現在の仕事に満足できず、もっと自分に合った仕事に転職したいと考える人は多いでしょう。さまざまな職種や働き方の中から、向いている仕事を見つけるには、自分なりに納得できる条件を絞り込む必要があります。そのためにはしっかりとした自己分析や、業界研究が欠かせません。
自分に合った仕事に就くメリットも明らかにしておくと、より前向きな気持ちで仕事探しができるでしょう。やりがいのある仕事を見つけ、長く続けていくために、適職を見つけるポイントや注意点、考え方などを詳しく解説します。
この記事のポイント
- ・「自分に合った仕事」の考え方とメリット
- 自分に合った仕事には、「得意分野を生かせる」「ストレスがたまりにくい」「成長できる」などいくつかの考え方があります。モチベーションアップや昇給につながる、健康的に長く働けるといったメリットもあります。
- ・自分に合った仕事の見つけ方
- まず自己分析と業界・職種研究を行います。結果を基に転職先に望む条件に優先順位を付け、絞り込んでいきます。
- ・自分に合った仕事を見つける際の注意点
- 全ての条件に合う会社はないと心得ることが大切です。現状だけでなく、将来性にも注目しましょう。
自分に合った仕事とは何?

自分に合う・合わないを判断するには、仕事をさまざまな角度から見る必要があります。一致するポイントが多いほど、自分にとって合う仕事といえるでしょう。自分に合った仕事とは何を指すのか、主なポイントを紹介します。
自分の強みを生かせる
自分の強みや得意分野を生かせる仕事は、適職といえます。自分に合った仕事に対して、好きなことや、やりたいことができるといったイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、たとえ自分の好きな分野ではないとしても、得意なことを生かせる仕事なら、スムーズに進められるはずです。
本人にとってやりやすいのはもちろん、成果が上がれば周りからの高評価も期待できます。自分の活躍によって会社の業績に貢献できると、やりがいを感じモチベーション向上につながります。
ストレスを感じにくい
長く働くためには、ストレスがたまりにくい環境が大切です。同じ仕事でも、ストレスの感じ方は人によって異なります。
例えば事務職の場合、細かな作業やルーティンワークが苦手な人にとっては単調で、苦痛に感じる可能性が高いでしょう。一方、ルーティンワークに抵抗のない人は、事務の仕事にストレスを感じにくく、長く続けられるかもしれません。
強みや得意分野を生かすほどではなくても、苦手ではなく、業務内容が苦にならないなら、自分に合った仕事と考えられます。
自分自身の目標に近づける
「出世したい」「起業を目指している」「好きなことを仕事にしたい」など、将来の目標がある人は、その目標に近づける仕事が適職となるケースもあります。
思い描くキャリアにつながると実感できる仕事には、そうではない場合に比べて積極的に取り組みやすいため、成果やモチベーションの向上につながるのです。
例えば30歳までに海外で暮らしたいという目標があるなら、海外との取引が多く、英語をよく使う仕事に就くと、やりがいを感じながら働けるでしょう。
苦手な業務が回ってきたとしても、夢の実現のためなら克服でき、得意な業務に変わる可能性もあります。
社風が合っている
好き嫌いや得意不得意とは別に、社風が合っていれば、それも「自分に合った仕事」と考えることができます。
社風はそれぞれの企業が持つ価値観や雰囲気、スタイルのことで、主に経営者の考え方や企業規模、歴史などの要因で形成されていきます。「アットホームで風通しが良い」「実力重視」「休みを取りやすい」などは、社風の一例です。
同じ職種・同じ業務でも、社風と個人の考え方にズレがあると、働きやすさが変わってきます。例えば実力重視を掲げる企業の場合、社員同士の競争意識が強く、職場がギスギスした雰囲気になると考えられます。
こうした職場は「トップに立ちたい」と意欲に燃える人にはぴったりですが、人間関係を重視したい人やプライベートを充実させたい人にとっては、決して居心地が良いとはいえません。
自分に合った仕事に就くメリット

