学校事務の志望動機の書き方は?例文・事前準備や手順も紹介

学校事務の志望動機を書くときは「なぜ学校事務なのか」「なぜその学校なのか」を伝えた上で自分の経験やスキルをアピールします。採用されるように、担当者に響く動機を記載しましょう。学校事務の志望動機の書き方を、例文や事前準備とともに紹介します。

学校事務の志望動機に書くこと

履歴書に書き込む

(出典) pixta.jp

志望動機を書くときは、採用担当者が何を知りたがっているかを理解する必要があります。学校事務の志望動機で、含めるべき要素を紹介します。

学校事務を希望する理由

まず「なぜ教育業界なのか」をはっきりと伝えます。採用担当者は「学校の事務職を希望する背景」を知りたがっているためです。

例えば「学生時代に学校事務の人にお世話になったことがある」などのエピソードがあれば、学校事務を希望する理由に絡めて紹介できます。個人的に学校事務との関わりがある場合は、積極的に盛り込みましょう。

個人的なエピソードがない場合は「子どもたちの成長を応援したい」「日本の未来を支える子どもたちを支えたい」など、普段考えていることでも構いません。学校事務と自分との接点を伝え、志望動機に含めることが大切です。

なぜその学校を選んだのか

学校事務の志望動機では「なぜその学校でなければならないのか」も重視されます。採用担当者が欲しいのは、自校のために真剣に働いてくれる人です。「どこでもよかった」という雰囲気が感じられる人は敬遠されかねません。

志望する学校を選んだ理由として好印象なのは、学校の校風や、教育方針・教育理念への共感・理解をアピールすることです。教育方針や教育理念は、学校運営の基礎といえます。志望動機に盛り込めば、採用担当者から興味を持たれやすくなるはずです。

そのほか、学校の実績・歴史などに目を引く点があれば、それらをメインとしてもよいでしょう。

入社後に貢献できること

志望動機では、スキルや適性のアピールも必須です。学校事務の求人を出している学校は、即戦力を求めています。学校事務として仕事に就いたとき、何ができるかを適切に伝えましょう。

まず学校事務で必要とされるのは、パソコンスキルです。「どのソフトを」「どのくらいのレベルで」使えるのかを記載しましょう。例えばExcelなら「VBAでマクロを組める」などと記載すると、一目置かれるかもしれません。

そのほか「コミュニケーション力が高い」「仕事が丁寧」「まじめ」など、性格や資質面の特性も加えると、入社後の姿をイメージしてもらいやすくなります。

学校事務の志望動機を作るためにすること

事務作業をする女性

(出典) pixta.jp

志望動機に必要な要素を入れるためには、業界や学校研究・自己分析が不可欠です。志望動機を作る上ですべきことを紹介します。

教育業界を研究する

「なぜ学校事務なのか」「なぜ教育業界なのか」を伝えるためには、教育業界の研究が不可欠です。業界を理解しないままに学校事務や教育業界を語ると、知識の浅さが伝わってしまいます。思いつきで応募したと思われないよう、業界研究を徹底して言葉に重みを持たせることが大切です。

また、業界研究を行えば、業界ならではの課題が見えてきます。「自分ならこのように貢献できる」とつなげるのも1つの方法です。

例えば、現在の教育業界は、ICTの導入によるデジタル化が進んでいます。ITスキルがある人は「ITリテラシーが高いため、ツール導入時の助けになれる」などとアピールすることが可能です。

希望する学校の情報を集める

学校の情報を集めると「なぜこの学校の事務を選んだのか」を説明する際に役立ちます。学校のパンフレットやホームページをチェックして情報を集めましょう。

これをすれば、校風や教育理念も分かります。求められる資質や人物像をイメージしやすく、どのスキルや資質をアピールポイントにすべきかを容易に判断できます。

集める際に注意したいのは「信頼できるソースから情報を集めること」です。口コミや個人ブログは、個人の主観に偏りすぎているケースが少なくありません。信頼できる公式情報のみで、志望動機を組み立てることが大切です。

