転職におすすめの時期は?活動時期の決め方や必要な準備などを解説

転職をするなら、企業の採用ニーズが高まる時期がおすすめです。逆に、企業の採用活動が鈍化する時期は求人数が減り、思い通りの転職ができない可能性があります。転職時期の見極め方やキャリアを見据えた転職のタイミングを解説します。

転職活動をするベストな時期は?

面接を受ける男性

(出典) pixta.jp

企業の採用ニーズには波があります。転職をするなら、企業が採用活動を積極的に行う時期を狙いましょう。第二新卒・中途採用にとって、転職のベストシーズンはいつ頃なのでしょうか?

企業が採用に積極的になるのは年度末

転職をするなら、企業の採用ニーズが高まる年度末を狙いましょう。国内企業の多くは4月を新年度として定めており、4月入社に合わせて採用活動を行います。この時期に新体制の構築や事業の拡大に向け、人員を大量採用する企業も少なくありません。

そのため、1~3月はいつもよりも求人が増える傾向にあり、転職者は選択肢の幅も広がります。

ただし、この時期は求職者の数も増える傾向があります。ライバルとの競争が激化したり、選考が長引いたりして、必ずしも思い通りになるとは限りません。

中途採用なら8~9月も狙い目

日本企業の多くは、4月から始まる6カ月を上半期、10月から始まる6カ月を下半期としています。人事異動や事業の立ち上げを控えている企業では、下半期のスタートに合わせ、8~9月頃から採用活動を本格化させるようです。

採用活動の主軸は、新卒採用から中途採用へと移ります。春は新卒採用、秋は中途採用に力を入れる企業が多く、8~9月の求人は即戦力重視となるでしょう。

なお、8月は夏休みやお盆を挟むため、企業の選考スピードがやや遅くなります。転職活動が長引く可能性がありますが、焦りは禁物です。

第二新卒におすすめの転職時期は?

新卒で入社した後に離職した人は「第二新卒」と呼ばれます。明確な定義はありませんが、25歳前後で、就業経験が3年未満の人を指すのが一般的です。

25歳前後の第二新卒は、4月入社を目指すのがおすすめです。4月入社であれば、新卒の新入社員と一緒に研修が受けられる可能性が高いでしょう。業務に必要なマインドセットやビジネスマナーを1から学べる上、年の近い同期にも恵まれます。

8~9月頃の求人は、中途採用がメインです。4月入社に比べて、手厚い研修が受けられない恐れがあるため、未経験業界への転職は考え直した方がよいかもしれません。

【目的別】おすすめの転職時期

スケジュールのイメージ

(出典) pixta.jp

豊富な求人の中から転職先を探したい人もいれば、ライバルとの競争を避けたい人もいます。自分が求める転職活動のスタイルや現職との兼ね合いを考えながら、少しでも有利に転職ができる時期を見極めましょう。

多くの求人の中から選びたい場合

多くの求人情報をじっくりと比較・検討したいときは、企業の人事異動や配置転換が多くなる以下の時期を狙いましょう。

  • 1~3月
  • 8~9月

1~3月は4月入社に合わせ、各企業が採用活動を活発化させます。組織体制そのものを新たに組み直す企業が多く、さまざまなポジションの求人が増えるでしょう。年明けから求人が徐々に増えていくので、小まめな情報収集が欠かせません。

8~9月は、中途採用の求人が増加します。離職を予定している人の中には、ボーナス(賞与)をもらってから辞める人が一定数おり、夏のボーナスが支給される7月以降は、求人数が増える傾向があるようです。

競争相手が少ない時期に転職したい場合

企業の求人数が増える時期は、求職者が増える時期でもあります。ライバルとの競争が激化し、転職が思うように進まないかもしれません。

ポイントは、他のライバルよりも1カ月ほど早く動くことです。4月入社の場合、2~3月が転職のピークとなるため、1月頃を狙いましょう。

多くの人は、ボーナスをもらってから転職をする傾向があります。転職する業界のボーナス支給時期をあらかじめ調査しておき、一足先に動くのも有効です。例えば、ボーナス支給時期が6〜7月頃の場合、5月頃から転職活動をスタートするのがよいでしょう。

転職活動に充てる時間が取れない場合

仕事をしながらの職探しは、精神的・体力的に大きな負担がかかります。面接のスケジュールがうまく調整できなかったり、書類作成に十分な時間が割けなかったりして、思い通りの結果が出せないことも珍しくありません。

業務が多忙で、転職活動のための時間が十分に取れない場合は、ゴールデンウィーク・夏季休暇・年末年始などの長期休暇を活用しましょう。

まとまった休みを利用して、自己分析や企業研究、面接対策などを万全に行えば、転職の成功率が上がります。

転職活動を避けるべき時期は?

