データサイエンティストはデータの専門家で、幅広い領域で活躍できる人気の職種です。しかし、実際に活躍している人の中には、仕事がつらいと感じている人も珍しくありません。データサイエンティストの仕事のつらさや、解決のポイントを解説します。
データサイエンティストはどこがつらい？
データサイエンティストは、企業が取り扱うさまざまなデータの収集・分析の専門家として、とても人気の高い職種といわれています。
しかし、実際にデータサイエンティストとして働いている人の中には、毎日の仕事がつらいと感じている人も多くいます。人によってその理由は異なりますが、大きく分けて以下の点が挙げられます。
細かく地味な作業を積み重ねる必要がある
データサイエンティストは、データ解析のプロとして知られており、ビッグデータっやAI（人工知能）分野をはじめ、華々しいイメージを持っている人が多いでしょう。
そのため、データサイエンティストとして最先端の開発に関わるために、大学や大学院でデータ解析を学んでいる学生がいるのも事実です。
しかし、実際はデータ解析以前に、データ収集・加工などの前処理が必要です。このプロセスは、細かく地味な作業が多く、データサイエンティストとして就職・転職しても、思ったような職種ではなかったと失望したり、仕事に身が入らなかったりする人も少なくありません。
データに関して何でも相談される
データに関するプロフェッショナルというイメージが強いため、データに関することならば何でも相談されてしまいがちなのも、データサイエンティストが仕事をつらいと感じる要因の一つです。
自分の強みや得意分野以外の仕事も、次々と任せられやすいため、仕事量が多くなりストレスを抱える人もいるでしょう。
いわゆる「何でも屋」と認識される場合があり、本来は別の人材が担うべき役割や業務も、結果的に押しつけられてしまうケースがあります。
仕事を任せられることに喜びを感じる人もいますが、限度があるため、業務に忙殺された結果、離職してしまう人も珍しくありません。
常に高い成果を求められる
データサイエンティストは、他の職種以上に高度な知識・スキルを有しているイメージを持たれがちで、常に期待とプレッシャーにさらされている人も少なくありません。
適度にストレス発散し、自分を保っている人もいますが、慢性的なプレッシャーに弱い人は、毎日の仕事がつらいと感じる要因になるでしょう。
また、どういった状況でも、データを使って何とかしてくれると考える管理者やクライアントもいるため、期待にうまく応えられないと、失望されてしまうケースもあります。
データサイエンティストは孤独？
過度に仕事を任せられたり、高い成果を求められたりして、仕事がつらいと感じるのに加え、社内で孤独を感じているデータサイエンティストもいます。
その原因として、仕事の理解者や協力者が少なかったり、社内で孤立してしまったりする人が多いためです。
理解者や協力者が周りにいないケースが多い
データサイエンティストは、高度な知識・スキルを有するため、社内に数人程度しかいない場合がほとんどです。
企業としては、データサイエンティストの人件費負担が大きいため、小規模事業では1人しかいないケースも珍しくありません。そのため、同じ目線で考えられる理解者や協力者がおらず、孤独を感じるデータサイエンティストは多くいます。
社内でも特殊な立場で業務をこなし、相談相手がいないのは、仕事がつらいと感じる原因にもなり得ます。
社内で孤立してしまう人もいる
社内に少人数しかおらず、周りとは異なる業務に集中しているため、いつの間にか社内で孤立してしまう人もいます。業務上、周囲とコミュニケーションを取らなければならない職種ではあるものの、周囲と同じ悩みを共有するのは難しいでしょう。
その結果、周囲と距離を感じているデータサイエンティストは多く、それが「つらい」「しんどい」と感じる原因になっている人もいます。
さらに、孤立した状況で社内政治に巻き込まれたり、偏見を持たれてしまったりして、仕事が嫌になってしまう場合もあります。
仕事のつらさや悩みを解消するには？
