社会人経験が浅いと「正社員はこんなにきついのか」と、鬱々とした気分になる日もあるはずです。「正社員がきつい」と感じた場合の対処法を解説します。正社員のメリットとデメリットも紹介するので、正社員になるか悩んでいる人の指針になるはずです。
正社員がきついと感じる理由
もし今「正社員がきつい」という思いに支配されているなら、その感情が生まれた理由を探ってみましょう。理由が分かれば、おのずと解決法も見えてくるはずです。
仕事内容が自分に合っていないから
業務内容が自分に合っていないと、「正社員はきつい」と感じる場面が多くなります。仕事を選ぶ際に自己分析をしっかりしていても、その仕事が向いているかどうかは、その仕事に就いてみないと分かりません。
例えば、「1人で黙々とできる仕事がしたくて事務職を選んだのに、社内外の人とのやりとりの多さにしんどさを感じてしまう」というように、理想と現実のギャップに苦しむ人は大勢います。
仕事内容が少し合わない程度なら、努力や工夫によりカバーできます。しかし、浮き彫りになったミスマッチがその仕事の根幹に関わるものだと、仕事自体がきつくなってしまうのは必然といえるでしょう。
重い責任が付きまとうから
責任が伴う仕事を任されることにストレスやプレッシャーを感じ、「正社員はきつい」と感じてしまうケースもあります。
正社員は所属する企業の中核を担う存在です。パートやアルバイトには任せられない重要度の高い仕事を担当する場面が多くなるため、のしかかるプレッシャーが大きくなるのは必至です。
プレッシャーを期待と捉えて頑張れる人であれば、責任の重さをやりがいに変換しながら仕事に臨めます。しかしそうではない人にとって、正社員の重責は重荷にしかなりません。
労働条件が過酷だから
待遇や労働環境が悪いと、「正社員はきつい」と感じてしまう場面が多くなります。
正社員の労働条件に対する不満でよく見られるのが、希望通りに休日が取れない点です。まとまった休みを取れなかったり、有給休暇を申請しにくい職場の雰囲気だったりすると、休日に関する不満がたまりやすくなります。
休日が少ないと、仕事の疲れを癒やすのが難しくなります。過労はモチベーションの維持に深く関係する要素です。そのため、十分に休みが取れないとネガティブな思いに支配されがちになります。
正社員がきついときに試したい対処法
正社員がきついと感じる理由をはっきりさせたら、その感情を打ち消すすべを考えてみましょう。その感情は、少しの工夫により解消できる可能性があります。できるものから試してみましょう。
きついと感じる業務の改善を図る
仕事の内容が合わなくてきつさを感じているなら、業務の進め方の改善が有効です。業務を改善して効率化させれば、しんどいと感じていた部分が解消される可能性があります。
業務改善の具体例として挙げられるのが、仕事に優先順位を設定することです。重要度や緊急性の高い仕事から片付けることで、残業を少なくしたり、精神的負担を解消したりする効果が期待できます。
「仕事がきつい」と感じたときは、どのような業務にしんどさを感じているのか分析し、ピンポイントでてこ入れすることが重要です。
前向きに取り組める目標を設定する
仕事内容がきつくて正社員に嫌気が差しているなら、業務が楽しくなるような目標を作ってみましょう。仕事に前向きになれて、きついと感じる場面が少なくなる可能性があります。
例えば、タスクに時間制限を設けたり、ルーティンワークに要する時間を計って昨日の自分とタイムレースをしたりするとよいでしょう。ゲーム感覚で仕事ができる上に、小さな達成感がやりがいにもつながります。
目標は、少し頑張れば達成できるレベルに設定するのがおすすめです。目標が大きすぎると、達成できず自己肯定感を下げてしまう危険性があります。
配置転換や異動を申し出る
自分の努力ではどうにもならない問題を抱えているなら、配置転換や異動を職場に相談するのも1つの方法です。仕事を辞めずに状況を変えられる可能性があります。
「正社員がきつい」という感情の裏には、「仕事内容が根本的に合わない」「どうしても反りの合わない先輩がいる」など、のっぴきならない事情が隠れている可能性があります。配置転換や異動が認められれば、これらの問題を根本から解消可能です。
配置転換や異動を申し出る際は、置かれた状況や問題解決に向けた考えをしっかり整理してから上司に相談しましょう。考え抜いた上での決断であると伝われば、配置転換や異動を前向きに検討してもらいやすくなります。
どうしても改善できないなら転職を検討
配置転換や異動を申し出たけれど、取り合ってもらえなかった場合には、思い切って転職を検討しましょう。希望の条件に合う仕事に転職すれば、悩みを一掃できるかもしれません。
ただ、転職にはリスクが付きまといます。転職したからといって、自分の個性に合う仕事に必ず出合えるとは限りません。
きつさの理由から転職を検討しているなら、自己分析や企業分析をしっかり行って、限りなく理想に近い仕事を見つけるように心掛けましょう。きつさから一刻も早く逃げたいからといって、転職先を妥協するのは危険です。
正社員のメリット・デメリット
正社員になるかどうか悩んでいるなら、正社員のメリットとデメリットを把握しておきましょう。イメージだけで判断を下してしまうと、後悔する可能性があるためです。正社員のメリットとデメリットについて解説します。
正社員のメリット
正社員のメリットとしてよく挙げられるのが、安定が手に入る点です。正社員は、よほどの問題を起こさない限り解雇されません。自らの雇用を気にしながら働く必要がないので、安心して仕事に打ち込めます。
