「絵本」を創作する絵本作家は、絵本を読む子どもたちにとってもあこがれの的でしょう。絵本作家に向いている人とは、どんな人なのでしょうか?向いている人の特徴・必要なスキル・仕事内容について解説します。
絵本作家に向いている人の特徴は?
絵本作家には、どんな性格・性質の人が向いているのでしょうか?絵本作家を目指す際に備えておきたい特徴を紹介します。絵本を作る上では、欠かせない性質です。
想像力・感受性が豊かな人
絵本作家は、主に子ども向けの作品を作り上げるのが仕事です。1人で絵本を作る場合は、絵だけではなく物語も考えます。
絵を描き物語を作るには、想像力とアイデアを形にする力が必要です。芸術的な感性と、能力があるかもポイントになるでしょう。
子ども向けの作品を作る絵本作家は、子どもの気持ちを察する共感力が必要です。何気ない普段の日常から、感動や楽しさを感じ取り、子ども向けにアレンジできる感受性の豊かさも求められる資質といえます。
根気強さ・忍耐力がある人
絵本を作るのは時間のかかる作業です。絵本作家には、細かい作業に耐える根気強さが求められるでしょう。
まずは物語を考え、文章が定まったら、話の展開に合う絵を1枚ずつ下書きし、色付けをしていきます。
物語を考え、絵を描くだけでも時間がかかりますが、合間には編集者と相談して方向性を決めなければなりません。描いた絵や文章がそのまま採用されるとは限らず、何度も手直しが必要になるケースもあるでしょう。
短い絵本であっても、コツコツと下絵を描き、手直しをしていくのは地道な作業です。根気強さと忍耐強さがある人は、絵本作家の仕事をこなしていけるでしょう。
好奇心旺盛な人
絵本作家は、絵本の題材を見つけるのも仕事のうちです。好奇心旺盛な人は、積極的に新しいことに挑戦する傾向にあり、行動力や疑問解消のために動くバイタリティを持ち合わせているのも特徴です。
積極的な行動は、絵本の題材になるような、発見・気づきにつながります。普段からさまざまな分野にアンテナを張り、知識を吸収できれば、アイデアが湧いてくるでしょう。
日常の何気ない1コマに、絵本の題材が隠れていることが多くあります。普段から好奇心を持って行動できる人は、絵本作家に向いているといえます。
絵本作家の仕事内容
絵本作家は、具体的にどんな仕事をしているのでしょうか?基本的な仕事内容と、方向性を解説します。絵本作家になるには、創作するための基礎的な能力が求められるでしょう。
主に絵本の物語や絵を創作する
絵本作家は、物語と絵の創作が主な仕事内容です。文章と絵の担当が分かれている場合もあります。担当が分かれている場合は、担当者同士のコミュニケーションや、編集者を通したやり取りも必要です。
取材や資料探しなど、絵や文章を書く上で必要な作業も絵本作家の仕事に含まれます。物語を作るためには、題材選びも大切です。絵を描く場合は、画材選びや表現方法を考えて、絵本に合うよう仕上げなければなりません。
文章と絵をどちらも担当する場合、仕事内容は多くなり、1冊の絵本を作り上げるまでに、時間もかかるでしょう。
絵本作家のやりがいは?
