エンジニアの平均年収は高いのか?実際の年収と給料アップの方法とは

エンジニアの年収が高いのか安いのか分からない場合は、平均年収を知っておくと転職先選びの参考になります。需要が急増するといわれている、先端IT人材についても理解しておきましょう。エンジニアの平均年収や収入アップのコツを紹介します。

エンジニアの平均年収は?

PCモニターを見る人

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エンジニアの種類は多岐にわたり、仕事内容や年収も種類ごとに異なります。今回は、システムエンジニアの年収を仕事内容別に見ていきましょう。平均年収は、厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagと、2021年の賃金構造基本統計調査を参考にしました。

webサイト開発のシステムエンジニア

webサイト開発のシステムエンジニアの平均年収は約523万円です。平均年齢は約37.3歳、ハローワーク求人の月額賃金の平均は約32万1,000円となっています。

システムエンジニアは、システム開発の上流工程を担当する職種です。webサイト開発に携わるシステムエンジニアは、主にwebサイトの要件定義・基本設計・詳細設計を行います。

webサイトが形になった後、システムが設計通りに動くかテストを行うのもシステムエンジニアの仕事です。予算管理や進捗管理などのマネジメント業務を行うこともあります。

参考:
システムエンジニア(Webサイト開発) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) | 厚生労働省
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | e-Stat

基盤システムのシステムエンジニア

基盤システムのシステムエンジニアの平均年収は約733万6,000円です。平均年齢は約40.3歳、ハローワーク求人の月額賃金の平均は約33万1,000円となっています。

基盤システムのシステムエンジニアの仕事は、ITインフラの設計・開発です。サーバーの設置やネットワークの構築を行い、末端のソフトが快適に稼働するための環境を整えます。

近年主流のクラウド型システムを構築する場合は、ハードウェアに触れることなく設計や開発を行うこともあるでしょう。ITインフラは企業や社会のIT環境を支える重要な土台となるため、基盤システムに関わるエンジニアは年収が高くなる傾向があります。

参考:システムエンジニア(基盤システム) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) | 厚生労働省
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | e-Stat

業務用システムのシステムエンジニア

業務用システムのシステムエンジニアの平均年収は約523万円となっています。平均年齢は約37.3歳、ハローワーク求人の月額賃金の平均は約32万1,000円です。

業務用システムのシステムエンジニアは、クライアントの要望に沿ってソフトウェアを開発します。既存のソフトウェアとオリジナルのソフトウェアを組み合わせて作成するのが一般的です。

システムエンジニアが詳細設計までの工程を担当し、後はプログラマーが設計書に基づいてプログラムを組んでいきます。近年は、クラウド上にシステムを構築するのが主流です。

参考:
システムエンジニア(業務用システム) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) | 厚生労働省
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | e-Stat

組込み・IoTのシステムエンジニア

組込み・IoTのシステムエンジニアの平均年収は約523万円です。平均年齢は約37.3歳、ハローワーク求人の月額賃金の平均は約32万1,000円となっています。

電化製品などを実際に動かすプログラムを、組込みソフトウェアといいます。インターネット経由で動かせる組込みソフトウェアを搭載した電化製品や工業機器が、IoTです。

組込み・IoTのシステムエンジニアは、組込みソフトウェアの設計・開発や、電化製品・工業機器を含めたシステム全体の設計・開発を行います。

参考:
システムエンジニア(組込み、IoT) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) | 厚生労働省
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | e-Stat

年収アップのためにできること

一万円札を本に挟んでいる

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エンジニアに転職できたとしても、最初から平均と同等の給料をもらえるとは限りません。転職後に年収を増やしたい場合の、効果的な方法を紹介します。

スキルの専門性を高める

エンジニアが年収アップを目指すなら、スキルの専門性を高めるのがおすすめです。成果物のクオリティを高められるため、評価が上がり年収に反映されやすくなります。

プラスアルファの知識を習得するのも1つの方法です。マーケティングや統計の知識があれば、クライアントのニーズを満たすプロダクトを作れるようになります。

スキルの専門性を高めたり、新たなスキルを身につけたりしたい場合は、資格の取得が効果的です。応用情報技術者試験やプロジェクトマネージャ試験など、より難易度の高い資格を持っていれば、スキルの証明になるため年収を増やせるでしょう。

