CADオペレーターを目指している人の中には、「CADオペレーターはやめとけ」と聞いて、尻込みしてしまっている人もいるかもしれません。CADオペレーターはやめとけといわれる理由のほか、魅力や向いている人も解説します。
CADオペレーターはやめとけといわれる理由
まずは「CADオペレーターはやめとけ」といわれる、主な理由を5つ紹介します。
どの仕事にも大変さは付き物ですが、断片的な情報だけで判断するのではなく、メリット・デメリットを自分の中で天秤にかけて判断することが重要です。
長時間のデスクワーク
CADオペレーターの仕事では、パソコンとCADソフトを使うので、基本的に始業から就業まで座りっぱなしです。残業がある日なら、1日の半分近く座っていることもあるでしょう。
そのため、肩こりや目の疲労がたまってしまう人が少なくありません。マウスをたくさん使うので、腱鞘炎にも注意が必要です。
長時間のデスクワークに慣れない人は、CADオペレーターの仕事を苦痛に感じるでしょう。逆に、座りっぱなしでも平気な人は適性があるといえます。
設計図作成以外の業務も振られる
CADオペレーターが設計図作成のみを行うことは少なく、ほとんどの場合一般事務も兼任します。このことを事前に把握していなかった人は、「思っていたのと違った」とギャップを感じてしまうでしょう。
また設計図作成においても、指示されたこと以上の業務を振られるケースがあります。よくあるのが、設計図の一部修正が発生した際に、他の部分の修正も一緒に頼まれるパターンです。
このような追加業務の積み重ねで負担が増え、モチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。
残業が多いことがある
会社や時期によっては残業が多いケースがあり、月20~30時間の残業は覚悟する必要があるでしょう。納期が重なる繁忙期は、終電近くまで仕事をしたり、休日出勤したりすることもあります。
また業務の都合上、自分の作業が終わっても、設計者のOKが出るまで待機しなければならないこともあるでしょう。設計者が忙しいとなかなか捕まらず、仕事が終わっているのに帰れないことに、ストレスを感じるかもしれません。
自分で稼働時間をコントロールしづらい点も、CADオペレーターはやめとけといわれる理由の1つです。
納期が厳しいことがある
CADオペレーターにいつ仕事が回ってくるかは、設計者の作業進捗によります。そのため、場合によっては短納期で仕上げなければならないことがあるでしょう。
また、急に「今日中にやって」と頼まれることも珍しくありません。設計者に振り回されやすい立場にあることに、ストレスをためる人も多くいます。
さらに、CADオペレーターの仕事はチームプレーのため、自分はスケジュール通りに進めていたとしても、周囲の都合で手戻りが発生する可能性もあります。それでも納期までに完成させなければならない点は、CADオペレーターの大変なところです。
人間関係が難しい
人間関係に苦労するCADオペレーターは、少なくありません。CADオペレーターは立場上、現場と設計者の板挟みになることが多々あります。
CADオペレーターは設計者のアシスタントと見られることが多く、現場の人にとって「文句を言いやすい」と思われがちな面もあるようです。
現場からクレームが出ても、設計者からは「設計者としての都合」を優先した指示を送られるケースも多く、右往左往する人もいます。
また、上司によっては丁寧に教えてくれないときもあり、キャッチアップに苦労することもあるでしょう。
CADオペレーターの魅力は?
CADオペレーターの苦労を紹介しましたが、悪いことばかりではありません。CADオペレーターの魅力を、3つ紹介します。
未経験でも挑戦できる
CADオペレーターになるのに特別な資格は必要なく、未経験でも始められるのは大きな魅力です。実際に未経験OKの求人も多く、研修制度のある会社ならCADの使い方も学べるでしょう。
CADソフトにはいくつも種類がありますが、代表的なのは「AutoCAD」と「Jw-cad」の2つです。前者は業界問わず幅広く使われており、後者は建設業界でよく使われます。
Jw-cadはフリーソフトのため、建設業界志望でなくても、勉強用として使うのもおすすめです。
CADオペレーターは技術職のため、スキルを身に付ければ年収アップや、上位職種である設計者にステップアップできる可能性もあります。
ただし間口が広い分、生き残るためには継続的な勉強が必要です。ただ設計者に指示された通りに作図できるだけでなく、対応できる業務の幅を広げる努力が必要でしょう。
スキルが身に付けば職に困らない
CADオペレーターとして働けたら、手に職がついたことになります。CADオペレーターの人材は不足気味のため、スキル・経験を積めば食いっぱぐれることはなくなるでしょう。
実際に、60〜70代で活躍しているCADオペレーターは多くいます。一度別の職種に挑戦して、再度CADオペレーターに戻るといったこともしやすいでしょう。
CADが使えれば年齢に関係なく需要があるため、腐らない技術を身に付けたい人にはおすすめです。
設計を担当した製品が完成したときの達成感
CADオペレーターが作った設計図は、やがて実物の製品・建物として現実のものとなります。自分が作った設計図をもとに製品が完成し、世の中の役に立っているのを実感したときに、大きなやりがいを感じるCADオペレーターは多くいます。
CADオペレーターが活躍できる業界は多岐にわたりますが、共通しているのは「ものづくり」であることです。
ものづくりには、設計図が欠かせません。ものづくりにおいて欠くことのできない重要な役割を担えるのも、CADオペレーターならではのやりがいです。
CADオペレーターに向いている人は?