データサイエンティスト特有の問題を解決し、仕事にやりがいを持って臨めるようにするには、どうすれば良いでしょうか？
重要なのは、周囲としっかりコミュニケーションを取った上で、データサイエンティストの仕事や、立場などをよく理解してもらうことです。
周囲とコミュニケーションを取る機会を設ける
データサイエンティストの、具体的な業務・立場・悩みなどを周囲が理解していないケースは多いので、積極的にコミュニケーションを取る機会を設けて、互いに理解を深めることが大切です。
例えば、管理者やチームメンバーと1on1の機会を設けるように依頼し、悩みや抱えている問題を気軽に話せる環境を構築するといった工夫が考えられます。
互いの無理解から人間関係の問題が生じる場合も多いので、日常的に接する相手と、ある程度は腹を割って話せるようにしておきましょう。
自分が望むキャリアを明確にする
データサイエンティストは、職種としても比較的新しいため、キャリアのロールモデルがなく、目指すべきところが分からない人が多くいます。
それが仕事のつらさにつながっている場合もあるので、まずは望むキャリアを明確にしたり、振り返ってみたりするのが大切です。
データサイエンティストは、自らの経験とスキルを生かして活躍できる分野が多いので、やりがいのある仕事を求めて上司に掛け合ったり、上流工程の仕事に携わる機会を積極的に求めたりしてみましょう。
日ごろの業務でしっかりと成果を出していれば、自分のやりたい分野の仕事を任せてもらえる可能性があります。
思い切って転職を検討する
どうしても現状がつらい場合は、思い切って転職を検討する方法もあります。
データサイエンティストは人気の職種でもあり、基本的に売り手市場になっているので、他の職種よりも転職がしやすいでしょう。スキルアップを目指して転職する人も増えてきているのが現状です。
また、独立してフリーランスになる道も考えられます。独立すると、1人で案件を獲得する必要はありますが、十分な技能を有していれば、会社員として働くよりも高収入を得られる可能性が高いでしょう。
データサイエンティストが転職する際の注意点
今の職場を離れて転職する場合、以下の点に注意しましょう。すぐに会社を辞めてしまわずに、十分な準備をしてから本格的に活動をはじめるのが大切です。
転職する業界や企業を慎重に選択する
データサイエンティストは活躍できる分野が広く、IT業界以外でも人材ニーズが高いのが特徴です。ただし、転職する業界・企業を慎重に選ばなければ、転職先で同じような悩みを持つ可能性もあります。
一見、魅力的な待遇の企業でも、自分に合わないことも考えられるので、自らの経験やスキルだけでなく、性格・強み・望むキャリアを考慮して慎重に転職先を選びましょう。
求人サイト選びも大切
転職する際には、求人媒体や転職サービスの選択も重要です。目指すべきキャリアを明らかにし、その分野に強みを持つ媒体を選ぶ必要があります。
求人サイトや転職エージェントなど、さまざまな媒体があるので、求人数やユーザーからの評判など、参考にしながら登録するところを選びましょう。
なお、「スタンバイ」は全国の求人の中から最適な仕事を探すことができます。
企業とスムーズにマッチングできるプラットフォームで、データサイエンティストが活躍できる分野の転職求人案件も多くあります。この機会に利用を検討してみましょう。
データサイエンティストとしての目標も考えよう
データサイエンティストは、社内でさまざまな相談を受けたり、過度な期待を持たれたりする場合が多くあります。それがプレッシャーになってしまい、仕事がつらいと感じる人も少なくありません。
仕事のつらさを解消しつつ、自分の理想とするキャリアを歩むには、周囲と積極的にコミュニケーションを取ることも大切です。データサイエンティストの実態を理解してもらい、自分の意見や要望も聞いてもらえるよう計らいましょう。
それでも、現状がどうしてもつらければ、転職も選択肢に入ります。今の職場に残るにせよ転職を選ぶにせよ、後悔しないように、よく考えてから計画的に行動を起こすことが大切です。
