診療放射線技師を目指す人は必見!向いている人の特徴とポイントを徹底解説

放射線技師には、どんな人が向いているのでしょうか?働く上で必要になる適性や、特徴を紹介します。また、向いていない人の特徴や、放射線技師になるための手順も見ていきましょう。放射線技師が活躍する場面と仕事内容も、併せて解説します。

診療放射線技師に向いている人の特徴

(出典) photo-ac.com

医療機関において放射線などを用いて検査を行う診療放射線技師は、患者さんの健康を守る重要な役割を担っています。この仕事には、高度な専門知識と技術が求められる一方で、人によって向き不向きがあります。

そこで、診療放射線技師に向いているとされる主な性質を解説します。

知的好奇心が強く学ぶ意欲が高い

診療放射線技師になるためには、放射線関係、機器・電気工学、人体の解剖学など、幅広い知識を習得する必要があります。これらの専門知識を習得し、最新の技術にも対応するためには、知的好奇心が旺盛で、学ぶ意欲が高いことが重要です。

具体的には、以下のような特徴が挙げられます。

  • 医療や科学に関する知識への強い興味
  • 新しい技術や知識を積極的に学ぶ姿勢
  • 疑問点を自ら調べ、理解を深める探究心
  • 国家試験合格に向けて、継続的に努力できる忍耐力

学校での学習以外にも、学会や研修会への参加など、自発的な学習を続けることが求められます。 日々の業務の中で、患者さんとのコミュニケーションや症例検討を通して、学びを深めることも大切です。

丁寧さ・慎重さがある

診療放射線技師は、放射線を用いて検査や治療を行うため、患者さんへの影響を最小限に抑える責任があります。 そのためには、以下の2つの要素が必要です。

線量調整における慎重さ

放射線は適切な量で使用することで、診断や治療に役立ちますが、過剰な被曝は健康被害につながる可能性があります。そのため、患者さんの体格や検査部位に合わせて、線量を正確に調整する慎重さが求められます。 これは、診療放射線技師の最も重要な役割の一つです。

機器管理における丁寧さ

診療放射線技師は、X線撮影装置やCT・MRI装置などの医療機器を操作します。これらの機器は精密機械であり、微細な病変を正確に捉えるためには、定期的な精度管理と丁寧なメンテナンスが不可欠です。

機器の状態を常に万全に保つことで、高画質な画像を取得し、診断の精度向上に貢献できます。

丁寧さ・慎重さは、患者さんの安全を守るために、そして質の高い医療を提供するために必要不可欠な要素です。 これらの要素を意識して仕事に取り組むことが、診療放射線技師として活躍するために重要です。

人当たりの柔らかさもポイント

診療放射線技師は、患者さんや医療従事者と密接に関わる仕事です。 円滑なコミュニケーションと信頼関係を築くために、人当たりの柔らかさは大きなポイントになります。

患者さんへの安心感と信頼感

多くの患者さんは、病気や怪我で不安を抱えていることが多いです。検査の説明を丁寧に行い、患者さんの不安や疑問を解消する必要があります。 優しく落ち着いた声で話をする・親身に話を聞き共感を示すなど、患者さんに安心感と信頼感を与えるコミュニケーションが求められます。

医療チームとの連携

診療放射線技師は、医師や看護師など多くの医療従事者と連携して業務を行います。円滑なコミュニケーションによって検査や治療をスムーズに進め、患者の安全と質の高い医療を提供することができます。 チームワークを重視し、積極的に意見交換を行うなど、協調性のある態度も重要です。人当たりの柔らかさは患者さんや医療従事者との良好な関係を築き、チーム医療を円滑に進めるために重要な要素です。 この要素を持つ人は、診療放射線技師として活躍できる可能性が高いと言えるでしょう。

診療放射線技師に向いていない人の特徴は?

放射線技師の手

(出典) photo-ac.com

どんな人でも、努力次第で診療放射線技師を目指すことは可能です。 ただし、仕事内容や求められる能力を理解した上で、自身の適性と照らし合わせることも重要です。

以下は、診療放射線技師に向いていないとされる人の傾向です。 これらの傾向が当てはまる場合でも、必ずしも向いていないとは限りません。自身の強みや弱みを理解した上で、本当にこの仕事に向いているかどうかを判断することが大切です。

コミュニケーションが苦手

診療放射線技師は、さまざまな立場や年齢層の患者さんに検査の内容を分かりやすく説明したり、不安な気持ちを和らげたりする必要があり、相手に合わせたコミュニケーションをとることが重要です。また、医師や看護師など多くの医療従事者と連携しスムーズな診察に貢献するためには、積極的なコミュニケーションが求められます。

人と接することに苦手意識がある場合は、仕事を大変だと感じるかもしれません。

細かな作業が苦手・大雑把

診療放射線技師は、精密な検査機器の操作やメンテナンス、放射性薬品の管理など、細かな作業が求められる仕事です。 細かな作業が苦手であったり、大雑把な性格の方には、向かない作業が多いかもしれません。

しかし、性格面は仕事とプライベートで切り分けることもできますし、苦手な作業も日々の訓練や経験によってスキルを向上させることができます。 嫌いにならずに継続できれば、適性を高められる可能性があります。

診療放射線技師の活躍の場や将来性は?

