CFOとはどのような仕事?必要なスキルと転職に役立つ資格を紹介

CFOは、企業の経営を財務面で支える存在です。経営には資金の調達・管理が欠かせないため、CFOは重要な役割を果たします。CFOの仕事内容や他の経営陣との違いを見ていきましょう。経営層を目指そうとしている人は、具体的に確認するのがおすすめです。

CFOの主な仕事内容

CFOのイメージ

(出典) pixta.jp

企業の経営において、CFO(Chief Financial Officer)は財務面を統括します。資金調達や財務戦略の策定などを担当するため、それらの業務について見ていきましょう。CEOやCOOなど、他の経営陣と協力して自社のビジネスを推進するのが主な任務です。

経営戦略・財務戦略の策定

CFOは経営陣の一員として、経営戦略の策定に携わります。経営の責任を担うCEOと協力し、ビジネスをどのように進めるのか考えるのが仕事です。

さらに、財務の専門家として経営戦略を実現するために必要な財務戦略を立案します。ビジネスを推し進める上で、必要な資金を調達して適切に運用する営みが欠かせません。

この段階では、必要な資金をどのように調達するのか、チームごとの予算をどう配分するのかを考えます。ビジネスに投資する金額や目指す利益額を定めることも重要です。

不要なコストを削減する施策を考えたり、状況に応じて目標となる利益率を見直したりするのもCFOの仕事といえます。

ビジネスに必要な資金の調達

財務戦略を策定する段階で必要な資金額を定めたら、それを実際に調達しなければなりません。自己資金で賄えない場合は、出資を募ったり金融機関から借り入れたりする必要があります。

投資家から出資を募る場合は、出資してくれる人を探して自社の株式を購入してもらうことが必要です。投資家は将来性がある企業に投資したいと考えているため、自社のビジネスを魅力的にアピールすることが大切といえます。

金融機関から借り入れる場合は、返済計画を定めたり財務状況を示して交渉したりするのが主な仕事です。CFOが優秀であれば必要な資金をスムーズに調達でき、ビジネスを進めやすくなります。

予算案の立案と執行

ビジネスに使える資金が集まったら、予算の立案に移ります。予算を立案する際の基本的な流れは、以下のように考えましょう。

  1. 各チーム・部署から必要な予算を提示してもらう
  2. 提示された予算を取りまとめて全社的な予算を決める
  3. 経営会議で予算を承認する

予算案を策定する段階では、経営戦略を実現するのに最適な構成になっているか、無駄な部分や不足している部分がないか、定めた目標を達成できそうかといった点を考えます。

問題が見つかった場合には、適宜修正が必要です。会議で予算が承認されたら、承認された内容に基づいて実務を執行します。

上場の準備

在籍中の企業が株式を上場することになった場合は、上場に向けた準備に携わります。上場準備段階におけるCFOの仕事内容の一例を挙げると、以下の通りです。

  • IPO計画の策定・実行
  • 決算の実施・取りまとめ
  • 上場の準備
  • 法令に基づく各種対応
  • 証券会社やステークホルダーとの渉外
  • 証券取引所の審査対応

予算の管理や資金調達などの日常業務に加えて、上記の業務を担当します。上場が近づくとCFOはさらに忙しくなるといえるでしょう。とはいえ、上場に携わる経験は、ビジネスパーソンにとって貴重なものです。

CFOとして活躍するのに必要なスキル

ビジネスパーソン

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財務の専門家としてビジネスを推進するCFOには、専門的なスキルが必要です。ここでは、CFOを目指す人が習得しておきたい3つのスキルを詳しく解説します。財務のスペシャリストとして活躍するためにも、日々スキルアップに励みましょう。

会計および財務全般の知識

CFOに就任すると財務全般を統括する立場になるため、財務や会計に関する広範なスキルが求められます。この分野における具体的なスキルの例は、以下の通りです。

  • キャッシュフローを管理するスキル
  • 適切に資金を調達するスキル
  • 売上を正確に把握して利益を算出するスキル

自社の財務状況を正確に把握し、必要に応じたアクションを起こすスキルが必要であるといえるでしょう。さらに、会計・財務にはさまざまな法令が関与するため、法令に関する知識も欠かせません。

特に資金調達は難易度が高い業務であるため、CFOのスキルレベルが結果を左右する分野といえます。

経営に関する総合的なスキル

財務を統括すると同時に、経営陣の一員として経営に携わるのもCFOの仕事です。そのため、経営に関する知識・スキルも欠かせません。具体的には、以下のようなスキルを求められるでしょう。

