平均と比べて、自分の年収がどの程度なのか知りたい女性も多いでしょう。平均年収が分かれば、転職する際に給与水準を見る上での目安にもなります。女性の平均年収や年収の上げ方とともに、おすすめの貯蓄方法も紹介するので参考にしましょう。
女性の平均年収はいくら?
女性の平均年収はいくらなのでしょうか。さまざまなデータから、女性の平均年収について確認しましょう。
女性の平均年収は302万円
国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年における給与所得者全体の平均年収は約443万円でした。男女別に見ると、男性の平均年収が約545万円なのに対し、女性の平均年収は約302万円です。
この結果を見ると、男女間の年収の差は約243万円で、男性の方が約1.8倍高いと分かります。
過去をさかのぼっても、2019年の男性の平均年収約540万円に対し女性は約296万円、2020年には男性が約532万円、女性は約293万円と、いずれも約1.8倍の差があるのが実態です。
正社員と正社員以外の違い
同じ女性でも、雇用形態によって平均年収に違いがあります。「令和3年分民間給与実態統計調査」を見ると、2021年の女性正社員の平均年収は約389万円でした。
一方、正社員以外の女性の平均年収は約162万円と、両者の年収には230万円近い差があります。この結果から、正社員以外の平均年収は正社員の半分以下ということが分かるでしょう。
正社員と正社員以外では勤務時間なども異なるため、年収に差が出てしまうのは仕方ない結果です。とはいえ、年間で2倍以上の違いがあるということは、生涯年収で考えると、かなり大きな差が生じるのも事実といえます。
年齢別で見る女性の平均年収
女性の年収は、年代によってどのような違いがあるのでしょうか。20代から40代の女性の平均年収を見ていきましょう。
20代女性の平均年収
「令和3年分民間給与実態統計調査」の結果によると、20代女性の平均年収は以下の通りです。
- 20~24歳:約249万円
- 25~29歳:約328万円
一方、20代男性の平均年収は、以下のような結果になっています。
- 20~24歳:約287万円
- 25~29歳:約404万円
男女の年収差を見ると、20代前半で約1.15倍、20代後半では約1.2倍です。大学卒業からキャリアをスタートさせると考えた場合、就職した時点から男女の収入には差があることが分かります。
30代女性の平均年収
国税庁のデータを基に30代女性の平均年収を詳しく見ると、以下の通りです。20代後半の平均年収から、やや下がっていることが分かります。
- 30~34歳:約322万円
- 35~39歳:約321万円
一方で、30代男性の平均収入は以下の通りです。
- 30~34歳:約472万円
- 35~39歳:約533万円
男性は30代前半から後半にかけて大きく伸長しているのに対し、女性は年代の前半・後半で収入の差がほぼないのも特徴です。
30代は、結婚や出産などのライフイベントによって働き方が変わりやすい年代という理由も含め、30代の女性にとっては収入に変化のない時期だということが見てとれます。
40代女性の平均年収
「令和3年分民間給与実態統計調査」のデータによれば、40代女性の年収は以下の通りです。20代後半と比較して、大きく伸びていないことが分かります。
- 40~44歳:約324万円
- 45~49歳:約328万円
一方、40代男性の年収は以下の通りで、男女の年収差は年齢とともに大きくなっていることが分かるでしょう。
- 50~54歳:約584万円
- 55~59歳:約630万円
40代になると管理職に就く男性も多く、昇給や昇格によって賃金が上がるのに対し、同年代の女性は子育てをしながらパートなどで働く人も少なくありません。
役職に就く人が少ない・正社員以外で働く人が多いといった点も、40代女性の年収が男性に比べて低くなる理由と考えられます。
年収を上げるためにできることは?