写真をチェックする放射線技師

(出典) photo-ac.com

放射線技師は、主にどんな場所で活躍しているのでしょうか?一般的な就職先や、仕事内容を解説します。また、女性放射線技師の需要についても把握しておきましょう。

主な活躍の場は医療機関

診療放射線技師の主な活躍の場は、画像診断が必要な病院やクリニックです。また、健康診断を専門的に行う健診センターも、働いている方が多い医療機関です。施設の規模や専門領域に応じて、担当する検査や業務の内容は異なります。

さらに、医療機関だけでなく、知識や経験、専門性を活かしてさまざまな分野で活躍の幅を広げています。医療機器メーカーもそのうちの1つです。実務経験と専門知識を活かし、機器の開発や改良に関わる仕事に携わっています。また、研究機関や学校では、次世代の診療放射線技師を育成する教育や、医療技術の研究に貢献しています。

診療放射線技師の仕事内容は?

放射線を使用してレントゲン写真やCTの撮影を行ったり、電磁波を用いてMRI検査を実施したりします。また、医師の指示に従い放射線治療を行うこともあります。がん細胞に働きかけ、病気の原因となっている細胞を破壊することが主な目的です。医療機関によっては、放射線同意元素を付与した医薬品を患者さんの体内に入れ撮影を行う「PET検査」などを行うこともあります。

女性診療放射線技師のニーズも高まっている

女性の場合は、乳がん検診「マンモグラフィー」にも対応します。また、超音波を使ったエコー検査に携わることもあります。婦人科での乳がん検査・エコー検査は、同性である女性に対応してもらいたいと考える患者さんも多く、需要が高まっています。両方できるようになると重宝される人材となり、働く場所に困りません。

自治体のがん検診や人間ドックでも乳がん検診を行う機会は多く、今後も女性の診療放射線技師の需要は高まっていくと考えられるでしょう

診療放射線技師になる方法もチェック

レントゲンフィルム

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診療放射線技師になるには、国家試験に合格して、免許の取得が必須になります。資格の概要や、社会人から目指すために必要なポイントを解説します。

診療放射線技師国家試験の合格が必須

放射線技師として働くには、診療放射線技師国家試験の合格が必須です。この試験の受験資格を得るには、厚生労働省によって指定された短期大学や専門学校で3年以上の学習、あるいは大学の専門課程で規定されたカリキュラムを修了する必要があります。

受験資格を得るためには、まず指定された教育機関に入学し、必要な教育プログラムを修了することがスタートラインになります。卒業後に挑む国家試験の合格率は7080%となっており、しっかりと学習を積んだ上で試験に臨めば、合格は十分に可能です。

参考:
第73回診療放射線技師国家試験の合格発表について|厚生労働省
第74回診療放射線技師国家試験の正答・合格発表の訂正とお詫び|厚生労働省

社会人から目指すなら

社会人でも、診療放射線技師の受験資格を得る道は開かれています。診療放射線技師になるためには専門的な知識が必要であり、すでに大学や専門学校を卒業していても、専門の教育機関で学び直すことが必要です。

夜間コースを提供する養成校も存在するため、仕事を続けながら学ぶことも可能です。時間や経済的な余裕がある場合は、大学での学習が望ましいかもしれません。一方で、より速く資格を取得したい場合は、専門学校が適切な選択肢となります。

社会人入学をサポートする養成校もありますので、自分のライフスタイルや目標に合った学校を見つけることが重要です。まずは、自分に合った学校選びから始めましょう。

放射線を扱うプロになろう!

メモをとる手元

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診療放射線技師になるには、厚生労働省に指定された学校で決められたカリキュラムを修了し、国家試験の合格が必要です。資格を取得するまでには長い時間がかかります。仕事への向き・不向きや、気になる求人情報など、事前によく考えておくことが重要です。

スタンバイなどの求人情報サービスを活用することで、どのような職場があるか、自分に合った求人情報を事前に収集できるためおすすめです。

選択を後悔しないためにも、卒業後の進路や同系統の仕事と比較をしておくことが大切になるでしょう。

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佐藤おさむ
【監修者】診療放射線技師・医療ライター佐藤おさむ

診療放射線技師×医療ライター。地域基幹病院、健診センターに20年の勤務経験あり。現在も診療放射線技師の職を継続しながら、医療分野に特化したライターとして活動中。これまでに、クリニックや企業サイトに掲載する医療記事、医師や製品開発者へのインタビュー記事などの執筆実績がある。

公式サイト:
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