バーテンダーは、店に訪れたゲストにお酒を提供する仕事です。夜間に働く仕事であり、収入面が気になる人も多いでしょう。バーテンダーの平均的な給料や、性別・地域による違いを紹介します。バーテンダーになる方法や年収アップのコツも確認しましょう。
バーテンダーの平均給料
バーやクラブでお酒を提供するバーテンダーは、スマートな立ち居振る舞いや華やかな印象で人気を集める職業です。バーテンダーはいったいどのくらいの給料で働いているのでしょうか?平均的な月給やボーナスについて紹介します。
平均月給は約25万円
厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」では、バーテンダーを含む飲食物調理従事者の平均月給が公表されています。2021年の飲食物調理従事者の平均月給は、25万2,400円です。
一般的に、月給の手取りは収入の80%程度といわれています。保険料や税金を引いた後の金額は、20万円程度になるでしょう。
ボーナスは平均で約29万9,800円で、年収を試算すると332万8,600円です。国税庁の民間給与実態統計調査によると日本の平均年収は約443万円のため、バーテンダーの年収は全体平均より100万円ほど低い水準といえます。
※月給は「きまって支給する現金給与額」に12カ月をかけ、ボーナスとして「年間賞与その他特別給与額」を足して算出した。「飲食物調理従事者」「企業規模計10人以上」の項から数値を引用
参考:
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁
経験年数に応じて給料は増える傾向
バーテンダーとして経験を積むと、給料は増えていきます。月給、ボーナスどちらも経験年数に応じて増加する傾向です(月給は「賃金構造基本統計調査」の「所定内給与額」をベースにしています)。
経験年数1~4年では所定内給与額20万8,200円、ボーナスは22万2,800円と平均は低くなっています。5~9年で所定内給与額は22万3,900円に上がり、ボーナスは28万5,100円です。
10~14年になると所定内給与額は23万8,500円、ボーナス33万7,100円ですが、年収の試算は319万9,100円と、バーテンダー全体の平均より低くなっています。
15年以上では所定内給与額26万9,600円、ボーナス39万7,300円と大きく増加し、年収を試算すると363万2,500円です。平均より稼げるようになるまでには、長い年月がかかると考えておきましょう。
※ボーナスは「年間賞与その他特別給与額」を参照。「飲食物調理従事者」「企業規模計10人以上」の項から数値を引用
参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
性別や都道府県別では差はある?
バーテンダーは、性別や働く地域によって収入に差が生じます。男女差や都道府県による違いを見ていきましょう。
男女別の給料
性別によって、バーテンダーの給料は異なります。「賃金構造基本統計調査」によると、男性は平均月給28万7,400円、ボーナス30万8,700円です。
女性は平均月給20万4,300円、ボーナス28万7,600円と、かなり差が開いているといえるでしょう。
男性の年収は約375万7,500円、女性の年収は約273万9,200円で、年収を計算すると、男女間で100万円ほどの差です。日本の平均年収約443万円と比べるとやや低いといえますが、平均年収に届いていないとはいえ、男性バーテンダーは女性バーテンダーと比較すると安定した収入といえそうです。
※月給は「きまって支給する現金給与額」、ボーナスは「年間賞与その他特別給与額」を参照。「飲食物調理従事者」「企業規模計10人以上」の項から数値を引用
参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
都道府県別の違いは?
バーテンダーは、勤務地によっても給料の傾向が変化します。厚生労働省の職業紹介サイト「job tag」によると、東京近郊の都市部や愛知・大阪・福岡といった大都市を抱える地域の年収は350万円前後が多く、都市から離れると年収は下がる傾向です。
特に東京都の平均年収は394万5,000円と、バーテンダー全体の平均年収を大幅に上回っています。
都市部には人気のバーが多く、人が集まりやすいのも影響していそうです。東京エリアは特に人が多く、バーテンダーが稼ぐには適した環境といえるでしょう。
年収という観点では、なるべく都市部での勤務を考えるのがおすすめです。
参考:バーテンダー - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
バーテンダーになる方法は?