履歴書と求人票

(出典) pixta.jp

企業の採用ニーズは年間を通して一定ではありません。採用活動が鈍化する時期に当たると、転職がスムーズに進まない可能性が高いでしょう。転職市場の動向から見て、転職を避けた方がよい時期を紹介します。

11~12月は求人数が減る傾向

下半期の企業の採用活動は10月にピークを迎えますが、その後は求人数が減少します。11~12月は、総務部や人事部が年末調整の準備で忙しくなるため、求人募集を一時的にストップする企業が多いようです。

求人がゼロになるわけではありませんが、豊富な選択肢の中から選びたい人は、企業の採用活動が活発になる時期を待つのがベターでしょう。

企業の年度末となる3月は一気に求人数が増えます。11~12月を転職のための準備期間とし、自己分析やキャリアの棚卸しをするのがおすすめです。

4月は採用活動をストップする企業が多い

4月入社の社員を受け入れた後、人事担当者や現場責任者は、新入社員の受け入れや研修で多忙を極めます。

来年度の新卒採用に向けた準備も始まり、中途採用を一時的にストップする企業は多いようです。企業の採用活動が鈍化する時期は、よい案件に巡り合える確率が下がるため、中途採用の転職にはあまり向いているとはいえません。

ただし、新卒採用と中途採用を分業で行っている企業の場合、4月も中途採用は継続されます。大手企業の採用活動が落ち着いてから、採用を本格化させる中小企業・スタートアップ企業もあるため、小まめに求人情報をチェックしておくとよいでしょう。

転職のタイミングはどう決める?

仕事中の女性

(出典) pixta.jp

ここまでは転職に適した時期について解説しましたが、キャリアアップやキャリアチェンジを目指すなら、どのタイミングで転職を決めるべきなのでしょうか?見極め方のポイントを解説します。

転職の決断で考えるべき要素

まずは、転職の決断で考えるべき要素を洗い出してみましょう。すぐに転職をした方がよい人もいれば、今の会社にしばらく留まった方がよい人もいます。

  • 年齢
  • 勤続年数
  • 金銭面

一定年齢を過ぎると、異業種への転職のハードルが大きく上がります。目安となる年齢は業種・職種によって異なるため、時期の見極めが重要です。

勤続年数は、採用担当者が重視する項目の1つです。短期間に何度も転職を繰り返す人に対しては、よい心象を抱きません。社会経験が浅い人は、今の職場で経験を積み、一定の実績を作ってから転職するのがよいでしょう。

転職で損をしないように、退職金やボーナスが支給される条件も確認しておきましょう。退職金制度がある企業では、必要最低勤続年数を設けているケースがほとんどです。

入社後すぐの転職は避けるべき

入社後すぐの転職は避けましょう。試用期間中に辞めるとしても、履歴書には入社の事実を記載しなければならず、採用面接では離職理由を問われます。

「忍耐力に欠ける人」「すぐに辞める可能性がある人」というマイナスイメージが付きやすく、転職活動がスムーズに進まない恐れがあるでしょう。

新卒で入社した人の場合、今の会社で3~4年の就業経験を積むのが理想です。3年以上の社会経験があれば、ビジネスマナーや実務スキルが身に付いているので、転職市場で歓迎されやすくなります。

転職市場の情報だけに流されない

転職希望者の中には、転職市場の動向をくまなくチェックしている人も多いでしょう。求人数は時期によって増減するので、全体の動向を把握することは重要です。

一方で、転職のベストタイミングは、業界・業種ごとに異なります。2~3月や8~9月に求人数が伸びない業界・業種もあるため、転職市場の動向をうのみにしないようにしましょう。

ムードに流されて安易に転職をすれば、後悔する結果につながります。業界研究・企業研究を行い、自分にベストなタイミングを見極めることが肝要です。

【年齢別】転職のタイミングやポイント

ネクタイを締める男性

(出典) pixta.jp

転職に年齢制限は存在しませんが、年代ごとに転職のタイミングや意識すべきポイントが変わってきます。年齢が上がれば上がるほど、転職のハードルは高くなるため、自分自身の市場価値を上げる努力をしなければなりません。

