給料が上がらない理由とは?考えられる原因と対処法をチェック

長期間にわたって真面目に働いていても給料が上がらないと、仕事への不満がたまるものです。給料が上がらない原因は自分自身にある場合と、会社側にある場合が考えられます。それぞれのケースにおける原因と対策、昇給につなげるコツを解説します。

給料が上がらない原因

給料袋と電卓と明細

(出典) photo-ac.com

給料が上がらないとき、まずは自分自身の仕事のパフォーマンスに問題がある可能性を考えてみましょう。自身に原因があるときに考えられる、3つの問題を紹介します。

十分な成果を上げられていない

会社は、従業員の役職や業務内容に見合った報酬を給料として支払います。与えられた仕事をただこなしているだけで、給料が上がる見込みはあまりないでしょう。給料アップを目指すなら、決められた業務に加えて、会社に貢献する働きを見せるのが理想です。

営業担当ならノルマを超える数の商品を売ったり、人事担当なら面談のマニュアルに新しい枠組みを導入したりなど、何かしらプラスの成果があると評価されやすくなります。

昇給を期待するなら、これらの成果を出すために必要なスキルを兼ね備えていることも重要です。スキルが身に付いていないままでは幅広い業務を任せられないため、会社としても給料を上げにくいでしょう。

評価基準に沿った行動ができていない

成果も上げているのに給料が上がらないと感じる場合に考えられるのは、会社の設定している評価基準と努力の方向性がずれている可能性です。

会社はそれぞれ独自の評価基準を用意して、従業員の活動と成果を評価しています。しかし、評価制度の内容をしっかり把握している人は少ないでしょう。評価基準を理解していなければ、給料アップにつなげられないのも無理はありません。

最短距離で昇給を目指すのなら、評価基準を意識した行動が大切です。会社の経営方針をしっかり理解した上で、自分に求められている行動が何か考えながら働く必要があります。

上司へのアピールが不足している

評価基準に沿った成果を上げられていても、評価する立場の人に認められていなければ昇給にはつながりません。上司の仕事として部下の仕事ぶりの適切な評価が挙げられますが、実際には部下の頑張りを正確に把握できていない上司もいるでしょう。

昇給を目指すなら上司へのアピールは重要です。定期的に自身の努力と成果をアピールして、好印象を与えておきましょう。成果が伝わりやすく、誰でも納得できるように、具体的な数値も交えて伝えるのが理想です。

また、自分では昇給に足る成果を上げたと思っていても、上司から見たらまだまだ物足りないと見られている可能性も否定できません。スキル・能力不足を指摘されたら、具体的に伸ばすべきポイントを尋ね、改善に向けた努力を重ねましょう。

給料を上げるには?

お札

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給料を上げるためには、具体的にどのような行動をすればよいのでしょうか?給料アップにつなげる道を2つ紹介します。

昇進を目指す

成果を出して昇進すれば、当然ながら自然と給料も上がります。勤続年数に応じて役職が決まる会社では昇給に時間がかかりますが、成果主義の根付いた会社では努力次第でスピード出世も可能です。

昇進に資格の有無が大きく影響する場合もあります。例えば介護職では、介護職員初任者研修や実務者研修・介護福祉士などの資格が重要になってきます。仕事で役立つ資格を取得していれば、資格手当が出る場合もあるため要チェックです。

会社に昇給の交渉をする

受け身のままでは現状に満足していると会社から認識され、昇給の機会が訪れない恐れもあります。給料を上げてくれるのを待つだけではなく、積極的に昇給の交渉を持ちかける姿勢も大切です。

「自分はそこまで活躍していないから、交渉する勇気が出ない」と思う人もいるでしょう。たしかに、1度の試みだけでは給料アップに結びつけるのは難しいかもしれません。しかし、スキルアップや昇進への意欲を見せて交渉すれば、現状では難しくても、昇給に向けて具体的なアドバイスを受けられる可能性も出てきます。

昇給の交渉をうまく進めるポイント

電卓を操作しながらデータをチェックする

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初めて昇給の交渉をするとき、どのように話を持ちかけたらよいか分からない人も多いのではないでしょうか?交渉にはコツがあり、ポイントを押さえれば上手な交渉ができます。有利に交渉を進めるためにできる工夫を見てみましょう。

業界の年収相場を把握する

働いた見返りとして受け取れる給料には、業界によってある程度の相場があります。いくら上手に昇給の交渉をしても、相場よりも大幅に高い給料を要求していては、給料アップの実現はなかなか難しいでしょう。

まずは交渉の場に立つ前に、年収相場を把握するステップが必須です。職種や年代ごとの相場も把握した上で、具体的な数字を提示するとより納得感が生まれます。転職活動を通して、業種・職種も考慮した自分の市場価値を把握しておきましょう。

職種ごとの平均賃金は、厚生労働省が提供する職業情報提供サイト「O-NET」からもチェックできます。

ホームページ | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)

有利なタイミングで交渉する

昇給の交渉をうまく進めるには、交渉に乗り出すタイミングも重要です。適切なタイミングで交渉をスタートさせれば、余計な労力を費やさずにスムーズな交渉が実現できます。

昇給の交渉をするのにおすすめのタイミングは、交渉材料として使える武器が生まれたときや、給料の見直しがされるときです。具体的には、大きな成果を出した直後やスキル・資格を取得したタイミング、勤続年数が増えたタイミングが理想的といえるでしょう。

原因が会社側にある場合も

打ち合わせの様子

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自身の能力不足やアピール不足が原因で、給料が上がらないパターンは多いものです。しかし実際には、会社側の問題が原因で昇給しないケースも珍しくありません。従業員の給料を上げられない会社には、どのような特徴があるのでしょうか?

