年収から引かれる税金はいくら?手取りや所得税の計算方法を解説

収入を増やしたいのなら、年収別の税金や社会保険料を把握することから始めましょう。手取りのイメージが湧くため、年収の増やし方を考えやすくなります。年収から引かれる控除の種類や、所得税の計算方法について解説します。

年収別の手取りや税金はいくら?

お札と通帳

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年収に差があると、手取りはどのように変わるのでしょうか?年収別の手取りや控除額の目安を紹介します。

300~1,000万円の手取りの早見表

300~1,000万円の手取り・控除額の目安は以下の通りです。30歳独身・扶養家族なし、住民税は年収が前年から変わらない前提で概算しています。

年収 所得税 住民税 社会保険料 控除額合計 手取り額 手取り割合
300万円 約5万5,700円 約11万6,600円 約44万7,500円 約61万9,800円 約238万200円 約79.4%
400万円 約8万6,400円 約17万6,800円 約58万5,400円 約84万8,600円 約315万1,400円 約78.8%
500万円 約14万2,700円 約24万4,700円 約70万6,500円 約109万3,900円 約390万6,100円 約78.1%
600万円 約20万8,500円 約30万9,200円 約86万1,300円 約137万9,000円 約462万1,000円 約77.0%
700万円 約31万9,600円 約37万7,700円 約101万6,100円 約171万3,400円 約528万6,600円 約75.5%
800万円 約48万5,200円 約45万8,800円 約110万5,000円 約204万9,000円 約595万1,000円 約74.4%
900万円 約67万200円 約54万9,500円 約114万9,200円 約236万8,900円 約663万1,100円 約73.7%
1,000万円 約86万4,200円 約64万4,500円 約119万9,300円 約270万8,000円 約729万2,000円 約72.9%

なお、月収はボーナスの有無や金額で大きく変わるため、表には記載していません。

手取りの計算方法

電卓を使用する男性

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年収から手取りを計算する方法について解説します。額面・手取り・基本給といった言葉の意味もしっかりと理解しましょう。

額面・手取り・基本給の違い

手取りとは、額面から税金や社会保険料を引いたお金です。会社から支給されるお金の総額ではなく、実際に手元に入るお金のことを指します。

額面を構成する主な要素は、基本給と各種手当です。基本給とは手当を含まない基本賃金のことで、各種手当は固定手当・変動手当・ボーナスなどに分けられます。

基本給に、役職手当や住宅手当などの固定手当を加えたものが月給です。月給に残業手当や通勤手当などの変動手当を加えて、額面(月収)となります。

額面(月収)から税金や社会保険料が差し引かれて、月の手取りが決まります。ボーナスは、個別に手取り額を算出するのが一般的です。

税金と社会保険料が約20%引かれる

額面から控除される金額は、年収や家族構成などにより異なります。一般的な手取りは額面の約80%になるため、「額面×0.8」の計算式で手取りの概算が可能です。

年収300万円の場合、手取りの目安は「300万円×0.8=約240万円」となります。手取りの早見表と比べても、近い数字になることが分かるでしょう。

属性が同じ条件なら、年収が多いほど手取り率は下がります。配偶者や扶養家族がいる場合は、配偶者控除や扶養控除により控除額が増えたりするため、配偶者や扶養家族がいない場合に比べて手取りは多くなります。

年収から控除される税金

計算機とデータ

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年収から控除される税金は、所得税と住民税の2つです。それぞれどのような税金なのかを見ていきましょう。

所得税

所得税とは、個人の所得にかかる国税です。会社員の場合、額面から差し引かれる所得税は、給与所得に課税されています。

所得税は、年間所得に対して課されるものです。しかし、会社員は給与や家族構成が途中で変わる可能性があるため、毎月の額面給与から正確な税額を差し引けません。

そこで会社員の場合は、毎月の給与から概算した税額を差し引く源泉徴収が行われます。年末の給与・ボーナスで1年間の所得が確定したら、年末調整を行って差額を清算するのが一般的です。

住民税

住民税は、地域に住む個人に課される地方税です。都道府県や市町村が徴収し、自治体が実施する行政サービスの財源として活用されています。

住民税を構成する要素は、「所得割」と「均等割」です。所得割の税率は、所得に対して一律「10%」です。均等割は原則として、「市町村民税3,500円+道府県民税1,500円=5,000円」(令和5年度まで復興財源確保の為それぞれ500円の加算が含まれている)と定められています。