他の雇用形態よりも収入が高い傾向があるのも、大きなメリットです。「結婚して子どもを育てる」「持ち家を購入する」といったライフプランを立てやすくなります。
そのほかにも、正社員には以下のようなメリットがあります。
- 教育制度が充実している
- 社会保険が整っている
- 社会的な信用度が高い
大きな責任を負う一方で、多くのメリットを享受できるのが正社員という働き方です。
正社員のデメリット
正社員のデメリットとしてまず挙げられるのが、転勤や異動があることです。たとえ望まない勤務地や仕事内容でも、正社員は転勤や異動を断れません。環境の変化にストレスを感じやすい人にとっては、大きな負担となるでしょう。
長期休暇を取るのが難しいのも、正社員のデメリットです。プライベートを充実させたい人にとっては、不自由な働き方といえるでしょう。
そのほかにも、正社員には以下のようなデメリットがあります。
- 重い責任がのしかかる
- 残業や休日出勤がある
- やりたい仕事に就けない可能性がある
正社員のデメリットは、自由が制限される側面が強いといえそうです。
きつい仕事を続けるリスク
きついと感じている仕事を継続するリスクを解説します。「正社員がきつい」と感じている人は、自分に当てはまる項目がないかチェックしてみましょう。
ストレス過多による体調不良
きつい仕事を続けると、絶えずストレスを受けることになります。限度を超えるとストレスを抱えきれなくなり、体調を崩してしまう可能性が高まるので、注意が必要です。
ストレス過多によって起こり得る体調不良には、以下のようなものがあります。
- 不眠症
- うつ病
- 胃潰瘍
- 心筋梗塞
ストレス過多になっていても、適度に休みが取れていて、ストレスを解消できているなら問題ありません。もし出勤時に腹痛・胃痛・頭痛など、ストレス過多のサインと思われる症状に襲われるようなら、適切な休息が必要だと考えましょう。
成長速度が鈍化する
「仕事がきつい」「正社員を続けるのがつらい」など、後ろ向きな気持ちのまま仕事を続けていると、新しい業務にチャレンジする意欲が湧いてこないため、成長スピードが落ちる可能性があります。
「仕事が楽しくてたまらない」という人は、新しいスキルの取得や知識の吸収に貪欲になれるため、意識しなくても必然的に成長していきます。
一方で、「正社員がきつい」と感じながら働いている人は、仕事に対して積極的になれないため、成長も望めません。仕事を通して成長したいと考えているなら、心の底から「楽しい」と思える仕事に従事するのが近道です。
正社員以外の選択肢
正社員がきついと感じた場合は、正社員以外の選択肢に目を向けることも重要です。人によっては、他の雇用形態のほうがのびのび働けるのかもしれません。正社員以外の雇用形態について解説します。
契約社員
契約社員とは、雇用期間が決められている社員のことです。労働基準法第14条により契約期間は原則3年以内とされ、契約期間が終了すれば、新しく仕事を探すことになります。契約終了後に更新されれば、再契約も可能です。
契約社員のメリットは、正社員と違って転勤や異動がない点です。新しい土地で人間関係を築くのに負担を感じる人には、ぴったりの働き方といえます。
希望の仕事に就ける可能性が高いのも、契約社員のメリットです。正社員だと就職が難しい仕事でも、契約社員なら就けるチャンスがあります。挑戦したい仕事があるなら、契約社員から始めてみるのも選択肢の1つです。
派遣社員
派遣社員とは、人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業で業務に従事する雇用形態です。人材派遣会社に登録し、職種や勤務地などの希望を伝え、それに見合った派遣先を紹介してもらい、就業します。
派遣社員のメリットは、ライフスタイルに合った働き方を実現できる点です。勤務地・勤務日数・勤務時間などを自由に選べるので、プライベートと仕事を両立させたい人におすすめの働き方といえます。
希望の仕事に就ける可能性が高いのも、派遣社員のメリットです。正社員だと就業が難しい業界でも、派遣社員ならチャレンジできる可能性が広がります。
パート・アルバイト
パート・アルバイトとは、正社員と比べて所定の労働時間が短い労働者のことです。主に主婦や主夫向けの短時間労働を「パート」、学生やフリーター向けの短時間労働を「アルバイト」と呼びます。
パート・アルバイトのメリットは、勤務日や勤務時間が自由なことです。自分の予定や目標月収に合わせてシフトを組めるので、仕事よりもプライベートを優先させたい人にぴったりといえます。
仕事を辞めやすいのも、パート・アルバイトのメリットといえるでしょう。「自分に合っている仕事が分からない」「すぐにほかの仕事に興味が移ってしまう」といった人には、うってつけの働き方といえます。
まとめ:正社員のきつさや対処法を知り最良の選択を
現在進行形で正社員がきついと感じている人は、きついと感じる理由をはっきりさせて、きつさを解消するための対処法を探しましょう。
抱えている問題の性質によっては、少しの工夫できつさが消えてなくなる可能性もあるので、できることから積極的に試してみるのが有効です。
正社員になるかどうか悩んでいる人は、正社員のメリットとデメリットを確認し、フラットな気持ちでキャリアを選択するようにしましょう。「正社員=最良の選択」と思い込んでいると、後悔する可能性があるので注意が必要です。
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