企業の顔としてお客様と接する受付の仕事は、人気の高い職業です。多くのライバルに差を付けて転職を成功させるには、採用担当者の目を引く志望動機が必要です。受付の志望動機の書き方や例文を、必要なスキルや注意したいポイントとともに紹介します。
受付の志望動機を書く際のポイント
受付の志望動機は、どのようなポイントを意識して書けばよいのでしょうか。応募先に志望度の高さが伝わるよう、ポイントを押さえた文章でアピールすることが重要です。
なぜ応募先がよいのか明確に記載する
志望動機では、なぜ受付の仕事をしたいのか、なぜ応募先を志望するのかの両方を明確にする必要があります。
例えば受付を志望する理由を人と話すのが好きだからとした場合、接客業や営業でもよいのではないかと思われてしまいます。
会社の窓口として来館者が心地よいと感じるサービスを提供したい
というように、受付という職種ならではの志望動機を書くようにしましょう。
応募先を志望する理由についても同様です。たくさんの人と接することができるから、英語を生かせるからなどの理由では、他社との差別化ができません。
求める人材像や企業理念・特徴などを丁寧にリサーチし、応募先だからこそ志望していることが伝わる内容にしましょう。
具体的なエピソードを入れる
受付の仕事や応募先を志望するきっかけとなった具体的なエピソードを入れると、動機に説得力が増します。
以前就職面接に遅れそうになったときに会社の受付の人がサポートしてくれて、受付の仕事はただ来館者を案内するだけではないと知り憧れるようになった
病気で通院するようになったときに支えてくれたのが窓口の人で、私も患者さんにとって頼れる存在になりたいと思った
このように志望するに至った背景を伝えると、採用担当者もイメージがしやすくなります。
入社後の目標や意気込みで締める
志望動機ではどうしてもやる気や志望度の高さを前面にアピールしたくなりますが、応募先にとって採用するメリットも伝える必要があります。
給料を払って雇うからには、会社にとってプラスになる人材を採用したいと企業側は考えています。
入社したらどのように活躍できるのか、スキルを生かしてどのような働きをしたいのか伝えると、採用後をイメージしてもらいやすくなるでしょう。
入社への強い気持ちだけでなく、採用したときの具体的なメリットも意識して志望動機を作成すると効果的です。
【応募先別】受付の志望動機の例文
実際に履歴書や面接で使える志望動機の例文を紹介します。応募先別になっているので、志望する職種や業種に合うものを選んで、自分なりにアレンジしてみましょう。
オフィスの受付
オフィスの受付には、複数企業が入っているオフィスビルの受付と企業の受付があります。オフィスビルの受付経験者が、企業の受付に応募する場合の志望動機例文は次の通りです。
前職では、複数の企業が入るオフィスビルで3年間受付の仕事に従事していました。毎日多くの来館者に応対する忙しさに充実感を得る一方で、1人1人の来館者にじっくり向き合いたいという気持ちを感じるようになりました。
目的地を案内するだけの案内係としてではなく、会社の顔として来館から退館まで一連のサポートをしたいと感じ、企業の受付に転職を決意しました。
貴社では電話やメールの対応からアポイントメントの調整、入館時の受付まで一貫して受付で行っていることから、自身の目指す受付の仕事ができると感じ応募しました。
貴社の企業理念である「人と人を繋ぐ」を目標に、来館者と会社を繋ぐ窓口として活躍していきたいと考えています。
病院やクリニックの受付
病院やクリニック、エステサロンなどは数多くあるため、なぜ応募先を志望するのかが特に重要になります。受付未経験で事務員から、病院の受付に応募する場合を想定した志望動機例文を紹介します。
私は新卒で入社した食品メーカーで、3年間営業事務として顧客とのやり取りや請求書の作成などを担当していました。やりがいを感じながら仕事をしていましたが、数カ月前に体調を崩して2週間お休みを頂いたことがありました。
体調の悪さに加え、好きな仕事を長期休むことへの不安もあり、診察をしてもらった貴院の受付で涙を流してしまいました。その際に受付の方が優しく声をかけてくれ、体だけでなく心も救われたことがずっと印象に残っています。