自分に合った仕事に就くメリットを知ると、就職・転職活動へのやる気が高まります。具体的なメリットをチェックしましょう。
仕事へのモチベーションが上がる
仕事に対するモチベーションが上がるのは、自分に合った仕事に就いた結果として得られる、大きなメリットです。
好きな仕事や得意な仕事なら、それだけで高いモチベーションを持って取り組めます。ストレスを感じない・社風が合う場合も、余計な悩みや迷いが生じにくいため、やる気を失うリスクは少ないでしょう。
モチベーションが高いと業務に集中しやすく、生産性が上がって仕事への達成感や充実感を得られます。また高いモチベーションを維持することで、困難に直面しても簡単には投げ出さない粘り強さも身に付きます。
昇給・昇進につながりやすい
自分に合った仕事に就けば、昇給や昇進のチャンスが巡ってくる可能性が高くなります。昇給や昇進は、働く上での目標の1つです。働くなら給料が高いに越したことはありませんし、いつまでも昇進できなければ働く意欲を失うことにもなります。
会社によって基準は異なるものの、基本的には成果を上げれば、より良い待遇を得られるはずです。
自分に合った仕事は能力を発揮しやすいため、合わない仕事をするときよりも短時間で成果を出せます。より良い結果を求めて意欲的に取り組めるので、成果物に対する周囲の評価も高くなるでしょう。
理想のキャリアを実現しやすい
キャリアアップやキャリアチェンジを目指す上でも、自分に合った仕事に就くことは重要です。合わない仕事だとすぐに辞めたくなり、アピールできる成果や経験・スキルが不足したまま、次の仕事を探すことになります。見つかった仕事が自分に合っている保証もなく、同じ失敗を繰り返す恐れもあるでしょう。
一方で、自分に合った仕事は不満を感じにくいため、長続きします。家庭の事情などで転職する際にも、それまでの成果や経験、スキルが評価されやすく、有利に進められます。将来的に、自分の理想に近い働き方ができる可能性も高いでしょう。
ストレスによる体調不良のリスクが少ない
仕事を続ける以上、ある程度のストレスがかかることは、覚悟しておかなくてはなりません。全くストレスを感じない仕事は刺激がないため、かえってつまらなく感じる人もいます。
ただし過度なストレスがかかると、心身に不調を来す恐れがあります。病気で仕事ができない状態が長引けば、キャリア形成に影響するだけでなく、収入が減って経済的に困窮するかもしれません。
自分に合った仕事なら余計なストレスを感じにくく、体調不良によって休職や退職に追い込まれるリスクも少ないでしょう。
自分に合った仕事を見つける3つの基本ステップ

自分に合った仕事を見つけるには、自己分析・業界研究・優先順位付けの3ステップが欠かせません。それぞれの意味と実践するべき理由を見ていきましょう。
自己分析する
自己分析とは、過去を振り返ってみて、好き嫌いや得意不得意、行動傾向などを明らかにすることです。自己分析で得られる情報は、自分に合った仕事を見つける際の大きな手掛かりとなります。
何が自分に合っているのかを判断するのは、言うまでもなく自分自身です。自分を知らずに合う仕事を探そうとしても、的確な判断はできないため、まずは自己分析して自分を知る必要があるのです。
学生時代に自己分析を済ませている人も、今の仕事の経験を基にもう1度実践してみると、新たな気付きがあるかもしれません。
業界や職種を研究する
次に、業界や職種を研究し、世の中にどのような仕事があるのかを再確認します。転職の場合、社会人としてそれなりの経験を積んでいるとはいえ、自分に関わりのない業界や職種については意外に知らないものです。
同じ職種でも、業界が違えば業務内容や評価ポイントが大きく異なるケースもあります。研究を進めるうちに、「面白そう」「自分に向いているかもしれない」などと、興味を持てる仕事が新たに見つかる可能性もあります。
選択肢が増えれば、それだけ自分に合った仕事を見つけやすくなるでしょう。
優先順位を付ける
自己分析と仕事研究を終えたら、自分の求める条件に優先順位を付けていきます。通常、求人情報には仕事の内容の他にも給与や休日の日数といった労働条件や、社風などが掲載されています。
