システムエンジニアに向いている人の特徴とは?学習方法も紹介

システムエンジニアという職種にも人によって向き不向きがあり、向いていない職業に転職すると挫折する可能性が高いので、向き不向きを転職前に知っておくことは重要です。どんな人がシステムエンジニアに向いているのか見ていきましょう。

システムエンジニアに向いている人の特徴

システムエンジニアの手元と画面

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアはシステムの設計や開発を行う仕事で、要件定義/設計の上流工程を担当し、開発や試験の下流工程を管理してプロジェクトを成功へ導く役割があります。どのような特徴がある人が向いているのか、見ていきましょう。

コミュニケーション能力が優れている

システムエンジニアは「顧客が求めていること」のヒアリングを行い、その内容を元にシステムを設計する必要があります。そのため、顧客から必要な情報を引き出せる高いコミュニケーション能力が求められます。

また、顧客だけでなく、プログラマーなどほかの工程を担当するメンバーとも協力し合って仕事を進める必要があり、社内の人とも円滑なコミュニケーションを取らなければなりません。

システム開発に関する技術知識やスキルだけでなく、それを扱う人間にも興味を持ち、うまくやっていけるスキルがある人に適した仕事といえるでしょう。

変化やトラブルに臨機応変に対応できる

IT技術は日進月歩で進化している分野です。新しい技術や自分の知らないことをどんどん取り入れ、変化についていくのが得意な人はシステムエンジニアに向いています。

「率先して勉強する意欲」がないと、技術的な知識が追いつかず他のシステムエンジニアに追いつけなくなり、顧客にの要求仕様に対しても正しい技術の選定やアーキテクチャの提案が行えなくなってしまいます。加えて、システムエンジニアはITシステムを構成する技術だけでなく、それらが稼働するIT基盤などについてもある程度知識を持っていることが求められます。

また、トラブルへの対応力の有無も、システムエンジニアにとって重要な要素です。

予期せぬトラブルが起きたときは、早期に解決を目指さなければなりません。システムが正常に動かない状態が続けば、顧客にとって大きな損害となるため、トラブルが起きても冷静に問題の切り分けを行い、主原因を特定して適切な対処を導き出せるトラブル対応力が非常に重要です。

日頃からITシステムや業務アプリケーション、或いはサーバやネットワークなどのIT基盤など幅広く技術知識を学習し、システムがどのように稼働しているかを正しく理解することでトラブルの原因を突き止めたり、適切な解決策を導き出せるようになり、臨機応変にトラブルへ対応できるようになります。

論理的思考ができる

論理的思考が身に付いている人は、システムエンジニアに向いています。システムを設計し仕様を決定していく場面や、トラブルが発生した際に問題を切り分けて原因を突き止める場面などで、「論理的に物事を考える力」が必要不可欠となります。

物事を論理的に整理しながら考えることをせず、直感に頼っていてはシステム開発で考慮漏れや仕様バグが発生する原因となり、問題の多い不安定なシステムになってしまう他、問題が発生してもその問題への対処がうまく出来ず顧客に長時間迷惑をかけてしまうことになります。

そのほかにも、なぜその作業が必要なのかを客観的に説明できず、ほかのメンバーとのコミュニケーションにも支障をきたし、円滑にプロジェクトを進めることが難しくなります。

システム開発にどういった作業が発生し、誰にどの作業を割り振るかを考え、システムの構築に必要な期間やコストを見積もる際にも論理的思考力が求められます。

メンタルが強く体力がある

システムエンジニアはメンタルが強く、体力に自信がある人に向いています。納期間際になると残業続きになることも多く、体力勝負になることも珍しくありません。

また、多くの場合は顧客向けにシステム開発を行うために、顧客の事情にあわせてハードなスケジュールをこなさなければならなかったり、急な仕様変更に対応せざるを得ない場面もあります。

納期に追われて仕事をするのは、精神的な負担が大きいものです。また、トラブル対応やクレーム対応など、顧客と接して対応を行う事が求められるため、精神的に落ち込みやすい人だと仕事が嫌になってしまう可能性があります。

適度な気分転換やストレスをため込まない工夫などのメンタルケアができる人は、システムエンジニアに向いているといえます。

システムエンジニアに向かない人の特徴

考え事をする男性

(出典) photo-ac.com

誰もがシステムエンジニアの仕事を、楽しく続けられるわけではありません。向いていない人の特徴を見ていきましょう。

学習意欲に乏しい

どのようなエンジニア職であっても、日々最新の技術知識をIT技術に携わる人は、常に勉強し続ける必要があります。システムエンジニアになった途端に勉強をやめてしまう、学習意欲に乏しい人はすぐに仕事についていけなくなってしまうでしょう。

