保育士の副業はOK？副業をする場合の注意点と年収の上げ方を解説 - スタンバイplus(プラス)

保育士としての収入が少ないと感じている人の中には、副業をしたいと考えている人もいるでしょう。副業にはリスクもあるため、事前に正しい知識を得ておくことが重要です。保育士が副業に取り組む場合の注意点や、収入アップの方法を解説します。

保育士は副業をしてもOK？

保育士が副業を検討する場合は、そもそも自分が働く保育園で副業が許されているかどうかを確認することが大切です。副業がNGなケースとOKなケースを紹介します。

最近の傾向としては、2019年に国家公務員と地方公務員の副業・兼業に関するガイドラインが整備され、一部の地方公共団体では「地域貢献」の目的で副業が認められる事例も出てきています。

副業がNGなケース

公立保育園で正職員として働いている公務員は、副業ができません。地方公務員が副業を行うことは、地方公務員法第38条で禁止されているためです。

私立保育園の場合は、園が禁止しているなら副業NGです。園の就業規則を見れば、園が副業を禁止しているかどうかを確認できます。

就業規則を破ると解雇される恐れもあるため、副業が禁止されているなら諦めざるを得ません。就業規則がどこにあるのか分からない場合は、園に聞いてみましょう。

参考：地方公務員法第三十八条 | e-Gov法令検索

副業がOKなケース

就業規則で副業が許されている場合、私立保育園の正職員は副業をすることが可能です。副業に関して何も記載がないケースでも、基本的には副業が禁止されていないと解釈できます。

ただし、就業規則以外にルールがある場合や、園内の慣習として副業を禁止している場合もあるでしょう。就業規則に記載がないのであれば、念のため園に確認するのがおすすめです。

正職員の副業が禁止されている私立保育園でも、パート・アルバイト・派遣の場合は、正職員に比べて規制が緩くなっているケースがあります。

保育士におすすめの副業

保育士にはどのような副業が向いているのでしょうか。副業選びで悩んでいる保育士のために、おすすめの仕事を厳選して3つ紹介します。

クリエイターの副業

保育士は仕事で教材や飾りなどを手作りすることが多いため、手先が器用な人も多いでしょう。物を作るのが好きな人は、手先の器用さを生かして、クリエイターの副業をするのがおすすめです。

キッズ用品・小物・アクセサリーなどのハンドメイド作品は、十分な需要があるため、収益につながりやすくなります。オークションサイトやフリマアプリで販売すれば、自宅にいながら気軽に副業を行える点もメリットです。

デメリットとしては、売り物として製作するため、ある程度のセンスやスキルを求められる点が挙げられます。ハンドメイドが好きな人が、趣味を兼ねて気軽に取り組む副業としておすすめです。

在宅ワークの副業

保育士の副業としては、空いた時間を有効活用できる在宅ワークもおすすめです。自宅にいながら取り組めるため、副業のためにわざわざ外出する必要もありません。

クラウドソーシングサイトを使えば、データ入力・ライター・内職などの仕事が数多く紹介されています。自分の得意分野を生かして働けるのもメリットです。

初心者向けの案件も多いため、未経験の分野でも案件を獲得しやすいでしょう。ただし、それなりの収入につなげるためには、スキルを磨きながら実績を積む必要があります。

保育士の資格を生かした副業

副業でまとまった収入を得たい人は、保育士の資格や経験を生かせる副業を選ぶとよいでしょう。ベビーシッターや子どもの世話を含めた家事代行、ピアノ・塾講師などが該当します。

これらの仕事は比較的時給が高く、努力次第でまとまった収入を得ることが可能です。保育関係の仕事なら本業で慣れているため、新しいスキルも身につけやすいでしょう。

保育士の資格を生かした副業をする場合、基本的には外出しなければならないため、働きすぎに注意する必要があります。

保育士が副業をする際の注意点

保育士が副業に取り組む場合は、いくつかのポイントに注意する必要があります。副業をする際の注意点を見ていきましょう。

副業禁止の場合は諦める

職場で副業が禁止されている場合は、諦めて本業に集中しましょう。「在宅ワークなら職場にバレない」といった認識は間違いです。

副業で総収入が増えると住民税も増え、本業の給料から天引きされる住民税が増額されるため、保育園側は副業をしていることを把握できます。副業の報酬を手渡しでもらうケースでも、バレる可能性はゼロではありません。

また、在宅以外の副業をする場合、保護者と鉢合わせになる可能性も高くなるでしょう。保育園以外の場所で保護者に会うと、お互いに気まずい思いをしやすいほか、副業をしていることが保育園に伝わる可能性もあります。

本業に差し障りがない程度に

副業の種類によっては、納期に間に合わせるために徹夜をしなければならない可能性もあるでしょう。副業で疲れてしまうと、本業がおろそかになってしまいます。

より多くの収入を得る目的で副業に時間を割きすぎるのも危険です。休む時間が減るため疲れが残りやすくなり、本業に支障をきたしかねません。

副業はあくまでも副業であり、本業に差し障りがない程度に行うことが大切です。副業に取り組む際は、心身の健康を維持できるかどうかもチェックしましょう。

確定申告の有無に注意

副業による所得が20万円を超えると、確定申告が必要です。保育園の給料と一緒に計算してもらえないため、副業分の税金については別途自分で申告作業を行わなければなりません。

確定申告に慣れないうちは、申告書類をそろえるだけでも大変です。副業でまとまった収入を得ようと考えているなら、事務作業もある点を覚悟しておく必要があります。

「ハンドメイド販売でも確定申告が必要なの？」と思う人もいるでしょう。副業で何をしているかに関係なく、所得が20万円を超えたら必ず確定申告をしなければなりません。

参考：No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人｜国税庁

副業以外で収入を上げる方法は？

副業が禁止されている場合や、副業に取り組むのが難しいと感じている場合は、副業以外の方法で収入を増やしましょう。チャレンジする価値がある方法を2つ紹介します。

スキルアップや園内での昇進を目指す

副業以外で収入を上げる方法としては、スキルアップや昇進を図ることが挙げられます。これらの方法なら、副業に取り組んだり退職したりしなくても収入増を目指すことが可能です。

非常勤やパートの場合は、正職員を目指してみましょう。正職員として働いているなら、園内での昇進に伴う昇給や手当アップにより収入を上げられる可能性があります。

資格の取得を目指すのもおすすめです。絵本専門士やリトミック指導員など、キャリアアップを図れる資格が数多くあります。認定こども園で働いている場合は、幼稚園教諭免許を取得すれば、仕事の幅を広げられるでしょう。

他の園に転職する

近年は保育施設の多様化が進んでいることもあり、他の園に転職すれば収入がアップする可能性もあります。転職サイトで給料事情をリサーチし、転職を検討するのも1つの方法です。

他の園との給料を比較するなら、国内トップクラスの転職サイト「スタンバイ」を活用しましょう。保育園の求人も多数掲載されているため、理想の転職先を見つけやすくなります。

転職を機に公立保育士を目指すのもおすすめです。公立の保育園は、私立に比べ給料が高い傾向があります。経営破綻のリスクがある私立と異なり、公立は経営が安定しているのもメリットです。

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無理な副業より働き方を見直そう

保育士が副業をしたい場合、まずは職場で認められているか確認しましょう。クリエイター・在宅ワークの仕事や、保育士の資格を生かせる仕事は、保育士の副業に向いています。

ただし、保育士の副業にはリスクもあるため、無理な副業より現状の働き方を見直す方がおすすめです。収入を増やしたいなら、園内での昇進を目指したり、転職を検討したりしてみましょう。