コールセンターでの仕事について、実際にどのような業務を行うのか明確に知らない人も多いでしょう。コールセンターの具体的な仕事内容について解説します。また、働くメリットや向いている人の特徴、働くうえで大切なポイントもあわせて紹介します。
コールセンターの仕事内容
コールセンターの仕事内容は、大きく分けると2種類です。同じコールセンターでも役割や業務内容が異なるため、自身の特性ややりたいことに合わせて応募先を選びましょう。
インバウンド
受信業務とも呼ばれるインバウンドは、顧客からの電話に応対する業務を指します。一般的にイメージされるコールセンターの仕事はほとんどがこのインバウンドであり、商品やサービスに関する問い合わせに対応するのが主な業務です。
さらにインバウンド業務には主に下記の3種類の役割があり、それぞれ内容が異なります。
<テレフォンオペレーター>
企業の商品やサービスに関する問い合わせへの回答や、購入申し込みの手続きなどを行う仕事です。テクニカルサポート・カスタマーサポートの業務も含めてテレフォンオペレーターと総称する場合もあります。
<テクニカルサポート>
IT製品の操作方法の説明や不具合の解消など、技術的な知識が求められる問い合わせのサポートを行います。内容に応じて専門の部署に取り次ぐケースもありますが、自身で解決まで担当する場合は専門的な知識が求められるでしょう。
<カスタマーサポート>
企業の商品やサービスについて、顧客から寄せられた問い合わせ・意見に回答します。企業の窓口となって問い合わせ全般に対応するポジションです。
アウトバウンド
一方のアウトバウンドは発信業務とも呼ばれ、顧客や見込み顧客に対して商品やサービスを売り込む役割を担います。また、商品やサービスの紹介だけでなく、アンケートや市場調査を行うのもアウトバウンド業務の一環です。
大きく分けて、アウトバウンドには下記の2種類があります。
<テレフォンアポインター>
企業の商品やサービスについて紹介を行う、営業的な役割を果たす仕事です。パンフレットやサンプルの送付・セミナーの案内・アポイントメントの確保などを行う場合もあります。
<テレマーケティング>
商品やサービスを購入したことがある既存顧客に対して、意見・要望などのヒアリングを行うことによって、品質やサービスの向上を図る仕事です。場合によっては新商品の案内などを行うこともあります。
コールセンターで働くメリット
コールセンターの仕事には、どのようなプラスの面があるのでしょうか。コールセンターで働く4つのメリットを紹介します。
ビジネスマナー・事務スキルが身につく
コールセンターでは日々多くの顧客と接するため、ビジネスに必要なマナーやスキルが培われます。顧客とのやりとりを重ねることにより、正しい敬語の使い方や相手に不快感を与えない話し方など、社会人としての基本かつ重要なマナーが身につくのです。
また、傾聴力・理解力・判断力・伝達力が求められることから、仕事を通してコミュニケーション能力が鍛えられるのも特徴です。
さらに、データ入力などでワードやエクセルなどを使う機会も多いため、パソコンスキルや事務スキルも習得できます。
ビジネスマナーと事務スキルは多くの企業に求められるので、転職にも有利に働くでしょう。
未経験でも始めやすい
コールセンターの仕事に就くために、特別なスキルや資格は必要ありません。そのため未経験でも応募できる求人が多く、異業種からの転職も挑戦しやすい仕事といえます。
また、年齢制限のない求人も多いため、学生からシニアまで幅広い年齢層が活躍できるでしょう。
さらに、全ての人が一定のレベルの対応ができるよう、マニュアルや研修制度が充実している企業が多いという特徴もあります。
座学からロールプレイングまでしっかり学べる環境が整っていることが少なくないため、未経験者でも安心して始められるでしょう。
勤務時間の融通が利きやすい
職場によって異なりますが、コールセンターはシフト制の勤務が一般的です。週に何回・1日何時間など働くペースを自分で決められるため、ワーク・ライフ・バランスが取りやすいのもポイントです。
平日の日中帯のみや24時間365日対応など、コールセンターの営業時間にはさまざまなパターンがあります。職場によっては早朝や深夜に集中的に勤務するなどの働き方もできるため、副業にもおすすめです。
フルタイム勤務からすきま時間の勤務まで、勤務時間の融通が利きやすいのは大きなメリットといえるでしょう。
服装・髪型の規定がゆるめなことが多い
コールセンターでは顧客と直接顔を合わせることはないため、一般企業に比べて服装や髪型の規定がゆるい場合がほとんどです。
一般的な企業では派手な髪色やジーンズが禁止などの規定が定められていることが多いですが、コールセンターでは基本的に自分の好きな服装・髪色で働けます。
