エンジニアに転職する際の志望動機は?経験・未経験別の例文も紹介

IT業界でエンジニアとして働きたいなら、志望動機もその仕事に合う内容を考えなければなりません。志望動機を書く前にやっておきたいことや、基本的な流れを解説します。未経験・経験者別の例文と、未経験者がアピールしやすい項目も確認しましょう。

志望動機を書く前にやるべきこと

志望動機欄とペン先

(出典) pixta.jp

エンジニア志望者が志望動機を書く際には、下調べや自己分析が欠かせません。特に未経験で志望する場合には、書き始める前にやっておきたいことがあります。まずは、志望動機を書く前の準備について見ていきましょう。

エンジニアを選んだ理由を深掘りする

志望動機を書く前に「なぜエンジニアを選んだのか」を深掘りすると、方向性を模索しやすくなります。特に未経験から目指す場合は、理由をよく考えてみましょう。

しかし、ただ理由を挙げるだけでは、志望動機にはつながりにくいでしょう。「IT業界に興味があった」「エンジニアが格好良いと思った」など単純な理由であったとしても、さらに深掘りするのがポイントです。

なぜIT業界に興味を持つようになったのか、エンジニアのどういうところが格好良いと思ったのか、きっかけは何だったのか深く考えるようにしましょう。

その企業を選んだ理由を明確にする

エンジニアを募集している企業は、数多くあります。志望動機を考える上で、なぜその企業を選んだのかは重要なポイントです。

応募しようと決めた理由は、「未経験の募集があったから」「家から近かったから」という単純なものかもしれません。

しかし、企業に何らかの魅力がなければ応募してみようとは考えないはずです。ひと言で「エンジニア」といっても、企業によってどのようなものを作るのかは異なります。

企業の業態や取り扱っている商品・サービスなど、企業研究を進めるのも大切です。魅力に感じたポイントを志望動機に取り入れると、説得力が増すでしょう。

入社後のキャリアビジョンを描く

志望動機を考える上で、入社後のビジョンは欠かせません。うまく取り入れられれば、採用後の活躍像を面接官にアピールできます。

採用されてから、その企業でどのように成長していきたいのか、キャリアビジョンを作りましょう。企業が求める人物像を理解し、自分の目標と一致しているか確認するのも大切です。

まずは入社後、どのような仕事をしていきたいかを考えましょう。企業研究によって、業務内容や範囲についてある程度は分かってくるはずです。

入社後の数年間でやり遂げたい仕事や最終的な目標、関わりたいプロジェクトなど、ビジョンを明確にしてみましょう。

エンジニアへの志望動機を書く流れ

パソコンを操作している男性の手元

(出典) pixta.jp

志望動機を書くに当たり、いくつかのポイントがあります。書き方や盛り込みたい内容など、基本の流れを解説します。適当に書き始めるのではなく、動機やエピソードの順番や書き方のコツを押さえておくのが大切です。

端的に結論から書く

志望動機の基本的なポイントは、業種を問わず「結論から書くこと」です。志望動機を聞かれた場合は、まず志望した理由を書きましょう。

志望動機だけでなく、履歴書や面接など全てにおいて「結論から伝える」点は重要です。限られたスペースや時間で大切な内容を伝える際には、最初に結論を持ってきましょう。

結論から伝えるだけで志望動機が明確になり、話の脱線や結論を伝えきれないといったリスクを軽減できます。

具体的なエピソードを交えて書く

志望動機には、理由やきっかけがあります。結論を書いた後は、具体的なエピソードを盛り込みましょう。

エピソードを盛り込むことで、担当者の印象に残りやすくなります。また、志望動機の理由付けとして説得力が増すはずです。

「なぜエンジニアを目指したのか」「なぜこの企業に応募したのか」といった理由を、エピソードとともに書きましょう。あくまでも志望動機であることを忘れず、長々とした自分語りにならないように注意が必要です。

入社後にどう貢献できるかを書く

志望動機のまとめとして、入社後のビジョンを書くと採用後のイメージが湧きやすくなります。どのような仕事をして、自分が何に貢献できるのかを具体的に明示しましょう。

入社後すぐのイメージよりも、数年間を意識して組み立てると、キャリアの方向性もアピールできます。社内での将来像は仕事を長く続ける意思がくみ取れるため、定着してくれそうな人材としての評価も得られるでしょう。