学校事務の仕事内容を理解する

自分が貢献できることを伝えるには、学校事務のルーティンや、必要な仕事を調べておく必要があります。

学校によって違いはありますが「庶務関係」「人事労務関係」「会計関係」「教育関係」の仕事に携わるのが一般的です。

例えば、来客の対応や電話の取次、教職員の勤怠管理や給料計算などは、学校事務が担います。そのほか、生徒から授業料を徴収したり、業者に備品代を支払ったり、入学・卒業・転入・転出などの手続きも学校事務の仕事です。

幅広い仕事から、自身の経験や実績を生かせるポイントを見つけましょう。

学校事務への適性をチェックする

学校の特徴や学校事務の仕事をイメージできたら、自分自身の適性を考えなければなりません。

まずは、徹底的な自己分析を行い、スキルや実績の洗い出し・性格面・性質面で合っているのかチェックします。学校事務に適用できるスキルや特徴が多いほど、志望動機のアピールが充実するはずです。

なお「パソコンをスムーズに扱えるか」は、採用担当者が知りたいことの1つでもあります。
学校事務への適性をアピールするときは、必ずパソコンスキルのレベルを伝えましょう。

その上で「柔軟な対応力がある」「タスク管理能力が高い」「コミュニケーションスキルが高い」など、学校事務で生かせそうな特性を記載します。

学校事務の志望動機を作る手順

資格の勉強をする

(出典) pixta.jp

材料がそろったら、実際に学校事務の志望動機を作成しましょう。作る手順を紹介します。

志望動機の軸になることをピックアップする

業界や学校研究を行った結果、共感したこと・魅力・特徴などを書き出してみましょう。その学校で達成したいことがあれば、それらを挙げても構いません。ピックアップした内容から「これだ」と思うものが見つかれば、志望動機の軸になります。

軸を探すときのポイントは、なるべくたくさんの共感ポイントや、魅力・特徴を挙げることです。項目が多いほど、後で自分との共通点を探しやすくなります。

軸のない志望動機は、その場しのぎでいい加減な印象を与えかねません。

自分との接点をまとめる

学校と自分との接点は「興味を持った点」「貢献できそうな点」「これまでの業務経験と関係する点」で整理するのがおすすめです。

学校と自分との接点をまとめていけば「なぜ教育業界なのか」「なぜその学校なのか」「どのように貢献できるか」を説明しやすくなります。

例えば「学校事務はパソコンを使う仕事」「自分はMOS資格を所有している」という共通項目が見つかれば「自分はMOS資格所有者なので、学校事務の仕事をスムーズにこなせる」などと、貢献をアピールできます。

結論から書き始める

志望動機を書くときの構成は「志望した理由(結論)」「理由の根拠(理由)」「自分が貢献できること(例)」「まとめ」です。志望動機の最初で結論を伝え、根拠を添えて正当性・信頼性を主張します。

採用担当者が知りたいのは「なぜ教育業界なのか」「なぜこの学校なのか」です。志望動機の最初に答えを提示することで、読み進めてもらいやすくなります。

論理的にまとまった構成は、読み手にストレスを与えにくいでしょう。採用担当者の離脱を防げる上「ロジカルな人」として好印象を与えられるはずです。

学校事務の志望動機の例文

履歴書の志望動機

(出典) pixta.jp

学校事務の志望動機は、経験の有無によって書き方が異なります。経験ありの場合・なしの場合の志望動機の例文を紹介します。

同業種から転職する場合

前職でも学校事務に携わっていた人は、経験を生かせることをアピールしましょう。例えば以下のような例文が考えられます。

貴校が国際交流や異世代交流の取り組みを積極的に行われていることに興味を持ち、応募いたしました。

日本の将来を考えたとき、国際的な視野や考え方を持つ子どもを育てることは、非常に重要です。貴校の理念には共感できる部分が多く、この学校で教育活動の一助を担いたいと考えました。

