転職活動を働きながら行うポイント。どのような点に気を付けるべき?

転職活動中に収入が途絶えるのが不安な場合は、働きながら転職先を探すのがおすすめです。上手に進めるポイントを押さえておけば、働いている安心感からダラダラと続いてしまうのを防げるでしょう。働きながら転職活動を進めるコツを紹介します。

働きながらの転職活動を上手に進めるコツ

スーツの男性の後姿

(出典) pixta.jp

働きながらの転職活動では時間に大幅な制約を受けるため、上手に進めるポイントを押さえておきましょう。在職中である点を応募企業に伝えることも重要です。

転職の期限を決めておく

予定を立てずに転職活動を始めると、働いていることの安心感から、効率的に転職活動を進められなくなる恐れがあります。転職活動を終える期限をあらかじめ決めておくことが大切です。

いつ頃から転職先で働き始めたいのかを決め、その時期から逆算してスケジュールを組めば、転職活動をスムーズに進められます。期間を長めにするとダラダラと続いてしまう恐れがあるため、あまりに長い期間を設定しないようにしましょう。

転職活動に必要な一般的な期間は最低3カ月です。スムーズに活動が進まない場合はそれ以上の期間を要する可能性もありますが、まずは3カ月を目安に、転職の期限を決めるのがおすすめです。

有給休暇を上手に活用する

転職先の面接は平日に設定されるケースが多いため、有給休暇を上手に活用しましょう。面接が設定された日に休みを取れば、気持ちに余裕を持って面接に臨めます。

複数企業の面接を受ける場合は、有給休暇取得日にまとめて面接を受けられるように調整するのがおすすめです。何回も休みを取らなくても、1日で一気に面接を済ませられます。

有給休暇を頻繁に取りすぎると、会社に転職活動を気付かれる恐れがありますが、複数の面接を1日に集中させれば気付かれにくくなるでしょう。

有給休暇は半日単位で取得することも可能です。役所で書類を取らなければならない場合も、有給休暇取得日に取りに行きましょう。

オンライン面接を希望する

面接のスケジュールを調整しにくい場合は、オンライン面接ができないか転職先に相談するのも1つの方法です。オンラインで面接を受けられれば、面接場所まで移動する必要がないため、時間の都合をつけやすくなります。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、近年はオンライン面接を行う企業が増えてきました。オンライン面接が可能なら遠方の企業にも応募することが可能です。

オンライン面接を自宅で受ける場合も、通常の面接と同様の服装で臨む必要があります。上下ともにスーツをきちんと着用し、騒音のない静かな部屋で面接を受けましょう。

応募企業は3~4社にとどめる

応募企業の数は多いほど有利ですが、応募数が増えると準備や対策に手間や時間がかかります。働きながら転職活動を行う場合は、応募企業数を3~4社に絞るのがおすすめです。

気になる転職先がいくつもあるなら、優先順位を明確にしましょう。給与・待遇・仕事内容など、転職先を決める軸が明確になっていれば、応募先を絞りやすくなります。

応募企業数を3~4社に絞ることで、企業研究や面接対策により多くの時間を割けるようになるため、内定をもらえる可能性も高まるでしょう。手当たり次第に応募するのではなく、転職活動の質を高めることが大切です。

在職中であることを応募企業に伝える

働きながら転職活動を行う場合は、在職中である点を応募企業に伝えましょう。本業が忙しいことを分かってもらえるため、面接の日程調整時に融通を利かせてもらいやすくなります。

在職中であることを伝えて、選考が不利になる可能性はほとんどありません。内定をもらえれば退職する意思があることや、働き始められる時期をきちんと伝えておきましょう。

応募書類にも在職中であることを記載しておく必要があります。職歴欄では「在職中」「現在に至る」の文言を使い、本人希望欄には対応可能な曜日や時間帯を記載しましょう。

転職活動の主なステップ

履歴書とネクタイとペン

(出典) pixta.jp

転職活動をスムーズに進めるためには、一般的なスケジュールを知っておくことが大切です。転職活動の主なステップと、それぞれのポイントについて解説します。

事前準備

転職活動を始めるときには、最初に転職の目的を明確にしましょう。「収入を増やしたい」「プライベートを充実させたい」「やりがいのある仕事に就きたい」など、転職の方針を決めておけば、応募企業を絞りやすくなります。

転職先を絞り込んだら、次に自己分析を行いましょう。自己分析で自分の強みや弱みを把握することで、履歴書や面接の自己PRに説得力を加えられます。

事前準備の際には企業研究をしっかりと行っておくことも重要です。企業が求める人物像や企業の社風、具体的な仕事内容などを把握しておけば、書類作成や面接対策をより効果的に進められます。

書類作成・応募

事前準備が済んだ後は、応募企業に提出する書類を作成します。履歴書や職務経歴書はテンプレートに頼りすぎず、自分の言葉で丁寧に書くことが重要です。

応募書類を手書きで作成する場合は、いきなり清書するとミスをした際の訂正に手間がかかります。書く内容をあらかじめまとめてから、清書を行うのがおすすめです。

企業への応募は1社ずつ進めるのではなく、複数企業への応募を並行して行いましょう。他の企業にも応募しているかどうか面接の際に聞かれた場合、正直に答えても大きなマイナスにはなりません。

