年収200万円は普通?生活費の内訳や年収アップの方法を紹介

年収が200万円の場合、どのくらいの生活が送れるのでしょうか。年収200万円の人の割合や、生活レベルについて解説します。年収を上げる方法についても確認し、年収アップへのモチベーションを高めて、一歩を踏み出しましょう。

年収200万円の人の割合は?

封筒からお金を取り出す

(出典) photo-ac.com

年収が200万円の人は、日本にどれくらいいるのでしょうか。統計的に見て、年収200万円は低いのかどうか検証します。

日本人の平均年収は約430万円

国税庁による「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は約430万円とされます。男女別で見ると男性が約532万円、女性が約293万円です。年収200万円は、男女ともに平均より低いことがわかります。

一般的に、年齢が上がるほど平均年収も上がる傾向があります。20代前半の平均年収は260万円と10代に次いで低くなっていますが、それでも年収200万円は平均より低い数字です。

参考:民間給与実態統計調査 P13、19|国税庁

 

2割以上が年収200万円未満

年収200万円の人はマイノリティなのかというと、そうではありません。年収の分布を見ると、年収200万円以下の男性は10.6%、女性は38.6%存在します。

全体では22.2%のため、日本人の4~5人に1人は年収200万円以下なのです。特に女性の場合、年収200万円は珍しい数字ではありません。

男女で平均年収に差が生じている理由の一つとして、女性に非正規雇用が多い点が挙げられるでしょう。

女性の場合、出産や育児で現場を離れざるを得ない人が一定数います。子育てが落ち着いたころに正社員として復帰する人もいますが、自分の事情に合わせて融通を利かせやすい非正規雇用を選ぶ人も多いのが実情です。

加えて、女性の管理職が少ない点も理由に挙げられます。

参考:民間給与実態統計調査 P21|国税庁

200万未満はワーキングプア?

ワーキングプアとは、フルタイムで働いているにもかかわらず、生活が困窮している人のことです。

年収200万円を月収に換算すると、約16.6万円です。そこから税金や社会保険料を差し引くと、手取りは13万円前後になります。

生活困窮者の支援制度である生活保護の収入基準が月収約13万円なので、国が認める生活困窮者に近い水準といえるでしょう。

ワーキングプアは近年増加傾向にあり、社会問題になっています。日本の経済成長の停滞や、一度レールから外れるとキャリア形成が難しい点などが、ワーキングプアが増えた理由です。

しかし中には、自分のやりたいことを優先するために収入を二の次に考える人が増えたという現実もあり、ネガティブな理由ばかりではないともいえます。

ワーキングプアになりやすい仕事の特徴

介護をする女性

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ワーキングプアになりやすい仕事には、いくつか特徴があります。ワーキングプアの仕事に共通する特徴を押さえ、自分に当てはまっていないか確認してみましょう。

非正規雇用の割合が高い

ワーキングプアに陥りやすい仕事には、非正規雇用の割合が高いものが多くなっています。具体的には、以下のような職種が当てはまるでしょう。

  • 販売職
  • 事務職
  • 介護職
  • 建設作業員

全ての会社や求人が当てはまるわけではありませんが、販売職の場合、最初の数カ月はアルバイト採用といったルールが設けられているケースも珍しくありません。事務職や介護職、建設作業員も、派遣社員や契約社員、非正規労働者の割合が高くなっています。

スキルを必要としない単調な作業

ワーキングプアになりやすい仕事に共通しているのは、いわゆる「誰でもできる仕事」である点です。

具体的には、専門性が低い仕事や、単純作業が当てはまります。このような仕事は、大きな責任を求められない傾向があり、人によってはストレスなく働けるといったメリットがあります。

しかし単調な作業は必ずしもその人がやる必要がないと考える人もいます。雇用する側にとっては、安い賃金でもやりたい人がいたら誰でも採用できるため、給与が低いまま上がらないケースが多くなっています。

裏返せば、自分以外に替えがきかない仕事は、給与も高い傾向があるのです。

年収200万円の手取りと生活費

給料袋とお金

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年収200万円の手取りと、生活費の目安を見ていましょう。1人暮らしと夫婦でどのような違いがあるのかという点も重要です。

毎月手取り13~14万円

年収200万円の場合、月々の手取りは13~14万円でしょう。手取りの年収は、約160万円という計算です。会社員の場合、月々の給与からは下記の項目が天引きされています。

  • 所得税
  • 住民税
  • 社会保険料(雇用保険・厚生年金・健康保険)

年収200万円の場合、これらの費用が総支給額から毎月約3万円引かれてます。総支給額とは、基本給に各種手当を足した会社から支払われるお金の合計金額です。「年収×0.8」をすれば、年収から手取りを概算できるので、覚えておきましょう。

