営業に携わった経験がないと「企画営業ってどんな仕事?」と聞かれても説明できないケースが多いでしょう。企画営業は営業の一種であるだけでなく、業務範囲に幅があります。企画営業という言葉を初めて知る人に向け、企画営業とはどのような仕事なのかを解説します。
企画営業とは?
企画営業をひと言で表すなら「営業と企画が合わさった仕事」といえます。具体的にはどのような仕事なのでしょうか?企画営業の定義や仕事内容について説明します。
商品と企画をセットにして営業する仕事
企画営業とは、自社が展開する商品やサービスと併せて、それを活用して実施できる施策を提案する仕事です。
自社の商品やサービスを売り込む点では、一般的な営業と変わりません。企画営業は、クライアントが抱える課題を解決するための企画を、商品やサービスと併せて提供します。
企画営業の仕事は、クライアントや市場のニーズを調査する作業から始まるのが一般的です。見つけ出したニーズを分析し、クライアントが抱える課題や要望をあぶり出していきます。集めたデータを基に、課題を解決に導く提案を行っていくのが企画営業です。
営業企画との違いは?
企画営業と響きが似ている仕事に「営業企画」があります。使われているワードは同じですが、両者は全く異なる仕事です。
営業企画とは、顧客と契約を結ぶためにベストな営業方法を提案する仕事です。成果を上げるための営業方法を考え、具体的な企画を立案し提案します。
企画営業と営業企画の違いは、クライアントに直接関わるかどうかにあります。企画営業がクライアントに対して直接アプローチする一方で、営業企画は企画を作るのが主な仕事のため、クライアントに直接関わる場面はありません。営業企画は営業職を支える裏方的存在なのです。
企画営業に求められるスキル
企画営業は特殊なスキルが必要ない仕事ともいわれることがありますが、持っていると仕事がスムーズに進むスキルはあります。企画営業を志す人に求められるスキルを3つ紹介します。
課題を明らかにするコミュニケーションスキル
企画営業もクライアントワークに携わる関係で、営業と同じようにコミュニケーション能力が必要です。
要点を分かりやすく伝える力や相手の立場になって会話できる力など、高度なコミュニケーション能力で相手の懐に入り込む技術が求められます。中でも要求されるのが「対話の中から必要な情報を引き出す力」です。
これに長けていると、クライアントと対話を重ねる中で、クライアントが抱える潜在的な課題をあぶり出す機会を作れます。
クライアントも気付いていない隠れた課題が引き出せてこそ、クライアントを満足させられる企画を立案できるため、企画営業に必須の能力といえます。
クライアントや市場を調べるリサーチ力
クライアントや市場を徹底的に調べ上げるリサーチ能力も、企画営業に求められるスキルの1つです。まずはクライアントの会社・商品について詳しくならないと、クライアントに刺さる企画を立案できません。
企画営業の仕事は、クライアントや市場のニーズを調べる作業から始まります。集めた情報を分析し、クライアントが抱える課題を掘り下げて初めて、クライアントを満足させられる企画提案に踏み出せます。
課題もニーズもはっきりしない状態では、自社の商品やサービスをどういった切り口でアピールすべきか分からないでしょう。企画営業には、根気強く調べてクライアントへの理解を深める力が求められます。
クライアントに刺さる企画を作る企画力
企画営業にはクライアントを満足させられる企画力も必要です。企画力とは、ニーズの調査や課題の発見などからアイデアの芽を育て、実現できるレベルの企画としてまとめ上げる力を指します。
企画営業は営業職なので、売上を立ててこそ成立する仕事です。そのため厳しいノルマが課せられていることも多々あります。
持ち前の企画力を生かして、クライアントの心に突き刺さる企画を作り、契約までこぎ着けなければ、企画営業としての存在意義が危ぶまれます。企画営業の仕事は、良い企画を提案できるかどうかにかかっているのです。
企画営業に向いている人の特徴
