高校生の就職はルールが厳密。複数社を比較できる自己開拓も紹介

高校生の就職は、学業に集中しやすいよう、ルールが厳しく決まっています。どのような流れで進むのか確認しましょう。ただし、厳密なルールがあるのは学校による斡旋(あっせん)の場合です。今回は自己開拓で高校生が就職を目指す方法も紹介します。

高校生の就職は難しい?現状をチェック

勉強をする高校生

(出典) pixta.jp

高校生が就職する際の流れについて知るために、まずは現状をチェックしましょう。高校生全体で見ると、就職する人は少数派です。しかし、希望した高校生は、大多数が就職できています。

高校生の就職率や就職する人の多い学科も併せて見ていきましょう。

高校生の就職率

就職率が示すのは、高校卒業後の進路として就職を希望している人のうち、卒業年の4月1日時点で就職先が決まっている人の割合です。厚生労働省が公表した高校生の就職率を確認します

2022年4月1日時点の就職率は97.9%です。20年前の2002年には86.3%と、就職を希望しても仕事に就けない人が10%以上いましたが、ここ数年は希望者のほとんどが就職できています。

参考:
令和4年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和4年3月末現在)に関する調査について|文部科学省
新規学卒就職者の離職状況(平成 31 年3月卒業者)を公表します|厚生労働省

高校生の就職内定率

内定率についても確認しましょう。卒業年の4月1日までのある時点で、就職希望者のうち就職先が決まった人の割合を示す数値が内定率です。

文部科学省が行った「令和5年3月高等学校卒業(予定)者の就職(内定)状況に関する調査」をチェックします。

この調査によると2022年10月末時点の就職内定率は76.1%、2022年12月末時点の就職内定率は90.9%です。希望する人の大半は応募開始からすぐのタイミングで内定を受けており、遅くとも年内には就職先が決まっている高校生が大多数だと分かります。

参考:
令和5年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和4年10月末現在)に関する調査について|文部科学省
令和5年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和4年12月末現在)に関する調査について|文部科学省

就職する人の多い学科もチェック

高校生のうち就職する人の割合は、学科によって大きく異なります。文部科学省が公表したデータによると、2022年3月に高校を卒業した人のうち、卒業後の進路として就職を選んだ割合は14.8%です。

就職する人の割合が高いのは、農業科・工業科・商業科などの専門高校に通う高校生です。専門高校の卒業者全体における割合は47.8%に上ります。

中でも工業科は62.6%、水産科は61.6%、農業科は48.7%が卒業後に就職しており、専門高校の中でも割合が高い学科です。

参考:高等学校卒業者の学科別進路状況|文部科学省

希望すれば就職できるケースがほとんど

2022年4月1日時点の高校生の就職率は97.9%と、希望した高校生のほとんどが就職できていると分かります。できなかったのはわずか2%ほどで、就職を希望している人の中ではごく少数のみです。

特に専門的な知識や技術を学ぶ専門高校では、学科によっては半数以上が就職するケースもあります。正しい手順で就職活動に取り組めば、高校生の就職は決して難しいものではないでしょう。

高校生の就職率が高い理由

高校生の面談

(出典) pixta.jp

直近の約10年に関しては、高校生の就職率は100%に近い数値で推移しています。高校生の就職率が高い水準を保っているのは、若手人材の獲得を希望する企業の意向により、求人数が増加しているためです。

求人数の増加

高校生向けの求人数は増加しています。2023年3月卒業の高校生向け求人数は2022年7月末時点で40万1,394人分あり、2021年の同時期より16.2%増加しました。さらに2013年3月卒業者向けの求人数14万5,893人分と比べると、約2.8倍に増えています。

求人倍率の10年間の推移(2022年、2023年を除き各年の最終状況)も見ていきましょう。

  • 2014年3月卒:1.57倍
  • 2015年3月卒:1.85倍
  • 2016年3月卒:2.05倍
  • 2017年3月卒:2.23倍
  • 2018年3月卒:2.53倍
  • 2019年3月卒:2.79倍
  • 2020年3月卒:2.90倍
  • 2021年3月卒:2.64倍
  • 2022年3月卒:2.38倍(2022年7月現在)
  • 2023年3月卒:3.01倍(同)