住民税は、すでに金額が確定している前年の所得に課されるため、昨年1年分の税額を12分割した金額が額面から控除されます。前年の収入がない人には住民税がかからず、ボーナスも住民税控除の対象外です。

年収から控除される社会保険料

確定申告の資料

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年収から天引きされる社会保険料の種類は、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料の4つです。社会保険料は税金と異なり、会社が一部負担することを押さえておきましょう。

健康保険料

健康保険料は、医療費の一部負担の財源となる公的な医療保険料です。会社員は主に全国健康保険協会(協会けんぽ)や健康保険組合に加入しています。

健康保険料の計算式は「標準報酬月額×保険料率」です。保険料率は、加入している健康保険や地域により異なります。健康保険料の金額は、額面の約10%になるのが一般的です。

しかし多くの場合、健康保険料は会社と折半で負担するため、実際には額面の「約5%」が健康保険料として天引きされます。また、健康保険料には上限が設定されていることも覚えておきましょう。

参考:令和5年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます | 全国健康保険協会

厚生年金保険料

会社員や公務員が原則加入する公的年金が、厚生年金です。会社員は国民年金と併せて厚生年金に加入し、両方の保険料が厚生年金保険料として一括徴収されています。

厚生年金保険料は「標準報酬月額×保険料率」の計算式で算出可能です。2022年時点での保険料率は「18.3%」であり、料率の引き上げが終了した2017年9月から固定されています。

厚生年金保険料は会社と折半負担になるため、従業員の負担割合は「18.3%÷2=9.15%」です。なお、標準報酬月額が65万円以上になると、負担額は5万9,475円で固定されます。

参考:令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版) | 日本年金機構

雇用保険料

雇用保険料は、失業・休業の際にもらえる各種給付の財源になっています。雇用保険料の金額を求める計算式は、「月の賃金総額×保険料率」です。

雇用保険料の料率や負担割合は、事業の種類により異なります。一般の事業における2022年4月1日~2022年9月30日までの保険料率は「0.95%」で、労働者負担分が「0.3%」、会社負担分は「0.65%」です。

2022年10月1日~2023年3月31日の保険料率は、一般の事業で「1.35%」に上がります。このうち労働者負担分は「0.5%」、会社負担分は「0.85%」です。

農林水産・清酒製造・建設に関する事業の場合、労働者負担分はさらに0.1%ずつ上乗せされ「0.6%」となります。

参考:令和4年度雇用保険料率のご案内 | 厚生労働省

介護保険料

介護保険とは、介護を必要とする人を社会全体で支えるための公的制度です。40歳以上65歳未満の全員が原則加入し、介護が必要になった際に所定の介護サービスを受けられます。

介護保険料の計算式は、「標準報酬月額×保険料率」です。加入している健康保険から、健康保険料と併せて徴収され、会社と折半負担になるのが一般的です。

協会けんぽの場合、2023年3月分(5月1日納付期限分)からの介護保険料率は「1.82%」となっています。会社と折半なら、労働者負担分は「0.82%」です。

参考:協会けんぽの介護保険料率について | 全国健康保険協会

所得税の計算の流れ

計算する手元

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年収から所得税を算出する、具体的な流れを紹介します。各プロセスでどのような計算をすればよいのかを見ていきましょう。

給与所得金額を算出

会社員が所得税を算出する場合、まずは総収入金額から所得金額を導き出します。計算式は「源泉徴収される前の収入金額-給与所得控除額」です。

給与所得控除額は、収入金額により異なります。収入ごとの給与所得控除額は以下の通りです。

  • 162万5,000円まで:55万円
  • 162万5,001〜180万円まで:収入金額×40%-10万円
  • 180万1〜360万円まで:収入金額×30%+8万円
  • 360万1〜660万円まで:収入金額×20%+44万円
  • 660万1〜850万円まで:収入金額×10%+110万円
  • 850万1円以上:195万円(上限)

年収300万円の場合、給与所得控除額は「300万円×30%+8万円=98万円」となるため、給与所得金額は「300万円-98万円=202万円」となります。

参考:No.1410 給与所得控除|国税庁

課税所得金額を算出

給与所得金額を算出したら、次は課税所得金額を計算します。課税所得金額は「給与所得金額-各種所得控除」で算出可能です。所得控除は合計15種類あります。

所得控除に含まれる基礎控除は、所得のある人全員に適用される控除です。基礎控除の金額は、納税者本人の合計所得金額により異なります。合計所得金額に対する控除額は以下の通りです。