どのような仕事にも、人によって向き不向きがあります。どれほど興味がある仕事でも、本人に適正がなければ苦労するでしょう。企画営業に転職すると大成する可能性がある人の特徴を3つ紹介します。
①柔軟な発想で物事を考えられる人
企画営業は、これまで誰も思い付かなかったような企画を提案する必要があるので、既成概念にとらわれない発想で思考できる人が向いています。使い古されたアイデアだけでは、クライアントの胸を打つ企画は生み出せません。
自社製品の魅力を輝かせられるかは、企画営業の発想力にかかっています。柔軟な考え方で、クライアントのニーズに寄り添った新しいアイデアを提案できれば、他社を出し抜いて契約にこぎ着けられるでしょう。
既存アイデアの切り口を変えたり、組み合わせを新しくしたりすることで、誰も思い付いたことのない企画が生まれる可能性が広がります。
②情報を分析して答えを出すのが得意な人
企画営業の仕事はマーケティング要素が強く、収集したデータを分析して市場の傾向や新しいニーズを見つけ出す場面が多いため、与えられた情報を分析して答えを導き出すのが好き、または得意な人が向いています。
クライアントが抱える課題を解決するには、クライアントのニーズや自社商品の特徴だけでなく、市場や社会の動きの把握が必要です。市場の動向や社会情勢に関する情報を過不足なく収集し、データとしてまとめて分析できなければ、正しい状況判断をするのが難しくなるでしょう。
分析が好きあるいは得意な人であれば、これらの作業に苦労を感じることはないはずです。
③自分の意見を積極的に提案できる人
アイデアは「質より量」といわれるため、企画営業には、自分が「これだ!」と思った企画をどんどん提案できる人が向いています。
光り輝くアイデアにたどり着く可能性は、アイデアの母数が増えれば増えるほど高まります。ささいなアイデアでも積極的に提案し、他者の目に触れさせることで、ダイヤの原石が見つかる土壌が育まれるのです。
「批判されたらどうしよう」「ボツになったら嫌だ」などと考え、提案を控えてしまう人にとっては、企画営業は厳しい職場環境でしょう。企画営業は「駄目だったらまた新しいアイデアを考えればいいや」という心持ちで提案できる人が向いている職業です。
未経験からの転職を成功させるには
未経験から企画営業に転職するなら知っておきたいポイントを解説します。成功の秘訣を知って、未経験からの転職を実現させましょう。
企画営業は未経験でも挑戦できる
企画営業は、専門的な知識や資格を必要としないため、経験がなくてもチャレンジしやすい仕事です。現に「未経験者歓迎」をうたう求人も数多くあります。
企画営業にもさまざまなスキルが要求されます。ただ、企画営業に求められるスキルの多くはポータブルスキルです。これは、業種や職種が変わっても生かせるスキルを指します。
ポータブルスキルはさまざまな職種で養えるため、今携わっている仕事の中で企画営業に必要なスキルを磨けば、未経験からでも企画営業に転職する道は広がっていくでしょう。
企画営業で活躍するに足るスキルをアピール
未経験で企画営業に転職するなら、今までの職業経験の中で得たスキルの中から、企画営業でも活用できるスキルをアピールするのが重要です。自身のキャリアを注意深く振り返っていけば、きっと企画営業に生かせるスキルが見つかるはずです。
例えばアパレル店員の経験がある人なら、コミュニケーションスキルをアピールするとよいでしょう。
「何げない会話の中からお客様のニーズをくみ、お客様のイメージを形にする提案力に自信があります」と説明すれば、企画営業に必要なコミュニケーション能力の高さを効率的にアピールできます。
企画営業にチャレンジしてみよう
企画営業は、商品やサービスと併せて企画を提案する営業職です。自社製品への深い理解は必要なものの、「これがなければ企画営業は務まらない」というスキルは特にないので、未経験からでも挑戦しやすい仕事といえます。
企画営業に興味がある人は、これまでの職業経験で得たスキルの中に企画営業に生かせるものがないか、振り返ってみることから始めましょう。
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