仕事をやめたいと感じたら?主な原因と対処法、転職の条件などを解説

仕事が「つまらない」「つらい」といった理由から、やめたいと思った経験のある人もいるでしょう。多くの人が「仕事をやめたい」と感じる主な原因と対処法などを解説します。現在の仕事をやめて転職を考えている人は、判断の参考にしましょう。

仕事をやめたいと思っている人は多い?

橋で悩んでいる男性

(出典) photo-ac.com

どの業界や業種であっても、一定数は仕事をやめたいと感じている人はいるものです。自分の仕事に対して、どのように感じているかは本人にしか分かりません。

しかし、実際に離職・転職した人の割合を確認すれば、どの程度の人が仕事をやめたいと感じているか推し量ることが可能です。

離職率は13~14%程度

厚生労働省の「雇用動向調査」によれば、2021年の国内企業の離職率は13.9%で、2020年の14.2%より若干下がってはいるものの、常に一定数が離職している状況です。仕事をやめる理由は人それぞれですが、全体として10%以上の離職率が長く続いています。

したがって、実際に仕事をやめる人はもちろん、仕事をやめたいと感じている人は、常に一定数いると考えられます。

また同調査では、一般労働者(正社員や契約社員)に比べてパートタイムの労働者の方が、離職率がかなり高くなっています。一般労働者の離職率は11%程度ですが、パートタイム労働者は21%程度です。

パートタイム労働者の場合、仕事をやめたいと思う人に加えて、当初から期間限定で職に就いている人も多い点が、離職率の高さに表れていると推測できるでしょう。

参考:令和3年雇用動向調査結果の概況(P7:1入職と離職の推移)|厚生労働省

仕事をやめたいと感じる代表的な理由

仕事に疲れた女性

(出典) photo-ac.com

多くの人が仕事をやめたいと感じる理由として、以下の点が挙げられます。個人的な事情で仕事をやめる人もいますが、会社の労働環境や仕事内容などに不満を感じ、仕事をやめてしまいたいと思う人は少なくありません。

職場の人間関係がうまくいかない

業界や業種を問わず、離職の原因として特に多くの人が人間関係を挙げています。仕事の内容に不満がなくても、人間関係がつらくて離職・転職に至る人は珍しくありません。

単なる人としての相性だけでなく、いわゆるセクハラやモラハラ、パワハラなどを受け、今すぐ仕事をやめたいと感じている人もいます。

どういった職場であっても、人間関係上の悩みは大なり小なり発生するものですが、ハラスメントを受けている場合は、早急に離職・転職を含めた対応を考えた方がよいでしょう。

満足な給料をもらえない

給与水準が低かったり、働きや貢献に見合った報酬が得られなかったりすることで、仕事に対するやる気を失ってしまう人も数多くいます。

一向に待遇が改善されなければ、仕事をやめたいと感じる人も出てくるでしょう。将来的な給料アップが見込めないことで、所属している企業に見切りを付ける人もいます。

また、入社時点では待遇に不満がなかったとしても、会社の業績悪化やマネジメント層の方針転換などにより、給料がカットされてしまったり、満足な福利厚生を得られなかったりするケースもあります。

労働時間・労働環境に問題がある

長時間労働が横行し満足に休みが取れないなど、労働時間に問題がある場合や、労働環境についていけないと感じ、仕事をやめたいと思っている人も多々います。

近年は「ブラック企業」が社会的な問題として認識されており、待遇の改善を図る企業がある一方で、いまだに法令違反状態のまま事業を続けている企業もあるのが実態です。

労働基準法に違反している職場はもちろんですが、違反ではなくても残業や休日出勤が多く、社員のプライベートの時間が削られているケースは少なくありません。

仕事の内容に興味が持てない

入社前に期待していた仕事ができず、仕事がつまらないと感じていたり、自分の好きな仕事ではなかったりして、職場をやめたいと感じる人も珍しくありません。

特に若手の場合、自分の望むキャリアに結びつかない仕事ばかりで、ほかの会社に移りたいと考える人は多くいます。

長く働き続けることで徐々に仕事が面白くなるケースもあるため、それだけで離職・転職を検討するのは早計といえるでしょう。

しかし仕事の内容にまったく興味がなく、将来も同じ仕事を続けなければならない場合は、思い切って転職を検討することも大事です。

社風や職場の雰囲気が自分に合わない

会社の価値観や社風、職場の雰囲気が合わないことが原因で、仕事をやめたいと考える人もいます。

特に若手の場合は、会社選びでの“失敗経験”がないこともあり、入社前とイメージが異なるなど、仕事のモチベーションに関わる重大な認識の食い違いで、入社後すぐにやめたいと感じるケースがあります。

業務や社風に対するイメージのほか、仕事後の上司との付き合いや、忘年会や新年会といったイベントへの強制出席などは、年齢を問わず苦痛に感じる人は数多くいます。

正当な評価を得られない

自分が正当に評価されていないと感じたり、評価基準に不満がある場合は、たとえ仕事内容に不満がなくても、職場を変えたいと考える人は多いでしょう。

人事評価にはある程度、管理者の主観が入ってしまうものではありますが、それが露骨な場合や、特定の人材を過度に高く評価するなど、公平な人事評価がされていないと感じることもあります。