新しい技術に対して積極的にアンテナを張り巡らせ、それを仕事に活かせるる人、とりわけシステムエンジニアであれば、顧客の要求仕様に対して適切な技術を選定し、どういったIT基盤が必要になるかを提案・設計できる能力がもとめられます。

また、現代ではあらゆる分野でIT化が進められており、様々な業界の顧客を相手にシステム開発を行う必要があります。ITの分野だけでなく、自分がかかわる企業の業界知識や業務を理解しようと努められる人でなければ、活躍は難しいでしょう。

顧客が属する業界や置かれている状況などにも関心を持って取り組まなければ、顧客のニーズを深く理解できない原因になります。

ルーティンワークが不得意

システムエンジニアの仕事はドキュメント作成やレビュー、修正など地道な作業を繰り返します。特に未経験から業界に入った初級のエンジニアであれば、上級エンジニアからの指示の元作業を行うことが増えるため、ルーティンワークが苦手な人は、システムエンジニアには向きません。根気がない人や「毎日同じ作業の繰り返し」にうんざりしてしまう人には、おすすめできない職業です。

またプログラマーによって開発されたシステムが仕様通りに動作するかをテストするのもシステムエンジニアの重要な仕事です。仕様書を元にさまざまなシチュエーションを想定してどのようなテストを行うかを考え、想定した通りに動くことを確認したり、発見した不具合の原因を突き止めて改善していく地道な作業です。

地道な作業でもコツコツと積み重ねられる人でないと、ルーティン作業が苦痛となって挫折する可能性が高いでしょう。

緻密な作業が苦手

システムエンジニアという職種では、システムの設計では顧客の要件を漏れなく設計に落とし込み、仕様漏れや不具合がないことを確認するテスト内容を考え、システム構築を行う際には細かく丁寧に手順通り作業を行う緻密さが求められます。綿密な作業が苦手な人は、システムエンジニアに向いていないといえます。

各工程で確実に作業を進めていかないと、顧客の要件を満たす安定したシステムは構築できません。設計時のレビューや試験の中で仕様漏れや不具合を見逃せば、後になって重大なトラブルに発展する可能性もあります。

また、日々の作業を期限までに終わらせる緻密な進捗管理が行えることも重要で、作業の管理がずさんで時間が足りず納期に間に合わなくなれば、顧客からの信頼を失ってしまいます。

システムエンジニアの仕事に役立つスキル

パソコンを操作する女性

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアはIT関連の知識のみ豊富であれば、よい仕事ができるというわけではありません。どのようなスキルが求められるのか、見ていきましょう。

プログラミングの知識や経験

システムの設計やコストの試算などをするうえで、プログラミングの知識は欠かせません。プログラミングの知識が全くない状態では、プログラミングの工数を適切に見積もったり、プログラマーへの適切な指示が出せないからです。

システムによってどんな言語を使用するかは異なりますが、プログラミング言語の「Java」「PHP」「Python」などの知識のほか、サーバやネットワーク、データベースといったIT基盤のの知識などもあると、システムエンジニアの仕事に役立ちます。

トラブルが発生した際にその原因を突き止めたり、プログラマーが作成したシステムのテストをしたりする際にもプログラミングの知識がないと、何が間違っているのかや修正にどれくらいの時間がかかりそうかなどを把握しづらく、適切なプロジェクトの進捗管理が難しくなってしまいます。

営業や接客の経験

システムエンジニアにはコミュニケーション能力が必須です。顧客と接することが多い職種であるため、営業や接客の経験が仕事に役立つこともあります。

顧客と対話をしながら要望を聞き出して仕様を決定するので、営業や接客で培った「対話力」があると仕事を有利に進められるでしょう。

接客業の経験を持つ人も「顧客が求めるものは何か」を考えて仕事をしてきた経験があるので、システムエンジニアの仕事に役立つ可能性が十分にあります。
システム開発以外でも、顧客のニーズに合う商品を提案した経験があるなら、システムエンジニアの仕事にも活かせる可能性があります。

システムエンジニアに必要な知識を1から学ぶには?

オンライン会議

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアに興味はあっても必要な知識やスキルが不足している場合、スムーズな転職は難しいでしょう。システムエンジニアへの転職を成功させるために、必要な知識を学ぶ方法について解説します。

スクールやオンラインサービスで学ぶ

プログラミングやITに関する知識を習得するには、スクールやオンラインサービスを利用する方法があります。

システムエンジニアの経験が豊富な講師がいるスクールなら、現場で何が求められているかを学べ、実戦的な技術を効率よく学習できるでしょう。自宅や勤務地の近くにあるスクールを選べば、無理なく通えます。

