パートとアルバイトの違いは何?特徴や待遇、仕事の選び方などを解説

パートとアルバイトはどちらもよく聞く働き方であり、多くの人が従事していますが、違いは何なのでしょうか?それぞれの特徴や待遇の違い、さらにパートやアルバイトを選ぶ際のポイントも解説します。両者の使い分けについて確認しましょう。

パートとアルバイトに違いはある?

レジ対応をする女性

(出典) pixta.jp

パートとアルバイトは、どちらも同じような立場と認識している人は多いですが、違いはどこにあるのでしょうか?まずは両者の法的な位置づけを理解しましょう。

特に法律上の区別や違いはない

結論としては、パートとアルバイトとの間に、法律上の区別は特にありません。いずれも法的には「短時間労働者(パートタイム労働者)」と定義されており、働いている店舗や企業によって呼び方が異なるだけで、立場上はまったく同じとみなされます。

ただし、一般的なイメージとして、アルバイトは学生を想起する人が多く、パートといえば平日の昼間に働く主婦・主夫というイメージを持たれがちです。

実際のところ、同一店舗で立場が同じであっても、学生はアルバイトと呼ばれ、主婦はパートと呼ばれるケースは珍しくありません。

社員とパート・アルバイトとの違いは?

就業規則

(出典) pixta.jp

パートとアルバイトに立場上の違いはありませんが、社員とパート・アルバイトとの違いは何でしょうか?こちらは契約期間や労働時間、給料や福利厚生、仕事内容に至るまで、さまざまな違いがあります。

契約期間や労働時間の違い

パートやアルバイトは法的に「短時間労働者」とされているように、1週間の労働時間が正社員に比べて短いのが最大の違いです。

社員は所属している企業において、基本的にフルタイムで働きます。契約期間に関しても、パートやアルバイトは一定期間のみの雇用がほとんどですが、正社員は無期雇用が前提です。

フルタイムでの勤務時間は、原則として1日8時間・週40時間と、上限が労働基準法により決められています。一方パートやアルバイトの場合は、1日3~5時間で週に2日勤務といったように、シフト制での交代勤務が基本です。

給料や福利厚生の違い

社員は月収制や年俸制が前提で、パートやアルバイトは時給制での給料が一般的です。その月に入ったシフトに応じて、もらえる給料が変わります。

また、福利厚生は社員とパート・アルバイトのどちらにも提供されますが、基本的には社員の方が充実しており、給料以外のさまざまな手当が出る企業も少なくありません。

ただし、社員とパート・アルバイトで仕事内容がまったく同じである場合、同一労働同一賃金が政府によって目指されている影響もあり、パートやアルバイトの立場でも、正社員と同じ給料や福利厚生を得られるケースも増えています。

参考:同一労働同一賃金特集ページ|厚生労働省

仕事内容の違い

一般的に、社員はパートやアルバイトに比べて、責任の重い仕事を任せられる場合が多くなります。パートやアルバイトは、比較的簡単な仕事を与えられるケースが多いものの、実質的に仕事内容が同じという場合も珍しくありません。

また上記のように、同一労働同一賃金が進められている中で、社員と同じ程度の給料をもらいながら、責任ある仕事に従事しているパートやアルバイトの人も増えています。

しかし、正社員は将来的に管理職として昇進する人もいる一方で、パートやアルバイトは給料アップの可能性はありますが、基本的に立場が変わることはありません。

ただし、パートやアルバイトの立場から正社員として雇用され、昇進するケースはあるでしょう。

社会保険や雇用保険の違い

正社員は原則として、所属している企業の雇用保険や社会保険に加入します。一方パートやアルバイトの場合は、正社員の4分の3以上の労働時間・労働日数の場合に、社会保険に加入することになります。

また、労働時間や労働日数が4分の3に満たない場合でも、月額の給料が8万8,000円以上、さらに週20時間以上の労働時間など、一定の条件を満たす場合には、社会保険への加入が必要です。

パート・アルバイトのメリットやデメリット

給料袋

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正社員としての雇用を目指している人がいる一方で、フルタイムの勤務ではなく、シフト制で働き続けたい人も少なくありません。正社員と比較して、パートやアルバイトの立場で働くメリットやデメリットも押さえておきましょう。

