派遣先との面接は禁止されている?顔合わせの意味と注意点を紹介

派遣社員として初めて働く人の中には、派遣元や派遣先で面接があるのか気になっている人もいるでしょう。派遣での面接について理解しておけば、準備をスムーズに進めることが可能です。派遣元や派遣先との面接について詳しく解説します。

派遣でも面接はあるの?

面接を受ける男性

(出典) pixta.jp

派遣とは派遣会社に登録して、派遣先で仕事をする働き方のことです。まずは、派遣先との面接があるのかどうかについて解説します。

原則として面接は禁止されている

基本的に、派遣社員が派遣先で面接を受けることはありません。派遣先の会社が派遣社員を面接することは、法律で原則として禁止されているためです(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第26条 第6項)。

ただし、ほとんどの企業では、面談・顔合わせ・職場見学の名目で面接のようなことを行っています。何もせずにいきなり働き始めることはありません。

つまり派遣先では、人材の選別を目的とした通常の面接が行われないため、よほどのことがない限り、派遣先の面談後に落ちることはありません。派遣先は派遣を受け入れる時点で、面接によって人材を選べないというリスクを負っているのです。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第二十六条 第6項 | e-Gov法令検索

ミスマッチを防ぐのが面談の主な目的

原則として、派遣先は面接できませんが、派遣されてきた人が長く働いてくれそうか、仕事に必要なスキルが足りているかを面談で確認しています。

面談結果で採用を決めてはいけないとはいえ、あまりにも会社の求めている人物像とミスマッチな場合や、社会マナーが悪い場合は採用を見送られることもあります。

また面談は、派遣社員が派遣先の仕事を受けるか否かを決める、大切な場であることも忘れないようにしましょう。職場環境や労働条件を派遣先で確認し、派遣元から示された条件と異なる場合は仕事を断れます。

「紹介予定派遣」の場合は面接がある

派遣先での面接禁止には例外があり、紹介予定派遣で働く場合、派遣先は派遣社員に対し、通常の面接を実施できます。

紹介予定派遣とは、労働者の雇用安定化を目的とした制度で、最長6カ月の派遣期間終了後、派遣先に直接雇用されるのを前提とした働き方のことです。一般的には3カ月程度で直接雇用に切り替わります。

紹介予定派遣は直接雇用が前提であり、派遣会社からの人材紹介という形を取るため、一般的な転職活動と同じ選抜形式で面接できるのです。

参考:紹介予定派遣とは・・・|厚生労働省

派遣先との面談が行われる流れ

打ち合わせ

(出典) pixta.jp

派遣先での面談は、通常の面接とは意味合いが違うとはいえ、初めて経験する人にとっては不安なものでしょう。安心して面談に臨むために、担当者との待ち合わせから派遣先への訪問、場合によっては職場見学という流れを見ていきます。

事前に担当者と待ち合わせ

派遣先との面談が行われる場合、事前に派遣会社や派遣先近くのカフェで、派遣会社の担当者と待ち合わせをするのが一般的です。

いきなり派遣先に行くわけではないため、心配なことや聞きたいことがあれば、前もって担当者に確認することが可能です。不安を消すためにも、疑問点を質問しておきましょう。

待ち合わせの時間は、面談の30分~1時間前に設定されるのが通常です。遅刻すると派遣先への印象が悪くなるため、時間厳守で行動する必要があります。

派遣先へ訪問・面談

担当者から当日の流れについて説明を受けたら、一緒に派遣先へ向かいます。受付などの手続きは担当者が行ってくれるため、全て任せましょう。

派遣先での面談でも、メインのやりとりは担当者が行います。用意したスキルシートを担当者が派遣先に提出し、派遣先が求めるスキルが備わっているか確認してもらうのが主な目的です。

面談の最後には質疑応答の時間が設けられます。聞きたいことや疑問に思うことがあれば、派遣先に直接質問することが可能です。派遣先からもさまざまな質問を受けるでしょう。

面談前後に職場見学ができることも

派遣先との面談が実施されるときには、面談の前後に職場を見学できるケースもあります。具体的にどのような仕事をしているのか、実際に目で見て確かめられるチャンスです。

上司や先輩になる人が働いている姿を確認できるため、なるべく職場の雰囲気を確かめておきましょう。雰囲気や社風が自分に合わないと感じたら、辞退した方がいいかもしれません。

自分から見学を希望もできます。働き始めてから後悔することがないように、職場見学はできるだけ行っておくのがおすすめです。

面談で聞かれやすい質問は?

