない」「志望動機を使い回してしまった」という事態が起こります。不備があると理解しているのに何も対策ができていないと、怖いと感じても仕方ありません。

当日までに面接対策をしっかりと行えば、過剰な不安や恐怖を解消できます。自己分析や企業研究を怠らないようにし、想定できる質問に対する答えを準備しておきましょう。

面接が怖いとどんな悪影響がある?

後ろ姿のスーツの男性

(出典) photo-ac.com

面接が怖いという感情に向き合えないまま当日に臨むと、うまくいかない場合がほとんどです。どういった悪影響があるのか、見ていきましょう。

本来持っている力を出せない

面接が怖いと感じて心身が縮こまった状態になっていると、本来持っている力を発揮できません。平常心でいれば簡単に受け答えできることでも言葉に詰まってしまったり、質問の意図を間違えたりするリスクがあります。

怖いと思っていると表情が硬くなり、人相がよくないと思われることも心配です。また、面接官との距離が離れている場合、声の出し方も重要になります。背筋を伸ばして胸を張らないと、声がはっきりと聞こえません。普段よりも声が小さくなり、自信がない印象を与えてしまうでしょう。

本来持っている力を出し切るには、必要以上に萎縮せず自信を持つことが大事です。

転職への意欲が低下する

面接に対する前向きな気持ちを持てないまま転職活動を続けていると、不合格が続きます。失敗の連続は、転職への意欲が低下する原因の1つです。

面接官は入社意欲がある人を採用したいと思っているので、熱意を持って当日に臨まないと通過するのは難しくなります。

怖い気持ちが大きいまま面接に臨んでいると負のループに陥りやすく、頑張っているのにうまくいかない状態になってしまうのです。

転職への意欲の低下を防止し前向きな気持ちになるには、恐怖心を克服し気持ちをコントロールできるようにならなければなりません。

面接が怖いときの克服法

勉強中のデスク

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面接が怖い気持ちが大きい人でも、克服法を知っていれば乗り越えられます。自分の気持ちへの向き合い方や、克服法をチェックしましょう。

原因を特定し怖い気持ちを受け入れる

まずは面接が怖いと感じる原因を特定し、自分の気持ちを受け入れましょう。怖い気持ちを無理に消そうとして、表面上の態度を変えるだけではボロが出やすいといえます。

面接への恐怖は多くの人が抱えているものであり、自分1人が悩んでいるというわけではありません。怖さを無理に跳ねのけようとせず、自分の気持ちに向き合ってみましょう。

自分を受け入れた上で、面接で自分の価値が決まるという考え方を変え、丁寧に準備をすれば落ち着きを取り戻せるでしょう。

面接への準備を徹底的に行う

面接の準備不足で怖いと感じているなら、準備を徹底的に行うことで怖さを和らげることができます。どんな質問をされて何を答えればよいのか、見当がつかない状態では失敗の可能性が高くなってしまうでしょう。

自己分析や企業研究が不足していたり1人で準備をしたりする人は、自信を持てない状態になりやすいといえます。

志望動機や自己PRなど面接で特に重要視される部分だけでも、第三者に協力してもらい客観的な意見をもらうようにすると、自信を持てるようになるはずです。

在職中は仕事が忙しく、面接の準備に十分な時間が取れないケースが珍しくありません。時間を確保するには繁忙期は仕事に集中し、閑散期に転職の準備を進めるといった工夫が必要です。

面接に慣れる

どんなに準備をしても、面接の前になると怖い気持ちが湧いてきて感情をコントロールできなくなるという人は、面接の回数を重ねて場の雰囲気に慣れる必要があります。

応募先の企業への入社意欲が高いほど、どうしても失敗したくないという気持ちが湧いてくるものです。本命を受ける前に、最初の数回は練習のつもりでほかの企業の面接に挑むとよいでしょう。

本命と同じ業種で事業規模も同等程度の企業であれば、よい練習ができます。もし、本命ではない企業で面接を受けて採用になったとしても、辞退することは可能なので心配ありません。

実際の面接を受けるとどのような流れで質問されるのかが分かりますし、自分が何を苦手としているのかを理解し、面接対策ができます。

事前にやっておきたい面接対策

資料に記入する男性

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面接の前に必要な対策を全て行っておけば、怖いという気持ちを克服できます。事前にやっておきたい面接対策をチェックしましょう。

自己分析や企業研究に力を入れる

面接の前に、必ず自己分析と企業研究を行いましょう。どちらかの対策が不足していた場合、面接官を納得させる回答を伝えることが難しくなります。

自己分析が不足していると自分の長所や特技などを明確にできません。また企業研究が不足していると仕事内容や求められている人材のイメージが湧かず、見当違いな回答をしてしまいます。