求人倍率は就職希望者1人に対する求人数を示しています。2023年3月卒業者向けの求人数は、就職希望者1人に対し3件以上ありました。数値の上では就職率100%も可能な求人数です。

参考:令和4年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ|厚生労働省

若手人材獲得のため

高校生向けの求人数が増えているのは、企業が若手人材を獲得するためです。少子高齢化により若手人材の数が減っていることから、高校生の採用数を増やしている企業が数多く見られます。

加えて、採用活動において競争力の低い中小企業が、高校生の採用に力を入れているのも、求人数が増えている要因といえます。コストと手間をかけて大卒者に内定を出しても、大企業の内定が出ると辞退されるケースが多いためです。

大企業と同じ舞台で競争し大卒者を採用しようとするのではなく、高校生の採用にシフトする中小企業が増加中といえるでしょう。

高校生の就職活動の流れ

職場見学

(出典) pixta.jp

高校生の就職では多くの希望者が就職できています。近年は100%近い就職率で推移していますが、必要な準備を怠れば就職できない可能性も0ではありません。就職活動の流れを把握し、応募書類の提出や職場見学に備えましょう。

就活準備

高校生向けの求人票が公開されるのは7月1日です。3年生の4~6月は、就活が本格的に始まる前の準備期間と考えるとよいでしょう。

どのような業種や職種が自分に向いているかを把握するため、興味・関心・優先するポイントなどを明確にします。加えて業種・職種・勤務地・雇用条件などの希望も書き出しましょう。

希望する勤務地にどのような企業があるかもチェックし、自分の興味・関心・希望条件などに合致するか確認します。

求人票のチェックと職場見学

学校斡旋の就活では、毎年7月1日に求人票が公開されます。学校に届いた求人票の中に、就活準備で洗い出した条件を満たす求人があるかチェックしましょう。

この時期には保護者・教師・生徒による三者面談も行われるため、どのような仕事に就きたいのか希望を伝え、応募先を絞り込んでいきます。

応募前職場見学が行われるのもこの時期です。実際の職場を見学することで、実際に働くイメージをつかみやすくなるため、応募を検討している企業を見に行きましょう。

応募書類の提出と試験

応募書類の提出は9月5日から、採用試験は9月16日から開始されます。採用試験では必ず面接が行われるため、試験に向けて面接の練習を行いましょう。

10月1日からは2社までの複数応募が始まる地域がほとんどです。希望する企業が複数ある場合や、9月中に内定が出ない場合は、10月1日以降の応募にチャレンジします。

就職準備

就職試験を受けて内定が出たら、就職に向けた準備を行います。仕事に役立つ資格取得を目指すのも就職準備の1つです。ただし最優先は高校の学業です。余裕がない状況なら、資格取得より学校の勉強を優先しましょう。

万が一必要な単位が取れず留年する事態になれば、就職できず内定をもらった企業に迷惑をかけてしまいます。真面目に勉強に取り組み、予定通り卒業することが重要です。

就活準備をチェック「自己紹介文」

ノートに書く高校生

(出典) pixta.jp

ここからは就活準備について詳しく見ていきましょう。まずチェックするのは自己紹介文です。自己紹介は、就職試験で必ず聞かれると考えましょう。簡潔に伝えられるよう、一度文章に書き起こしておくのがおすすめです。例文も併せて紹介します。

自己PRできる内容がポイント

就職試験で自己紹介を請われた場合、単に名前や趣味を答えるだけでは不十分です。自己紹介には自己PRにつながる内容を盛り込み、初対面の面接官に自分の性格・人柄・意欲・スキルなどが伝わる内容でなければいけません。

例えば物事にこつこつ取り組める粘り強さを伝えるには、普段どのようにその特徴を発揮しているのか、具体的なエピソードを盛り込むといいでしょう。

単に「物事に粘り強く取り組めます」と伝えるより、以下のように何をどのように頑張ったのか具体的に表現した方が伝わりやすいでしょう。

高校1年生で始めた吹奏楽ではクラリネットを担当していましたが、指使いが難しくなかなか課題曲を最後まで演奏できませんでした。毎日のように自主練を行い、指使いを習得した粘り強さが自慢です。