入社後のビジョンは、志望動機から自然につながるものを書くのがポイントです。「〇〇というサービスに携わりたいからエンジニアを目指した」という志望動機なら、「貴社には〇〇を扱う〇〇部があるので、いずれは〇〇部で活躍したい」などとアピールしましょう。

エンジニアを目指す場合の志望動機の例文

手帳に記入する手元

(出典) pixta.jp

志望動機を書くに当たって、未経験者と経験者では内容が異なります。それぞれのケースで使える例文を見ていきましょう。

未経験者の場合

未経験から目指す場合、プログラミングやエンジニアとしての実務経験はありません。職業を問わずアピールできる項目をピックアップし、熱意を伝えるのがポイントです。

仕事以外で何らかのプログラミング経験やIT関連の趣味がある場合は、動機に加えてみるのもよいでしょう。何もないのであれば、これまでの仕事とエンジニアの共通点を探してアピールできる項目を探ります。例文を見てみましょう。

【例文】

〇年間IT系企業の営業として働いてきて、製品を作る側であるエンジニアに興味を持ちました。お客様に商品をアピールする際に、「こんな機能があったらいいのに」と伝えられるケースも多く、制作側として希望を実現したいと考えたためです。

専門学校では〇〇言語の基礎を学んでおり、現在も独学ですが勉強を続けています。未経験でも研修や指導が充実しているとの説明をうかがい、エンジニアの業務経験はありませんが、ぜひチャレンジしてみたいと考えました。

一定の経験がある場合

エンジニアやプログラミングの経験者であれば、これまでの実務経験をアピールするのが近道です。なぜその企業を選んだのかという点を中心に、スキルをPRしましょう。例文を紹介します。

【例文】

〇〇株式会社で〇年間、主にプログラミング業務に携わっています。エンジニアとして運営・開発に携わりたいと考えていましたが、現在の職場では募集がないため貴社への応募を決めました。

現職ではプログラミング以外の仕事を任されるケースも増えてきており、エンジニアとしての業務の基本は理解しています。

貴社が扱っている〇〇サービスは現職と通じる部分があり、これまでの経験を生かして業務に当たれるのではないかと考えています。

未経験者がアピールすべきポイント

考え事をするスーツの男性

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未経験者の場合、プログラムの知識や仕事面でのアピールポイントが少なくなってしまいます。知識や経験がない分は、ほかのところでPRしましょう。志望動機に盛り込みたい内容を紹介します。

コミュニケーション能力

エンジニアにとって、クライアントや職場の仲間とコミュニケーションを取り、開発の方向性や進め方を決めていくのも重要な仕事です。前職の仕事内容や性格的な長所によっては、コミュニケーション能力をアピールできます。

これまで接客やクライアントとの交渉に携わってきた経験がるのであれば、仕事の上でコミュニケーションが取れるところを、志望動機に付け加えてみましょう。

部下を取りまとめてきた経験も、チームの仲間との調整に役立ちます。志望動機でコミュニケーション能力をアピールする場合は、これまでの経験やスキルを、入社後にどのように生かせるのかに主軸を置いて書くのがおすすめです。

スケジュール・自己管理能力

システム開発で製品やサービスを作り上げる際には、クライアントが納期を指定します。決められた納期通りに業務を終わらせるのも、重要な仕事です。

スケジュール調整や自己管理能力は、これまでの職種を問わずアピールできます。仕事の中で自己管理能力を発揮したエピソードを、志望動機に盛り込んでみましょう。

チームを指揮したことがある人なら、スケジュール調整能力の具体例を挙げ、個人の課題管理や体調管理に長けているながら、自己管理能力の具体例を挙げるとアピールできます。できるだけ具体的なエピソードを盛り込むと、担当者の心に残りやすくなるでしょう。

学び続ける意欲

IT業界は開発途上の分野でもあり、常に革新的なサービスや商品が生まれています。開発分野に携わるのであれば、学び続けようとする意識は必須です。

プログラミングやシステム開発について学んでいても、最新の情報は常に変化していきます。情勢の変化に迅速に対応し、技術や知識を取り入れていく姿勢が大切です。

志望動機に意欲的な姿勢を盛り込みたい場合は、資格取得に取り組んだ経験や仕事に生かす方法、社内でキャリアアップを目指していきたい気持ちを書くとよいでしょう。

エンジニアへの転職で避けたいポイント

履歴書を見ている男性

(出典) pixta.jp

志望動機を書くに当たり、アピールのつもりで失敗するケースがあります。避けた方がよい文言やポイントを押さえておくのも大切です。一般的に避けた方がよいとされるポイントを見ていきましょう。