しかしその全てが自分の理想に合うことは、ほとんどありません。例えば希望する職種で「やりがいがありそうだが、給料が安い」求人と「給料は高いけれど、自分のやりたい仕事かどうか分からない」求人が見つかったとしましょう。
このとき、自分がやりがいと給料のどちらを優先したいのかを決めておかないと、迷いが生じてなかなか応募に至らず、時間を無駄にしてしまう可能性があります。
自己分析のポイント

自分に合った仕事を見つけるための、自己分析のやり方を解説します。ポイントを押さえて、適職探しに役立てましょう。
好きなことや苦手なことを明確にする
まずは以下の事柄について、過去を振り返りながら書き出していきます。
- 好きなこと
- 得意なこと
- 苦手なこと
- やりたくないこと
- うれしかったこと
- 継続できたこと
書き出す方法は自由ですが、時系列で整理したり、マインドマップを作成したりすると、分かりやすくなります。
時系列の場合、「中学」「高校」「大学」「現職」のように、ライフステージ別に区切ると整理しやすいでしょう。
マインドマップは紙の中心に「自分」と書き、その周辺に上記の事柄を配置します。好きなことには「部活動」得意なことには「ルーティンワーク」のように、それぞれの事柄に関連する内容を書き加えていくと、情報を上手に整理できます。
それぞれの理由を深掘りする
続いて、書き出した内容それぞれについて、理由を掘り下げていきます。例えば高校時代の部活動が好きだった場合、どうして好きだと思ったのかを思い出してみましょう。
部活動を楽しんだ人は多くても、好きな理由はそれぞれ異なるはずです。「部長として後輩を指導できたことがうれしかった」「試合に勝てて、努力の大切さが分かった」のように、理由を深掘りすることで、自分が何を重要視しているのかを明らかにできます。
前者の場合、リーダーシップを発揮できる仕事が向いている可能性があり、後者なら地道な努力を重ねる仕事にやりがいを見いだせるかもしれません。
自己分析をしっかりと行うことで、仕事を選ぶ基準を決めたり、将来像を描いたりする参考となるでしょう。
キャリアやスキルを整理する
自己分析の際に、これまでのキャリアや業務によって身に付いたスキル、取得した資格なども整理しておくと、より効果的です。
キャリアについては、過去の実績はもちろん、現在感じている課題や将来的に必要な項目も全て洗い出しましょう。何も思い付かない場合、上司に褒められたことや、悔しかった出来事などを思い出してみるのもよいでしょう。
スキルや資格がある人は、今後どのように生かすべきかを考えます。キャリアやスキルの整理は、自分のスペックを客観的に知ることにつながり、ひいては適職を探すヒントとなります。
業界や職種研究のポイント

業界や職種の研究には、専門メディアや説明会などが役に立ちます。おすすめの情報収集法や、研究のポイントを紹介します。
業界情報の収集は各種メディアを活用
業界研究の目的は、志望する業界を見つけることです。まずは現在所属する業界も含め、各業界の特徴を理解し、気になる業界についてさらに深く掘り下げる手順で進めていきます。
主に以下のポイントに注目して、情報をまとめるとよいでしょう。
- 業界全体の市場規模
- 取り扱う商品・サービスの特徴
- 業界のトレンド
- 業界を代表する企業
- 将来性など
業界全体の基本的な情報を得るには、「会社四季報 業界地図」「就職四季報」のような書籍や、就職情報誌の特集が役立ちます。既に購入した人も、転職に備えて最新版を用意するとよいでしょう。
各業界の情報を集めるときは、業界団体のホームページやニュースサイトを訪れると、常に最新の情報をチェックできます。
職種研究は専門サイトがおすすめ
職種は、企業の中での自分の役割のようなものです。営業職には売り上げに貢献する役割があり、研究職には新製品の開発や既存商品のレベルを高めるといった役割があります。
また同じ職種でも、業界によって求められるスキルや適性は異なります。例えば営業職の場合、相手が法人か個人か、ルート営業か新規開拓かによって、スキルや適性が変わるでしょう。
職種を念入りに調べることで、自分の強みやスキルを生かせる職種、すなわち自分に合った仕事を見つける基準が分かります。
