バリキャリとは?特徴や多い職業、メリット・デメリットを解説

「バリキャリ」とは、仕事でキャリアを積んでいる女性を指す言葉です。「すでに死語では?」と思う人もいるかもしれませんが、近頃では再び耳にするようにもなりました。バリキャリの特徴や多い職業、メリット・デメリットについて解説します。

「バリキャリ」は死語?定義は?

ファイルを持っている女性

(出典) photo-ac.com

まだまだ男性が中心となっている業界・職種で、キャリアを積んでいる女性がいると、それだけで特別な存在のように語られることがあります。

そういった女性を表す言葉の1つが「バリキャリ」です。以前はよく耳にした言葉ですが、中には初めて聞く人もいるのではないでしょうか?

バリキャリとはどのような女性のことを指すのか、具体的に見ていきましょう。また、対義語とされている「ゆるキャリ」についても紹介します。

「バリキャリ」はバリバリ働く女性のこと

「バリキャリ」とは、「バリバリ働くキャリアウーマン」を略した言葉で、仕事一筋に頑張っている女性のことを指します。ただ仕事にまい進している女性ではなく、「キャリアウーマン」というところがポイントです。

キャリアウーマンとは単に会社員の女性を指すのではなく、専門性のある仕事をこなしたり、キャリアを積んで管理職となったりする女性のことを指します。

近年ではさまざまな業界で、活躍している女性が増えてきています。しかし、男性に対して「バリキャリ」という言葉を使わないことを見ても、まだまだ仕事でキャリアを積んでいる女性は特別視されているのかもしれません。

対義語は「ゆるキャリ」

バリキャリの対義語とされるのが「ゆるキャリ」です。ワークライフバランスを重視し、仕事に割く時間はほどほどに、プライベートや自分が大切だと思うことを優先したワークスタイルを実践する女性を指します。

現代は育児休暇制度が整っている企業も多く、結婚・出産を経験しても仕事を続ける女性は珍しくありません。

しかし、このような制度ができる以前の日本の企業では、結婚・出産によって、それまでのキャリアを諦めなければならなかった女性も数多くいました。

そのため、好んでゆるキャリを選んだわけでなく、もともとバリキャリとして働いていた女性が出産・育児をきっかけに、ゆるキャリにシフトせざるを得なかったというケースも少なくありません。

「バリキャリ」志向の人の特徴

働いている女性

(出典) photo-ac.com

バリキャリと呼ばれる人には、どのような特徴があるのでしょうか?バリキャリな女性は、ただがむしゃらに仕事を頑張っているだけではありません。具体的な特徴について見ていきましょう。

仕事・キャリアアップ重視

バリキャリという言葉にも表れているように、仕事が好きで打ち込んでいることが大きな特徴です。休日返上で働くこともあり、周りから見ると大変そうでも、仕事が好きなので苦にならないという人もいます。

プライベートより仕事を優先させることが多く、「仕事が生きがい」「仕事が趣味」という人も少なくありません。

また向上心もあり、キャリアアップを目標としている人が多いのも特徴です。そのため、管理職になったり起業したりする人もいます。

合理的な思考

バリキャリな女性は、物事に対して合理的に考える傾向があります。合理性や効率性を優先させるあまり、クールで冷たい人という印象を持たれることもあるかもしれません。

しかし、人や時間を有効に使えて、私情を挟まずに冷静に対応できる合理性があるからこそ、仕事で結果を出せるともいえます。

また、女性と男性を比較したとき、一般的に男性の方に合理的な人が多いという認識から、バリキャリな女性は男性的な考え方ができる人ともいえるでしょう。

見た目にも手を抜かない

バリキャリな女性は仕事重視といっても、髪を振り乱して働いているわけではありません。それなりのキャリアを積んでいる人も多いため、取引先や顧客から「仕事ができる」「信頼できる」という印象を持たれることは重要です。

そのため、美容院・ネイルサロンに定期的に通ったりジムで体を絞ったりして、見た目にも手を抜かないよう、自分に対してもストイックなバリキャリ女性は少なくありません。

「バリキャリ」が多い職業は?

打ち合わせをする女性

(出典) photo-ac.com

仕事第一でキャリアを築いているバリキャリ女性は、どのような職業に就いていることが多いのでしょうか?バリキャリ女性が多い職業を、3つ挙げて紹介します。

経営コンサルタント

経営コンサルタントとして活躍しているバリキャリ女性は、数多くいます。経営コンサルタントとは、企業・事業主が抱えている経営上の悩み・課題に対し、専門的な知識で的確にアドバイスする職種です。

企業の経営方針を決めることもある重要な仕事なので、情報収集力・専門知識・提案力などが必要とされます。中小企業診断士や税理士などの資格を持っている人もいるでしょう。

経営コンサルタントの職に就くのは簡単なことではありませんが、その分高収入を得られる職種でもあります。

IT技術職

合理的かつ論理的な思考の傾向があるバリキャリ女性の中には、IT技術職に就いている人も多いものです。IT技術職と一口にいっても、SE・プログラマー・ITデザイナーなどさまざまな職種があり、仕事内容や年収も異なります。

プログラミングに関する専門知識が必要であるのはもちろん、職種によっては開発チームをまとめるマネジメント力が求められる場合もあり、仕事量が多くハードワークになることも少なくありません。