【1人暮らしの場合】生活費の内訳

年収200万円の人が1人暮らしをする場合、目安となる生活費の内訳は以下の通りです。なお手取りは13万円とします。

  • 食費:2.5万円
  • 光熱費:1万円
  • 通信費:1万円
  • 日用品・衣服代:1万円
  • 家賃:4.5万円
  • 交際・娯楽費:1.5万円
  • 貯金:1.5万円

各項目において、あまり経済的な余裕がないのが実情です。この中では食費が抑えやすく、自炊を増やすといった工夫ができます。交際や娯楽に使えるお金は約1.5万円と、過度な贅沢はできません。

【夫婦の場合】生活費の内訳

夫婦で年収200万円の場合を想定し、生活費の内訳を考えてみましょう。配偶者がいる場合、控除額が大きくなるので手取りは若干増えます。ここでは、手取り13.5万円としてシミュレーションします。

  • 食費:3万円
  • 光熱費:1.2万円
  • 通信費:1.5万円
  • 日用品・衣服代:1.5万円
  • 家賃:2.5万円(社宅)
  • 交際・娯楽費:2万円
  • 保険料:6,000円
  • 貯金:1.2万円

2人暮らしの場合、食費と光熱費は必然的に上がるでしょう。年収200万円で2人が住める大きさの家を借りるのは難しいため、社宅に住むことを想定しています。

年収200万円で2人暮らしをするなら、このような節約が必要です。共働きであれば、もう少し余裕を持った生活を送れます。

年収200万円の生活レベル

お札と通帳と印鑑

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年収200万円の生活レベルを解説します。年収200万円のままでは、生活においていろいろな制限が出てくるでしょう。

家賃は4万円前後

年収200万円の人の月の手取りは約13万円なので、家賃にかけられるお金は4万円前後の計算です。一般的に、家賃は手取りの1/3以内に抑えるべきとされています。手取りの1/3を超えると、生活を圧迫してしまうためです。

家賃4万円の場合、都心に住むならかなり狭い、または築年数が古い物件に限られるでしょう。都心から離れた地域であれば、1人暮らしをするには不便のない広さの物件を借りられます。

車・住宅を買う際はローンを選ぶ必要がある

年収200万円でも車や住宅のローンを組むことは可能ですが、慎重に考える必要があります。

車を所有すると、税金や保険料、駐車場代、ガソリン代などが維持費として必要です。故障した場合には修理費がかかり、2年ごとに車検の費用も発生します。

ローンを完済してもこれらの維持費は継続的にかかるため、現在の収入から捻出するのはなかなか難しいでしょう。

住宅ローンの場合は、約1,000万円の借入ができる見込みです。しかし金利の支払いも必要なため、余計にお金を払わなければならない点に加え、1,000万円で買える物件は選択肢が少ないでしょう。

車や住宅の購入は、収入が上がってから検討する方が選択肢は広がります。

将来のための貯金は厳しい

年収200万円の場合、毎月貯金できる金額は多くて1万円前後です。臨時の支出が発生すると、数カ月分の貯金が一気になくなってしまう可能性が高く、将来に向けた貯金はなかなか難しいでしょう。

とはいえ、急な出費に耐えられるよう、節約して毎月少しずつでも余剰のお金を確保しておくことは重要です。

少しずつでも貯金をしながら、収入をアップさせる取り組みを行っていくのが当面のミッションになるでしょう。

年収200万円から年収をアップさせるには

通帳を眺める男性

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今の年収に不安を覚えている人も多いかもしれません。年収をアップさせるためにできることを2つ紹介します。できることを実践し、少しでも生活を豊かにしましょう。

すきま時間に副業をする

空いている時間に副業に取り組めば、直接収入アップにつながります。昨今は数多くの副業案件があり、場所や時間を問わずにできるものも豊富です。

副業のメリットは、収入が上がることだけではありません。収入源を複数持つことで、会社の給料に依存せずに済むため、精神的にもプラスになります。

副業をする際は、本業に支障が出ない範囲で行うのが原則です。副業に打ち込むあまり、本業に支障が出てしまうと本末転倒なので注意しましょう。

転職してキャリアアップ

転職することで、収入を大きく上げることが可能です。同じ職種であっても、会社が違うだけで給与がアップするケースは珍しくありません。

若手であればポテンシャルを見込んで採用してくれることもあり、未経験の職種にもチャレンジしやすいといえます。

転職活動をするなら、スタンバイで情報収集するのがおすすめです。スタンバイには、正社員や高年収の求人が多数掲載されています。年収アップを狙うなら、一度チェックしてみましょう。

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年収アップして生活レベルを上げよう

お札

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年収200万円では、満足のいく生活を送れない人も多いでしょう。将来に向けた貯金もしづらいため、年収を上げる工夫が必要です。

現在の年収に不満を感じているなら、その気持ちをバネに行動を起こしましょう。年収を上げる主な方法として、副業と転職の2つが挙げられます。

いずれの場合も、自分にできることから始めてみることが大切です。年収をアップさせ、満足できる生活を送りましょう。

拝野洋子
【監修者】All About 年金・社会保障ガイド拝野洋子

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