職場によって規定が異なるため全てのコールセンターがそうであるとは限りませんが、比較的自由におしゃれが楽しめるのは1つの魅力といえるでしょう。
コールセンターで働く際の大切なポイント
コールセンターで働くにあたって、求められることや気を付けるべき点があります。働くうえでの大切なポイントを押さえ、顧客に満足してもらえるオペレーターとして活躍しましょう。
会社のサービス・商品について自発的に学ぶ
コールセンターに問い合わせをする顧客は、何かしらの疑問や問題を抱えていることがほとんどです。疑問や問題を解消することを目的として電話をかけているため、対象の商品やサービスについてしっかりと知識をつけておくことが求められます。
たとえ企業から直接雇用されていない外注のコールセンターであったとしても、顧客からすれば企業の一員です。
商品やサービスを提供している会社の窓口であるという自覚を持ち、自発的に学ぶ姿勢が重要でしょう。
話し方をコントロールする
コールセンターでは顔を合わせず声のみでのやりとりとなるため、話し方が全ての印象を左右します。相手の緊張や怒りを和らげるような、明るくやわらかな声を意識することが大切です。
普段話す声よりも少し高めのトーンでゆっくりと話すと、好印象を与えられるでしょう。なお、以下のような話し方は相手に不快感を与える可能性があるため、十分注意が必要です。
- 相手の話を途中で遮る
- 声が小さすぎる・大きすぎる
- 語尾を伸ばして話す
- 相手がなれなれしいと感じるような話し方をする
コールセンターの仕事に向いている人
コールセンターの仕事に向いている人の特徴を紹介します。次の3つの特性がある人は、コールセンターのオペレーターとして重宝されるでしょう。
相手の気持ちに寄り添える人
商品やサービスが使用できなかったり故障してしまったりと、コールセンターに問い合わせをしてくる顧客には焦りやストレスを抱えている人が少なくありません。
顧客1人1人が抱えている問題も感情も異なるなかで、オペレーターとしてはいかなる状況にも冷静に対応することが求められます。
相手の気持ちに親身になって寄り添い、状況に合わせて臨機応変に対応できる人はコールセンターの仕事に向いているといえるでしょう。
傾聴力が高い人
特にアウトバウンド業務ではトーク力が必要と考える人も少なくありませんが、コールセンターの仕事においては相手の要望をヒアリングする力が重要です。
インバウンドであってもアウトバウンドであっても、最終的な目標は顧客のニーズを満たすことです。
相手が何を求めていて、どうしたら解決できるのかを追求することが顧客の満足に繋がります。そのため、対話を通して相手の意図をくみ取れる傾聴力の高い人は活躍できるでしょう。
仕事で嫌なことがあっても引きずらない人
なかには顧客からクレームを受けたり、キツイ言い方をされたりするケースもあります。また、アウトバウンドの場合は早々に電話を切られてしまう場合も少なくありません。
オペレーターも人間なので、気持ちが落ち込んでしまうシーンも多々あるでしょう。しかし、マイナスな感情を引きずってしまうと、仕事へのストレスが大きくなります。
嫌なことがあったときにすぐに気持ちを切り替えられるかどうかも、コールセンターの仕事において大事なポイントでしょう。
顧客と会社を繋ぐ窓口として働こう
一口にコールセンターといっても、インバウンドからアウトバウンドまでその仕事内容はさまざまです。電話する相手が求めていることも多様で、その都度話す内容を調整する必要があるため、臨機応変な対応ができる人にはぴったりの仕事といえるでしょう。
マニュアルや研修制度が整っていることがほとんどなので、未経験からの転職にもおすすめです。
コールセンターは会社と顧客を繋ぐ重要なポジションのため、必要な知識と実力をつけて企業の窓口として活躍しましょう。
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若者の就職支援を専門とするキャリアカウンセラー。アメリカの大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し100社以上の新卒・中途採用のコンサルティングを経験。独立後は採用と就職活動の双方を知る「若者就職支援のプロ」として官公庁や人材企業の若年就労支援プロジェクトに携わる。全国の大学で教員やキャリアカウンセラー向けの研修を行うなど、若者支援者の養成にも力を入れている。
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著書:
美文字履歴書の書き方&マナー