20代で転職をする場合

3年未満の就業経験がある第二新卒(25歳前後)は、転職市場で受け入れられやすい年代層です。一通りのビジネスマナーが身に付いているため、新卒よりも教育に手がかかりません。

柔軟性やポテンシャルが評価されやすく、未経験分野でも採用される可能性が高いでしょう。面接では、労働意欲や熱意をアピールするのがポイントです。

25~29歳も転職のボリュームゾーンです。入社3年を過ぎると、自分の適性が見えてきて、他業種・他職種にキャリアチェンジを図る人も多く見受けられます。

「30歳までに転職したい!」と焦る人もいますが、現職で一定の実績を積み、自身の市場価値を上げることも大切です。チームリーダーに昇格する、売上大賞を受賞するなど、客観に評価できる実績があると転職が有利に進みます。

30代で転職をする場合

35歳以下であれば、採用ニーズはまだまだ多くあります。とはいえ、年齢が上がるにつれてハードルは高くなるため、できるだけ早く転職活動をスタートさせましょう。

中堅扱いとなる30代は、前職での実績はもちろん、役職の有無も重視されるのが実情です。管理職を希望する人は、現在の会社に留まってマネジメントスキルを磨いた方が後々の転職で有利になります。管理職を希望しない人は、早めの転職を検討しましょう。

35歳以上になると、管理職としての能力や実績がチェックされます。年齢が上がれば上がるほど、高い年収を提示しなければならないため、それ相応のキャリアが求められるのです。

異業種・異職種への転職も可能ですが、必ずしも収入が上がるとは限りません。今までのキャリアを生かせる同業種・同職種が狙い目です。

40代以降で転職をする場合

40歳以降は、管理職の経験や専門的なスキルを生かした転職が前提です。ポテンシャル採用は少なく、転職のハードルはグンと上がります。

ただし、組織・チームを率いた経験がある人や高度な専門知識を有している人は、即戦力として採用されやすいでしょう。年齢に負い目を感じる人もいますが、年齢よりも経験を重視する企業は少なくありません。

年齢が上がれば上がるほど、転職先の社風や組織文化に溶け込みにくくなります。経歴があってプライドも高い人は、周囲に扱いにくい印象を与えてしまうため、面接では柔軟性をアピールしましょう。

転職時期に関して注意すべきこと

履歴書を書く女性

(出典) pixta.jp

転職を成功させるポイントは、転職活動のスケジュールをしっかり把握することです。無計画な転職は、周囲に迷惑をかけたり、チャンスを逃してしまったりという残念な結果を生みます。転職とボーナスのどちらを優先するかも考えておきましょう。

転職活動にかかる期間も考慮する

転職活動にかかる期間は、2~6カ月といわれています。勢いで退職をせずに、転職予定日から逆算してスケジュールを組みましょう。事前準備から入社までの大まかな流れは以下の通りです。

  • 事前準備(自己分析・情報収集)
  • 書類の作成・企業へのエントリー
  • 書類選考・面接
  • 内定
  • 引き継ぎ・退職
  • 入社

在職中の場合は、納品の直後やプロジェクト終了後など、自分の退職によって周囲に迷惑がかからない時期を選ぶのが望ましいでしょう。

中途採用の入社日は、内定の1~2カ月後に設定されるケースが多いようです。半年以上先の入社しかできない場合、内定がもらえない可能性があります。

ボーナスをもらってから退職すべきか検討する

ボーナスをもらった後に退職をしたいと考える人は多いものです。半年間の労働に対するねぎらいと考えれば、「もらわないと損」と思うのも当然でしょう。

ただし、ボーナスのためだけに転職のチャンスを諦めたり、内定を保留にしたりするのは好ましくありません。目先のお金を選択したばかりに、キャリアアップ・収入アップの機会を逃してしまえば、本末転倒です。

ボーナスと転職のタイミングが重なってしまったときは、長期的な視野で考えましょう。

転職の時期は慎重に見極めよう

2人のビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

転職市場において、企業の採用ニーズが高まるのは、2~3月と8~9月です。求職者は豊富な案件の中から職探しができますが、ライバルが増えることも忘れてはいけません。

また、全体の動向と連動しない業界・職種もあるため、自分でしっかりと情報収集をし、転職の時期を慎重に見極めましょう。

求人検索エンジン「スタンバイ」は、第二新卒や中途採用の求人情報が豊富です。エリアや雇用形態などで絞り込みができるため、希望の案件がいち早く見つかります。小まめに情報をチェックし、よい求人を逃さないようにしましょう。

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