時間の融通が利きやすい

パートやアルバイトはシフト制での交代勤務が基本なので、働く日時を調整しやすいのがメリットです。自分の都合のよい時間に働ける可能性が高く、勉強や趣味などに使う時間を確保できます。人によっては複数のパート・アルバイトの掛け持ちも可能です。

また、未経験の分野でもアルバイトなら採用される可能性があるので、将来的に活躍したい企業にアルバイトとして入り、実力を認められて社員になるというチャンスもあります。

パートやアルバイトの立場ならば、自分に合わないと感じたら、正社員の立場より辞めやすいのも特徴です。

複数の仕事を掛け持ちできる

同時に複数の仕事を掛け持ちしやすいのも、パートやアルバイトのメリットです。収入を増やすために複数の仕事をしている人も多くいますが、さまざまな仕事を通じて自分に合ったものを探すために、複数のアルバイトをしているケースも少なくありません。

また、副業が認められている企業の場合、正社員として働きながら、別の分野でアルバイトをすることも可能です。自分の経験の幅を広げる上でも役に立ちます。

経済的に安定しづらい

パート・アルバイトの立場のデメリットとして、正社員とは異なり雇用が安定しない点や、シフトの状況次第で月の収入が変動する点などが挙げられます。収入がなかなか安定せず、契約が突然終了してしまう点もリスクです。

3カ月や6カ月など、あらかじめ契約期間が決まっている仕事も多く、契約終了の度に新たな仕事を探さなければならない人も珍しくありません。

同じ仕事を安定して続けるならば、パートやアルバイトの立場よりも、正社員として働く方がよいと考える人は多いでしょう。

パートやアルバイトを選ぶ基準は?

アルバイトの女性

(出典) pixta.jp

パートやアルバイトの仕事を選ぶ際、注目すべきポイントを解説します。時給の高さはもちろん、自分が長く続けられる仕事か、自分の生活スタイルに合っているかなどを確認することが大事です。

十分な収入を得られるか?

収入の金額にどれぐらいこだわるかは人によりますが、パートやアルバイトとして働く目的を果たせるだけの、十分な収入が得られる仕事を選ぶことが大前提です。

一般企業への就職・転職に比べて、パートやアルバイトは選択できる仕事の幅が広い分、仕事内容と給料のバランスが取れていないケースもあるので注意しましょう。

長く続けられそうな仕事か?

内容に興味・関心があり、長く続けられる仕事かどうかも重要です。興味はないものの、収入のために簡単そうな仕事や給料のよい仕事でアルバイトをする人も多くいますが、まったく興味を持てなければ長続きしません。

とりあえずアルバイトを始めたものの、仕事がつまらなくてすぐに辞めてしまう人は多いものです。はじめから短期間と決めて仕事をするならば別ですが、長く続けるつもりだったのにすぐに辞めてしまうと、十分な収入を得られなくなります。

また、仕事内容に加えて職場の雰囲気も重要です。同じパートやアルバイトの立場の人や、社員や管理者と良好な関係を築ければ楽しく仕事ができるので、長続きしやすくなります。

生活スタイルに合っているか?

自分の生活スタイルに合わせて、シフトや勤務時間の融通が利くかという点も重要です。パートやアルバイトの立場を選択する人は、勉強や趣味、家庭での役割などに時間を使いたい人が多いでしょう。必要な時間を確保できる仕事を選ぶ必要があります。

たとえ同じ職種であっても、店舗や企業によって求められる勤務時間や週の勤務日は大きく異なるので、面接時によく確認しておきましょう。残業の有無や休日出勤に関しても、よく調べておくことが大事です。

パートやアルバイトの仕事も慎重に選ぼう

カフェで働く女性

(出典) pixta.jp

パートとアルバイトは店舗や企業によって呼び方が異なるだけで、法的にはまったく同じ立場です。両者の違いはほぼないですが、社員とパート・アルバイトとの違いは大きく、契約期間や給料体系、福利厚生、仕事内容などが異なります。

正社員とパート・アルバイトには、それぞれメリット・デメリットがあるので、よく理解した上で、どちらの立場を選ぶか考えましょう。

また、実際に仕事を選ぶ際には、収入面に加えて長く続けられる仕事か、自分の生活スタイルに合っているかなども検討する必要があります。自分に合った仕事を見つけて、キャリアアップに役立てましょう。

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