医療秘書とはどんな仕事?仕事内容やなる方法、就職に有利な資格3選

養成機関のコースや医療系の求人情報で、「医療秘書」という仕事を見かけることがあります。医療秘書とは何をする仕事なのでしょうか?仕事内容や特徴、就職に役立つ資格を紹介します。医療関係で働きたい人は、医療秘書を検討してみましょう。

医療秘書とはどんな仕事?

働く医療秘書

(出典) pixta.jp

「医療秘書」は、医療機関で働く秘書を指します。一般の秘書とはどう違うのでしょうか?主な特徴や、同じく医療機関で働く医療事務との違いを解説します。

医療機関で医師などのサポートを行う仕事

医療秘書は役員をサポートする一般的な秘書のように、「医師または看護師のサポートをする」のが主な仕事です。おおむね、医師個人のサポートをするケースと、部署全体を担当するケースに分かれます。

対応する業務は、事務作業・スケジュール管理・来客対応などです。多忙な医療従事者に代わって、雑務や秘書業務を一手に担います。ただし、医療機関によって医療秘書の業務範囲は変わるため、求人内容や必要資格を確認することが大切です。

医療事務との違い

医療機関で医師や看護師のサポートをする仕事には、「医療事務」もあります。医療秘書と同じく事務作業を担当しますが、医療事務の業務範囲は患者の受付と会計事務です。診療報酬明細書の作成や、診療報酬の点数計算を担当します。

一方で、医療秘書は患者対応ではなく医師や看護師のサポートが主な業務です。ただし、医療秘書が患者対応をしないと決まっているわけではありません。医療機関によっては、患者対応や会計業務まで任されることもあるでしょう。

さまざまな業務にあたる医療秘書とは異なり、医療事務が秘書の役割を兼務することは少ないようです。

医療秘書の需要と将来性

多忙な医療従事者が患者の診療に集中できるよう、医療秘書を求める現場が増えています。人手不足の対策や患者側の要望に応えるために、今後も需要が高まっていくと考えられるでしょう。

日本では、少子高齢化が進んでいます。高齢者が増えるのに従って、医療の需要が高まっていくはずです。病院やクリニックの増加によって、医療秘書の求人が増えることも想定されます。

医療秘書は一定の医学知識を持ち、医師からの指示や要望に応えられるスキルを持っています。専門的なスキルを生かして長く働きたいと考えるなら、将来性の高い仕事です。

医療秘書の主な仕事内容

看護師

(出典) pixta.jp

医療秘書が携わる、主な仕事内容を見ていきましょう。具体的な仕事内容が分かれば、転職先候補として検討しやすいはずです。

秘書業務

医療秘書は、秘書業務を担当します。電話対応・来客対応・医療従事者のスケジュール調整・出張のサポート・経費精算など、多様な業務が秘書の仕事です。

基本的には、医師・看護師が求める雑務を全般的にこなすと考えておきましょう。資料作成や情報収集も秘書の役割です。学会に提出する論文を書くための資料、情報収集を担当することもあります。

清掃や書類整理などにも対応します。きめ細やかな気遣いで、医療従事者が働きやすい環境を作るのが主な役割です。

情報管理業務

医療秘書は、医療に関する情報管理にも携わります。主に、患者のカルテ管理や代行入力が情報管理の仕事です。

カルテ管理では、必要なカルテの搬送・抽出・収納などを担当します。カルテには患者の情報が記載されており、閲覧が終わった後は元に戻さなければなりません。データ化されている場合は、検索と抽出が主な作業となるでしょう。

カルテは基本的に医師が記入・入力しますが、秘書に代行入力を頼むこともあります。場合によっては、診療中に医師の横について入力を任されるケースもあるでしょう。

事務業務

個人クリニックのように小規模な医療機関では、医療秘書がほとんどの事務業務を兼任することがあります。受付・患者対応など、秘書の業務に加えて全般的な事務作業を任されるでしょう。