また、能力を発揮する上で満足な人材教育が施されていないと感じる人もおり、離職や転職の引き金になるケースもあります。特にキャリア志向が強く、必要な技能をしっかり身に付けたいと考えている人にとっては、会社の人材教育対する不満は、職場を変えるきっかけになり得ます。

仕事をやめたいときの対処法

人事面談

(出典) photo-ac.com

仕事をやめたいと感じた場合には、どのように対処すればよいでしょうか?すぐに離職・転職を選択する人もいますが、まずは以下のように、仕事をやめたい理由を自分なりに明らかにすることが大事です。

やめたい理由を明らかにする

いろいろな要素が積み重なり、漠然と仕事をやめたいと感じている人は数多くいます。ですが、具体的に何が原因で仕事をやめたいのか、自分できちんと整理できていないケースが実は珍しくありません。

自分なりにやめたい理由を明確にしたら、仕事をやめずに解決できるかどうか慎重に判断してみましょう。

原因によっては、様子を見ることで解決する可能性もあります。自らの努力や工夫で状況を改善できる場合は、まず自分なりに解決を図ってみましょう。

上司や人事部門に相談する

自分での解決が難しい場合でも、信頼できる上司や人事部門に協力をあおいで、解決ができるかを考えてみましょう。待遇改善や異動なども、内容によっては聞き入れてもらえたり、一定の条件をクリアすることで、自分が興味のある業務ができるようになったりする可能性もあります。

ただし、上司からハラスメントを受けている場合や、組織全体でいじめや問題行動が常態化している場合は、相談することで逆に不利な状況になるおそれもあります。

あくまでも、相談相手として信用・信頼できる人であるかどうかが重要です。場合によっては家族や友人など、社外の身近な人に相談してもよいでしょう。

退職・転職を検討する

状況をどうしても改善できず、身体的・精神的にきつい場合は、離職や転職も視野に入ります。

ただし、退職・転職には相応のリスクがあるので、安易に決断しない方がよいでしょう。転職先がなかなか見つからない場合、経済的に追い込まれるおそれがあります。

自分の市場価値や転職の難易度、理想のキャリアプランなどを考慮し、身の振り方を慎重に考えましょう。働きながら転職活動をすることも可能なので、転職の計画をしっかり立てて行動することが大事です。

仕事をやめるべき状況とは?

パソコンを前に疲れている男性

(出典) photo-ac.com

たとえ現状に不満があっても、安易に仕事をやめてしまうべきではありません。しかし以下のように、状況によっては早く離職・転職を選択した方がよい場合もあります。

心身の健康が損なわれる可能性が高い場合

仕事で肉体的・精神的に追い詰められており、健康が著しく損なわれるおそれがある場合は、仕事をやめることや休職について考えるべきです。

もし休職が許されなかったり、復職しても同じ状況に陥ったりする可能性が高い職場なのであれば、体を壊す前に離職・転職を検討した方がよいでしょう。無理をして体を壊すと、結局働けなくなってしまいます。

会社が大きな問題を抱えている場合

所属企業で法令違反が横行していたり、日常的に不当な扱いを受けており改善の見込みがなかったりする場合は、早急に辞職・転職を検討すべきです。

また、経営が不安定で倒産のおそれがある場合も、巻き込まれる前に抜け出した方がよいケースがあります。経営が傾くと給料の未払いが発生したり、労働環境が著しく悪化したりする可能性があるので、早めに対応を決めましょう。

望んでいるキャリアを進めない場合

社風が合わなかったり業務内容にまったく興味が持てなかったりなど、今後も仕事へのモチベーションの向上が見込めない場合も、転職した方がよい場合があります。ただし、長く仕事を続ける中で興味を持てるようになるケースも少なくありません。

まずは理想とするキャリアプランを明確にして、所属している企業に残るか、別の企業に移るか、あるいは独立するかなどを検討しましょう。

転職や独立を考える場合は、成功する可能性がどの程度あるかも冷静に判断しなければいけません。自分だけで決断する人も多いですが、周りの信頼できる人にも相談してみましょう。

職場を移るまでの計画を立てる

転職を決意したら、現在の職場をやめるタイミングを考える必要があります。新たな職場に移るまでの計画を立て、どのようなルートや手段で転職する企業を選択し、内定を得るのか、さらに新たな職場でどういったキャリアを歩むのか考えましょう。

しっかりと転職の計画を立てた上で、行動に移す必要があります。すぐに転職が成功すると考えられなければ、今の職場で必要な知識やスキルを身に付けたり、資格を取得したりするのも有効な選択肢です。

なお、離職のめどが立ったら現在の上司に伝えるとともに、仕事の引き継ぎも考えなければいけません。無責任な形での離職にならないように注意しましょう。

上司に直接辞意を表明するのが難しい場合は、メールで離職の意を伝えたり、人事部門に相談したりする方法もあります。

仕事がつらいなら転職も選択肢に

履歴書に記入する

(出典) photo-ac.com

仕事をやめたいと考える人は常に一定数おり、人間関係や給料面の問題、労働環境や仕事内容に対する不満など、人によって理由は異なります。

仕事をやめたいと思った場合は、自分なりに理由を明確にして、自己解決や相談による解決が可能か検討しましょう。難しければ退職や転職も視野に入れる必要があります。

ただし、安易に転職活動を始めてもうまくいかない場合もあるので、自分のスキルや市場価値などを考慮して、転職が成功する可能性を慎重に判断することが大事です。

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