経理に向いている人の特徴とおすすめの資格は?仕事内容もチェック

経理の仕事に就きたいと考えているなら、向き・不向きをチェックするのがおすすめです。向いている人に共通する特徴を把握すれば、自分に合った仕事なのか考える材料になるでしょう。経理に向いている人の特徴や仕事内容、おすすめの資格を紹介します。

経理に向いている人の特徴

経理のビジネスマン

(出典) pixta.jp

経理への転職を考えている人の中には、仕事への適性があるか気になっている人もいるでしょう。向き・不向きを判断しやすくなるよう、まずは経理に向いている人の代表的な特徴を紹介します。

慎重さと責任感がある

経理は会社のお金を管理する重要な仕事です。業務でミスが発生すると事業運営に大きな影響を与える恐れがあるため、経理には数字を正確に確認・入力できる慎重さが求められます。

また責任感があることも、経理に向いている人の特徴です。お金を扱う仕事は責任を持って取り組む必要があるため、最後まできちんとやり遂げられる人が求められます。

慎重さと責任感があることは、経理にとって業務に関する適性の高さ以上に重要な資質です。応募書類や面接では、お金の管理を安心して任せられる人材だと思われなければなりません。

数字に対する苦手意識がない

経理に向いている人の特徴としては、数字に対する苦手意識がない点も挙げられます。経理の日々の業務では、さまざまな数字の確認・計算など、膨大な数字と対峙することになるためです。

計算に関してはExcelや経理ソフトで自動処理されるため、必ずしも計算が得意でなければいけないわけではありません。ただし、数字そのものに苦手意識があると、単調な作業が嫌になってしまう可能性があるでしょう。

毎日数字に向き合ってコツコツと業務を進める経理には、集中力や粘り強さも求められます。これまで単純作業に取り組んだ経験がある人なら、経理のルーチンワークは苦にならないでしょう。

コミュニケーションが得意

経理は机に向かって黙々と作業する仕事だと思われがちですが、それは経理の一面でしかありません。コツコツと数字の入力・計算を行うだけではなく、都度関係部署との連携や確認が発生します。

例えば、営業部から上がってきた数字を取りまとめるためには、担当営業者とのやりとりが必要です。経営層から売上や経費について質問を受けた場合は、現状を分かりやすく説明しなければなりません。

社内だけでなく、顧客や取引先とのやりとりも頻発します。そのため、コミュニケーションが得意な人・人当たりが柔らかい人は、経理に向くでしょう。

経理に向いていない人の特徴

経理作業

(出典) pixta.jp

経理の仕事には向き・不向きがあり、向いていない人は仕事がうまくいかなかったり、仕事を苦痛に感じたりするでしょう。経理に向いていない人の特徴を紹介します。

コツコツとした業務・数字が苦手

経理の仕事では、毎日似たような業務を担当するため、コツコツと業務を進めるのが苦手な人は経理には向きません。仕事に新鮮味を求める人や、日々刺激のある仕事をしたい人は、経理以外の仕事を探した方がよいでしょう。

基本的に、コツコツと真面目に作業を進めるのが苦手な人は、経理を含む事務職全般に不向きです。営業や接客業など、人に合わせる部分が多い仕事・イレギュラーな対応が多い仕事が向いています。

また、数字や計算が苦手な人も、転職先の仕事として経理を選ぶのは避けた方が無難です。経理の仕事では毎日のように数字と向き合うため、数字に対する感度が低い人も経理には向かないといえるでしょう。

大雑把すぎる・細かすぎる性格

ある程度大雑把であることは、むしろ経理に向いているといえます。必要以上に細かい数字にこだわりすぎると、全体を俯瞰する視点を持てなくなるためです。

ただし、大雑把すぎる性格は経理には不向きです。全体を俯瞰する必要があるとはいえ、最終的には一定レベル以上の正確さが求められるため、細かい数字にも強くなければなりません。

逆に、過度に細かすぎる性格もNGです。入力・計算ミスがないか慎重になりすぎる人は、無駄な確認作業が増えてしまうため、仕事に時間がかかりすぎる傾向があります。

仕事内容をチェックして向き・不向きを確認

経理の仕事

(出典) pixta.jp

経理の仕事に対する向き・不向きを知りたい場合は、仕事内容が自分に合うかどうかも確認するとよいでしょう。一般的な経理の1日の流れについても解説します。

企業活動で生じるお金の動きを管理する仕事

経理は、会社のお金の流れを把握・管理する仕事です。経理の仕事は、以下のように日次業務・月次業務・年次業務に大きく分けられます。

  • 日次業務:現預金の管理、入出金明細の確認、伝票入力など
  • 月次業務:請求書の発行・送付、月次決算書の作成、税金・社会保険料の納付など
  • 年次業務:決算書・法人税申告書の作成、年末調整、賞与計算など

日次業務が月次業務に、月次業務が年次業務に集約していくイメージです。業務サイクルは企業により異なるため、それぞれの業務の回数・タイミングは、企業ごとのルールに従う必要があります。

一般的な経理の1日は?

