会社の事務や社外対応を担当する総務とは、何をする仕事なのでしょうか?主な仕事内容や向いている人の特徴を押さえておくと、転職・就職にも役立ちます。必要とされるスキルや、持っておくと役立つ資格も確認しましょう。
総務に向いている人の特徴
希望する部署を決める前に、向き不向きを考えておくのは重要なポイントです。総務に向いている性質とは、どのようなものなのでしょうか?主な特徴を紹介します。
協調性がある
総務は各部署との連携や、取引先とのコミュニケーションを取る部署です。多くの人とやりとりをしなければならず、協調性が求められます。
社内で必要な手続きを総務が請け負うため、日々多くの人と話すことになるでしょう。電話受付や来客対応など、対応方法は状況によって異なります。メールやFAXでのやりとりも一般的です。
全般的に相手があって成り立つ業務のため、人とのやりとりに抵抗を感じない人に適しています。さまざまな部署や会社に属する人と、うまく仕事を進めていく能力が必要です。
気配り上手
総務の仕事内容は多様で、1つの作業を繰り返すものではありません。同僚との連携や、他部署の社員への確認など、気配りが求められます。多くの人と連携を図り、取引先への対応も任されるため、こまやかな気遣いができると評価につながるでしょう。
相談や依頼に対して事務的に対応するだけでなく、個別の事情に合わせて適切な配慮ができる人が向いているでしょう。
急いでいる人にはなるべく早く返答し、特別な事情があれば対応を変えるなど、各部署での仕事がスムーズに進められるよう考えなければなりません。
柔軟な対応能力
複数の仕事を同時に引き受け、急ぎの依頼をスピーディーにこなすなど、事務処理には的確な対応能力が求められます。
総務の仕事は、細かい作業が大半です。「取引先が来社するまでに必要な準備を済ませる」「部長に急ぎの用件を伝える」など、優先順位や締め切りのある仕事が多くなります。
場合によっては、臨機応変な対応が求められるケースもあるでしょう。状況に合わせて対応の順番や方法を変える柔軟性や、判断力も必要です。
総務の主な仕事内容
総務は会社によって立ち位置が異なり、仕事の内容が明確に決まっているわけではありません。しかし、ある程度の傾向は決まっています。一般的に、総務で対応するケースが多い仕事内容を見ていきましょう。
施設や備品、文書の管理
総務や事務が担当する主な仕事として、施設管理や備品の発注、文書管理があります。社内で使う備品の発注・在庫管理は、日々行わなければなりません。各部署からの依頼をまとめ、発注を担当します。
施設管理もよくある業務です。ビルにメンテナンス業者が入っている場合は施設管理の必要はほとんどありませんが、依頼が必要なケースでは総務が窓口となって対応します。
社内で保管・廃棄の判断が必要な重要書類を管理するのも、総務担当の仕事です。契約書・請求書など、一定期間の保存が求められる書類が集まってくるでしょう。
社内規程の策定
社内規程は、就業規則や各部署のルールのようなものです。一般的に、会社を立ち上げる際に作られます。
多くの場合は経営者や幹部がルールを決めますが、現場での運用ルールや細かい規則は、各部署の意見をまとめる総務部に判断が任されるケースもあるでしょう。
普段から各部署の様子をよく知る総務担当者は、適切な改定案の作成や規則作りが可能です。社員から意見が届いた際には、規程を見直す作業も求められます。
行事などの企画運営
社内行事の企画運営は、会社によって担当部署が異なります。重要な行事であれば、特定の事務局が対応するケースもあるでしょう。特別に事務局や対策室が立ち上げられていない場合は、一般的に総務部の担当になります。
総務部が担当する主な行事として、株主総会や取締役会が挙げられます。企画だけでなく当日の進行まで任されるため、長い期間にわたり行事関連の対応で忙しくなるでしょう。
参加者の確認や会場の確保、当日の予定を決めるなど、業務内容は多岐にわたります。行事の企画運営を任された場合には、行事が成功裏に終わるようしっかり準備をしなければなりません。
総務に必要なスキルとは?
事務処理や雑務を任される機会の多い総務では、どのようなスキルが評価されるのでしょうか?目指す上で、持っておきたいスキルを紹介します。
パソコンの基本スキルと事務処理能力
総務の仕事は、その多くが事務処理です。取引先へのメール送信や書類の作成、計算などはパソコンで処理します。基本的なパソコンスキルとして、ビジネスソフトの使い方やタイピングを学んでおかなければなりません。
パソコンスキルの証明としてOfficeソフト関連の資格や、タイピングスキルを証明する検定結果などが役立ちます。
そのほかに事務処理能力も必要です。Excelの使用経験や、メール・電話・来客対応におけるビジネスマナーは必須となるでしょう。1つの仕事だけでなく、幅広い事務作業に対応できるスキルが求められます。
スケジュール管理能力
いくつもの事務処理を同時進行で進める総務担当者には、スケジュール管理能力が必要です。それぞれの仕事の締め切りを把握し、優先順位の高いものから終わらせていかなければなりません。
締め切りまで余裕がある仕事も場合によってはありますが、スケジュール管理をしっかり行わなければ間に合わなくなってしまいます。どの仕事をいつまでに終わらせるのか自分で決めておき、予定通りに遂行するのが基本です。
また、企画の運営や役員のスケジュール管理を任されるケースもあり、次の予定を正確に把握する能力も求められます。
総務におすすめの資格
仕事に役立つ資格を取得すると、対応できる業務が増え、キャリアアップを目指せます。総務担当者におすすめの資格を確認しましょう。
社会保険労務士
社会保険労務士は、従業員の労務や社会保険について専門的な知識を身に付ける資格です。社員の相談に乗る機会が多い総務担当者が社会保険労務士の資格を持っていると、適切な対応ができます。
労務相談や社会保険の手続きなど、専門知識を生かして業務に就くことも可能です。労務管理の知識があれば、就業規則の改定や提案もしやすくなります。
社会保険労務士の受験には、一定の学歴または実務経験が必要です。単位数や授業時間数が定められているため、受験資格があるかは公式サイトで確認しましょう。
ビジネス・キャリア検定
ビジネス・キャリア検定は、自分に必要な分野を選択して試験を受けられるのが特徴です。級に応じて、該当部署を目指す人から実務経験者まで対象としています。
総務分野では2級と3級の受験が可能です。社内管理・社外対応・経営サポートに関する内容が試験範囲となっており、総務に必要なスキルを学べます。
法務の知識も身に付けたいと考えているのであれば、企業法務分野の試験も検討しましょう。1級から3級までの試験があり、2級では組織法務・取引法務に関する内容が試験範囲となっています。
厚生労働省が後援しており、実務に必要なスキルや知識を全般的に学べる内容です。現状の実務能力を評価するだけでなく、新しい知識を身に付ける上でも役立つ検定といえるでしょう。
会社を支える総務を目指そう
さまざまな事務処理を担当する総務は、各部署の社員が仕事をスムーズに進める上で大切な役割を担っています。総務部で活躍したいと考えているのであれば、パソコンスキルや事務処理能力を身に付けましょう。
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これまでの仕事経験だけでなく、社会保険労務士の資格やパソコン関連のスキルを持っているのであれば、即戦力として貢献できる可能性が高まります。多くの人をサポートする仕事をしたい人は、総務を目指してみましょう。