面接を受ける女性

(出典) pixta.jp

派遣先との面談で質問されやすい内容を知っておけば、事前に入念な対策を講じておくことが可能です。採用に影響を与えることがないとはいえ、少しでも印象をアップさせるためにも、聞かれやすい質問については対策を立てておきましょう。

自己紹介

派遣会社の担当者が提出するスキルシートには、派遣社員の名前や年齢などの個人情報が掲載されていません。派遣先は派遣社員の面談時に個人を特定してはいけないことが、法律で定められているためです。

ただし、ビジネスシーンで初対面の相手に自分の名前も名乗らないのは、マナーに反します。面談の最初にはフルネームと年齢を簡潔に伝えます。

本題ではない自己紹介を長々と行うと印象が悪くなるため、自己紹介と職歴の説明を合せて2~3分程度にまとめるのがポイントです。第一印象は大事なので、明るくはっきりとした話し方で、面談の担当者に好感を与えましょう。

職歴について

自己紹介で自分の氏名や年齢を述べたら、次に職歴を伝えます。派遣は中途採用と同じく即戦力として期待されているので、職歴説明は大きなアピールチャンスです。

ただし、さまざまな分野で実績を残している場合、全てを伝えると長続きしない人だと誤解される恐れがあります。派遣先で担当する仕事に関係の深い職歴に絞り、深掘りするのがおすすめです。

職歴を伝える際は、その経験が派遣先でどう生かせるのか説明しましょう。職歴を通じて業務適性を示せるよう、事前にシミュレーションが必要です。

持っている資格・スキル

職種によっては資格やスキルを必要とするケースがあるため、その資格やスキルについてどの程度仕事ができるのか、聞かれることもあります。上手く説明できるように、事前に考えをまとめておくといいでしょう。

業務に関係する資格やスキルを持っている場合は、積極的に伝えると強みになります。資格やスキルの種類によっては、よりやりがいのある仕事を担当できるかもしれません。

逆に、派遣先が当然と思っているスキルを持たないケースもあり得ます。スキルによるミスマッチを起こさないためにも、業務に関連するスキルについては、面談時にしっかりと話し合いましょう。

派遣先との面談時の服装は?

スーツを着る男性

(出典) pixta.jp

派遣先との面談に臨む際は、身だしなみにも気を付ける必要があります。服装や持ち物の注意点を押さえておきましょう。

基本の服装はオフィスカジュアル

派遣先との面談にふさわしい服装は、オフィスカジュアルが基本です。どのような服装なのか分からない場合は、派遣先がスーツ着用の職場ならスーツが無難です。

オフィスカジュアルやスーツを選べば、社会人としての最低限のマナーが備わっていることをアピールできます。

派遣先によっては私服OKとしているケースもあります。面談は一般的な面接のような堅苦しい場ではないためです。ただし、私服を着用する場合も、派手な服装は控えましょう。

持ち物について

派遣会社や派遣先から指定がない場合、身の回りに必要な小物を除けば、特に用意すべき持ち物はありません。面接を受けるわけではないため、履歴書や職務経歴書も、派遣会社の方で用意してくれるケースがほとんどです。

メモ帳やペンなどの筆記用具は、働き始めた後の条件や質問したい内容を書き留められるので、常に持ち歩くのがおすすめです。

他にはハンカチやティッシュ、携帯、携帯用の充電器、女性なら化粧直しの道具など、外出時によく使うものがあれば、心配ないでしょう。

派遣会社への登録時に面接はある?

ヒアリングする女性

(出典) pixta.jp

派遣先との面接や面談について解説してきましたが、そもそも派遣会社に登録する際は面接や面談があるのでしょうか。派遣会社に登録するときの流れを解説します。

担当者との面談・ヒアリングがある

一般に、派遣会社への登録は、登録会や派遣説明会と呼ばれる場で行います。登録会は日時が決まっているため、予約を入れておくのが普通です。

登録会に参加すると、まずは派遣会社から働き方やルールの説明を受けます。その後にプロフィールを登録し、派遣会社のスタッフと面談するのがおおよその流れです。

派遣登録時の面談には、派遣先を決める際のスキルや実績を確認する目的があります。派遣会社によっては、電話やオンラインで登録や面談することも可能です。

登録面談で聞かれること

派遣会社が実施する登録会の面談では、希望する職種や仕事内容、今までの職務経験を聞かれます。どのようなスキルや資格を持っているかも確認されるでしょう。

派遣先に対して、希望する条件や働ける時間帯・期間も伝える必要があります。登録面談で聞かれることは、いずれも派遣先を決める際の重要な項目です。

あまりにも条件を絞ってしまうと、派遣先がなかなか決まらないかもしれません。条件をある程度妥協して伝えれば、仕事も見つかりやすくなります。

面接と同じく派遣先の面談もしっかり準備を

面談の様子

(出典) pixta.jp

派遣先が派遣社員に対して面接することは、法律で禁止されていますが、ほとんどの企業は面談を実施し、派遣社員と顔合わせします。

通常の面接に比べて面談で落とされる確率は低いものの、あまりにもミスマッチな人材だと判断されれば、採用を見送られる可能性もあります。また職場に馴染みやすくするためにも働き始める前の印象アップは重要です。聞かれやすい質問に対しては対策を立て、服装にも注意して面談に臨みましょう。

派遣会社への登録時にも、スタッフとの面談が行われます。希望条件をきちんと考えた上で、自分をアピールするためのスキルや資格について、説明できるように準備が大切です。

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