自己紹介文を書く手順

具体例を含めた自己紹介文を書く際には、以下の手順で進めるとスムーズに書きやすくなります。

  1. 企業が採用したいと考えている人物像を確認する
  2. 自分の長所を明確にする
  3. 企業の求める人物像と自分の長所を比較する
  4. 自分の長所を深掘りし具体的なエピソードや背景を考える
  5. 構成を考え書き出す

例えば、企業が求めているのがチームで協力し成果を出せる人材なら、クラスや部活で協力し目標を達成したエピソードを挙げて自己紹介文をまとめると、うまく自己PRできます。

自己紹介文の例文

自己紹介文の例も見ていきましょう。高校時代に全商簿記2級に合格したエピソードで、積極的に学ぶ姿勢があることを示す例です。

高校時代は商業科ということもあり、全商簿記の資格取得に取り組みました。最初は苦手意識がありましたが、先生や友人に教えてもらいながら学ぶうちに、成果が出るようになり全商簿記2級に合格しました。今後も簿記の勉強を続け、日商簿記にも挑戦したいと考えています。

就活準備をチェック「履歴書」

履歴書とペン

(出典) pixta.jp

就職活動を行うにあたり履歴書の準備も欠かせません。効果的な志望動機になるよう意識しつつマナーを守って書くには、思いのほか時間がかかります。余裕のあるタイミングで準備をしておくとスムーズです。

余裕を持って作成する

履歴書は丁寧に読みやすい字で書く必要があり、作成に時間がかかります。ぎりぎりになって焦る事態にならないよう、余裕を持ったスケジュールで準備を始めるのがおすすめです。

住所・連絡先・資格などは間違いがないよう、事前に正しい情報をそろえておくとよいでしょう。志望動機もあらかじめ考えておくと、履歴書作成時に迷うことがありません。紹介する例文を参考に、結論から先に書くよう意識すると、伝わりやすい文章になります。

志望動機の例文

なぜその企業に就職したいのかを伝える志望動機は、履歴書の中でも重要な項目です。例えば実際にその企業のサービスや商品を利用したことがあるなら、以下のようにその経験を志望動機に盛り込みます。

貴社が運営するレストランを初めて利用したとき、私も将来こんなふうに楽しい時間を提供できる仕事に携わりたいと思い志望いたしました。

そのときまだ私は幼く、注文した料理が来るまでおとなしく待つのが難しかったのですが、従業員の方が用意してくれた塗り絵で楽しい時間を過ごせたのを覚えています。

私がかつてそうしてもらったように、今度は私がレストランで楽しい時間を提供したいと考えました。興味のある料理について高校の調理科で3年間学び身に付けた知識や技術を生かし、調理スタッフとして貴社に貢献していきたいと考えています。

履歴書の書き方にはマナーがある

履歴書を書く際にはマナーにも注意しましょう。書くときに使うのは黒ボールペンです。書き直せるからと鉛筆を使ってはいけません。

書き損じた場合には、新しい履歴書に書き直すのがマナーです。修正ペンで消す・二重線を引き訂正印を押すといった方法で修正すると、書き直すのを面倒くさがる人という印象を持たれかねません。

志望動機の使い回しも避けましょう。応募する企業によって、なぜ志望したのか理由は異なるはずです。複数社に応募する場合は、1社ずつ志望動機を考えます。また貼付する写真は3カ月以内に撮影したものです。

就活準備をチェック「面接」

面接を受ける高校生

(出典) pixta.jp

就活準備では面接の準備も重要です。事前に練習を行うことで、志望度の高さの示し方や、好印象を与えられる姿勢や話し方を把握できます。また一般的によく行われる質問を押さえておけば、面接本番でも落ち着いて受け答えできるでしょう。