面接官は自社とのマッチングを測ろうとしているので、よい評価をもらうために応募先に合った回答ができるように準備しましょう。

志望動機や自己PRではその企業でどのように貢献できるかを伝えて、採用するとメリットがあると感じてもらうことが必要です。

志望動機は応募者の入社意欲を測る質問なので、特に重視されます。履歴書を書く時点で内容を明確にしておかないと、面接当日に自信が持てない原因になるでしょう。

よくある質問への回答を準備する

転職活動の面接で聞かれる質問の流れは大体決まっており、何を聞かれるのか分かっていれば対策は難しくありません。よくある質問は、自己紹介・転職理由・志望動機・自己PR・長所・短所・特技・趣味・逆質問などです。

自己紹介では自分が携わってきた仕事や得意分野などを伝え、応募先にどのように貢献できるかも伝えます。転職理由は前職の悪口を言っているなどのネガティブな印象を与えないように、前向きな表現に言い換えましょう。

どの質問に対しても結論から話し始め、具体例や仕事への生かし方などにつなげて回答します。特技や趣味などは人間性を疑われるような内容でない限り、ありのままを答えれば問題ありません。

逆質問はその場で考えようとしても思いつかないので、あらかじめいくつか準備しておくことをおすすめします。入社への意欲を感じてもらえるように、仕事内容を掘り下げた質問や今後の事業展開に関する質問などをするとよいでしょう。

本番を想定した練習をする

面接の前に自宅で本番を想定した練習をすると、心の準備ができるとともに、面接への恐怖心を克服できます。友人や家族などに協力してもらい、模擬面接を行うと効果的です。一度、面接を経験しているという安心感が、怖さを和らげてくれます。

協力してくれる人を見つけられない場合、スマホの動画撮影機能を使って自分の受け答えを客観視する方法がおすすめです。

目の前に面接官がいるつもりで、想定される質問に回答していきます。撮影した動画を見て、声の大きさや目線などをチェックしましょう。

面接当日に怖くなったときの対処法

顔を覆っている女性

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どんなに時間をかけて準備しても、面接の直前に恐怖心が湧いてきてしまう場合があります。怖い気持ちが湧いてきたときの対処法を見ていきましょう。

企業と自分は対等な立場だと考える

「面接で自分の価値が決まってしまう」と思い込みやすい人は、企業と自分は対等な立場だと考えましょう。

面接は質疑応答の場であり、応募者からも企業に対して質問ができます。応募者側も、入社後に自分を活躍させてくれる企業なのかを判断しなければなりません。

面接で企業に自分の価値を決められると感じるかもしれませんが、面接官は自社との相性を見ているだけで、応募者の価値を決めようとしているわけではないということを押さえておきましょう。

質問に100%回答できなくてもよい

面接官の質問に対し、言葉に詰まってしまったらどうしようと思う人もいるでしょう。しかし質問に答えられなかったからといって、そこで終わりではありません。

どんなに準備をしても、緊張で用意してきた言葉が飛んでしまうことがあります。頭が真っ白になってしまったときは「すみません、少々考えさせてください」と言って、答える時間を稼いでも構いません。

伝えたいことの要点さえ押さえておけば、回答を忘れてしまったとしても自分の言葉で説明できます。完璧に答えられなくても、大まかに伝わっていればよしとしましょう。

面接の結果で価値は決まらない

面接に通過できなかったからといって、応募者の人格が否定されたわけではありません。面接の結果で、自分の価値は決まらないことを理解しましょう。

面接の際は応募企業に合わせて、自分の長所や強みの中から最適なものを選びます。よかれと思って選んだものがたまたまその企業に合わなかっただけで、自分の長所や強みはほかにもたくさんあると考えれば気持ちが楽になるはずです。

通過できなかったとしても自分に価値がないわけではなく、合う企業がほかにあると考えるようにしましょう。

面接が怖い気持ちは克服できる

腕を組む女性

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誰でも多かれ少なかれ、面接が怖いと感じるものです。怖さの正体は傷付きたくないという感情だったり、準備不足からくる失敗への恐れだったりします。

怖いと感じる原因を特定して気持ちを受け入れるようにすれば、必要以上に怖がらずに済むはずです。企業と自分は対等な立場だと考え、堂々としていましょう。

最初は怖くても回数を重ねるごとに面接に慣れ、怖さが薄れてきます。失敗を恐れすぎずに、最初の何回かは練習のつもりで挑むとよいでしょう。

小松俊明
【監修者】All About 転職のノウハウ・外資転職ガイド小松俊明

国立大学法人東京海洋大学グローバル教育研究推進機構教授。サイバー大学客員教授を兼務。「できる上司は定時に帰る」「エンジニア55歳からの定年準備」「人材紹介の仕事がよくわかる本」他、キャリアやビジネススキル開発に関する著書がある。元外資系ヘッドハンターであり、企業の採用や人材育成事情に詳しい。
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人材紹介の仕事がよくわかる本
エンジニア55歳からの定年準備