前職では○○大学の事務員として勤務し、学生証の発行などの学生支援を行っていました。学校の窓口として長く働いた経験は、こちらでも生かせるのではと考えています。

Office系のソフトはひととおり扱えるほか、ホームページ作成や更新のお手伝いもできます。学校で働く教員や、楽しく学ぶ生徒たちを、しっかりサポートできるよう努力する所存です。

経験者は、前職の経験が大きなアピールポイントとなります。仕事内容やスキルを詳しく述べ、即戦力となり得ることを伝えましょう。

未経験者の志望動機の場合

未経験者の志望動機は「学校事務に生かせそうな経験」をアピールするのがおすすめです。以下で具体例を確認しましょう。

「生徒と同じ目線で、思想や理想・未来を共有する」という貴校の運営方針に共感いたしました。子どもたちとともに学び、未来を共有できるのは、教育業界だからこそです。生徒と教員が生き生きと学び、交流し合うこの学校で、子どもたちの学びを支えたいと考えました。

前職では、食品会社の事務員として○年間勤務しました。中小規模の企業でしたので、勤怠管理から会計処理まで担当していました。業務ではWord・Excel・PowerPointを使用していたので、事務作業も問題ありません。

貴校の学校運営がよりスムーズになるよう、裏方としてしっかりサポートしていく所存です。

未経験者の場合、採用担当者は特に事務スキルやパソコンスキルを重視する傾向にあります。事務職に従事した経験は、詳細に記載するのがおすすめです。

学校事務へ転職する際の注意点

職員室の様子

(出典) pixta.jp

応募したい学校が公立か私立かで、就業のルートが異なります。また、学校で働く上で、教育業界の今後について知っておくことも重要です。学校事務への転職で理解しておくべきポイントを紹介します。

公立・私立かで就業へのルートが異なる

公立学校の事務員は、地方公務員となります。就業するためには、各自治体や国が実施する事務職員採用試験に合格しなければなりません。試験内容は、筆記・面接・論文などです。一方、国立大学の事務員になるには、国立大学法人などが合同で実施する試験に合格する必要があります。

注意点は、いずれの試験にも受験資格が設けられている点です。受験を検討する際は、要項を必ず確認しましょう。

私立学校の場合は、求人に応募して採用されれば学校事務員になれます。採用基準は学校によって異なるため、徹底した学校研究と志望動機の作り込みが必要です。

参考:
国立大学法人等職員をめざす方へ | 国立大学協会
市町村立小・中学校事務職員採用試験|奈良県

少子化の影響を受ける可能性がある

少子高齢化が進む日本では、子どもの数は減少する一方と予測されます。

学校事務を選択する場合、将来的に職場がなくなってしまうリスクを理解しておく必要があるでしょう。文部科学省の発表によれば、2020年度に廃校になった公立学校の数は全国で335校に上ることが分かりました。

就業先を選ぶときは、学校の規模や、学生の数・立地・特色などをチェックして「将来性があるか」を十分に検討する方がよいといえます。

なお、すぐに仕事探しを始めたい人は、日本最大級の仕事・求人探しサイト「スタンバイ」をのぞいてみましょう。

「学校事務」で検索すれば、現在求人中の私立学校がピックアップされます。地域や条件でより細かく絞り込めば、希望に合う求人が見つかるはずです。

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参考:
令和3年度 公立小中学校等における廃校施設及び余裕教室の活用状況について|文部科学省
総務省統計局ホームページ/統計トピックスNo.128

志望動機では「なぜ学校事務なのか」を明確にする

面接の様子

(出典) pixta.jp

学校事務の志望動機では「なぜ教育業界なのか」「なぜその学校なのか」を明確にすることが重要です。業界研究や学校研究を徹底するとともに、自己分析もしっかりと行いましょう。
業界や学校と、自分との接点を見いだすことが、アピール力のある志望動機を作る上で大切なポイントになります。

また「事務職」という職種柄、パソコンスキルが重視される傾向にあります。採用担当者に「即戦力であること」を印象付けられるよう、有益な経験・実績をしっかりと盛り込むことも大切です。