規模の小さい医療機関で秘書として働く場合は、医療事務のスキルを持っている方が有利です。診療代の計算方法や入力の基本を学んでおくと、業務で役立つでしょう。

勤務先が医療秘書にどこまでの業務を担当してほしいと考えているのか、就業前に範囲を確認しておくとトラブルが少なくなります。内容によっては専門的なスキルが求められるため、求人情報をよく確認しておきましょう。

医療秘書になるには

勉強する医療従事者

(出典) pixta.jp

医療秘書として働くには、何をすればよいのでしょうか?求人に応募する前に知っておきたいポイントを紹介します。必要な資格やスキルはあるのか、応募前に考えておきましょう。

採用試験を受ければOK

医療秘書は、特別な資格を必要とする職業ではありません。個人クリニックや病院など、求人を出している医療機関に応募し採用されれば医療秘書として働けます。

資格が必要ないといっても、完全未経験で採用を目指すのは難易度が高くなります。医療秘書は医療従事者のサポートをするため、基本的な医学的知識や事務処理に関するスキルが必要です。

秘書・事務関連の民間資格や、医療系資格を持っているとアピールにつながるでしょう。

医療秘書の就職に有利な資格

作業をする二人

(出典) pixta.jp

医療秘書として就職するには、資格があると有利です。持っていると有利な資格を、具体的に紹介します。実務経験があればなおよいですが、未経験でも資格があれば一定のスキルを証明できるでしょう。

医療秘書技能検定

医療秘書技能検定は、一般社団法人医療秘書教育全国協議会が認定する資格です。3級・2級・準1級・1級があり、医療秘書に必要なスキルが全般的に出題されます。秘書業務だけでなく、基礎的な医学知識や医療事務のスキルを証明できるのが特徴です。

受検資格は特になく、誰でも受検・資格取得が可能です。資格取得により医療秘書のスキルを身に付けたいと考える人は、受検を検討してみましょう。

参考:医療秘書技能検定試験 一般受験者の手続き|医療秘書教育全国協議会

日本医師会認定医療秘書

日本医師会認定医療秘書は、認定養成機関でのカリキュラムを終え、試験に合格すると取得できます。試験合格後は、医師会へ登録することで認定医療秘書として活動が可能です。

養成機関は通信制と全日制に分かれており、1〜2年のコースが一般的です。通信制の場合は、最低2年間の学習が必要となっています。

一般的な民間資格より取得までに時間はかかりますが、医療秘書の業務やスキルを本格的に学びたい人におすすめです。

養成機関に通うために時間を作る必要もあるでしょう。働いている場合は、通信制が候補になります。

参考:日本医師会認定医療秘書とは|日本医師会認定医療秘書

医師事務作業補助者

医師事務作業補助者は、日本医療事務協会の養成講座です。資格や検定のような仕組みではありませんが、講習を修了していればアピールになります。本来医師が入力するカルテの代行入力や、書類作成の代行を担当するのが医師事務作業補助者の仕事です。

通学コース・通信コースがあり、都合のよい方を選択できるのが特徴です。学習期間が短く、通学コースなら全34時間、通信コースなら最短2カ月で全講習が修了します。

医療秘書が担う業務の一部に対応する養成講座であり、すでにほかの資格やスキルを持つ人や、未経験・資格不要の求人に応募する際は強みとなるでしょう。

参考:医師事務作業補助者講座(ドクターアシストクラーク)|医療事務の資格講座なら日本医療事務協会

医療秘書には幅広い専門知識が必要

医療従事者の女性

(出典) pixta.jp

医療秘書は医療従事者のサポートをするため、医学知識や医療関係の事務処理能力が求められます。本格的に医療秘書を目指す場合は、養成機関の医療秘書科で学ぶことも検討しましょう。

民間の医療秘書に関する資格や、医療事務系の資格を持っていると採用に有利です。

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