会社の経営状況がよくない

いくら従業員が貢献していても、会社全体としての経営状況が安定していなければ、給料としてのリターンは見込めません。一般的に中小企業よりも大企業の方が給料が高い事実からも、会社全体で収益が大きいことの重要性が分かるでしょう。

ただし経営状況がよくても、制度上の理由によって給料が上がりにくい仕事もあります。経営状況と給料がリンクしていると一概にはいえません。

介護士はその例として挙げられます。資格に応じた手当はあるものの、介護報酬は国が定めた金額から上がらないため、賃金も上がりにくいのです。業界全体における給料の水準に不満を抱く人も多いでしょう。

参考:介護報酬について|厚生労働省

売上や利益が従業員に還元されにくい方針

経営状況がよいにもかかわらず、給料の変化を感じられない企業も中にはあります。例えば、経営陣ばかりが得をするようになっていて、従業員に還元されない経営方針が考えられるでしょう。

従業員を単なる労働力として捉えていて、いかにコストカットするかのみを考えているような会社では、売上がよくても給料が上がりにくい傾向にあります。

昇給の仕組みが曖昧な会社にも、注意が必要です。明確でしっかりとした昇給制度が用意されていなければ、経営陣の一存で昇給の有無が決まることになります。この場合、努力が正当に評価されるとは限らないため、給料アップを目指すのは難しいでしょう。

会社に原因があるときの対処法

履歴書と手帳とスマホ

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自分ではなく会社側に昇給を妨げる要因がある場合は、どうすれば給料を上げられるのでしょうか?現在の給料だと今後の生活に不安を覚えるという人は、副業や転職といった収入アップの方法も選択肢に入れましょう。

副業をする

勤めている会社にだけ頼らず収入を増やせれば、現在の給料そのものは上がらなくても全体の収入を増やせます。

会社に問題があるからといって、いきなり転職や独立するのはハードルが高く、大きなリスクも伴う選択です。副業が認められているのなら、まずは現在の仕事を続けながら副業を始めるのがおすすめです。

ただ、副業のデメリットにも目を向ける必要があります。副業に充てる時間は、これまで休息やプライベートに充てていた時間です。十分な休息が取れない分、疲れが抜けきれず本業に支障が出る恐れがあります。

さらに一定の収益が出るようになったら、確定申告をはじめとした事務処理の手間もかかるようになります。会社員の副業を始めるなた、時間をうまく使っていく工夫が必要になるでしょう。

給料の高い会社に転職する

同じスキル・能力を持っていて同じ仕事をしていても、会社によってもらえる給料が違うことは珍しくありません。今よりも高い給料をもらえる会社に転職すれば、上司に交渉したりアピールしたりしなくても給料アップを実現できます。

ただし転職したからといって、必ずしも給料が上がるわけではないのが実情です。手当や福利厚生も踏まえた上で、転職したときに待遇がよくなるか細かくチェックする必要があります。

給料アップにつながる転職先の探し方

パソコンを操作する手元

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転職を通して現在より高い給料をもらうには、待遇のよい転職先を探し出す必要があります。高待遇が期待できる転職先は、どうすれば見つかるのでしょうか?

年収相場の高い業界・職種を狙う

年収相場は業界や職種によってさまざまです。業界全体として景気が悪くて年収相場が低いと、いくら頑張っても給料は頭打ちです。給料アップを狙うなら、今よりも年収相場の高い業界や職種への転職を目指すとよいでしょう。

国税庁が発表した2020年の民間給与実態統計調査を見てみると、電気・ガス・熱供給・水道業は景気に左右されず安定していて、男女を合わせた平均年収が714万7,000円と高くなっています。次いで金融業・保険業で629万7,000円、情報通信業の611万1,000円と続きました。

金融・保険業やIT業界は、未経験からの挑戦も可能な業界です。勉強に充てられる時間や意欲があるなら、チャレンジしてみるのもよいでしょう。

参考:標本調査結果 第9表「業種別及び給与階級別の給与所得者数・給与額」|国税庁(民間給与実態統計調査 2020年分)

経験者優遇の求人を狙う

転職で高給の仕事を探しているとき、スキルや経験・資格は大きなアドバンテージです。難易度の高い資格を持っていたり、特定のスキル・能力に秀でていたりするなら、生かさない手はありません。

今働いている業界内で十分に経験を積んでいるなら、同じ業界で経験者優遇の求人を探すとよいでしょう。即戦力として期待できる人材であれば、会社は高い給料を払ってでも欲しいと考えています。

特定の業界で経験者優遇の求人を探すなら、スタンバイの絞り込み検索とフリーワード検索をうまく活用しましょう。豊富な求人の中から、自分に合った求人をスピーディーに探し出せます。

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給料が上がらない原因を見極めよう

預金通帳を見る人

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給料が上がらない原因は、自分の能力不足やアピール不足にあるケースに加えて、会社の体制や経営状況に問題がある可能性も考えられます。

会社側に深刻な問題がない場合は、昇進を目指したり昇給の交渉をしたりすれば、給料アップを期待できるはずです。一方で会社側に問題があるなら、将来にわたって給料が上がる見込みは少ないため、残されているのは副業や転職の道となるでしょう。

給料を上げるために必要な行動は、昇給されないによって大きく変わります。まずは原因を正確に突き止めるところから始めて、状況の改善に取り組みましょう。