職種に関する情報は、企業の採用サイトや求人検索サイト、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」などから得られます。
求人サイトでは、業界で絞り込んで検索することで、志望する業界にどのような職種があるのかが分かるでしょう。気になる職種があれば、「job tag」で検索すると詳しい特徴を把握できます。
ホームページ | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
説明会で生の情報を得るのも有効
業界や職種を研究する過程で、「転職フェア」のような求職者向けの合同説明会に行ってみるのもおすすめです。業界を問わず多くの企業が集まる説明会では、転職活動に役立つ最新かつ生の情報を効率良く得られます。
各企業のブースで会社紹介や採用情報を見て回ることは、企業研究だけではなく、業界・職種研究にも役立ちます。説明会で初めて知った業界に対して魅力を感じ、目指す方向性を定めるケースも少なくありません。
自分だけでは発見できなかった「向いている職種」や、今まで知らなかった隠れた優良企業に出会える可能性もあります。
優先順位の付け方

仕事への条件に優先順位を付けるときは、書き出し・分類・順位決定の3ステップを意識しましょう。それぞれ、具体的に解説します。
条件を全て書き出す
まず、自分が仕事に求める条件を、考えつく限り書き出します。ただし「仕事」とひとくくりにすると、範囲が広すぎて考えがまとまらないかもしれません。以下の項目に分けて考えてみましょう。
- 仕事内容
- 職場環境
- 給与・待遇
- 企業規模
- 人間関係など
仕事内容なら、「現職の経験を生かしたい」「資格取得やスキル向上に結び付く職種に就きたい」といった条件が挙げられます。職場環境には勤務地や通勤時間、在宅勤務の可否、転勤の有無などが該当します。
給与・待遇は基本給だけでなく、インセンティブの有無やボーナスの査定方法、福利厚生面なども含めて考えるとよいでしょう。
必須条件・希望条件に分ける
次に書き出した内容を「譲れない必須条件」と、「できればかなえたい希望条件」とに分けます。
転職に当たり、仕事の内容が気に入れば勤務地や企業の規模は問わないと思っているなら、仕事内容以外の項目は希望条件となるでしょう。
逆に、絶対に引っ越したくない場合、「自宅から通える場所にあり、転勤がない」ことが必須条件となります。
なお必須条件は1つに絞る必要はありません。転職活動を通じて気持ちが変わることもよくあるため、迷ったときの参考として、いくつか選んでおくとよいでしょう。
条件を具体化し、順位を決める
必須と希望に分けた後は、優先度の高い順に並び替えまでできると理想的です。とはいえどれも捨て難く、順位を付けるのが難しいと感じる人もいるでしょう。
その場合は、各条件を書いた理由を明らかにします。例えば「在宅勤務希望」の理由が、介護や育児などの事情がある人と、単に通勤が面倒だと思っている人とでは、優先度は変わってきます。
現在の通勤時間が長くて嫌気が差しているため在宅勤務を希望した人なら、「自宅から〇〇分以内なら可」のように条件を変えてもよいでしょう。
また勤務時間や給与のように数字で表せる項目は、具体的な時間や金額を設定し、なぜそう思ったのかを考えてみると、より優先度を決めやすくなります。
性格や行動傾向別の適職例もチェック

仕事が合う・合わないは、個人の性格や行動傾向によっても、ある程度判断できます。6つのタイプに分け適職例を紹介するので、参考にしましょう。
キャリア志向が強い人
キャリア志向が強い人は、行動力や判断力に優れ、スキルアップへの努力も怠らない傾向にあります。目標に向かって自ら積極的に行動を起こすタイプともいえます。
明確な数値目標がある営業職や、顧客の業績を左右するコンサルタント、チームをまとめるリーダーポジションで力を発揮しやすいでしょう。営業職の場合はルート営業よりも、新規顧客を開拓する方が向いています。
目標達成のためなら粘り強く行動できるので、開発・研究職も適しています。
きちょうめんな人
きちょうめんな性格の人には、以下のような特性があります。