面接の練習を行う

本番の面接で効果的に自己PRするためには、事前の練習がポイントです。学校で先生を相手に模擬面接を行い、スムーズに受け答えできるようにしましょう。

自宅では、スマートフォンやタブレットを使った練習方法もおすすめです。志望動機や自己PRを話している様子を撮影しておき、見返すことで話し方や表情の癖を意識できます。

どうすればより聞き取りやすく話せるのか、自然な笑顔を作るにはどうすればよいのかといった点を意識するのに役立つ方法です。

準備をして本番に臨む場合とそうでない場合では、受け答えのスムーズさに差が出ます。事前の備えにより、志望度の高さを効果的に示せるようになるはずです。

よくある質問を把握する

面接でよくある質問を確認し、それぞれに対する答えを考えておくのも重要です。まずはよくある質問をチェックしましょう。

  • なぜ当社を選んだのですか?
  • 自己紹介をしてください
  • 得意科目は何ですか?
  • 学校について教えてください
  • 担任の先生をどう思っていますか?
  • 趣味は何ですか?
  • 学校生活で印象に残っていることを教えてください
  • 最近どのような本を読みましたか?
  • パソコンはできますか?
  • 何か質問はありますか?

例えば「パソコンはできますか?」であれば、「Excelで表計算ができます」というように、どのソフトをどの程度使えるのか回答しましょう。「何か質問はありますか?」に対しても、何かしら質問ができるようあらかじめ準備しておきます。

姿勢や話し方のポイントを押さえる

面接官に与える印象を左右するのは、受け答えの内容だけではありません。話し方・姿勢・表情といった、言葉以外の部分も面接官は見ています。

姿勢は、浅く椅子に座り背筋を伸ばします。男性は握りこぶしを膝の上へ、女性は膝を閉じそろえた両手を太ももへ置きましょう。受け答えでは、はきはきした話し方を意識します。まっすぐ面接官の方を向き、声をしっかり届けましょう。

表情は、口角を少し上げ自然な明るい笑顔を作ります。面接当日にいきなり笑顔を作るのは難しいため、面接の練習時に表情のチェックも受けるのがおすすめです。

高校生の就職活動のルールを確認

勉強をする女の子

(出典) pixta.jp

高校生の就職活動は、学校を通して行われる学校斡旋が大多数です。学校斡旋で企業に応募する場合、厳密なルールがある点を押さえておきましょう。どのようなルールがあるのか確認していきます。

1人1社制

学校斡旋の場合、企業への応募は9月5日から始まります。この段階では、1人の生徒が複数社に応募することはできません。応募開始から一定期間は「1人1社制」が採用されており、1人の生徒が応募できるのは1社のみのためです。

学校から推薦を受けて1社に応募し、内定が出たら就活は終わりです。推薦状を持って応募しているため、内定辞退はほとんどありません。

時期によっては1人2社応募も可能

1人1社制の期間は都道府県ごとに異なりますが、おおむね10~11月には1人の生徒が2社に応募できるようになります。9月の応募で内定が出ない場合は、このタイミングで選んだ企業へ応募し就活を進める流れです。

中には、9月の応募開始の段階から2社へ応募できる地域もあります。例えば大阪府では1人2社、秋田県・沖縄県では1人3社、和歌山県では複数社への応募が可能です。

全国高等学校統一応募書類

応募に使う履歴書は「全国高等学校統一応募書類」という専用の書式が用意されています。公正な選考が行われるよう、市販の履歴書は使いません。記載する項目は以下の通りです。

  • 日付
  • 氏名
  • 現住所
  • 連絡先
  • 学歴・職歴
  • 資格等
  • 趣味・特技
  • 校内外の諸活動
  • 志望の動機

これに加えて、学校が作成する調査書があります。調査書は学習の記録や出席状況など、学校での様子が記載される書類です。

高校生の就職活動はルールで守られている

求人票

(出典) pixta.jp

学校斡旋で行われる高校生の就職活動には厳密なルールがあると分かりました。これらのルールには、高校生を守るという目的があります。卒業まで健全な教育を受けられるように意図して作られたルールを確認しましょう。