女性が現在の年収を上げるためには、どのような方法があるのでしょうか。具体的な方法を3つ紹介します。
資格を取得して手当を増やす
年収を増やしたいのであれば、仕事に役立つ資格を取得するのがおすすめです。資格取得にともない手当が支給されることで、結果的に収入がアップする可能性もあります。
資格を取得すれば自分のスキルを客観的に証明できるため、転職で有利に働く場合もあるでしょう。資格を取得する際は、実務に役立つものを選ぶのがポイントです。
例えば、事務系の業務にはPCやソフトウエアの操作に関する資格が向いています。経理関連の知識やスキルを身に付けたい場合には、簿記などの資格取得を目指してみましょう。
趣味の延長から副業を始める
会社への勤務とは別に、副業を始めてみるのもよいでしょう。退勤後や休日にバイトをする方法もありますが、すきま時間などを使ってできる、在宅の仕事もおすすめです。
副業で稼いでいる人の中には、クラウドソーシングなどを利用し、本業のスキルを生かした仕事で月に数万円の収入を得ている人も少なくありません。
ただし、勤務先が副業を許可しているかどうか、規定を確認した上で始めることが大切です。また、副業は本業に従事している以外の時間で行うため、プライベートの時間が削られる点もあらかじめ知っておきましょう。
給与水準の高い企業に転職
現在の職場で収入アップを見込めない場合は、給与の高い企業に転職する方法もあります。同じ職種でも、企業の規模によって年収は異なるので、現職と同じ職種に転職したいケースでは、現在の職場より規模が大きい企業を狙ってみるのもおすすめです。
または、思い切って専門性の高い職種に転職するのもよいでしょう。未経験の職種に転職する場合、転職直後は収入が下がる可能性もありますが、専門職は経験を積むにともない収入も上がっていくので、長い目で見れば年収アップにつながります。
転職先探しには、求人サイトを活用するのがおすすめです。国内最大級の求人数を誇る「スタンバイ」なら、給与も含めたさまざまな条件で自分に合った職場探しができるでしょう。
ワークライフバランスを重視するなら
昨今は、収入面だけでなくプライベートも充実させながら働きたいと考える女性も増えています。ワークライフバランスを重視して働く方法を確認しましょう。
優先順位を付ける
ワークライフバランスを保ちながら働くには、仕事やプライベートの中で「やりたいこと」と「やるべきこと」の優先順位を付けるのがポイントです。
まず、仕事とプライベートを含めたすべてのタスクを、リストに書き出してみることから始めましょう。そして重要度や緊急度を考慮して、書き出したタスクに優先順位を付けます。
優先順位の低いものは諦めるのではなく、時間や体力に余裕が出たときに取り組むものとして、いったん保留にしておきましょう。自分以外の人でもできる仕事は他人に任せるなど、タスクを分散させるのもよい方法です。
自分に合った働き方を選択する
ワークライフバランスを重視して働きたい場合は、ライフスタイルに合った働き方ができる職場を選ぶことが必要です。
現在の職場では仕事と家庭の両立が難しいのであれば、テレワークやフレックスタイム制、育児・介護休暇、時短勤務などの制度が整っている企業に転職するのも1つの方法といえます。
また、土日祝日の休みにこだわるのか、シフト制にするのかなど、プライベートの時間を充実させやすい雇用形態を選ぶのもよいでしょう。
女性におすすめの貯蓄法
将来のライフプランに備えた資金を蓄えておくには、年収を上げるだけでなく、貯蓄などで資産を増やしていくことも大切です。女性が取り組みやすい貯蓄の方法を3つ解説します。
収支の見える化
いきなり貯金を始めるのは難しいという人は、まず現在の収支を見える化して、無駄な支出を減らす方法を考えてみましょう。
毎月どれだけ使っているか可視化することで、無駄遣いをしていないと思っている人でも、利用していないサブスクにずっと支払いを続けていたなど、不要な支出に気づけます。
収支を可視化するには、アプリなどを利用して家計簿を付けるのがおすすめです。家計簿を付けるのが面倒なら、クレジットカード決済やスマホ決済などで支払って、利用明細で確認するという方法もあります。
先取り貯金
貯蓄する際は、収入を得た時点で貯める分を分けておく「先取り貯金」がおすすめです。毎月残った分を貯金に回すという方法では、なかなかお金は貯まりません。
あればあるだけ使ってしまう人も、先に貯金する分を差し引いてしまえば、気付いたら貯金できていたという結果になるでしょう。
給与から天引きで貯蓄される社内預金制度を利用したり、銀行に定期預金口座を作ったりして、自動的に貯蓄用に振り替えてしまうという方法もあります。自然に貯蓄できる仕組みを作ることが大切です。
資産運用で増やす
効率的に貯蓄を増やしたいのであれば、資産運用するという方法もあります。資産運用には、株式を購入して配当金を得る株式投資・積み立て投資のNISA・個人型確定拠出年金のiDeCoなど、さまざまな種類があるので自分に合った方法を選ぶとよいでしょう。
株式の購入による資産運用は、定期預金のように確実に利益が出るという保証はないものの、株式の平均配当利回りは銀行預金の利息より高い傾向にあります。
数百円から始められるので、まとまった資金がない人でも気軽に投資できるのがメリットです。資産運用の種類によっては、節税対策になるものもあります。
平均年収を把握して動き方を決めよう
女性の平均年収は、職場や年齢、雇用形態などによって異なります。現在の自分の年収に満足できていないのであれば、女性の平均年収を参考にしてみるとよいでしょう。
平均より年収が低いと分かった場合は、資格取得や副業などで収入を増やすという方法もあります。
現在の職場では昇給が見込めないのであれば、給与水準の高い企業に転職するのもおすすめです。ライフスタイルの変化やワークライフバランスなども視野に入れて、納得できる働き方を選びましょう。