  • 2,400万円以下:48万円
  • 2,400万1〜2,450万円以下:32万円
  • 2,450万1〜2,500万円以下:16万円
  • 2,500万1円以上:0円

会社員の場合は、社会保険料控除も適用されます。社会保険料控除の金額は、その年に給与から差し引かれた社会保険料の全額です。

年収300万円で基礎控除と社会保険料控除のみ適用される場合、支払った社会保険料を45万円とすると、課税所得金額は「202万円-48万円-45万円=109万円」となります。

参考:No.1199 基礎控除|国税庁

所得税額を算出

所得税額は「課税所得金額×税率-控除額」の計算式で算出可能です。課税所得金額に応じた税率と控除額は、国税庁の「所得税の税率」のページにある「所得税の速算表」を見れば分かります。

年収300万円で課税所得金額が109万円の場合、税率は5%、控除額は0円です。所得税額は「109万円×5%-0円=5万4,500円」となります。

また2037年までは、所得税と併せて復興特別所得税もかかります。復興特別所得税の金額は、「税額控除が適用される前の税額×2.1%」です。上記のケースでは、「5万4,500円×2.1%=1,144円」が復興特別所得税額となります。

参考:
No.2260 所得税の税率|国税庁
個人の方に係る復興特別所得税のあらまし|国税庁

最終的な納税額を算出

所得税に関する控除には、所得控除以外に税額控除もあります。所得控除が給与所得から控除するものであるのに対し、税額控除は税額から直接差し引ける控除です。

ふるさと納税や住宅ローンを利用している人は、税額控除を適用できる可能性があります。控除額によっては大きな節税を見込めることが、税額控除のメリットです。

税額控除を適用できるケースでは、所得税額から税額控除額を差し引いて、最終的な納税額が決まります。税額控除がない場合は、税率を使って計算した税額が最終的な納税額です。

所得税の控除の内訳

年末調整の資料

(出典) photo-ac.com

所得税の控除には、所得控除と税額控除の2種類があります。具体的にどのような控除があるのかを押さえておきましょう。

所得控除

給与所得金額から差し引ける所得控除は、以下の15種類です。

  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 勤労学生控除
  • 寡婦控除
  • 障害者控除
  • 医療費控除
  • 生命保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 雑損控除
  • 寄附金控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • ひとり親控除

例えば、配偶者と扶養家族がいる場合は、配偶者控除や扶養家族が適用されます。生命保険や地震保険に加入しているケースでは、支払った保険料の全部又は一部を所得から控除することが可能です。

会社員は、年末調整で大半の所得控除を申請できます。ただし、医療費控除・雑損控除・寄附金控除は確定申告が必要である点には注意しましょう。

参考:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

税額控除

代表的な税額控除としては、「寄附金特別控除」が挙げられます。ふるさと納税を行った場合は、自己負担金2,000円を除く寄附金額を、寄附金特別控除により上限額まで税額から差し引くことが可能です。

また、住宅ローン利用時に適用される税額控除は、「住宅借入金等特別控除」と呼ばれます。一定の条件を満たす場合に、住宅ローンの年末残高に応じた金額を税額控除できる制度です。

税額控除には、ほかにも配当控除・外国税額控除・住宅耐震改修特別控除などがあります。なお、税額控除の適用を受けるためには、原則として確定申告を行わなければなりません。

参考:No.1200 税額控除|国税庁

年収増による税金面のデメリット

電卓を手にノートを広げる

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年収が増えると、税金面で不利になることがあります。年収増による税金面のデメリットについて解説します。

税率が高くなる

国税庁の「所得税の速算表」を見ると分かるように、年収増により所得が増えると税率が高くなります。日本の所得税には累進課税制度が採用されており、年収が増えると段階的に税金も高くなってしまうのです。

累進課税制度とは、課税対象額が大きくなるほど、税率も上がる仕組みを指します。納税者間の、税負担の公平性を図る目的で導入されています。

富の格差が広がりにくくなることや、節税対策で税率を調整できることが、累進課税制度のメリットです。一方で、所得の高い人ほど手元に残る金額が少なくなるデメリットもあります。

給与所得控除の軽減率が下がる

給与所得控除は、年収が増えるにつれて控除額が段階的に増えていく仕組みです。ただし、控除割合は年収が増えるほど、以下のように下がっていきます。

  • 年収300万円:控除額98万円(控除割合32.7%)
  • 年収600万円:控除額164万円(控除割合27.3%)
  • 年収800万円:控除額190万円(控除割合23.8%)