絵本作家ならではのやりがいは、どのようなことがあるのでしょうか?仕事の魅力を紹介します。
多くの子どもたちを笑顔にできる
絵本を読む子どもたちの表情は、生き生きしています。多くの子どもたちを楽しませ、笑顔にできる絵本を作る絵本作家は、やりがいのある仕事といえます。
直接子どもたちの声を聞き、手紙やメール、書き込みによる応援を受けることもあるでしょう。子どもたちが喜んでくれると、自分の作品が認められた達成感を味わえます。
絵本は絵が中心となった作品のため、人気が出れば日本の子どもたちだけでなく、世界中の子どもたちにも読んでもらえる可能性があります。そのため、より多くの子どもたちを楽しませたり、笑顔にできたりと、非常にやりがいを感じられる仕事といえます。
絵本作家に必要なスキル
絵本作家になるには、一定のスキルが必要です。一般的に必要とされるスキルや能力を紹介します。絵と文章を両方創作する絵本だからこそ、必要なスキルは多くあります。
印象を残せるよう作画力・感性も大切
絵を描くには、やはり作画力が必要です。絵本の場合、子どもが絵を見て理解できるようにするため、場面や状況に合う絵を何枚も用意しなければなりません。
多くの人の印象に残る魅力的な絵を描くには、デザインや美術の素養が求められます。イラストレーターが絵本の絵を担当するパターンも多くあります。
デザイン分野の感性も、絵本作家に求められるスキルです。子どもや、絵本を購入する親世代の心に響く絵本を発表できれば、絵本作家として長く活躍できるでしょう。
誰が読んでも理解できるような文章力・想像力
絵本作家は、子どもが理解できる言葉を使って物語を作るのが一般的です。正しい日本語や、分かりやすい表現で物語を作るには、文章力が不可欠です。
対象年齢の子どもが、どのくらいの難易度の言葉や話を好むのか理解した上で、伝えたいメッセージを込めていきます。難しい言葉を使わず、擬音やイメージも含めて、誰でも理解できる文章を書くには想像力が求められるでしょう。
一般の本よりも短い文章で物語を完結させるため、無駄な言葉を省いて状況が分かるよう工夫しなければなりません。構成力や、絵本特有のルールを意識して文章を組み立てられる力も求められます。
多くの人に届けるためのプレゼンテーション能力
絵本作家として自分の存在を知ってもらうには「絵本を売る」のが重要です。宣伝の方法は自由ですが、主に出版社を納得させるためのプレゼンテーション能力が求められます。
絵本を出版する出版社がプレゼンテーションに納得すれば、出版社が宣伝・広告を担当します。自分で売り出す場合は、何らかの方法で宣伝をしなければなりません。
絵本を見たとき「この作品を読んでみたい」と感じさせる工夫も必要です。作品を売り込むには、魅力的な表紙・タイトルや、あらすじを考えるだけでなく、自己プロデュースする能力も求められるでしょう。
絵本作家になるには?
近年では俳優やミュージシャン、お笑い芸人などが絵本を出版するのも見かけます。そういった特別な状況ではなく、ごく一般的に絵本作家としてデビューするにはどのような方法があるのでしょうか?代表的な方法を2つ紹介します。
作品を出版社に持ち込む
絵本作家になるチャンスを得るには、作った作品を出版社へ持ち込む方法があります。出版社が「魅力がある」「売れそう」と判断すれば、出版を検討してもらえるかもしれません。そうすれば晴れて絵本作家として活動をスタートできます。
絵本の魅力に加え、クリエイターとしての知名度やイラスト・文章における有力な実績があれば、出版社の編集担当者と話が進みやすくなるかもしれません。
持ち込みを受け入れている出版社へ作品を持ち込み、検討してもらうのが絵本作家になる1つの方法です。
コンクールでの入賞を目指す
新しい魅力的な絵本を作るため、出版社や芸術・デザイン関連の企業などがコンクールを開催しています。コンクールで入賞すると、出版が約束されているものもあります。出版した上で反応がよければ、絵本作家として活躍できるようになるでしょう。
優勝賞品が賞金だけだとしても、コンクールの受賞歴は絵本作家として活動する上で役立ちます。
まずは絵本を作って、コンクールに応募してみましょう。応募資格を定めていないコンクールも多く、チャレンジしてみる価値は十分にあります。コンクールはインターネットで公募・告知されているケースが多くあるので、まめにチェックしてみましょう。
作品を作り絵本作家を目指そう!
絵本作家として働くには、作品作りやコンクールへの応募、出版社への持ち込みなど、一般的な就職活動とは異なる努力が必要といえます。
芸術的な素養や実力が求められ、子どもたちに寄り添った作品が作れるかどうかも重要なポイントです。まずは絵本作家に向いている人の特徴を把握した上で、作品作りやコンクールへの応募を検討しましょう。