内々定の意味とは?内定との違いや取り消されるケース、辞退の方法も

転職活動中に、「内々定」という言葉を耳にする場合があります。「内定」とは異なるため、意味や違いをきちんと理解することが大切です。取り消しになる要因や辞退する方法も確認し、トラブルなくスムーズに対応できるように準備しましょう。

内々定と内定の意味

面接を受ける二人の男女

(出典) photo-ac.com

内々定と内定は言葉が似ているため、同じ意味だと思っている人もいるかもしれませんが、実際には異なります。それぞれの意味を紹介するので、誤解のないようにきちんと把握しましょう。

そもそも内々定とは?

内々定は、最終決定には至っていないものの、採用を考えているという企業側の意思表示です。前向きな印象を受けますが、正式なものではなく、あくまでも口約束にすぎません。そのため、内々定が突如、取り消されるケースもあります。

企業によっては、関係各部署の承認を得るなど採用プロセスに時間がかかるため、ひとまず内々定を出すという場合も珍しくありません。内々定で候補者を確保しつつ、より適した人材を探すケースもあります。

内定とは

内定は、企業から正式に採用通知書を受け取り、応募者と企業の間で労働契約が成り立っている状態です。

まず、企業から「採用通知書」とともに「内定承諾書」を受け取ります。採用通知に記載されている条件などを確認し、問題がなければ内定承諾書に署名と捺印をし、企業に渡した時点で労働契約が締結します。

また、面接に合格したという意味で内定という言葉が使われる場合も珍しくありません。

内定と内々定の違い

内定通知書

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内定と内々定それぞれの意味が理解できたら、次は違いについても確認しましょう。2つには大きな違いがあるため、今後のためにもしっかり理解しておくことが大切です。

法的な拘束力の有無

2つの大きな違いは、法的な拘束力があるか否かです。内定は正式な採用通知を受け取り、内定承諾書に署名をし、労働契約が締結されている状態であるため、法的な拘束力があります。

採用された後に内定を取り消された場合は、不当解雇の可能性があると見なされる可能性もあります。そのため、企業側は慎重に検討した上で内定を出し、取り消されるケースはほとんどないでしょう。

一方、内々定は採用を予定しているものの正式ではないため、法的な拘束力はありません。内々定を伝えた後に取り決しても、法的に問題がないという違いがあります。

内々定が取り消しになる主なケース

面接の様子

(出典) photo-ac.com

企業側は、正式に内定する予定で内々定を伝えることが多いですが、内定に至らないケースもあります。どのような場合に内々定が取り消されるのか、代表的な例を見ていきましょう。

健康上の理由で働けない

病気やけがなど、健康上の理由で働くのが難しいと判断された場合には、内々定が取り消しになる可能性があります。

短期間で完治するけがや仕事に支障がないレベルの病気などではなく、業務を遂行できないレベルの病気やけがをした場合など、合理的な理由があるケースです。

例えば、生活に支障を来すような大病を患い、長期にわたる療養が必要な場合は、業務を遂行できないと判断され、取り消される場合もあるでしょう。

虚偽の申告や反社会的行為の発覚

内々定を判断する材料の1つである学歴や資格などに関して、虚偽の申告をしていた事実が判明した際は、取り消しになる可能性があります。

大学名を偽るなど重大なものでなくても、虚偽と判断されるケースもあります。例えば、より良い印象を与えようと、TOEICの点数を水増ししたり、留学期間を長めに記載したりするなどです。

また、犯罪歴があることを隠すのも虚偽に該当します。内々定後に罪を犯すなど、反社会的行為が発覚した際も、取り消しになる可能性があります。SNS上での誹謗中傷など不適切な言動が、取り消しの対象になるケースもあるでしょう。

企業側の業績悪化など

急激な業績悪化など、企業側の都合で内々定が取り消しになる場合もあります。経営状態が悪くなると、新規に人を雇う費用を確保するのが難しくなります。まずは既存の従業員を守ることが先決のため、新規採用を見送るケースが多いのです。

予期せぬ企業側の不祥事が発覚した場合も、内々定が取り消されることがあります。業績悪化が予測される、企業を守るための対応に追われるなどが理由といえるでしょう。

企業側の都合の場合は、自分に非があるわけではなく仕方がないことです。第一希望の企業だった場合は、気持ちを切り替えるのが難しいかもしれませんが、前向きに捉えて次に進むように心掛けましょう。

内々定を辞退する際の注意点

お詫びをする女性

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内々定をもらったら必ず承諾しなければいけないというわけではなく、辞退することも可能です。社会人として恥ずかしくないように、辞退する際のマナーなど注意点を確認しておきましょう。

できるだけ早めに連絡する

採用活動を続けている企業に迷惑をかけないためにも、できるだけ早く辞退の連絡をするのがマナーです。通常、複数の企業に応募することが多いため、「応募した別の会社からの連絡を待って決めたい」というケースもあるでしょう。

しかし、先延ばしにして正式に内定を出す直前に辞退すると、企業側は再び選考をしなければならず、迷惑がかかります。早めに連絡をすれば、企業側も余裕を持って対応ができます。

メールではなく電話で行うのがマナー

辞退の連絡は、電話で行うことが良いとされています。辞退を伝えるのは気が重く、メールで簡単に済ませたいと思う人も少なくありません。近年は電話よりもメールでの連絡が主流になりつつありますが、辞退の連絡は電話で行うのがマナーです。

また、採用活用において辞退の連絡は重要であるため、担当者にしっかり伝えることが大切です。メールだといつチェックするか分からない上に、見落とされてしまう可能性もあります。確実に担当者に伝えるためにも電話で連絡しましょう。

現職場に退職を伝えるタイミング

スマホを操作する手元

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スムーズに転職するためには、現職場に退職を伝えるタイミングが重要です。内々定をもらったら、いつ伝えればよいのでしょうか?タイミングを間違えると、思わぬトラブルにつながる可能性もあるので、しっかり確認しましょう。

内々定の時点で退職を伝えるのはリスキー

現職場に退職を伝えるのは、正式に内定をもらい、労働契約が成立してからです。内々定は正式なものではなく、口約束のようなものであるため、取り消される可能性もあります。

内々定のうちに退職を伝えてしまうと、万が一取り消された場合に無職になってしまいます。すぐに別の会社に採用されるとは限らず、無職の期間が長引いてしまう危険性もあるでしょう。

自分の身を守るためにも、内定承諾書に署名をし、労働契約を締結してから退職を伝えるのが賢明です。

内定の連絡は1週間前後で来るケースが多い

企業にもよりますが、内々定をもらってから1週間前後で内定の連絡が来るのが一般的です。内定の連絡がなかなか来ない場合は、企業側に問い合わせましょう。

「内定のご連絡は、いつ頃になる予定でしょうか?」というように問い合わせるのは、マナー違反ではありません。

「退職準備を始めるために内定通知書が必要であるため、いつ頃になるかご連絡いただけると幸いです」のように理由を付け加えると、より丁寧な印象になるでしょう。

内々定イコール採用決定ではない

胸に手を当てる男性

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内々定は、内定とは異なり正式なものではないため、法的な拘束力がありません。そのため、健康上の理由や虚偽の申告、企業側の都合などにより、取り消しになるケースもあります。

内々定を辞退する際は、なるべく早く電話で伝えるのがマナーです。内々定イコール採用決定ではないため、現職場に退職を伝えるのは、正式に内定をもらってからにすることが大切です。

希望に合う企業から内定をもらうには、まずどのような求人があるのかチェックしましょう。スタンバイなら、さまざまな業種の求人が載っているので、希望の転職先が見つかるでしょう。

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