「独立」など離職を思わせる言葉

スキルを持つエンジニアには需要があり、独立してフリーランスや起業を目指す人も少なくありません。しかし、転職の際は「独立」「起業」「ステップアップのため」など、離職をイメージさせる表現は避けた方がよいでしょう。

社員の起業を積極的に後押ししている企業でない限り、すぐに辞めてしまう人材は企業にとってリスクと捉えられます。前向きさやチャレンジ精神をアピールしたい場合でも、社内でのスキルアップ・キャリア育成に留めておくのがおすすめです。

将来のキャリアやビジョンを伝える場合は、1つの企業で長く働くイメージを重視しましょう。

「学びたい」など受け身の姿勢

未経験から目指す場合は、「勉強したい」「学びたい」などの言葉を志望動機に入れるケースもあります。

書き方によっては受け身な姿勢に見えてしまうため、企業がメリットとして推している場合を除いて避けた方がよいでしょう。自分から積極的に学んでいく姿勢がないと、マイナスポイントとして受け止められてしまいます。

特にIT系の専門職は、自分から新しい知識をアップデートしていく気持ちが必要です。スキルだけを学んで転職しようと考えているのではないかと誤解されないためにも、企業側の指導だけを期待する表現は避けましょう。

企業がエンジニアに求める人物像は?

履歴書を見ている男性

(出典) pixta.jp

企業は履歴書や面接で、どこを見ているのでしょうか?エンジニアに求められている人物像と、評価につながる性質を紹介します。志望動機を書く上でも、求められている人材を意識するのがポイントです。

論理的な思考力がある

プログラムやシステムの開発・運用には、論理的に考える力が必要です。雑な指示ではシステムが動かず、エラーの原因になります。

未経験であっても、論理的な思考力があれば、プログラムの意味や成り立ちを理解しやすいはずです。エンジニアを育成しようとしている企業は、適性を判断するために論理的思考ができる人物かどうかを見ています。

履歴書に志望動機を書く際にも、順序や書き方に気を配りましょう。理路整然とした文章が書けていれば、論理的な思考力ができる証明になります。

なぜその結論に達したのか、感情面ではなく客観的に理由を突き詰めるようにすると、企業の求める人材へと近づくでしょう。

忍耐強く丁寧

クライアントとのやりとりやシステム開発には、柔軟な対応が求められます。最初の取り決めだけでスムーズに業務が進むわけではなく、開発を進めながら何度も修正や方向転換をしなければなりません。

クライアントの希望が途中で変更になるケースもあり、忍耐強さと丁寧さは欠かせない能力です。忍耐力があれば細かい作業を苦にせず、きめ細やかな調整やサポートをこなせるでしょう。

忍耐力が読み取れる志望動機であれば、採用担当者へのアピールにつながります。仕事の経験や入社後のビジョンを伝える際に、忍耐強さが分かるエピソードを盛り込んでみるのもよいでしょう。

自分から提案できる

エンジニアの仕事は、与えられた要望をそのまま満たすだけのものではありません。自分からよりよくするための提案ができてこそ、素晴らしい製品・サービスを作り上げられます。

提案力、プレゼン能力のある人は、多くの企業に求められる人材です。会議での発言やプレゼン実績について、志望動機の中でアピールするのもよいでしょう。

積極的に的確な提案ができる人材は、さまざまな場面で活躍できます。クライアントはITの知識がなく、明確な希望を形にできないケースも多いでしょう。開発側の人間が要望に合わせた案を出すことで、スムーズに仕事が進むはずです。

まとめ:企業の目に留まる志望動機を書き上げよう

履歴書を用意する男性

(出典) pixta.jp

エンジニアを目指して志望動機を考える際には、企業が求める人材を考慮した上で内容を精査しましょう。特に未経験者は、これまでの職務経験の中から、職業を問わず生かせるスキルや特性をアピールするのがポイントです。

スタンバイでは、エンジニアの求人も探せます。未経験から始められる仕事もあり、これまでの職務経験を問わずにチャレンジできるでしょう。応募する企業が見つかっていないのであれば、志望動機を考える前に応募したい企業を絞り込むのが大切です。

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