体調が回復して仕事に復帰した後も、私も悩んでいる人や困っている人の力になりたいという気持ちが強くなりました。心身の不調を抱える患者さんと正面から向き合う仕事がしたいと思い、価値観と人生観を変えてくれた貴院の受付に応募しました。
受付の経験はありませんが、縁の下の力持ちとして人を支えてきた前職での経験を生かし、多くの人の心に安心を与えられる存在になりたいです。
百貨店やショッピングセンターの受付
アパレル販売員から百貨店受付への転職を希望する場合の志望動機例文も見てみましょう。百貨店やショッピングセンターなどは、それぞれの施設の特徴に触れると説得力が高まるでしょう。
前職ではアパレルショップの販売員として接客や在庫管理をしていました。元々人と話すこととファッションが好きだったため天職だと思っていましたが、体力勝負な面も多く年齢を重ねても長く続けるのは厳しいと感じるようになりました。
そしてこの先何がしたいのかを考えたときに、1番は多くの人と接する仕事がしたいということでした。中でも、街のシンボルとして毎日たくさんの人を迎える貴店での受付は、老若男女問わず関われる点に魅力を感じました。
前職での接客経験を生かし、百貨店の顔として訪れる人々のニーズを満たせる受付になりたいと思っています。
受付の仕事に求められるスキル
受付の仕事に応募するにあたって、必要なスキルも把握しておきましょう。受付の仕事に求められる2つのスキルを志望動機や自己PRに絡められると、より効果的なアピールができます。
コミュニケーション能力
受付は会社の顔として来館者と接する仕事なので、コミュニケーション能力は必須です。受付での対応が会社全体の印象を左右するといっても過言ではないため、相手に好印象を与えるやり取りを心がけましょう。
正しい言葉遣いや立ち振る舞いなどのビジネスマナーも重要です。せっかく笑顔で気持ちのよい対応をしていても、間違った敬語を使っていると社会人としての常識がないと思われてしまいます。
相手の意思を正確に読み取ってスムーズにやり取りできるコミュニケーション能力と、一般的なビジネスマナーは受付の仕事に欠かせないスキルです。
基本的なパソコンスキル
アポイントメントの確認や来館者の情報管理など、受付業務ではパソコンを使用する機会が多くあります。高度な技術は必要ない場合がほとんどですが、メールやWord・Excelなどの基本的なパソコンスキルは必須です。
パソコンを使った就業経験がない人やパソコンスキルに自信のない人は、サイトやアプリ・本などで基本的な知識について学んでおくといいでしょう。勉強中であることをアピールすると、スキル不足をカバーできる可能性も高くなります。
受付に応募するときに意識したい点
選考全体を通して意識したい点についても解説します。受付の仕事に応募する場合には、紹介する2つのポイントを忘れないようにしましょう。
経験の有無で書くべき内容が変わる
受付経験者と未経験者では、志望動機や自己PRでアピールすべき内容が異なります。
企業側も経験者は即戦力として期待するため、受付経験者は前職での経験が生かせることをアピールできると効果的です。一方で未経験者の場合は、やる気や応募先への理解度が重要になります。
経験者であるのに熱意を前面に押し出したり、未経験者なのにリサーチが足りなかったりすることのないよう、経験の有無に合わせたアピール方法を意識しましょう。
面接では身だしなみや話し方を意識する
面接官に与える印象はそのままお客様が受ける印象とみなされるため、面接では受付にふさわしい身だしなみや話し方・表情を意識することが大切です。
清潔感のある髪型・服装を意識し、笑顔で面接官の目を見ながら話すようにしましょう。
また、いくら笑顔であっても原稿を丸暗記したような話し方はあまりよい印象を与えません。淡々としたトーンにならないよう、明るくハキハキと抑揚を付けながら話すことも重要です。
志望動機の書き方を押さえて受付に応募
志望動機は採用の可否を左右する重要な要素です。志望動機の書き方について把握したら、さっそく応募先に合わせて志望動機を作成してみましょう。
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希望の転職先についての企業研究をしっかり済ませ、ポイントを押さえた志望動機で転職を成功させましょう。