大変なこともあればやりがいもあるCADオペレーターですが、どのような人が向いているのでしょうか?CADオペレーターに向いている人の特徴を、3つ解説します。
緻密な作業が好き
細かい作業や1つのことにコツコツと打ち込める人は、CADオペレーターに向いています。CADオペレーターの仕事は、ミリ単位での正確さを求められます。1mmのズレが大きなズレを生み、致命的な設計ミスにつながりかねません。
それだけの繊細な作業をこなすには、高い集中力も必要です。少しのズレも妥協せず、100%のものを作り上げるプロ意識を持てる人は、CADオペレーターとして活躍できるでしょう。
また、設計図には多くの線・図形を使うため、複雑な図面に対して抵抗感を抱かないかも、適性があるかどうかの分かれ目です。
デスクワークが苦に感じない
長時間のデスクワークに耐えられるかは、CADオペレーターに向いているかどうかの大きな基準といえます。
近年は在宅勤務やオンライン会議の普及により、ますます机を離れる機会が減っています。途中で休憩は挟むものの、基本的には始業から就業まで座り続けることになるでしょう。
これを1日だけでなく、毎日続ける必要があります。デスクワークに慣れる自信のない人は、自分なりのリフレッシュ方法や、運動不足解消法を持っておくとよいでしょう。
ものづくりが好き
CADオペレーターにとって何よりも大切なことは、「ものづくりが好き」という気持ちです。
CADオペレーターの仕事は、業界問わずものづくりに関係しています。自分が直接作るわけではありませんが、すべてのものは設計図をもとに作られます。
縁の下の力持ちとして、設計図作成を通してものづくりに貢献したい気持ちがあれば、精力的に仕事に打ち込めるでしょう。
また仕事を好きになれば、スキルアップも速くなります。この意味でも、ものづくりに対する興味の有無は、CADオペレーターの適性を判断する重要な基準になります。
未経験からCADオペレーターになる方法
未経験からCADオペレーターを目指す人に向けて、就職するまでの方法を解説します。まずは、CADソフトの使い方を覚えるところから始めましょう。
CADソフトの操作をマスターする
CADオペレーターになるには、CADソフトの使い方を覚えなければなりません。CADの主な勉強法は、スクールと独学の2つがあります。時間があればスクールに通ってもよいですが、難しくても独学で勉強を進められます。
また、以下のような未経験でも取れる資格を持っておくと、転職に役立つでしょう。
- CAD利用技術者試験
- 建築CAD検定試験
- CAD実務キャリア認定制度
CAD利用技術者試験は、CADの基本的な使い方を身に付けていることを証明する資格です。建築CAD検定試験は、その名の通り建設業界で有利な資格といえます。
CAD実務キャリア認定制度は、スコアが点数化されるため、自分の力量を把握するのに役立ちます。
転職サイトで求人を探す
CADの使い方を覚えたら、CADオペレーターの求人を探しましょう。その際、未経験OKの求人を探すのがおすすめです。CADが使える状態でも、実務経験がなければ経験者採用は難しいためです。
また、独学でCAD操作を身に付けた場合は、研修制度がある会社に入るのが望ましいでしょう。人から直接教わることで、効果的にスキルを高められます。
CADオペレーターの求人を探すなら、日本最大級の検索エンジン「スタンバイ」を利用しましょう。
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適性を判断してCADオペレーターを目指そう
「CADオペレーターはやめとけ」といわれる理由には、長時間のデスクワーク・労働環境などが挙げられます。
しかし、どんな仕事にも向き不向きがあります。紹介した適性に自分が当てはまっていたなら、CADオペレーターを目指してみてはいかがでしょうか。
CADオペレーターの、良い面・悪い面の両方向から適切な判断を下し、ぜひ転職を成功させましょう。