「雑工」は、建設現場や工場などで重要な役割を担っています。どのような職種なのか、具体的な仕事内容を紹介します。雑工として活躍するために必要とされる能力やキャリアパスについても把握し、仕事選びの参考にしましょう。
雑工とはどんな職種?
そもそも「雑工(ざっこう)」という職種があることを知らない人もいるのではないでしょうか?どのような職種なのか、雇用形態などと併せて紹介します。
現場で補助作業をする人
雑工は、建設現場や工場などで、特定の専門技術を必要としない幅広い作業を担当する職種です。現場がスムーズに進行するためのサポート役であり、職人たちが集中して専門的な作業を行うための補助をします。
例えば、現場の掃除や重い資材を運ぶ作業など、職人が効率良く動けるようにサポートをする役割があります。そのため、雑工は現場に欠かせない存在といえるでしょう。
なお、混同されがちな「多能工(たのうこう)」は、職人をサポートするという点では同じですが、専門知識や技術を持ち、職人とほぼ同等の作業ができる人を指します。
未経験でも始めやすい仕事
雑工は専門的な知識や技術がなくても始められることが多く、未経験者でもチャレンジしやすい仕事です。職場では職人や先輩から指導を受けられるため、初めてでも安心して仕事を始められます。
経験を積みながら仕事の幅を広げ、徐々に難易度の高い作業に挑戦していける点が、未経験者にとって魅力的な部分です。
現場全体がうまく回るためのサポートをしていることに達成感を感じたり、チームの一員として貢献しているという意識を持ったりできるのも、雑工の魅力といえます。
多様な雇用・勤務・給与形態
雑工の雇用形態は、正社員・契約社員・アルバイト・パートなどさまざまです。勤務形態も短期や土日のみなど、個々の希望に合わせて選べます。企業によって給与形態も異なり、月給制・日給制・時給制があります。
ただし、基本的に特別なスキルを要する仕事ではないため、昇給しにくいといわれています。
また、作業服・ヘルメット・安全靴・手袋など、作業に必要なものを各自でそろえる必要があることも珍しくありません。消耗品のため、出費がかさむこともあるでしょう。
雑工の主な仕事内容
雑工の仕事は多岐にわたり、現場によって任される仕事が異なります。主にどのような仕事をするのか、見ていきましょう。
現場の養生・清掃
雑工の代表的な仕事は、現場の養生と清掃です。養生は建材や設備を外部の環境から守るための措置で、雨やほこり、衝撃から保護する役割があります。安全性や品質確保のためにも、欠かせない重要な作業です。
また、清掃も現場の安全性を確保し、作業環境を快適に保つために必要な仕事です。作業中や作業後にごみや汚れを取り除くことで、事故やけがを防ぎます。清掃によって現場の整理整頓が進むと、作業効率も向上するでしょう。
資材・道具の整理や運搬
現場ではさまざまな資材や道具が使われます。雑工はそれらを準備し、作業が効率良く進むように整理します。
また、資材や道具、機材などを所定の場所に運ぶのも仕事です。鉄骨やコンクリートなど重量物を運ぶこともあります。資材によっては、フォークリフトなどの機械を使用することも珍しくありません。
運搬作業は現場で作業をする上で欠かせないもので、雑工がその役割を担うことで、職人たちは作業に集中しやすくなります。
職人のサポート
高いスキルを持ち合わせている職人でも、現場での作業は多岐にわたるため、雑工が職人のサポートをすることが珍しくありません。例えば、資材を用途に応じてカットしたり、加工したりといったサポートを行います。場合によっては、職人の見習いとしてサポートをすることもあるでしょう。
現状、建築業界では人手が不足しているといわれています。雑工として職人のサポートをしながらスキルを磨けるように、人材育成に力を入れている企業も少なくありません。
雑工に求められる能力
雑工として活躍するためには、どのような能力が必要なのでしょうか?必要とされる主な能力を紹介します。
体力と持久力
雑工は、体力と持久力が必要な作業が多い仕事です。重い資材や道具の運搬など、体に負担がかかることが多く、日常的に体力が必要です。長時間の立ち作業や歩き回ることも多いため、持久力もあった方がよいでしょう。
また、作業現場は天候や環境の影響を受けやすく、過酷な状況下で作業を行うこともあります。決められた納期に間に合うように、暑い日や寒い日でも、屋外で作業しなければならないことも、体力と持久力が必要とされる理由です。
過酷な環境下では、体力だけでなく、集中力も途切れがちになります。現場での気の緩みが危険な事故につながることもあるため、集中力を保ち続けるのも大切な能力です。
臨機応変な対応
雑工は、現場で複数の職人からさまざまな指示を受けます。作業を円滑に進めるためには、高いコミュニケーション能力と臨機応変に対応できる能力が不可欠です。
責任者に進捗状況を報告したり、他の作業員に指示を伝えたりする場面もあります。コミュニケーション能力が低いと、認識の違いからミスが発生し、作業に支障を来すことも考えられます。
さらに、スケジュール通りに作業を進めるには、時間管理能力も重要です。現場では予期しない状況が発生することも珍しくありません。スケジュールの変更や急な作業依頼があった場合には、臨機応変に対応する必要があります。
基本的な工具の使い方
現場では作業に合わせてさまざまな工具を使用するため、それらを安全に効率良く扱う必要があります。雑工は未経験でも始めやすい仕事ですが、即戦力として働くためには、ハンマー・ノコギリ・ドライバーなど、基本的な工具の使い方を知っておくことが必要です。
また、現場では機械を使用することも多く、基本的な操作方法やメンテナンスの知識が求められることも珍しくありません。定期的に機械のメンテナンスやクリーニングを行うことで、故障などのトラブルを防ぎ、作業の効率を高められます。
雑工のキャリアパス
仕事を選ぶ際には、どのようなキャリアパスがあるのか把握することが大切です。雑工のキャリアパスについて紹介します。自分が望むキャリアなのか検討する際の参考にしましょう。
資格を取得してスキルアップ
資格を取得することで、専門的な知識や技術を証明でき、職場での信頼や評価を高められます。
例えば、クレーンやフォークリフトなどの資格を取得すると、重機や資材の運搬作業を安全に行えるようになり、業務の幅が広がるでしょう。危険物の取り扱いや高所作業などの資格を取得すれば、現場でのリーダーシップを発揮できることもあります。
中には資格を必須としている現場もあるため、資格があればスキルアップはもちろん、就職・転職の際にも有利です。
経験を積んで職人として活躍
雑工として現場で経験を積めば、いずれは職人として活躍できる可能性があります。
専門的な知識や技術を持たなくても、現場で専門用語や作業手順を理解していくうちに、雑工や職人の動き方を学べます。雑工として得た知識や経験は、職人としてのキャリアを築く上で役立つため、成長のための重要なステップとなります。
また、雑工はさまざまな職人のサポートを行うのが仕事です。職人の技術を間近で見られるため、自分の進むべき道を見つけやすいでしょう。場合によっては、見習いとして職人から専門的な技術を学べる機会が得られる可能性もあります。
雑工は未経験からでも目指せる
雑工は、建設現場や工場などにおいて、職人のサポートをはじめとする幅広い作業を担当します。専門的な知識は必要とされないことが多く、未経験からでも始めやすいのが魅力です。また、雇用・勤務形態が多様なため、個々のライフスタイルに合わせて働けます。
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