オンラインサービスにはさまざまなタイプがありますが、動画を見ながら学べるものを選ぶと文章だけでは分かりづらい部分をスムーズに理解できるところが魅力です。

講師に何度も同じ質問をするのが心苦しい人でも、動画であれば分からない箇所を何度もチェックできます。また、動画学習などのオンラインサービスはスクールに通うのに比べて比較的安価に受講ができます。

どちらの方法を選択する場合も、自分のレベルに合ったものからスタートすることが重要ではありますが、現場で求められる知識が身につけられるかどうかの見極めとして、講師の実務経験は必ずチェックしてください。

参考書などを使い独学で知識を身に付ける

プログラミング言語やシステムエンジニアに必要な業務・技術知識などは、市販の参考書からも学べます。

これからシステムエンジニアを目指そうとする人には、プログラミング言語の基本を理解できるものや、システム開発の業界構造や仕事内容への理解を深められるものがおすすめです。シスステムエンジニアを目指されるのであれば、要件定義や設計といった上流工程について書かれている書籍も多く出版されているので、是非挑戦してみてください。

書籍を用いた独学は隙間時間に自分のペースで勉強できるので、現職が忙しくてスクールに通うのが難しい人であっても取り組みやすい手法です。

ただし、自分に甘い性格だと勉強時間を確保するのが難しくなります。自宅学習に自信がない人は、スクールの利用と併せて参考書を使用するとよいでしょう。

未経験からシステムエンジニアになれる?

パソコンで作業をする手元

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアは未経験でも挑戦できる職業なのか、疑問に思う人は多いはずです。転職の際にチェックしたいポイントを見ていきましょう。

未経験者を募集している企業もある

システムエンジニアの仕事は、需要に供給が追い付いていない状態が続いています。業界全体で新人を育てようとする気風が強く、未経験者を積極的に募集している企業が少なくありません。

経験者であれば有利であることは間違いありませんが、未経験者であってもチャンスはあると考えてよいでしょう。未経験者を採用している企業の中には、入社後の研修制度を充実させて、未経験者のレベルアップを図ろうとしている企業も見つかるほか、多くの場合は経験豊富なシステムエンジニアの指示の元で作業を行うOJTの形で経験を積むことができます。

企業によって求められるレベルは違いますが、未経験であってもある程度の技術知識やスキルが求められることが多く、最新技術に興味があり向上心を持っている人を求める傾向があります。システムエンジニアの業務内容は幅広く覚えなければならないことが多いため、その時々で開発するシステムに必要な技術を学んだり、顧客の業界知識・業務知識を身につけられる学習意欲と向上心が求められるのです。

転職サイトをチェックしよう

転職サイトをチェックすると、たくさんのシステムエンジニアの求人情報が見つかります。未経験者を歓迎している場合でも、入社後にどの程度のフォローを受けられるかは企業によってさまざまです。

自分から積極的に学ぶ姿勢は必要ですが、研修制度を設けていたり、未経験者をどのように育成しているかを公表している企業の方が安心できるでしょう。企業のサイトやSNSなどを利用して、未経験から始めた人がどのような活躍をしているのかをチェックすると参考になります。

「スタンバイ」では、システムエンジニアの求人情報を数多く掲載しています。キーワード検索を使って、研修がある企業や未経験者歓迎の求人情報を探し出せるので、転職先を探す際にぜひお役立てください。

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自分に合っていそうな場合は転職を検討してみよう

パソコンで作業をする男性

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアの仕事は覚えることが多く、プログラミング知識の他、やネットワークやサーバーなどのIT基盤の知識や、コミュニケーション能力や論理的思考力などが必要です。また、システムエンジニアとしてステップアップするためには、要件定義や設計を自分で行える様になる必要があります。

未経験者を採用している企業が多いため入社のハードルは比較的低めといえますが、常に勉強を続けなければいけない仕事なので、向上心が高い人でないと続けるのは難しいでしょう。また、未経験から入社した場合は、経験豊富なシステムエンジニアの指示の元作業を行うことが多くなるため、ルーティンワークにも意欲を持って仕事ができる人でなければモチベーションを保つのが難しくなります。

システムエンジニアに向いている人の特徴に当てはまる人は、活躍できる可能性が高いといえます。需要が高く将来性もある仕事なので、向いていそうだと感じた人はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

北真也
【監修者】All About デジタルガイド北真也

モバイル業界のシステムエンジニアとして18年以上勤務し、サーバやネットワークのインフラ構築から大規模システムのプロジェクト管理、設計、開発まで幅広く携わる。自身が主宰するブログ「Hacks for Creative Life!」と「アシタノレシピ」、勉強会「東京ライフハック研究会」にて実践的な仕事術を研究・発信中。
All Aboutプロフィールページ

著書:
新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術
シゴタノ!手帳術―クラウド&スマホ×アナログ手帳で人生を楽しく自由にする方法