管理職を目指す

エンジニアとして年収を上げることにこだわらないのであれば、管理職を目指す方法もあります。社内で昇進して昇給につなげる考え方です。

エンジニアが目指せる代表的な管理職としては、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーが挙げられます。いずれもプロジェクト全体をまとめるポジションです。

エンジニアが管理職になるためには、リーダーシップやマネジメントスキルが求められます。研修や勉強でこれらのスキルを磨き、エンジニアとして働きながら評価を高めていくのがおすすめです。

より待遇のよい会社に転職

自己研鑽に励んでも昇給が見込めない場合は、思い切って転職を検討するのもよいでしょう。より待遇のよい会社に転職できれば、年収アップを実現できます。

終身雇用制度が崩壊しつつある現在の日本においては、転職に対するネガティブなイメージも薄れてきています。スキルアップしながら実績を積んでいる場合、エンジニアとして高評価を得やすいこともポイントです。

年収増を図れる転職先を探すなら、国内最大級の求人サイト「スタンバイ」を活用しましょう。全国の豊富な求人の中には、エンジニアの求人も多数含まれています。

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知っておきたい先端IT人材とは

ロボットの手と人間の手

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IT分野の求人市場でニーズの急増が予想されている先端IT人材とは、どのような人材のことを指すのでしょうか。エンジニアへの転職を目指すなら、先端IT人材について理解を深めておきましょう。

近い将来需要が急増するといわれている

先端ITとは、今後特に重要性が増すと予想されているIT技術のことです。ビッグデータ・IoT・AI・ブロックチェーン・自動運転などが該当します。

先端ITは産業界を大きく変革させる可能性が指摘されており、先端IT人材は求人市場でも近い将来需要が急増するでしょう。

先端ITを扱える人材の数は現時点で不足しているため、このまま需要が高まり続ければますます業界から求められる存在となっていきます。また、経済産業省による調査では、2030年には約59万人のIT人材が不足すると予測されました。

今のうちから先端IT人材を目指せば、高収入かつ将来性の高い仕事に就ける可能性が高くなるのです。

参考:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 | 経済産業省

先端IT人材に求められるものは?

ノートPCの画面

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先端IT人材には、高度なITスキルと高いコミュニケーション能力が求められます。基本的なビジネススキルも不可欠です。

高度なITスキル

先端ITを扱う人材になるのであれば、専門的かつ高度なITスキルは必須です。経済産業省の資料を見ると、今後不足すると予想される先端IT人材が分かります。

量・質ともに不足すると見込まれる領域は、ビッグデータ・IoT・ロボット・AIです。情報セキュリティを担う人材も、調査時点(2016年)で13.2万人不足していると報告されていました。「これまで」より「これから」を重視し、学習すべき先端ITを見極めましょう。

参考:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 | 経済産業省

高いコミュニケーション能力

先端IT人材には、高いコミュニケーション能力も求められます。ITがビジネスの中核を担うようになるため、開発を進める上で関わる人が増えるといわれているのです。

IT分野においてはプロジェクトが分業化されるため、各担当者やリーダーとのスムーズな連携が欠かせません。高いコミュニケーション能力がなければ意思疎通が図れず、プロジェクトがうまく進んでいかないのです。

エンジニアが1人で黙々と作業だけをする時代は過ぎたといえるでしょう。プロジェクトの成功が、自分自身の評価を高めることにもなります。

ビジネススキルも必須

近年は、幅広い業界でDX推進への取り組みが行われています。DXとはデータとデジタル技術を活用して企業を変革し、業務プロセスの改善や競争上の優位性の確立を図ることです。

DXではプロジェクトの企画段階からエンジニアの意見が求められるため、クライアントとの交渉をうまく進めていくためのビジネススキルが重視されます。

今まで積み上げてきた知識やスキルをビジネスに落とし込むための戦略的思考や、論理的・構造的に物事を考えられるクリティカルシンキングも必要です。

将来性の高い職を目指すなら今!

複数台のディスプレイを見る人

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Webサイト開発や業務用システム、組込み・IoTのエンジニアの平均年収は、約523万円です。基盤システムのエンジニアは約733.6万円と、平均年収が高い傾向があります。

エンジニアの年収を上げるためには、スキルの専門性を高めることが重要です。管理職を目指す方法や、より待遇のよい企業に転職する方法もあります。

近い将来ニーズが急増するといわれている先端IT人材を目指せば、将来性の高い仕事に就ける可能性が高くなります。大幅な年収アップも見込めるでしょう。