給与所得控除の軽減率が下がっていくと、控除による税金面のメリットも弱くなります。年収が850万円を超える場合、どれだけ年収が増えても給与所得控除は一律195万円です。

配偶者控除が減る

配偶者の所得が一定額以下の場合は、配偶者控除が適用されます。ただし、配偶者が条件を満たしていても、納税者本人の所得額によっては控除を受けられません。

納税者本人の合計所得金額と配偶者控除の金額は、以下の通りです。

  • 900万円以下:38万円
  • 900万1〜950万円以下:26万円
  • 950万1〜1,000万円以下:13万円
  • 1,000万1円以上:0円

配偶者控除を考慮して配偶者の年収を抑えようとしても、納税者本人に900万円を超える収入があるなら、配偶者控除が減額されたり、なくなったりすることを覚えておきましょう。

参考:No.1191 配偶者控除|国税庁

公的支援を受けられなくなる

子どもがいる世帯には、子どもの年齢や人数に応じて、子ども1人あたり1万円または1万5,000円の児童手当が支給されます。

しかし、収入が一定額を超えた場合は給付制限がかかり、子ども1人あたり5,000円に減額されたり、支給されなかったりします。

住宅購入時に給付金が支給される「すまい給付金」や、高校生のいる世帯に給付金が支給される「高等学校等就学支援金」も、収入が一定額以上になると支給制限がかかります。

年収が増えてこれらの公的支援を受けられなくなった場合、トータルで数十万~数百万円の収入が減ってしまうことがデメリットです。

参考:
児童手当制度のご案内|こども家庭庁
すまい給付金 | 国土交通省
高等学校等就学支援金制度:文部科学省

手取りの割合が高い年収帯は?

貯蓄のイメージ

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収入と税金のバランスが取れた年収は、どのくらいなのでしょうか?コスパの良い年収帯と配偶者の年収の考え方について解説します。

税金と収入のバランスが良いのは年収約600万円

収入と税金のバランスを考える際に意識したいのが、所得税の税率10%と20%のボーダーラインです。税率が10%から20%になる年収帯は、税金が大幅に増えてしまいます。

税率が10%になるのは、課税所得金額が「195万~329万9,000円」の範囲です。年収が約600万円なら、税率10%の枠に収まりやすくなるため、手取り額の割合としてはお得な年収帯といえます。

ただし、手取り割合を意識しすぎると、コスパの良い年収帯からの収入アップを図りにくくなるでしょう。年収が増えるのに越したことはないため、税率だけにこだわりすぎないことも重要です。

配偶者がパートの場合の年収はいくらがお得?

配偶者の年収が103万円以下(月に約8万円)のケースでは、「給与所得控除55万円+基礎控除48万円」で課税所得がゼロになるため、配偶者の所得税がかかりません。また、配偶者控除の対象にもなります。

配偶者がパートの場合は、年収が103万円以下になるように働けば、税金面でよりお得になります。年収100万円を超えなければ、住民税も発生しません。

ただし、住民税は住んでいる地域により基準が異なるため、ボーダーラインが数万円下がることもあります。ボーダーラインぎりぎりまで働きたい場合は、自治体ごとに確認が必要です。

知っておきたい年収の壁

年収103万円以外にも、配偶者における税金の有無や、社会保険の自己加入義務が変わるラインがあります。夫の扶養に入っている妻の、主な年収の壁は以下の通りです。

  • 106万円:勤務先の社会保険加入条件によっては、夫の扶養から外れて勤務先の社会保険に加入し、健康保険料と厚生年金保険料が自己負担になる。
  • 130万円:社会保険加入条件に関係なく夫の扶養から外れ、勤務先の社会保険に加入。勤務先の社会保険に加入できない場合は、国民健康保険・国民年金に加入。
  • 150万円:夫の配偶者特別控除額が減り始める。
  • 201万円:夫の配偶者特別控除が受けられなくなる。