経理の1日のスケジュールは、一般的に以下のような流れで進みます。

<午前>

  • 仕事の準備:スケジュール確認、現金・帳簿の準備
  • 現金出納や伝票作成:経費精算、仮払い処理、伝票作成、領収書整理

<午後>

  • 預金管理:振込業務、現金の出し入れ、売掛金の入金確認、通帳記帳
  • 帳簿付け:現金出納の内容や預金の動きの帳簿付け

日によっては、次の業務が発生するケースもあります。

  • 未払金の管理・支払い
  • 買掛金の支払い、売掛金の回収
  • 固定資産の計上
  • 備品・在庫管理

日々行う業務は基本的には日次業務であり、日次業務に加えて月次業務・年次業務が発生する日もあるでしょう。

経理を目指す人におすすめの資格

簿記

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経理になるために必須の資格はありません。ただ、経理は専門性の高い職種であるため、専門資格を持っていれば転職に有利です。経理を目指す人におすすめの、代表的な資格を紹介します。

日商簿記

簿記とは、会社の取引や経営活動を帳簿に記録する技術のことです。日商簿記を取得すれば、会計の知識や財務諸表を読むスキル、基礎的な経営管理・分析スキルを証明できます。

日商簿記は、会計知識を身に付けられる資格の中でも知名度が高く、持っておくと大半の求人で有利になるでしょう。企業によっては、経理の必須資格としているケースもあります。

日商簿記にはレベルが定められており、1級・2級・3級・初級のいずれかを選択して受験することが可能です。まずは3級取得を目標にし、余裕があれば2級まで取得しておくと、実務に生かせる経理スキルをアピールできます。

簿記 | 商工会議所の検定試験

ビジネス会計検定

ビジネス会計検定は、仕事に必要な会計知識を身に付けられる資格です。財務諸表に関する知識・分析力があることを証明できます。

簿記検定では帳簿記録から財務諸表の作成までを主な出題範囲としているのに対し、ビジネス会計検定では主に作成された財務諸表の情報を利用する内容が問われます。出題範囲が重複している部分も多いため、両方取得すれば相互理解が深まるでしょう。

ビジネス会計検定は1〜3級までの3つのレベルが設定されており、2級と3級は入念に対策を行えば十分に合格を狙える試験です。

ビジネス会計検定試験 | あらゆるビジネスパーソンの仕事に活きる!

マイクロソフト オフィス スペシャリスト

マイクロソフトのオフィス製品を使いこなせるスキルを証明できる資格が、マイクロソフト オフィス スペシャリストです。Excel・Word・PowerPointの利用スキルを、客観的に証明できます。

近年はさまざまな経理ソフトが広く普及しているとはいえ、Excel・Wordもまだまだ多くの企業で用いられています。マイクロソフト オフィス スペシャリストを持っていれば、パソコンの基礎スキルを客観的に証明できるため、転職で有利に働くでしょう。

全国1,700カ所の試験会場では、ほぼ毎日試験が開催されています。受験の申し込みは、最寄りの試験会場で行うことが可能です。全国30前後の試験会場で行われる一斉試験も、毎月1~2回実施されています。

MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト

ファイナンシャル・プランニング技能検定

ファイナンシャル・プランニング技能検定は、ファイナンシャル・プランナーになるために必要な知識を学べる国家検定です。ファイナンシャル・プランナーとは、お金に関する幅広い知識を持つ専門家を指します。

ファイナンシャル・プランニング技能検定を取得すれば、経理の仕事に役立つ会計知識だけでなく、貯蓄・投資・相続など日常のお金に関する知識まで身に付けることが可能です。

ファイナンシャル・プランニング技能検定には1〜3級のレベルがあり、3級と2級では学科試験と実技試験が実施されます。一度取得すれば、更新する必要はありません。

日本FP協会

経理職に就く方法は?

就活生

(出典) pixta.jp

経理になる主な方法としては、現在の会社で異動を狙う方法と、他の会社に転職する方法があります。それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

企業規模が大きければ部署異動を狙う

現在働いている会社に経理部がある場合は、部署異動により経理を目指すことが可能です。直属の上司や人事部に相談すれば、異動に関する情報を得られるでしょう。

ただし、部署異動は簡単に実現するものではありません。単に経理への興味を示すだけでは、異動するのは困難です。経理で生かせるスキルがあることを、証明する必要があります。

今の部署で十分な成果を上げていない場合も、経理への異動を実現するのは難しいでしょう。まずは今の部署で結果を残し、経理に異動しても活躍できる人材であると認められなければなりません。

求人サイトから転職活動を行う

現在の職場で部署異動が難しい場合や、他の会社で経理として働きたい場合は、転職を検討するのがおすすめです。未経験者でもアピールできる知識・スキルがあれば、採用される可能性は十分にあります。

経理の仕事を探す場合は、求人サイトを利用するとよいでしょう。求人数が多い媒体を利用すれば、数多くの選択肢から自分に合った会社を選べます。

どの求人サイトがよいのか分からない人は、「スタンバイ」で仕事を探すのがおすすめです。全国の求人が豊富に掲載されているため、経理の仕事もすぐに見つかります。

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自分の適性を見極めて経理として働こう

経理作業

(出典) pixta.jp

経理の仕事には向き・不向きがあるため、経理になりたいのであれば自分の適性を見極める必要があります。まずは、自分が経理に向いているのかを確認しましょう。

経理としての適性があると判断できたら、転職活動を行う前に資格を取得するのがおすすめです。経理に役立つ資格を取得していれば、転職で有利になります。

現在働いている会社で部署異動ができそうか確認し、難しい場合は求人サイトで転職先を探しましょう。