  • 自社をブランディングするスキル
  • 投資した費用に対して得られる効果を最大化するスキル
  • 自社の存在価値を高めるための戦略を考案するスキル

経営を統括するCEOに対して意見を述べたり、協力して経営戦略を策定したりするため、上記のスキルを磨いておくことが大切です。日々の業務では現場のスタッフを導く必要があることを考えると、リーダーシップを発揮する点も大切です。

リソースを適切に管理するマネジメントスキル

企業の経営においては、保有している4つのリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)を効率的に運用しなければなりません。上記のリソースをどのように運用すれば利益を最大化できるか考え、実行します。

上記の業務に携わる際には、マネジメントスキルが必要です。マネジメントスキルは複数の管理スキルを総称した呼称で、中には以下のものが含まれます。

  • 課題解決力
  • 決定力
  • リーダーシップ
  • ヒューマンスキル
  • アセスメントスキル

企業が保有する大きなリソースである、人材を適切に運用するスキルも必要です。適材適所の配置やきめ細やかなサポートで人材のポテンシャルを最大限に引き出せれば、さらなる高みを目指せるようになるでしょう。

CFOにキャリアアップする2つの方法

考え事をするビジネスパーソン

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キャリアアップを目的としてCFOを目指すには、在籍中の企業で経営層を目指す方法と転職する方法の2パターンがあります。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分が置かれている状況を考えて適切な方法を選ぶことが大切です。

現職の企業で経営者候補を目指す

在籍中の企業でCFOに就任する道が開かれており、自分が経営陣に加わる条件を満たしているのであれば、目指してみてもよいでしょう。在籍中の企業でCFOに就任できれば、これまでの業務経験を生かせるため働きやすいといえます。

自社の経営方針や主な事業戦略も知っているため、別の企業に転職する場合に比べて、パフォーマンスを発揮しやすい環境です。

各チームのトップから適性がある人を経営層にスカウトする制度や社内公募制度など、CFOになるために活用できる制度は企業によって異なります。まずは在籍中の企業で上記のルートが用意されていないか、チェックしてみましょう。

CFO候補の公開求人を探す

ベンチャー企業や中小企業では、自社にCFOに適した人材がいないため外部から調達しようとするケースがあります。外部からスキルを持つ人を招き入れたいと考えている企業が公開求人を出しているため、チェックしてみてもよいでしょう。

在籍中の企業でCFOになる道が開かれていない場合や、経営方針・事業方針に賛同できない場合、将来性を感じられない場合は、転職でCFOを目指すのがおすすめです。

転職を検討している人は、求人情報をチェックして自分のスキル・経験を生かせるところがないか探してみましょう。

CFOへの転職で評価される資格は?

会計の仕事のイメージ

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財務を統括するスペシャリストとはいえ、CFOへの転職で必須となる資格はありません。しかし、いくつかの資格を取得していると転職で有利になる可能性があるため、学習目標の一環として資格取得を目指すのも1つの方法です。CFOへの転職で評価される2つの資格を紹介します。

公認会計士

会計のスペシャリストに位置付けられている国家資格が、公認会計士です。公認会計士として監査法人などで働いた経験があれば、CFOへの転職において高く評価されるでしょう。IPOに携わった経験などは、より高く評価されます。

ただし、公認会計士は取得する難易度が高い資格です。これから取得する人にとっては試験範囲が広く学習が大変ではあるものの、会計・財務の専門家としてCFOへの転職を目指すのであれば、取得を目指してもよいでしょう。

CFO認定資格

CFOを目指す人を対象にした民間資格に、CFO認定資格があります。CFOに関する資格には以下のように複数あります。

  • ジェネラルCFO
  • グローバルCFO
  • プロフェッショナルCFO
  • スタンダードCFO

これから資格を取得する場合は、基礎に位置付けられているスタンダードCFOを最初に取得することをおすすめします。その後、プロフェッショナルCFOやグローバルCFOの取得を目指して、学習を続けるのが効果的です。

CFOは企業の経営を支える財務の専門家

前向きな男性

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CFOはCEOと協力して経営戦略を策定したり、資金調達・予算策定に携わったりする財務の専門家です。企業で財務関連の職種を担当していた人や公認会計士資格を取得している人など、財務に精通した人にとっておすすめのキャリアパスといえるでしょう。

CFOを目指す方法には、在籍中の企業でキャリアアップする方法と公開求人を探して転職する方法があります。いずれの方法にもメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

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