配偶者控除は年収103万円を超えると受けられなくなりますが、年収150万円までは配偶者特別控除が適用されます。

参考:No.1195 配偶者特別控除|国税庁

年収から引かれる税金を抑える方法

積み立てNISAのイメージ

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年収から控除される税金を少しでも減らせれば、手取りを増やすことが可能です。所得税・住民税の節税につながる、代表的な方法を紹介します。

iDeCo・つみたてNISA

老後資金の形成を目指して、今から少しずつ資産運用に取り組みたい場合は、「iDeCo」や「つみたてNISA」を活用するのがおすすめです。

いずれも国が提供する税制優遇制度であり、長期間続けることで節税効果をより高められます。

iDeCoは掛金を積み立てて、自分で運用しながら老後に備えられる私的年金制度です。掛金が所得控除になる上、運用益にかかる税金も非課税になります。

一方、少額からコツコツと長期での資産形成を目指せる制度が、つみたてNISAです。初心者向けの商品を年間40万円・最長20年間まで、非課税で運用できます。

ふるさと納税

ふるさと納税は、好きな自治体に寄付できる制度です。寄附金のうち2,000円を除く部分が、所得税や住民税から税額控除されます。

税額控除を受けた金額は寄附金として納税しているため、ふるさと納税自体に節税効果はありません。しかし、自己負担2,000円のみで寄付額を返礼品に変えられることから、単に所得税や住民税として納税するよりお得です。

ふるさと納税の返礼品には、食品や家電なども数多く用意されています。自分や家族にとって利用価値が高いものを選べば、節税に匹敵する効果を得られるでしょう。

不動産投資

会社員が取り組める節税対策としては、不動産投資も挙げられます。不動産投資では、物件購入費が減価償却費として会計上の赤字になるため、給与所得と相殺して税金を減らせるのです。

不動産投資はハードルが高いイメージを持たれがちですが、マンションを部屋単位で所有する区分投資なら、年収や貯蓄が少ない会社員でも投資のハードルは比較的低くなります。

ただし、不動産投資で節税を意識しすぎると、黒字を出せなくなる恐れもあります。節税対策の1つとして有効であることを知った上で、自分でも不動産投資について勉強してみましょう。

年収アップのコツは?

現金

(出典) photo-ac.com

年収ごとの手取りや税金を把握できれば、目指すべき年収が見えてくるでしょう。今より年収を上げるコツを紹介します。

社内で昇進・昇給を目指す

今働いている会社で昇進・昇給を狙えるのなら、社内でキャリアアップを図るのがおすすめです。どのようにしたら昇進・昇給できるのか、自社で調べてみましょう。

また企業によっては、資格を取得すると資格手当をもらえるケースもあります。資格の勉強をすれば今の仕事にも役立つため、昇進・昇給も狙いやすくなるでしょう。

ただし、社内での昇進・昇給で年収アップを図る場合は、ある程度の時間が必要です。今の会社で粘り強く頑張れる人に向いています。

副収入を得る

すぐに収入を増やしたいケースで有効なのが、副業です。副業に取り組めば副収入を得られるようになるため、社内で昇進・昇給を目指すより早く年収を上げられます。

年収300万円の人が副業をする場合、やり方次第では副業だけで年収以上の収入を得ることも可能です。専門性の高いスキルを持っているのなら、高収入を狙える案件を獲得しやすくなります。

なお、副業に取り組む際は、会社で副業が許されているかを確認しなければなりません。トラブルを防ぐためにも、会社の就業規則に目を通しておきましょう。

転職する

今の年収が少ないと感じているのなら、転職を検討するのも1つの方法です。今より多くの年収をもらえる会社に転職すれば、手っ取り早く年収アップを達成できます。

年収アップを目指して転職する場合は、成長が見込める業界を選ぶのがおすすめです。業界が成長過程にあれば、賃金も上がりやすくなります。また、未経験の業界・業種ではなく、経験・スキルを生かせる仕事を選ぶのもポイントです。

転職先を探すなら、国内最大級の求人検索エンジン「スタンバイ」を利用しましょう。豊富な求人情報が提供されているため、年収アップにつながる転職先がすぐに見つかります。

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年収から引かれる税金を計算してみよう

お札と電卓

(出典) photo-ac.com

年収から控除される税金は、所得税と住民税の2種類です。税金以外に社会保険料も天引きされ、残ったお金を手取りとして受け取れます。

年収増による税金面のデメリットはあるものの、年収は高いのに越したことはありません。年収から引かれる税金や社会保険料の金額を理解し、今より高い年収を目指して頑張りましょう。

和田雅彦
【監修者】All About 社会保険労務士/年金ガイド和田雅彦

大学卒業後、銀行勤務を経て社会保険労務士資格を取得し独立開業。上場企業をはじめ数多くの企業の人事労務管理の相談指導、給与計算業務等に携わる。また年金問題についての執筆、講演も多数。
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