- 細部に気を配れる
- 責任感がある
- 忍耐力や集中力がある
細かい作業やルールを守ることが得意なため、正確さを求められる仕事が向いています。数字を扱う経理や、ミスを減らす必要があるデータ入力、プログラマーなどが適職といえるでしょう。
責任感が求められる品質管理や監査なども、きちょうめんな人にとってやりがいを感じやすい仕事です。
発想力のある人
発想力のある人は、自分が生み出したアイデアが世の中の役に立つことに、喜びを感じるでしょう。アイデアを形にするために、試行錯誤できる集中力も持ち合わせています。
発想力を生かせる仕事といえば、デザイナーやクリエイター、企画・開発部門などが定番です。新しい商品・サービスを考える仕事や、流行を主導するような仕事を探してみましょう。
例えば広告会社のマーケティング部門や制作部門、メーカーの商品開発部、研究職などが向いています。
コミュニケーションが得意な人
仕事におけるコミュニケーション能力とは、単に人と話すことが好きなだけでなく「情報を相手に分かりやすく、正確に伝えられる」「臨機応変に対応できる」「相手のニーズを引き出す」「顧客に信頼される」などの力を指します。
こうした能力がある人には、接客業や営業職・医療介護・教育など他人と深く関わる仕事が向いています。接客業や営業職の場合、会話を通して相手が何を求めているのかを察知し、的確な提案ができれば売り上げに直結し、ひいては自身の昇給や昇進につながるでしょう。
介護や教育の分野でも、コミュニケーション能力を生かして利用者に喜ばれることで、やりがいを感じることができます。
ルーティンワークが好きな人
ルーティンワークとは、毎日同じ作業を繰り返すことです。ルーティンワークが好きな人は、決められた業務を正確に、効率よくこなすのが得意と考えてよいでしょう。
ルーティンワークはマニュアルが整備されているケースが多く、イレギュラー対応の必要もほとんどないため、未経験者やコミュニケーションに自信がない人でも、ストレスなく働けるメリットがあります。
向いている仕事としては、データ入力・事務処理・工場の製造ライン・物流管理・警備・運転手などが挙げられます。
ロジカル思考で分析力がある人
客観的なデータから、物事をロジカルに捉えるタイプの人には、課題にじっくりと向き合い、解決策を考える仕事が向いています。
市場データを基に販売戦略を考えるマーケティング職や経営コンサルタント、ビッグデータを扱うデータサイエンティスト、最新技術を駆使して効率のよいシステムを開発するエンジニアなどは適職といえるでしょう。
ロジカル思考ができる人は、営業職でも成果を上げやすい傾向にあります。商談の場で、商品やサービスを購入する決め手となる事柄を筋道を立てて説明できれば、相手を納得させられるはずです。
自分に合った仕事探しに役立つサービス

外部のサービスを利用することで、自分に合った仕事が見つかるケースもあります。無料で利用できるものもあり、迷ったときには頼りになるでしょう。おすすめのサービスを3つ紹介します。
ハローワーク
ハローワークは厚生労働省が運営する雇用サービス機関です。雇用保険の受給手続きも行えるため、失業者が通うイメージもありますが、実は働ける状態にある人なら誰でも利用できます。
都道府県ごとに多数存在し、求職者に対しておすすめの求人情報を提供するほか、自己分析のやり方や履歴書の書き方、面接対策など、就職・転職に役立つサービスを全て無料で受けられます。
窓口の職員に相談したり、ハローワーク主催のセミナーに参加したりすることで、自分に合った仕事が見つかる確率が高まるでしょう。
適職診断ツール
適職診断ツールは、用意された質問に答えていくだけで、システムが自分に合った仕事を提案してくれるWebコンテンツサービスです。
登録不要や無料のサービスも多いので、転職先を探す参考データとして活用するとよいでしょう。24時間いつでも利用できるのも、多忙な人にとってはうれしいポイントです。
厚生労働省の「job tag」にも、自己診断ツールがあります。「興味」「価値観」「能力」など多方面から診断できるほか、診断結果を組み合わせて適職を探すこともできます。
