大工の仕事内容は幅広い?向いている人の特徴と目指す方法も紹介

大工は建物を建てるときに欠かせない存在です。ただ、具体的にどのような仕事をしているのか、よく知らない人もいるかもしれません。これから目指したいと思っているなら、大工の種類も含めて仕事内容を知っておきましょう。適性や目指し方も紹介します。

大工が担当する仕事内容

作業をする大工

(出典) pexels.com

一般的に「大工」とだけいう場合、木造建築物の骨組みを作る人を指します。型枠作りを専門に手掛ける人は含めません。では、木造建築物の骨組みを作る大工はどのような仕事をするのでしょうか?担当する主な業務を見てみましょう。

木材を適切に形作る「加工」

木造建築物の建築では、用途ごとに加工した建材を組み立てます。建材が用意されなければ、建築を進められません。

建材の加工は、大工が担う仕事の1つです。建築士が用意した設計図をもとに、大工が木材を切り出したり加工したりします。現場での役割にもよりますが、設計図を読み取る基本的な知識が求められる仕事です。

多くの場合、加工にあたって大掛かりな作業は作業場で、調整を含む細かい作業は現場で行います。

ただ近年は、あらかじめ機械で建材の切り出し(プレカット)を行うケースが増えてきました。他の職業と同じように、時代とともに大工が担当する作業の範囲も変わってきています。

現場で行う「組み立て」

建物の骨組みに必要な建材が用意できたら、次は組み立ての工程です。プレカットによって建材が準備されているケースでは、大工の仕事は組み立てから始まります。

切り出して調整した木材同士を組み合わせていく組み立ては、通常1〜2日のごく短期間で行われます。作業の期間が短いのは、万が一の悪天候で大切な建材を傷めるリスクを減らすためです。

大掛かりな作業を短期間で済ませるには、事前の入念な段取りが欠かせません。大工は作業を終わらせたいタイミングを考え、素早く組み立てを進めていく必要があります。

勤務先によっては「事務仕事」も

大工の仕事というと現場作業をイメージする人が多いでしょう。しかし、働く環境によっては現場仕事に限らず、事務の仕事も兼務する場合があります。

例えば、設計図を読み取る課程では、工程の精度を高める目的で計算するケースが少なくありません。近年は進捗管理や製図にタブレットやパソコンを利用することも多く、中にはCADでの製図まで担当する大工もいます。

業務委託で仕事を請け負う一人親方の場合には、工務店との契約に関わる業務や営業も一手に担わなければなりません。働く環境によって仕事の幅が大きく変わることを覚えておきましょう。

大工の種類はさまざま

板に加工をする人

(出典) pexels.com

一般的に大工といえば木造建築物の枠組みを作る人を指しますが、大工に分類される仕事には他にもさまざまな種類があります。木造建築の枠組みに携わる大工の詳しい業務内容や、他の種類の大工について見ていきましょう。

町大工(大工)

大工という言葉から思い浮かべる人が多い、木造建築物の枠組みを手掛ける人は「町大工」とも呼ばれます。

町大工が関わるのは、主に木造住宅の建築・増築・リフォームです。具体的な業務内容としては、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 建材の切り出し・加工
  • 建築物の組み立て
  • 床や天井の下地作り
  • 壁のボード貼り

中には電気工事士の資格を取得して、配線業務まで請け負う町大工もいます。資格やスキルと組み合わせることで、仕事の可能性を大きく広げられるでしょう。

造作大工

「造作大工(ぞうさくだいく)」は、建築物の内部での大工仕事を専門的に行う大工です。町大工が兼務する場合もあります。建築物の中で造作大工が手掛ける主な箇所は、以下の通りです。

  • 天井
  • 窓枠
  • 階段
  • 鴨居

建築物の内部で目に触れる部分は、基本的に造作大工が手掛けた箇所です。建築物の雰囲気や仕上がりを決める仕事だけに、感性やスキルが求められるでしょう。

町大工に比べて体力的な負荷が軽く技術力が必要なため、町大工を経験したのちに造作大工を専門にするケースも見られます。

宮大工

神社・仏閣や国の重要文化財など、重要な建築物の建築や修繕を主に手掛ける大工が「宮大工」です。

宮大工は、「木組み」と呼ばれる伝統的な建築技法を用いて建築や修繕をします。木組みは木材をあらかじめ凹凸に加工し、それぞれをしっかりと噛み合わせて建物の骨組みを組んでいく特殊な技法です。

一般的な大工とは違った技術や、木材への深い知識が求められることから、宮大工として一人前になるまでには長い年月が必要です。その分だけ希少性や専門性が高く、やりがいを持って続けられる仕事といえるでしょう。

大工になるには資格が必要?