厳しいルールは教育を優先させるため

高校生の就職活動では、学業が優先されます。まずは健全な学校教育を実施し、その上で卒業後の進路として就職の機会を与えるという方向性です。

就活に集中するあまり学業がおろそかになることがないよう、厚生労働省や文部科学省といった行政・経団連や日本商工会議所などの主要経済団体・全国高等学校長協会といった学校組織でルールを設けています。

企業は具体的な採用計画が必須

企業が高校生向けの求人を出す場合には、具体的な採用計画を立てることもルールの1つです。例えば大学生3名・高校生5名を採用するというように、具体的な人数を提示しなければいけません。

大卒者の採用状況が悪ければ高卒者の採用を増やし、大卒者の採用がスムーズに進んだ場合は高卒者の求人を取り下げるといった対応はできない決まりになっています。安定した求人を高校生に対して提供するためのルールです。

応募前職場見学は応募者のためのもの

7月1日に求人解禁されると、応募前職場見学が始まります。高校生が自分にとってよりよい職場を選べるよう、応募する可能性のある企業を見に行くものと位置付けられています。

事前選考を兼ねたものではないため、企業は高校生に氏名をはじめとする個人情報をたずねたり、アンケートを実施したり、選考につながる質問をしたりはできません。

公正な採用選考が行われる

採用選考が公正に行われるためのルールも定められています。全国高等学校統一応募書類を用いるのもその一環です。市販の履歴書を使えないだけでなく、企業が作成したオリジナル書類の提出も認められていません。

加えて、書類選考のみで応募した高校生を落とすことも禁じられています。選考は必ず書類と面接のセットで行われるルールです。

結果通知の日数が厳守される

学校斡旋の就職活動では1人1社制が原則のため、採用・不採用が確定する前に次の企業に応募することはできません。企業から選考結果の通知がなかなか届かないと、高校生は就職のチャンスを逃す可能性もあるでしょう。

高校生が不利益を被らないよう、求人票に記載された結果通知までの日数を企業は厳守するよう定められています。

卒業までは学業に専念できる

卒業までの期間は学業に専念しやすい環境が守られるのも、高校生の就職ならではのルールです。大学生の就職では、入社までの期間にレポートの提出や資格取得・研修への参加などを課される企業もあります。

高校生の場合、ルールによって卒業まではレポートや研修などを求められません。学校に在籍している間は、高校生活を最優先に過ごせます。

自己開拓による就職活動も可能

考える男性

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高校生の就職活動には、学校斡旋のほかに自己開拓というルートもあります。学校斡旋はルールで守られていますが、もっと自由に取り組みたいと考えている人もいるでしょう。自己開拓は行政・主要経済団体・学校組織が定めたルールに縛られず、就職活動できる方法です。

自分で就職先を探すこと

自己開拓は、高校生が自ら就職先を探すことを指します。ハローワークを通し高校に届いた求人票から応募先を探す学校斡旋や、知り合いを頼る縁故採用ではなく、自分で求人を探さなければいけません。

インターネットの求人サイトや就活イベントなどに参加し求人を探す必要があり、手間はかかりますが、高卒者を採用している企業であればルールに関係なく応募できます。

高校に届く求人よりも幅広い求人から応募先を選べるため、選択肢を広げられるのもメリットです。

1人1社制に縛られず就活できる

学校斡旋の1人1社制では、複数の企業を比較して就職先を決めることはできません。学校の推薦状を添えて応募するため、内定が決まればそのまま就職するのが原則です。

自己開拓であれば、1人1社制に関係なく複数の企業へ応募できます。担当者の対応を見たり先輩社員の話を聞いたりした上で比較すれば、自分に合う企業かどうか見極めやすくなるでしょう。

高校生が自己開拓で就活する方法

ハローワーク

(出典) pixta.jp

自己開拓で就職先を探すには、複数の方法があります。ここではハローワーク・企業のWebサイト・求人サイト・就活イベントの4種類を紹介します。

ハローワーク

学校斡旋で高校に届く求人もハローワークを通していますが、高卒者を募集しているすべての求人が届いているわけではありません。近隣のほかの高校には届いているけれど、通っている高校には届いていない求人情報もあるかもしれません。