自己診断ツール | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
転職エージェント
転職エージェントは、人材を採用したい企業と求職者の間に入り、それぞれの活動をサポートするサービスです。
求職者には専任のキャリアアドバイザーがつき、本人の適性や要望などを踏まえて、自社が保有する求人情報の中から適したものを紹介してくれます。
プロのアドバイスにより、新たな業界や職種が見つかる可能性もあり、1人で活動するよりも自分に合った仕事を見つけやすいでしょう。
エージェントによっては自己分析のサポートも実施しています。分析が苦手な人や、忙しくて後回しになりがちな人にもおすすめです。
自分に合った仕事を見つけるときの注意点

自分に合った仕事に就きたいとの思いが強いと、間違った方向に進んでしまうこともあります。求職活動で注意したいポイントを紹介します。
好きだから合うとは限らない
好きなことに関わりながら、収入を得る生き方に憧れる人は少なくありません。しかし、好きなことが自分に合った仕事とは限らないのが現実です。
例えばおしゃれ好きな人がアパレルメーカーに就職した場合、興味のないブランドの担当になったり、苦手な業務ばかりやらされたりすることは十分考えられます。
楽しさよりも苦労の方が多くなれば、ストレスがたまって、おしゃれに興味がなくなってしまうかもしれません。
「好き」を仕事にしたいなら、実際の業務内容をしっかりと調べて、続けられるかどうかしっかり見極める必要があります。
全ての条件に合う会社はない
仕事内容や職場環境などの希望条件をはっきりさせることは、自分に合った仕事を見つける上で重要な作業です。ただし「全ての条件に合う会社はない」点は、理解しておきましょう。
良さそうな求人があっても、条件に合わないからと応募を見送っていると、チャンスを逃してしまいます。また、条件にマッチする会社に入れたとしても、それがずっと続くとは限りません。ビジネスの方向性が変われば、会社の雰囲気や制度も変わっていくからです。
どうしても譲れない条件以外は、あまり気にしない姿勢が大切です。
思い込みやイメージで決めない
「ドラマで見て、興味を持った」「残業が少ないと聞いた」「将来性がありそうだ」など、これまでの経験による思い込みや、一般的なイメージだけで、就職先を選ぶのもおすすめできません。
好きなことを仕事にしたときと同様、実際の業務とのギャップが大きいと、失望する恐れがあります。逆に興味のなかった業界や、知らない会社で、自分に合った仕事が見つかる可能性も十分あります。
失敗を防ぐためにも、思い込みやイメージはリセットし、仕事内容や求められる能力など求人の中身をきちんと比較することを意識しましょう。
他人の意見は参考程度に
仕事を探す際に、家族や友人、先輩などに相談する人も多いでしょう。前述のハローワークや転職エージェントの担当者も、頼りになる存在です。
他人に相談することで、自分の考えを整理できるほか、新たな方向性が見つかる効果も期待できます。
ただし、他人の意見に流されてはいけません。他人の意見によって就職先を決めた場合、嫌なことがある度にその人のせいにしてしまい、後悔する可能性があります。
特に家族や身近な人のアドバイスは、親身なだけに、自分にとっての正解だと思い込みやすいため注意が必要です。他人の意見は参考にしつつも、働くのは自分自身であることを常に意識し、最終決定は自分でするようにしましょう。
転職で後悔しないために意識すること

転職には多くの時間と労力がかかります。転職を繰り返すと年齢が上がって不利になる傾向もあるため、自分に合った仕事は、早めに見つけたいところです。転職で後悔しないために、意識するべきポイントを解説します。
今の仕事の不満点を明確にする
ほとんどの場合、転職の目的は、現状よりも満足できる仕事を見つけることにあるといってよいでしょう。家庭の事情や勤め先の倒産などを除けば、現状に不満がない人がわざわざ転職する理由はありません。
そこで、新しい仕事を探す前に、今の仕事の何が不満なのかをはっきりさせておきましょう。不満の理由が曖昧なまま転職すると、転職先でも同じ理由で不満を感じる可能性があります。
