塾講師の志望動機を書くコツや例文を紹介。必要なスキルとやりがいも

塾講師の正社員を目指す場合、志望動機には何を書けばよいのでしょうか?志望動機の例文や、基本的な書き方を解説します。求人に応募する前に、必要なスキル・資格についても知っておきましょう。塾講師の仕事で感じられるやりがいも紹介します。

正社員の塾講師の志望動機を考える前に

塾講師の女性

(出典) photo-ac.com

正社員の塾講師として働きたいと考えているなら、効果的な志望動機を考えるためにも、求められる要素の把握が必要です。応募する学習塾によって変わりますが、一般的な目安を見てみましょう。

学歴と学力はある程度必要

正社員の塾講師として勤務するには、ほとんどのケースで4年制大学卒業程度の学歴が必要です。短大や専門学校卒業でも可としている求人もあるものの、数は多くありません。

また、指導に必要な学力があるか見極めるため、筆記試験を設けている塾も少なくありません。一般的な難易度は、高校入試程度です。ただ、指導する生徒の年齢や科目によっても変わってきます。

学習塾は大きく分けて、受験対策を主とする進学塾と、分からないところを補う補習塾(個別指導)の2種類です。

両方に対応する総合タイプの塾もあり、種類によって必要となる学歴や学力には差が出てきます。特に進学塾の場合は、学歴や学力が重視される傾向です。

学力を証明する資格があると有利

塾講師として働くには、生徒に教えられる程度の学力が求められます。転職で目指す場合は学校を卒業してから時間が経っていることもあり、学力を証明できる資格があると有利です。

例えば、TOEICのスコア・英検合格など英語に関する実績があれば、英語の講師として働く上で役立ちます。数学なら数検の実績があるとよいでしょう。

また、塾講師の民間資格である「学習塾講師検定」では、講師としての基本スキルを測れます。合格すれば指導力を証明できるので、取得を検討してみましょう。

参考:

【公式】TOEIC Program|IIBC
英検(実用英語技能検定)|公益財団法人 日本英語検定協会
数学検定・算数検定(実用数学技能検定) | 公益財団法人 日本数学検定協会
職員研修・講師育成 | 公益社団法人 全国学習塾協会|JJA

コミュニケーションスキルも重要

塾講師は、講義を通して生徒とコミュニケーションを取ります。講義前後の質問対応でも、生徒と関わる機会は多いでしょう。

生徒にやる気を出してもらうには、分かりやすく楽しい講義ができるスキルが欠かせません。淡々とテキスト通りに教えるのではなく、生徒の反応を意識しながら講義を進める必要があるでしょう。

生徒だけでなく、保護者・周囲のスタッフともコミュニケーションを取る機会はあります。周囲とうまくやっていく力は、塾講師に必須のスキルです。

塾講師の志望動機の書き方と例文

履歴書と封筒

(出典) photo-ac.com

転職で塾講師を目指す場合、志望動機の書き方は気になるところです。一般企業とは異なり、講師として生徒を指導する職業だからこそ、志望動機の書き方も他の業界とは異なる点があります。

ケース別に、基本的な書き方と例文を見ていきましょう。

未経験で塾講師を目指す場合

講師としての経験がない場合、まず教育業界を目指した理由を伝えましょう。さらに教育業界の中でも、なぜ塾講師を選んだのかも分かる志望動機が必要です。

異業種からの転職でも、コミュニケーションスキルやマネジメント経験はアピールできます。

【例文】

私が塾講師に興味を持ったのは、高校受験の際に学習塾で学んだ経験がきっかけです。当時、受験に合格したのは講師の力が大きく、一緒に喜んで下さったのも印象的でした。

これまで3年間○○で営業職として働いてきましたが、働いていくうちに教育業界に対する思いが強くなり、転職を決意しました。

前職では営業職として取引先の担当者と接する機会が多く、個別のやり取りが多い貴塾で生徒とのコミュニケーションや指導に生かせると思っています。

未経験の場合は、経験面でアピールできる部分が少なくなります。しかし、熱意・コミュニケーションスキルを伝えることで、補えるケースも多いでしょう。

他業界で人材育成経験がある場合

他業界で何かしらの人材育成や指導に携わった経験が、塾講師として評価される場合もあります。育成や指導を担う立場にいた経験があれば、志望動機に盛り込んでみましょう。

【例文】

前職では、○○(スポーツジムなどの店舗名)でインストラクターとして働いていました。じん帯を痛めてしまい、インストラクターとして働くのは難しくなったのですが、現在は完治しており激しい運動をしなければ問題はありません。

もともと学習面での指導にも興味があり、今後は塾講師として子どもたちの指導に携わりたいと感じ、応募いたしました。インストラクターとして小中学生の子どもに教える機会が多かったので、子どもへの親身な対応が強みの貴塾では特に経験が役立つのではないかと考えています。

他業界から塾講師に転職したい理由を添えると、説得力が増します。退職理由は正直に述べるのが基本ですが、業務に支障がない点を伝え、ネガティブな理由は避けるのがポイントです。