面接

書類選考を通過したら、応募企業が実施する面接を受けます。面接では採用するかどうかの最終判断を下されるため、入念な対策が必要です。

面接でよく聞かれる項目や回答例は、参考書やネットでしっかりと調べておきましょう。逆質問を受けた場合の質問も、事前に数パターンを用意しておく必要があります。

面接の際には、基本的なビジネスマナーを見られるのもポイントです。入退室の仕方や適切な敬語を用いた言葉遣い、ビジネスシーンにふさわしい服装など、マナーについても勉強しておきましょう。

退職・入社準備

応募企業から内定をもらった後は、退社に向けた準備を行います。退職日の1カ月前までに、現職の会社に退職の意思を伝えるのがマナーです。

退職手続きを進めながら後任者への引き継ぎを行い、自分が辞めるにあたり会社にできるだけ迷惑がかからないように配慮しなければなりません。消化しきれなかった有給休暇の使い方も考える必要があります。

新しい職場で働き始めるまでに時間の余裕がある場合は、入社準備として転職先で必要になる知識やスキルを習得しておくのもおすすめです。

転職の事前準備にとりかかってから退職の準備が終わるまで、スムーズに進んでも3カ月、時間がかかる場合は半年はかかります。働きながらの転職活動では、ここまで解説した各フェーズを効率的に進めていくことが大切です。

今の職場で気を付けるべきポイント

オフィスの様子

(出典) pixta.jp

働きながら転職活動を行う場合は、今の職場で注意すべきいくつかのポイントがあります。できるだけスムーズに活動を進めるためにも、以下に挙げるポイントに気を付けながら転職活動を行いましょう。

転職活動中であることを職場で話さない

転職活動中は、職場でそのことについて安易に話さないようにしましょう。転職活動中であることが社内に広まると働きにくくなるほか、上司や経営層から引き留めを受ける場合もあります。

Twitter・Facebook・InstagramなどのSNSへの投稿にも、注意が必要です。たとえ匿名で投稿したとしても、投稿内容から個人が特定されれば、うわさが広まってしまいます。

信頼できる同僚に転職のことを相談したい場合も、絶対に話が漏れない保証はありません。必要性がある場合以外は、転職活動を進めていることは自分の中だけに留めておくのが無難です。

職場以外の場所でスーツに着替える

面接にはスーツで臨むのが基本です。現在の職場がスーツ着用という環境でないならば、仕事後に面接がある場合は、職場でスーツに着替えたくなりがちです。しかし、終業後にスーツに着替えるのは、周囲からは不自然な行為と思われます。

不用意な行動が原因で転職活動を行っていることが発覚しないようにするためにも、スーツへの着替えは職場以外の場所で行いましょう。一度自宅に戻って着替えるのが無難です。

自宅まで帰る時間がない場合、車通勤の人はスーツを車の中に入れておき、車内で着替えましょう。電車通勤の人は、駅のコインロッカーにスーツを入れておくのがおすすめです。

会社のPCやスマホを転職活動で使わない

応募企業と連絡を取る際は、会社のPCやスマホを使わないようにしましょう。ふとした状況で利用履歴を見られた場合、転職活動を行っていることが発覚しかねません。

社内での利用はもちろん、社外で会社のスマホを使うのもNGです。転職活動でメールや電話を使う場合は、個人のPCやスマホで連絡を取り合う必要があります。

会社のPCやスマホを転職活動で使うと、応募企業への印象も悪くなってしまいます。「会社からの貸与物を簡単に私物化してしまう人」と見なされる恐れがあるためです。履歴書に記載する電話番号やメールアドレスも、個人のものを書きましょう。

今の職場に迷惑をかけないように配慮する

転職活動を進めていると気持ちが転職に傾いてしまい、今の仕事がおろそかになりがちです。就業時間中は転職のことを頭の片隅に置き、目の前の仕事に集中しなければなりません。

転職が決まった後も、引き継ぎや有給休暇の取り方に配慮が必要です。消化しきれなかった有給休暇で退職まで休みを取りたい場合も、後任者との引き継ぎはきちんと済ませるようにしましょう。

働きながら転職活動を行う場合も、最優先に考えるべきことは今の会社での仕事です。あくまでも今の仕事を優先に動いていることが応募企業に伝われば、応募企業も「採用後に自分の仕事をしっかりと頑張ってくれる人」だと評価してくれるでしょう。

働きながらの転職活動を成功させよう

電話をする女性

(出典) pixta.jp

働きながらの転職活動を上手に進めるためには、効率的な時間の使い方を意識する必要があります。有給休暇やオンライン面接を活用すれば、限られた時間を有効に使えるでしょう。

転職活動中であることを職場で話さない点や、会社のPCやスマホを転職活動で使わない点も大切です。重要なポイントを押さえ、働きながらの転職活動を成功させましょう。