設計図を書く人

(出典) pexels.com

大工に興味を持ったけれど、無資格でも挑戦できるのだろうかと疑問に思う人もいるでしょう。資格が必要なのかどうかを、目指すにあたって求められる行動とともに解説します。

資格は必要なし

大工になる上で、特定の資格は必要ありません。大工を志し、受け入れてくれる工務店や親方が見つかれば、大工になることは可能です。

ただし、何の知識や技術もなく気軽に挑戦できるとはいえません。近年の大工はタブレットやパソコンでの作業も多く、ある程度のITリテラシーは求められます。

また、勤務先にもよりますが、大工について何も知らず働き始めると、就職後に身に付けなければならない知識が思った以上に多くなるでしょう。

とはいえ大工は、建築系の仕事の中ではハードルが低いことも事実です。スタンバイで大工の求人情報をチェックしてみると、具体的な仕事内容をイメージできるでしょう。

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どんな人が大工に向いている?

大工仕事をする人

(出典) pexels.com

仕事を選ぶときは、それぞれの業務に関する知識やスキル以外に、適性も重要です。大工に向いているのは、どのような特徴を持つ人なのでしょうか?仕事内容から考えられる適性を見ていきましょう。

手先の器用さと体力に自信がある

手先が器用で体力に自信がある人は、大工に向いているといえるでしょう。

大工は、建物の基礎部分を手掛ける重要な存在です。小さな狂いが大きな問題を起こす可能性があるため、設計図に従って正確に作業できる器用さが欠かせません。

特に人目に触れる部分を担う造作大工は、器用さと繊細さのどちらも求められる職種です。普段からプラモデルを作っていたりDIYが得意だったりするような人に向いています。

また、建物の骨組みを担う町大工や宮大工は、重い木材の運搬や立ちっぱなしの作業が多くなりがちです。ある程度体力に自信がないと、すぐに疲れて仕事を続けられなくなってしまいます。

臨機応変な対応ができる

その場の状況を冷静に見極め、臨機応変な対応ができる人も、大工に向いているタイプです。

1棟の建物が完成するまでには、大工だけでなく、とび職や内装工事・電気や水道に携わる業者など多くの人の手が加えられています。

それぞれが作業に入るタイミングは、建物が出来上がっていくまでの進捗次第です。進捗を計り、段取りを組む役目は主に大工が担います。

その時々で何を最優先すべきなのか、どう調整するのが効率的なのかを柔軟に考えられる人は、建築の現場で重宝される人材となるでしょう。

コミュニケーション能力がある

大工は他の職人を含めて段取りを決めていく立場です。役職によっては、直接施主とやり取りすることもあるでしょう。

現場がうまく回っていないときの調整から設計図の修正対応まで、幅広いシーンでコミュニケーション能力が求められます。時には自分から折れたり積極的に主張をしたりと、必要に応じた対応ができる能力は、大工にとって大切な要素です。

特に、いずれは親方を目指したいという場合、多くの人と円滑にやり取りできるスキルが求められます。

大工はモノづくりの楽しさを実感できる仕事

工具

(出典) unsplash.com

木造建築の枠組みを手掛ける町大工に絞っても、加工や組み立て・事務仕事まで、仕事内容はさまざまです。造作大工や宮大工など、他の種類の大工では求められる技術も変わります。

ただ、種類を問わず大工は、モノづくりに携わる楽しさを感じられる仕事です。興味のある人は紹介した大工の仕事内容を踏まえ、どのようなジャンルで活躍したいのか考えてみましょう。

実際に求人情報をチェックしてみると、さらに詳しい仕事内容が分かるはずです。

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