塾講師のアルバイト経験がある場合

過去に塾講師として働いたことがある場合は、積極的にアピールしましょう。アルバイトであっても、生徒に指導する点は同じです。

ただし、「アルバイトと正社員は違う」という点は意識し、気楽で楽しい仕事といった伝え方は避けた方がよいでしょう。

【例文】

大学生のとき、3年間塾講師として働いた経験があります。生徒が受験に合格したときには強い達成感があり、講師として働いてきてよかったと感じました。

卒業後は、5年間○○で○○職として働いてきましたが、塾講師としてまた働きたいという思いがずっと残っており、応募に至りました。

大変な仕事であることは承知していますが、指導を通して生徒の役に立ちたいと思っています。

通常、志望動機で伝えるのは社会人経験が優先されますが、まったくの異業種から転職する場合は、同業のアルバイト経験を伝えても問題ありません。

避けた方がよい志望動機

履歴書を差し出す

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塾講師だけでなく、一般的に志望動機を書く上では避けた方がよい内容があります。動機は、採用につながる重要な情報です。志望動機を書くときの注意点を知っておきましょう。

極端な短文や空白

履歴書・面接で志望動機を伝える機会があれば、空欄のままでの提出や「特にありません」は避けましょう。極端に短い文章で伝えるのもおすすめできません。特に履歴書で、志望動機を書かず提出してしまうと、やる気がないと見なされる可能性があります。

履歴書は、採用担当者が応募者の人柄・情報をチェックする大切な書類です。志望動機のほかにも、できるだけ空欄をなくしてしっかり埋めるようにしましょう。

面接の場合でも、志望動機が一言で終わってしまうと熱意が感じられません。時間の指定がなければ、30秒から1分程度のスピーチを考えておき、塾講師になりたい思いを伝えましょう。

待遇だけを重視した内容

応募者側からすると、待遇面は重要なポイントです。しかし、志望動機として「給与がよい」「休みが取りやすい」などの待遇面を強調して伝えるのは、低評価につながりかねません。

採用担当者が知りたいのは、仕事に対する思いです。企業の魅力として少し伝える分には問題ありませんが、待遇だけで選んだと思われると印象がよくありません。

特に塾講師は、生徒の指導を担当する仕事です。指導に対する熱意や、生徒の未来を考える真剣さも求められます。「楽そうな仕事だから」「なんとなく条件がよかった」などの浅い理由では、敬遠されることが多いでしょう。

基本的には、なぜ塾講師を目指しているのかや、塾講師になって実現したいキャリアプランなど、仕事面での具体例を伝えることが大切です。

否定的な表現

志望動機で正直な思いを伝えることは大切ですが、否定的な表現は避けましょう。例えば、前職の職場環境が悪かったとしても、そのまま伝えるのはよくありません。

否定的な言葉は悪口にも聞こえます。問題のある職場が原因で退職したとしても、前向きな表現に置き換えるのがポイントです。

例えば、人間関係に問題があった場合、前職の職場に問題があるという言い方ではなく「講師とマネージャーが協力しながら、生徒の指導にあたる社風に引かれた」というように、転職を決意した理由を言い換えて伝えるように心掛けましょう。

また、自分を下げるような発言も、志望動機では避けましょう。「○○はできない」ではなく、「○○を担当したい」のようにポジティブな方向で伝えるのが基本です。

塾講師がやりがいを感じる瞬間とは

4人の塾講師

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塾講師には、やりがいを感じられる瞬間がたくさんあります。指導を通じてのコミュニケーションが多いため、生徒に関するやりがいが大半でしょう。主なケースを紹介します。

生徒の成長を見られる

塾講師は長い時間をかけて、生徒を指導していきます。教えたことが身に付き、成績に反映されると喜びを感じられるでしょう。進学塾では生徒が希望の進路に進むサポートができ、受験に合格したと報告があれば自身の評価にもつながります。

生徒・保護者からお礼を言われる機会もあり、受験後のシーズンは特にやりがいを感じられる瞬間です。

指導方法を工夫できる

塾講師は、基本的に指導方法を自分で考えます。塾全体の方針はあるものの、分かりやすい教え方や生徒の反応を見ながら試行錯誤していくのは、講師の役割です。

講義のやり方・伝え方を自分で考えながら仕事ができ、一生懸命考えた方法で生徒の成績がアップすれば、達成感も味わえるでしょう。

生徒たちとコミュニケーションを取りながら仕事をしていく点は、塾講師ならではのやりがいといえます。

志望動機の書き方を知って塾講師を目指そう

授業で挙手する生徒

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志望動機を書くときは、講師になりたい理由や、どのような目的を持って働きたいかを伝えることが大切です。未経験であっても、他業界で身に付けたスキルやコミュニケーション能力など、講師として貢献できるポイントを考えてみましょう。

塾講師を目指す人は、塾講師に求められる能力を踏まえた上で、自分の経験・スキルを生かした志望動機を考えるのがおすすめです。どんな能力が必要とされるのかより詳しく知りたい場合は、豊富な求人を掲載するスタンバイで調べてみましょう。

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