IT技術者としてキャリアを積んでいるバリキャリ女性の中には、企業で働いた後、独立してフリーランスになったり起業したりする人もいます。

投資銀行業務

大手企業を相手に、資産運用や投資についてアドバイスする投資銀行業務で、キャリアを積んでいるバリキャリ女性もいます。

投資銀行とは、法人の資産運用をサポートする銀行です。「銀行」という名前が付いてはいるものの、預金業務などはせず、どちらかというと証券会社に近い存在になります。

投資銀行業務では、資産運用の専門知識・判断力などが求められます。残業も多いので、結婚・育児と両立させるには工夫が必要でしょう。

「バリキャリ」のメリット

働く女性

(出典) photo-ac.com

バリキャリで働くことには、どのようなメリットがあるのでしょうか?プライベートより仕事優先で働くメリットを、2つ紹介します。

高収入を得やすい

バリキャリな女性は専門性の高い職に就いていることが多いため、高収入を得やすいというメリットがあります。実際に、年収500万円以上など高い収入を得ている女性を、バリキャリと呼ぶことが多いようです。

ちなみに厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」を見ると、令和3年の男女計の賃金平均は約300万円です。

参考:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

やりがいのある仕事に打ち込める

自分の裁量に任されたり、目標を達成してキャリアにつながったりなど、やりがいのある仕事を任されることが多いのもバリキャリのメリットといえるでしょう。

バリキャリな女性が就いている職業の多くは、専門的な知識・顧客への提案力などが求められます。顧客に満足してもらうために、持っている知識・スキルをフル活用して対応する必要もあるでしょう。

その分、仕事をやり終えたときに得られる満足感も高くなり、やりがいにもつながります。

「バリキャリ」のデメリット

机に伏せている女性

(出典) photo-ac.com

高収入・仕事へのやりがいなどのメリットがある一方で、バリキャリで働くことのデメリットもあります。バリキャリのデメリットについても見ていきましょう。

結婚・出産が遅くなると思われがち

バリキャリは、仕事中心の生活になりがちです。そのため、男性と出会う機会が少なかったり、結婚生活との両立が難しかったりなどの理由から、結婚・出産が遅くなるといわれることもあります。

しかし、そもそもこのデメリットは、女性の結婚・出産に対する旧来的な考えから生まれているともいえます。

また、本人が早く結婚したいと思っている場合は別ですが、「今は恋愛より仕事」という人にとっては、特にデメリットになるとはいえないかもしれません。

プライベートの時間を取りにくい

バリキャリで働くとどうしても残業が多くなり、休日に仕事が入ることもあるため、なかなかプライベートの時間を取りにくいというデメリットがあります。

友人との付き合いが減ったり、疎遠になったりする人もいるでしょう。仕事で忙しくしている間は充実しているため、「それも仕方ないこと」と納得している人も多いかもしれません。

しかし、退職後の人生を考えたときに、仕事以外にも楽しみや友人とのつながりをできるだけ持っておくことも必要です。

「バリキャリ」を目指すには?

階段を上がるスーツの女性

(出典) photo-ac.com

自分の実力でどんどんキャリアアップしていく、バリキャリな女性に憧れる人も多いでしょう。バリキャリになるにはどうすればよいのか、具体的な方法を2つ紹介します。

働きながら専門知識を身につける

バリキャリを目指すなら、性別に関係なく需要の高い専門知識・スキルを身につけるのが近道です。しかし、未経験からいきなり国家資格が必要な弁護士や医師を目指すのは、どんな人にとっても難しいでしょう。

専門職の中でも、資格がなくても仕事ができるIT系の技術職や、経営コンサルタントなどであれば、転職できる可能性はゼロではありません。

特にプログラマーやSEなどのIT技術職は、今後も需要が高まる一方で、人手不足が課題になっている職種でもあります。

もちろん全く知識がない状態で採用されるのは難しいですが、ある程度の知識・スキルを身に付けた上で応募すれば、バリキャリとしての道が開ける可能性もあるでしょう。

女性が活躍する職場に転職する

女性が活躍できる業界・職種に、転職するのもよい方法です。男女問わず管理職への道が用意されている企業に転職したり、実力次第で大幅な年収アップを狙える職種などで力を試したりするのもよいでしょう。

例えば、営業職は実績を上げれば性別に関係なく評価されるため、バリキャリを目指す女性が転職しやすい職種です。デジタルマーケティングやオンライン商談などを取り入れて、時間や距離に関係なく働ける職場もあります。

女性が活躍している職場に転職するには、性別を問わずさまざまなリーダー・管理職がいたり、必要以上に女性の活躍をアピールしていなかったりなどのポイントに着目して、企業選びをするとよいでしょう。

転職活動の際には、豊富な求人情報が掲載されている転職サイトを活用するのがおすすめです。取り扱い求人件数が1,000万件以上のスタンバイなら、さまざまな条件で検索できるため、自分に合った転職先を見つけられます。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら

バリキャリは自分らしい働き方の1つ

並んでいるビジネスウーマン

(出典) photo-ac.com

バリキャリとは、バリバリ仕事に打ち込んでキャリアアップを目指している女性のことです。プライベートより仕事を重視することになるため、忙しすぎて私生活が犠牲になってしまうという印象を持つ人もいるかもしれません。

しかし、そもそも理想的なワークライフバランスは個人によって異なるため、バリキャリと呼ばれる女性の中には、仕事をしているからこそ人生が充実しているという人もいるでしょう。

どのような働き方であっても、自分らしく仕事をできるのが何より大切なことです。