バーテンダーになるには、特別な資格やスキルが必要なのでしょうか?目指すにあたって押さえておきたいポイントを紹介します。
学歴や年齢での制限はほとんどない
バーテンダーには、学歴による制限や年齢の上限はほとんどありません。お酒を提供する仕事のため、接客スキルやお酒の知識は必要ですが、基本的に誰でもバーテンダーを目指せます。
年齢で問題があるとすれば、未成年の夜間就業や飲酒です。20歳以上であれば原則的に制限はありません。
ただし、カクテルのブレンドや接客には、一定の知識やスキルが必要です。若いうちからバーで働いてスキルを身に付ける人が多いため、バーテンダーとして活躍したいなら、早いうちに目指す方が有利でしょう。
バーの正社員求人を探す
バーテンダーの求人に応募する上で、特別な資格は不要です。募集要項に書かれている条件を満たしていれば、誰でも応募できます。
飲食業界やバーで働いた経験があれば、強みとしてアピールできるでしょう。コミュニケーション力やお酒の知識、バーテンダーの民間資格を持っているなど、自己PRにつながる要素は多数あります。
スタンバイでは、バーテンダーの求人を探せます。ホテルや個人経営のバーなど、気になっている分野の求人情報を探してみましょう。
バーテンダーの求人を探すポイント
未経験からバーテンダーを目指す場合、どのように求人を探せばよいのでしょうか?求人情報の基本的なチェックポイントを解説します。
未経験OKの求人を探す
バーテンダーとして働いた経験がなく、働きながらスキルを身に付けたいなら、未経験OKの求人を探しましょう。
未経験者を歓迎する求人は、多数あります。特にバーテンダーは資格を必要としないため、未経験OKの求人も多いでしょう。
しかし、バーテンダーとして働くにあたって、業界やお酒に関する知識はある程度必要です。応募の前に、基礎知識は勉強しておいた方がよいでしょう。バーに通って雰囲気を知ったり、スクールに通ったりと、方法はいくつかあります。
募集要項や待遇をチェック
バーテンダーの平均的な給料は、他の仕事と比べるとやや低い水準です。求人に応募する前に、年収や待遇をチェックしておきましょう。
昇給の可能性や役職の有無など、キャリアを積む上で確認しておきたいポイントはいくつかあります。個人経営の店舗では、福利厚生の有無も確認しておいた方がよいでしょう。
年収だけを見て判断するのではなく、勤務時間帯や残業の有無、仕事内容など情報を細かく見るのが大切です。自分が何を重視するのか明確にした上で求人情報を見ると、希望条件で絞り込みやすくなります。
バーテンダーが給料をアップさせる方法
バーテンダーの給料は、平均的に見るとやや低い印象です。給料をアップさせるためには、どのような方法があるのでしょうか?就職先の選び方や、バーテンダーとして働きながら収入を増やすための方法を紹介します。
大規模なホテルやチェーン店に就職
バーテンダーの年収を企業規模別に見ると、企業規模1,000人以上では年収が高くなる傾向です。
「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模1,000人以上の平均月給やボーナスから試算した結果、年収は350万9,100円と考えられます。バーテンダー全体の平均よりやや高い水準です。
1,000人未満の企業規模ではバーテンダー全体の平均年収をやや下回る傾向があるため、高年収を目指すには規模の大きいホテルや有名チェーン店が適しています。
スタンバイでは幅広いバーテンダーの求人を探せるので、規模の大きいホテルや店舗も見つけやすいでしょう。
※月給は「きまって支給する現金給与額」、ボーナスは「年間賞与その他特別給与額」を参照。「飲食物調理従事者」「企業規模計1,000人以上」の項から試算
店をまとめる責任者を目指す
バーテンダーとして経験を積むと、チーフバーテンダー・マネージャー・店長などに昇格できる可能性があります。
昇進すれば役職手当がつき、給与も上がるでしょう。一般職と比べると年収が高くなり、バーテンダー全体の平均を上回るケースも多くなります。
責任者として働く場合は、カウンターでカクテルを作るといった仕事以外にも、するべきタスクが多くなるでしょう。売上の管理や店舗のマネジメントなど、幅広い能力が求められます。
いずれは独立を考えるのも1つの手
実力のあるバーテンダーには、顧客がつきます。自分で店を開けば、人脈を生かして人気店に成長できるはずです。
独立後は、店の売上が上がるのに伴い収入が増えます。バーテンダーとして高年収を目指すなら、独立開業も視野に入れましょう。
ただし、店を開くには初期費用や集客できるだけの実力、経験が必要です。バーテンダーとして働き始めてすぐに達成できる目標ではないため、長い時間がかかると考えておきましょう。
バーテンダーを目指すなら待遇や条件も確認
バーテンダーの給料は、日本の平均年収と比べるとやや低い水準です。勤務先の規模や人気、本人の実力も関わるため、人によって差が出ると考えられます。
これからバーテンダーを目指すなら、求人情報をしっかりチェックし、待遇と条件を確認しましょう。
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