ハローワークに直接行って求人を探すと、高校に届いているものも届いていないものも、すべての公開求人情報を確認できます。より多くの求人から応募先を選べるため、自分の希望に合う企業を見つけやすいでしょう。

企業のwebサイト

企業によっては、自社のwebサイトに求人情報を掲載しているケースもあります。就職を希望する業種の企業があるなら、webサイトも確認してみましょう。

企業のWebサイトに求人情報が掲載されている場合、企業へ直接応募します。応募方法は各社で定めており、連絡先のメールアドレスや電話番号が掲載されている場合や、専用フォームが設けられている場合もあります。

企業が指定する方法で、必要な書類を用意して応募しましょう。

求人サイト

求人サイトをチェックするのも1つの方法です。さまざまな企業の求人広告を条件別に検索できるため、希望に合う企業を探しやすいでしょう。

高校生向けの求人を集めているサイトもあるため、情報収集のためにも登録するのがおすすめです。スタンバイにも、高卒者が応募できる求人が多数紹介されています。

正社員での就職を希望するなら、キーワード欄に「高卒 正社員」と入力して検索してみましょう。勤務地や職種でも求人を絞り込めます。

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就活イベント

高校生向けの求人を出している企業を集めた就活イベントに参加するのもよいでしょう。ハローワークや自治体のほか、求人サイトが主催するイベントや合同説明会もあります。

イベントへ行くことでこれまで知らなかった企業に出合える上、担当者とやり取りすることで顔や名前を覚えてもらえるかもしれません。職業選択の参考になるよう、実際の仕事を体験できるイベントも開催されています。

自己開拓の進め方

タブレットを見ながら勉強する女の子

(出典) pixta.jp

高校生が自己開拓で就職先を決める場合、積極的な取り組みが必要です。自己開拓をスムーズに進められるよう、応募までの手順を確認しましょう。

ステップ1:求人を探す

まず行うのは求人探しです。ハローワークや企業Webサイト・求人サイト・就活イベントなどを活用し、希望に合う求人を探します。

最初のうちは希望が定まっていないかもしれませんが、さまざまな業種や職種の求人を見ているうちに「こんなところで働いてみたい」「おもしろそうな仕事だ」と、興味を持てるものが見つかるでしょう。

自己開拓であれば1人1社制に縛られずに応募できます。気になる求人をチェックし比較した上で、複数社へ応募することも可能です。

ステップ2:高校を通して連絡してもらう

ハローワークや求人サイトなどで気になる求人を見つけたら、自分で連絡する前に高校から求人について確認してもらいましょう。

高卒者向けの求人でも、対象が経験者という場合もあります。また未経験でも、既に高校を卒業している人を対象にしているかもしれません。

これから学校を卒業して新卒入社を目指している高校生の応募を受け付けているのか、確認した上で応募するとスムーズです。

ステップ3:職場見学や応募

高校卒業後の新卒入社を受け付けている求人であれば、職場見学が可能かについても聞いてみましょう。実際の職場を見たり、働いている社員に質問したりできる機会があると、自分に合う企業か見極めやすいためです。

条件が希望に合致し、自分に合う職場だと判断したなら、必要書類をそろえて応募します。採用・不採用の通知が届くまで他の企業に応募できないという決まりはないため、より効率的に就活を進めるためにも、並行して複数社に応募書類を送るとよいでしょう。

高校生の就職は自己開拓でもできる

パソコンを操作する高校生男子

(出典) pixta.jp

高校生が就職活動を行うにあたり、一般的なのは学校斡旋です。ただし学校斡旋は1人1社制で厳密なルールが決まっており、複数の企業を見比べて就職先を選びたいという人には向いていません。

またハローワークを通し学校へ届いた求人にしか応募できないため、自分に合う求人がないという高校生もいるでしょう。学校斡旋の就活では希望の就職先を見つけにくい場合には、自己開拓に挑戦してみてはいかがでしょうか。

高校生でも求人サイトを使い、自分で求人を探し就職先を見つけられます。インターネットを使い求人を探すなら、スタンバイがおすすめです。豊富な求人の中から、希望条件に合う高卒者向けの求人を素早く探せます。

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