以下のように具体的に書き出し、その不満を解消できることを条件に探すと、後悔しにくいでしょう。
- 頑張っても給料が上がらない→インセンティブ制度が充実した会社
- 営業は好きだが、ノルマが厳しくプレッシャーを感じている→ノルマのないルート営業
- 同じことの繰り返しで退屈→出張やイベント対応などがある職種
ただし不満が解消できるからといって、適性のない職種を選ぶのはおすすめできません。自己分析の結果も併せて、じっくりと比較検討しましょう。
将来性を見据えて会社を選ぶ
自分に合った仕事が見つかったとしても、長く続けられないと、転職を後悔することになります。似たような条件の求人があったときは、将来性を考えてみましょう。
仕事の将来性を評価するポイントは以下の2つに分けられます。
- 役立つスキルが身に付き、理想的なキャリアプランを実現できる
- 業界や職種に安定した需要が見込める
業務内容が自分に合っていても、キャリアアップに結び付かない場合、モチベーションが続かない可能性があります。
また業界の市場規模が縮小傾向にあったり、職種が世の中に必要とされなくなったりすると、個人の希望とは関係なく長く仕事を続けるのは難しいでしょう。
長期的な視点を持つ
転職先が本当に自分に合っているかどうかを判断するには、ある程度の時間がかかります。新しい業務を覚え、人間関係に慣れて落ち着いた頃に、だんだん分かってくるでしょう。
また、最初の配属先が希望通りでなかったとしても、「やってみると向いていると分かった」「人間関係のストレスがなく、楽しく働ける」など、考えが変わる可能性もあります。
そこで実績を上げたり、専門性を身に付けたりするうちに、希望の業務を任されるようになるかもしれません。「ここに転職して正解だったのだろうか」と不安になったときは、長期的な視点に立って判断するとよいでしょう。
自分に合った仕事を探す具体的な方法

仕事を探すにも、さまざまな方法があります。自分に合った仕事の、具体的な求人情報を探す方法を2つ紹介します。
求人サイトで探す
求人サイトを使えば、スマホやパソコンから簡単に求人情報を検索できます。誰でも無料で利用できるほか、24時間好きなタイミングで検索できるのもメリットです。
多くの場合、勤務地や給料などの条件や希望の職種を指定して絞り込む機能があり、気になった求人は「お気に入り登録」したり、そのまま応募に進んだりできます。
自分のペースでじっくりと比較検討できるので、合った仕事を見つけやすいといえます。先述の通り、業界・職種研究にも役立つので、積極的に利用するとよいでしょう。
国内最大級の求人情報一括検索サイト「スタンバイ」では、職種や勤務地はもちろん、「大手企業」「昇給あり」「残業なし」などのこだわり条件を指定できます。効率的に求人情報を探したい人はぜひ利用しましょう。
リファラル採用を利用する
リファラル採用とは、社員の紹介で人材を採用することをいいます。自社についてよく知る社員が、向いていると思う知人・友人を紹介するため、求人サイトや転職エージェントを介した場合に比べてミスマッチが起こりにくく、定着率も高いのが特徴です。
企業側には、コストをかけずに基準を満たす人材を採用できるメリットがあり、特に人材不足が深刻な業界で注目されています。求職者にとっても、事前に企業の内情を知人から教えてもらえるので、安心して応募できます。
転職を希望している企業に知人がいるなら、リファラル採用の可能性がないか、聞いてみるとよいでしょう。
自分に合った仕事で理想のキャリアをかなえよう

自分に合った仕事はとてもやりやすく、モチベーション向上やストレス軽減につながります。長く働き、経験やスキルが身に付けば、より良い条件の仕事が見つかることもあるでしょう。
ただし大量の求人情報からいきなり自分に合った仕事を探そうとしても、迷いが生じてしまいます。自己分析や業界研究をしっかりと行った上で、希望条件を洗い出すのが近道です。
1人で探すのが難しい場合は、ハローワークのようなサービスに頼るのもよいでしょう。具体的な求人情報を探す段階では、求人情報一括検索サイト「スタンバイ」を利用するのがおすすめです。
自分に合った仕事を見つけて、理想のキャリアをかなえましょう。